フルムーン・オクロック

瑠俱院 阿修羅

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11. 逃亡

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涙の粒に洗い流されたように、星空はどこかへ消し飛んでしまった。
〈なりそこない天使〉を乗せたユニコーンの木馬は、昼間の空を飛んでいた。めまいのするほど広く、深く青い空。
今の今まで見ていた宇宙空間とのギャップに、〈なりそこない天使〉はとまどった。
雲をよけながら、時々はそのもやっとした切れ端にまとわりつかれるようにして、ユニコーンは空を駆けてゆく。
山に近づくにつれ、空はブルーから淡い水色に変わっている。
ここはもう『約束の天体』なのだろうか。
下を見てみた。
そこだけきらきらと星の瞬く天幕に覆われたコロシアムがアルファベットの「O」の字のように見えた。
〈なりそこない天使〉はがっかりした。
ここはまだ、あのわけのわからない世界だ。
〈なりそこない天使〉はなんだか最初と違うような気がしてもう一度、自分の乗り物を見た。
それはユニコーンの木馬ではなくなっていた。
ケンタウルスペガサスだ。
〈なりそこない天使〉は彼の人間の体をした上半身の、もりあがった肩甲骨の部分を取っ手のようにつかんでいた。
「いろんなものに化けられるんだね」
「誰かの懐かしい家と同じで、目をあざむいているだけさ。しかし、『化ける』はひどいな」
「翼があるのにてくてく歩いて、おかしいと思ってんだ。やっぱり君、空を飛べるんだね」
「黄金のマスクがふり落とされるのを嫌って、いつも飛ぶことを禁じているんだ。飛んでいいのは、追われて逃げる時だけ」
「これも儀式の続きなの?」
「いや。儀式とは関係ない。僕は儀式場から君を連れて逃げ出したんだ。実はイクテュースたちに頼みたいことがあってね。だが、これまで[旅立つ子供]をさんざん横取りして彼らから『盗賊カモメ』と目のカタキにされている僕が突然頼みごとをしに行って聞いてもらえるとは思えない。だけど、君を無事に返したら、たぶん、話くらいは聞いてもらえるだろう。おい、何をくちゃくちゃやってるんだ」
「イクテュースがくれた[銀さじ]の葉。疲れをとるものらしいけど、頭の中がこんぐらがった時にも効くかもしれないと思って」
「混乱するのも無理はないな。さっきはイクテュースたちを悪者呼ばわりしてたものね。でも、あれは黄金のマスクに適当に話を合わせてただけだ。イクテュースもコネホも、天海王とグルなんかじゃない。本当は僕、コアトリクエや黄金のマスクの手伝いなんかするの、嫌なんだよ。コアトリクエのまやかしにも、黄金のマスクの下手なキタラ琴にも、もううんざりだ。子供たちは『約束の天体』へ行っても幸せになんかなれない。動物に生まれ変わっているんだから。動物が幸せじゃないという意味じゃないよ。僕だって、半分は動物だ。その子のためにもともと用意されていた時間が手に入らないと言いたいんだ」
言っていることはよくわからないが、〈なりそこない天使〉はとりあえずほっとした。
動物に生まれ変わったら、心の中に浮かんでくる数々の楽しい遊びは何一つできない。
そこで、〈なりそこない天使〉ははっとした。
翼の生える前の自分が人間の子供だったと、たった今思い出したのだ。
「地の神子コアトリクエは月の望みで『約束の天体』へ[旅立つ子供]たちを送る送りべの役を任じられたと自分では言っているけど、あれはウソだ。昔、この『いのちの島』のすべての水に映った月という月からいっせいに[月の子]が孵化した。だけど、無事に育ったのは『月のしずくの塔』のイシュアクアと『月明かりのコロシアム』のコアトリクエだけ。つまり、あの二人は姉妹なんだ。でも、月がその役目に選んだのは、妹のイシュアクアの方だった。コアトリクエはそれをねたんで、形ばかりのマネをしているんだ。ただの古びた円形劇場を『月明かりのコロシアム』と名づけ、術を使ってその上空に星空の天幕を張ってね。確かに彼女には並はずれた力がある。でも、子供たちを人間に生まれ変わらせることができず、動物にしてしまう。だから、僕は彼女の術をある程度伝授されても、尊敬することはできなかったし、仕えるのにふさわしい相手とは思えなかった。わがままで、身勝手で」
「じゃあ、そもそも、どうしてそんなニセモノに仕え始めたの?」
「最初はコアトリクエの方が本物だと信じこまされていたんだ。でも、妹のイシュアクアから手紙が来て、そうじゃないってことに気づいた。それで、ずっと、逃げ出すチャンスをうかがっていたのさ」
妹。なりそこない天使は、この言葉に何か懐かしいものを感じた。
けれども、その言葉には同時に何かとても悲しい響きがあった。
「ある時、伝書飛行ヤギがイシュアクアのもとから手紙を運んできた。その後で部屋の前を通りかかったら、コアトリクエがものすごいけんまくで怒ってるんだ。それで、どんなことが書いてあったんだろうと気になって、彼女の留守にこっそり手紙を読ませてもらった。そしたら、『自分勝手な送りの儀式で子供たちを動物にするのはやめてください』と書いてあったんだ」
「ということは、やっぱりイクテュースたちの方が正しかったの?」
「それはわからない。月が送りべにと選んだのがイシュアクアだったことは確かだが、見たわけでもないのに子供たちが『約束の天体』で以前と同じ子供になって、本当なら生きられるはずだった時間を生きていると言い切ることはできないよ。僕がうたぐり深過ぎるのかもしれない、とにかく今は、彼らに協力してもらいたいんだ」
事情はどうあれ、これでイクテュースとコネホにまた会える。
「『太陰石』の水鏡に映ったのは、君だね」
「ずっと、上空から見張ってた。岩山の砦の方に降りずに『太陰石』の方に引き寄せられたら、トンネルのところでさらうという手はずになっているんだ」
ケンタウルスペガサスは話しながら少しずつ高度を下げていった。
「降りるよ。しっかりつかまって」
ケンタウルスペガサスは渦巻き状の森のはずれ目指して急降下した。
「イクテュースたちを見つけたの?」
「いや。まだほかにも用事があるんだ」
あぶみなど着けていないので足のふんばりようもないまま、〈なりそこない天使〉はひたすら膝をしめつけ。肩甲骨の取っ手にしがみつく。
目はぎゅっと閉じている。
ふっ、と風の抵抗がやんだ。地面に着いたと思って目を開ける。
木立ちの中に小さな湖があり、ケンタウルスペガサスはそのほとりの木がまばらになったあたりにいるのだった。
しかし、まだ地面に降りてはいなかった。
地上1メートルくらいの高さで羽ばたきながら高度を調節し、ケンタウルスペガサスはふわりと全く衝撃を感じさせない見事な着地をした。
「僕は昔、この湖のほとりで三人の仲間と一緒に音楽を奏でながら暮らしていた。黄金のマスクに出会い、ヤツの口車にのせられてコアトリクエの手下に加えられるまでね。仲間の一人が、妖精の薄羽をもつ人魚だ。彼女のウロコは銀色に光るからすぐに見つけられるはずなんだけど、ここにはいないな。ほかを捜そう」
そう言うなり、ケンタウルスペガサスは駆けだした。また飛ぶつもりだ。そう思って〈なりそこない天使〉が体をかがめて身がまえたところで、ケンタウルスペガサスはいきなり停止した。
なりそこない天使は、彼の背中に思い切り鼻をぶつけてしまった。
「見て」
ケンタウルスペガサスが地面を指さす。
なりそこない天使はケンタウルスペガサスの足元にあるものを一目見るなり、足がすくんで動けなくなってしまった。
それは頭が二つある蛇だった。
「メデューサスフィンクスの枝毛だ。彼女はいらいらすると、枝毛を切るクセがある。この近くにいるんだな」
メデューサとは髪の毛が全部ヘビでできているというギリシャ神話のあの怪物だろうか。
そして、スフィンクスは顔が女性で胴体がライオン、さらに鷲の翼をもっているという怪物のことだ。
その二つの怪物を合わせた怪物がこの近くにいるなんて。
〈なりそこない天使〉は身震いした。
ばさばさと羽ばたきの音がして、大きな黒いシルエットが舞い降りてきた。
「ケンタウルスペガサス。いいところに来てくれた。一大事だ」
メデューサスフィンクスは〈なりそこない天使〉になど目もくれず、ケンタウルスペガサスの横に着地して羽ばたきながら、必死でうったえかけてきた。
美しいがきつい感じのする女性の顔が翼の生えた獣の肩から上についている。
女性も鳥も獣も、それぞれ本物を見た記憶があるが、こんなふうにまぜこぜになっていると、なんとも奇妙な感じだった。
「どうした。何が起こったんだ」
ケンタウルスペガサスが聞くと、彼女は真っ青な顔で答えた。
「ミノタウルスイカロスがつかまった」
ミノタウルスイカロス。
これまでのごちゃ混ぜ生物たちを見ていて、〈なりそこない天使〉には大体のさっしがついていた。
きっと、作り物の翼を腕に着けた半牛半人の生き物だ。でも、それが「つかまった」というのはどういうことだろうか。このうえまだ、誰かが誰かをさらうとしたら…。
「もしかして、化け物鳥に?」
〈なりそこない天使〉は心に浮かんだことを、そのまま言葉にした。
「誰が化け物鳥だ」
メデューサスフィンクスが憤慨しながら、初めて〈なりそこない天使〉を見た。
思った以上に鋭い目で見すえられ、〈なりそこない天使〉は憶えて危うくケンタウルスペガサスの背から落ちそうになった。
「この子が言ってるのは祈りの鳥のことだよ。君じゃない」
「ああ、そうだったのか。悪かった」
「それより、さらわれたって、どういうことだ」
「『さらわれた』というのは正確じゃないかもしれない。多分、ミノタウルスイカロスが自分で迷いこんだのだろう」
「ああ。それならわかる。あいつはどんな場所でも、たちどころに迷宮にしてしまう恐るべき才能を持っているからな」
「どういうこと?」
なりそこない天使が聞く。
「つまり、稀代の方向音痴なのだ」
メデューサスフィンクスが答える。
「で、どこへ迷いこんだんだ」
「『アンモナイトの森』に迷いこみ、『月のしずくの塔』に入ったらしい。このままだと、あいつが今朝この島を訪れた〈旅立つ子供〉とみなされて儀式を受けることになる」
「なんてことだ。『月のしずくの塔』へ一緒に行ってほしいと頼みに来たのに、彼だけ一足先に『月のしずくの塔』に行ってるなんて。しかも、儀式を受けてしまったら、もう僕たちの手の届かないところへ行ってしまう」
ケンタウルスペガサスはしゃべり終わってもまだ感情の昂ぶりが治まらないらしく、ヒヒーンと2回いなないた。
それから少し冷静になって、こう言った。
「僕は君たち三人に、とても重要なことを手伝ってもらうつもりで来たんだ。人魚は?」
「たまには広い海で泳ぎたいと言って、海まで飛んで行った。あの薄羽は一度濡れると乾くまで時間がかかるから、しばらくは戻らないだろうな」
「そうか。こんな時にかぎって。ともかく、一刻の猶予もない。こんなところで立ち話もなんだから、あとは空の上で話そう」
「いいとも」
ケンタウルスペガサスが木の少ない開けた場所をぐるっと回って助走をつけ、逆風を利用して飛び上がり、上昇気流に乗った。
メデューサスフィンクスもあとに続いた。
上空で飛行が安定してから横に並ぶまでずっと、なりそこない天使は肉食動物と草食動物を思い浮かべていた。
メデューサスフィンクスの翼は小さいので、ケンタウルスペガサスの約2倍のピッチで羽ばたきながら寄ってきた。
「さあ、空の上だ。私たちに用とは何だ?」
「実は、伝説の救い主を見たんだ」
「その、かわいいがまぬけな顔をした天使のことか?」
歯茎までむき出して笑いながら、頭じゅうヘビだらけの女の顔が鼻先まで迫ってきた。
〈なりそこない天使〉の顔は恐怖にひきつり、もう少しで肩甲骨の取っ手を放してしまいそうになった。
「この子は飛べないんだ。怖がらせるのはやめてくれ。落ちてしまう」
「落ちても大丈夫だろう。今のその姿は、魂にまとっている仮の姿なんだから」
「天海王の手に落ちて、いけにえにされてしまう」
「天海王の使いの鳥は、ここからは子供をさらっていかない」
「ところがどっこい、今朝、〈旅立つ子供〉の到着を見張っている時、僕は天海王本人がこの島目指して小舟を漕ぎだしてくるところを見てしまったんだ。よほど、子供の魂に飢えてたんだな。貝殻化石の平原から子供がさらわれないうちに連れ出さなければと内心、気が気じゃなかったよ。子供たちを怖がらせちゃいけないと思って、言葉や態度に出さないように気をつけてはいたけど。さいわい24人目の〈旅立つ子供〉が来ていたから、儀式が行なえた。間一髪というヤツさ。魂が天海王のえじきになってしまったら、もう宇宙空間を漂うこともできない。生まれ変わりのチャンスも永遠に失われてしまう。それよりは、どんな姿になっても、宇宙のどこかで生き延びたほうがいいに決まってるからね。今頃天海王が行っても、子供はいないし『まやかしの街』ももぬけのカラだ」
「それじゃ、何が問題なんだ」
「さっきも言っただろう。救い主だよ。僕は〈旅立つ子供〉をさらう罠をしかけに行く途中、救い主がふらふらと森のはずれを歩いているのを見たんだ」
「救い主だという証拠があるのか?」
「〈旅立つ子供〉なら海の上を飛んできて『いのちの島』に降り立つはずだろう。だが、その子供は森から出てきた。一度も見かけたことのない子供だったんだ。というのも、空を飛べる生き物の姿ではなく、少し年かさだったが本物の子供の姿のままだったからだ。そんな子供は『貝殻化石の平原』の『幻の懐かしい家』か『まやかしの街』にしかいないはずなんだ。どこにもいないはずの子供。つまり、いつか現れると言う伝説の救い主だよ」
「なるほど。これまでにいなかったタイプの子供ということだけは確かだな」
「ところが、悪いことに、救い主が貝殻化石の平原に向かっていた。天海王が子供を見つけたら、どうなる?」
「連れて行かれる」
メデューサスフィンクスの青ざめた顔に、眉間のタテじわが加わった。
「そう。せっかく全ての魂を『約束の天体』へ導く使命を帯びてこのムーン・ラに来ていながら、おめおめと天海王のえじきにされてしまうんだ。だから、どうにかして助けなければ。あの時は、儀式で子供たちを逃がしてやるのが先決だと思って、救い主の危機を目の当たりにしながら上空を通り過ぎることしかできなかった。間に合えばいいけど」
「救い主なら、自分の力でなんとかできはしないか?」
「キリストだって救い主だった。でも、最後はどうなった?」
「それもそうだな。急ごう」
こんな会話が続いている間、なりそこない天使の心をまったく別のものが占めていた。
イクテュースのことだ。
澄んだ湖のようなあの目には何か、なりそこない天使の心を騒がせるものがある。
目の中に、謎を解く鍵があるような気がする。
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