12 / 20
12. メドューサスフィンクス
しおりを挟む
とにかく、〈なりそこない天使〉は、イクテュースにまた会えると、そればかり考えていた。
〈なりそこない天使〉は空の上から時々、イクテュースとコネホの姿を捜し求めて下を見てみた。
森の中心の渦巻き状の木立の付近は、自分一人で飛んでいた時に見たよりだいぶ明るくなっている。
まだ道にいるなら、二人が見えるはずだ。
だが、どこにも見あたらない。
もしかして、もう『月のしずくの塔』へ行ってしまったのだろうか。
だとしたら、ミノタウルスイカロスとかいう半人半獣の儀式を行っているのかもしれない。
〈なりそこない天使〉は、そんなことはない。『約束の天体』へ行くのは自分のはずだから。多分木の陰になって見えないだけだ、と自分に言い聞かせた。
「ところで、どうしてミノタウルスイカロスが『月のしずくの塔』にいるとわかったんだ?きみはロボが怖くてあそこへは近づけないはずだろう」
「誰がそんなことを言った。私は、不気味なオオカミ男が目のけがれになるから近寄りたくないと言ったのだ。実はさっき、空の散歩を楽しんでいたら、『月のしずくの塔』へ帰る途中の伝書サラマンドラを見かけてな、ちょいと頭のヘビをけしかけて、いつものように噴きかけてくる火をよけるスリルを味わって遊んでやろうとしたら、きょうはもう火が残っていなかった。で、どんな内容の手紙を運んだのかとほんの少し爪を出しほんの少し牙をむいて訊ねたら、親切に教えてくれた」
「あいつの言うことがわかるのは、君だけだもんなあ。イクテュースたちに言葉が通じたら、わずらわしい足カンなんかをわざわざつけて運ばなくてもいいのに」
「あんな怪物とこんな美しい私の間で会話が通じるというのは、ちょっとプライドが傷つくが」
「君の気位の高さは、まるで女王様だな」
「謎を解かれたくらいで崖から飛び降りた、プライドの高い伝説の生き物に化身しただけのことはあるだろう。憶えてはいないが、きっとこの世界に来る前は女王か大富豪のご令嬢だ。それなのにあのウサギ小僧は、私の化身した姿を笑い者にした。今度会ったらひっかき傷でもつけてやりたいと、前々から思っていたんだ」
「それはまた次の機会にしてくれ。今は、救い主の救出に成功したら『月のしずくの塔』にかくまってくれと頼みに行くんだから」
〈なりそこない天使〉は、ここでようやく理解した。
彼らも自分と同じように、気がついたら空を飛べる生き物になってこの世界に迷いこんできた。
つまりは、イクテュースの言う〈旅だつ子供〉だったのだと。
そして、『月のしずくの塔』へ案内されてゆく途中で逃げ出したのだ。
おそらくはコネホの、ドの過ぎるからかいと鼻持ちならない態度のせいで。
まず、美しい紺碧の水をたたえた堀に反射する光が、生い茂る木々の葉の隙間から見えた。
少しして、『月のしずくの塔』の胸壁の凹凸が少しずつ姿を現した。
自分で飛んでいた時には夜が明けたばかりだった塔の周りの森は、すっかり昼間の明るさになっている。
「まずい。あのへんがあれだけ明るいということは、彼らが儀式を行う[満月時]まで、もう間もないということじゃないか」
高度が下がると渦巻き状の道は森の木々の枝にまぎれ、偶然できたほかのむき出しの地面と大差なくなり、やがて見えなくなった。
「ミノタウルスイカロス!ええい、ロボが目のけがれなどと言っている場合じゃない。今、助けに行くぞ」
メデューサスフィンクスが急降下する。
追ってケンタウルスペガサスも、もうなりそこない天使のことなど気づかうことなく後に続いた。
なりそこない天使は叫び声をあげかけて開いた口に入ってくる冷たい空気と風圧に驚き、あわてて閉じた。
目をぎゅっと閉じ、肩甲骨の取っ手に必死でしがみつく。
きっともう、耳は凍ってちぎれて鼻はつぶれているに違いないと思った。
果てしない何十秒かの後、かなりの衝撃があった。
薄目を開けてみると、周りの風景がもう止まっていた。
そこが空中ではないと知ってからも、なりそこない天使は体の力が抜けずにいた。
ずり落ちるようにして、塔の屋上に降りる。膝ががくがくした。
いさんで空中から先頭きって急降下したメデューサスフィンクスは、望楼の壁にしがみつこうとして、左右四本ずつの縦線を入れてぶざまに屋上にずり落ちていた。
彼女はすぐに起き上がり、優雅な足取りで威厳をとりつくろおうとした。
三名は望楼の裏側に用心深く回りこんだ。
「やはり、いた」
先頭のメデューサスフィンクスが、ヘビだらけの目立つ頭をさっとひっこめる。
「いた、って誰が?」
なりそこない天使は一瞬、イクテュースを思い浮かべた。
「ロボだ。塔の歩哨を担当している」
なりそこない天使はこわごわ望楼の向こう側をのぞきこんだ。
灰色の毛皮を着、虹彩の薄い灰色の目をした、いわばオオカミ版コネホと呼べそうながっしりした体格の男が、入口の前にどっかとかまえていた。
彼は四方八方に油断なく、目を配っている。
「儀式の邪魔をする者は、あいつの手にかかって首をへし折られる」
ケンタウルスペガサスが言う。
「誰か、前に首をへし折られたの?」
なりそこない天使が聞く。
「首をへし折られたと報告に戻ってこれるヤツなんか、いるものか」
「じゃあ、どうして首をへし折られるってわかるの?」
「あの凶暴な顔を見ればわかるであろうが」
メデューサスフィンクスが見下したように言う。
「何者だ」
ロボの割れ鐘のような声があたりに響く。
「ほら、行って。今日、儀式を受けるはずだったんですけど道に迷っちゃって、とか何とか言うんだ。万が一の時は、首をへし折られる前に助けに行くから」
それからでは遅いんじゃ、と言おうとした時にはすでに、望楼の陰から広々とした屋上のテラスに追いやられていた。
「あのう…」
なりそこない天使はロボの前で口ごもった。
ロボは首をへし折るどころか、首を撫でられる犬のように目を細めて、なりそこない天使を見た。
「道の途中で消えた、天使の姿をした[旅立つ子供]というのは、君だな」
ロボの優しい口調に勇気を得て、なりそこない天使はこう言った。
「そう。だから、あのう…中に入れてほしいんだけど」
「気の毒だが、あの水球時計を見てごらん」
イクテュースが首にかけていた時計を大きくしたようなものが石のアーチの下に浮いていた。
中のイルカ針は、ジャンプで一番高いところへ行って今から降りる時の形をしていた。
「今は〈満月時〉、フルムーン・オクロックとも言うのだが、それを少し過ぎたところ。もう、塔の最上階にある『送りの部屋』の六角音楽堂では儀式が始まっている。送りの儀式は一度に一人しか受けられないんだよ」
これを聞いて、ケンタウルスペガサスとメデューサスフィンクスは「ミノタウルスイカロス」と叫びながら、我先に望楼の入口になだれこんだ。
「こら、待て」
ロボはなりそこない天使をほったらかして、二人の後を追っていった。
なりそこない天使はロボに追われたらいちもくさんに逃げるつもりでいたが、逆にその後を追うかたちになった。
望楼の入口から中をのぞく。
薄暗く、粗削りの石でできた階段は急で、そこを駆け下りていくケンタウルスペガサスを見ながら、馬の脚でどうやったらそんなに速く降りられるのだろうと、なりそこない天使は不思議に思った。
らせん階段なので先がどうなっているのか見えない。
なりそこない天使が入るのをためらっていると、いきなり屋上のテラスの一部分だけがエメラルドグリーンに輝いた。
そこだけテラスの床が透明になっていて、下から光が透けてきている。氷のような透明なもの。
これはガラス。たしか、そういう名前だ。
近づいてみると屋上の透明な床は六角形だった。
下をのぞいてみた。光の中に数人の人影。
まぶしかった光がやや弱まると、そこに入ろうとして入れずにいるケンタウルスペガサスとメデューサスフィンクスの姿が見えた。
六角形の音楽堂は、天井と同じ材質の透明な壁で囲まれていることが分かった。半人半獣の両名がその周りを回りながら、両手と前脚でそれぞれ入口を探して透明な壁を押したり叩いたりしていた。
いつの間に屋上に戻ってきたのか、ロボがなりそこない天使のすぐ後ろに来ていた。
「この段階まで来たら、もう外からは開けられない。今度、音楽堂が開くのは[旅立ちの儀式]が終わって[旅立つ子供]が『約束の天体』へ発ってからだ」
ロボは自分の役目がまっとうできたことに満足した表情で、腕組みした。
〈なりそこない天使〉は空の上から時々、イクテュースとコネホの姿を捜し求めて下を見てみた。
森の中心の渦巻き状の木立の付近は、自分一人で飛んでいた時に見たよりだいぶ明るくなっている。
まだ道にいるなら、二人が見えるはずだ。
だが、どこにも見あたらない。
もしかして、もう『月のしずくの塔』へ行ってしまったのだろうか。
だとしたら、ミノタウルスイカロスとかいう半人半獣の儀式を行っているのかもしれない。
〈なりそこない天使〉は、そんなことはない。『約束の天体』へ行くのは自分のはずだから。多分木の陰になって見えないだけだ、と自分に言い聞かせた。
「ところで、どうしてミノタウルスイカロスが『月のしずくの塔』にいるとわかったんだ?きみはロボが怖くてあそこへは近づけないはずだろう」
「誰がそんなことを言った。私は、不気味なオオカミ男が目のけがれになるから近寄りたくないと言ったのだ。実はさっき、空の散歩を楽しんでいたら、『月のしずくの塔』へ帰る途中の伝書サラマンドラを見かけてな、ちょいと頭のヘビをけしかけて、いつものように噴きかけてくる火をよけるスリルを味わって遊んでやろうとしたら、きょうはもう火が残っていなかった。で、どんな内容の手紙を運んだのかとほんの少し爪を出しほんの少し牙をむいて訊ねたら、親切に教えてくれた」
「あいつの言うことがわかるのは、君だけだもんなあ。イクテュースたちに言葉が通じたら、わずらわしい足カンなんかをわざわざつけて運ばなくてもいいのに」
「あんな怪物とこんな美しい私の間で会話が通じるというのは、ちょっとプライドが傷つくが」
「君の気位の高さは、まるで女王様だな」
「謎を解かれたくらいで崖から飛び降りた、プライドの高い伝説の生き物に化身しただけのことはあるだろう。憶えてはいないが、きっとこの世界に来る前は女王か大富豪のご令嬢だ。それなのにあのウサギ小僧は、私の化身した姿を笑い者にした。今度会ったらひっかき傷でもつけてやりたいと、前々から思っていたんだ」
「それはまた次の機会にしてくれ。今は、救い主の救出に成功したら『月のしずくの塔』にかくまってくれと頼みに行くんだから」
〈なりそこない天使〉は、ここでようやく理解した。
彼らも自分と同じように、気がついたら空を飛べる生き物になってこの世界に迷いこんできた。
つまりは、イクテュースの言う〈旅だつ子供〉だったのだと。
そして、『月のしずくの塔』へ案内されてゆく途中で逃げ出したのだ。
おそらくはコネホの、ドの過ぎるからかいと鼻持ちならない態度のせいで。
まず、美しい紺碧の水をたたえた堀に反射する光が、生い茂る木々の葉の隙間から見えた。
少しして、『月のしずくの塔』の胸壁の凹凸が少しずつ姿を現した。
自分で飛んでいた時には夜が明けたばかりだった塔の周りの森は、すっかり昼間の明るさになっている。
「まずい。あのへんがあれだけ明るいということは、彼らが儀式を行う[満月時]まで、もう間もないということじゃないか」
高度が下がると渦巻き状の道は森の木々の枝にまぎれ、偶然できたほかのむき出しの地面と大差なくなり、やがて見えなくなった。
「ミノタウルスイカロス!ええい、ロボが目のけがれなどと言っている場合じゃない。今、助けに行くぞ」
メデューサスフィンクスが急降下する。
追ってケンタウルスペガサスも、もうなりそこない天使のことなど気づかうことなく後に続いた。
なりそこない天使は叫び声をあげかけて開いた口に入ってくる冷たい空気と風圧に驚き、あわてて閉じた。
目をぎゅっと閉じ、肩甲骨の取っ手に必死でしがみつく。
きっともう、耳は凍ってちぎれて鼻はつぶれているに違いないと思った。
果てしない何十秒かの後、かなりの衝撃があった。
薄目を開けてみると、周りの風景がもう止まっていた。
そこが空中ではないと知ってからも、なりそこない天使は体の力が抜けずにいた。
ずり落ちるようにして、塔の屋上に降りる。膝ががくがくした。
いさんで空中から先頭きって急降下したメデューサスフィンクスは、望楼の壁にしがみつこうとして、左右四本ずつの縦線を入れてぶざまに屋上にずり落ちていた。
彼女はすぐに起き上がり、優雅な足取りで威厳をとりつくろおうとした。
三名は望楼の裏側に用心深く回りこんだ。
「やはり、いた」
先頭のメデューサスフィンクスが、ヘビだらけの目立つ頭をさっとひっこめる。
「いた、って誰が?」
なりそこない天使は一瞬、イクテュースを思い浮かべた。
「ロボだ。塔の歩哨を担当している」
なりそこない天使はこわごわ望楼の向こう側をのぞきこんだ。
灰色の毛皮を着、虹彩の薄い灰色の目をした、いわばオオカミ版コネホと呼べそうながっしりした体格の男が、入口の前にどっかとかまえていた。
彼は四方八方に油断なく、目を配っている。
「儀式の邪魔をする者は、あいつの手にかかって首をへし折られる」
ケンタウルスペガサスが言う。
「誰か、前に首をへし折られたの?」
なりそこない天使が聞く。
「首をへし折られたと報告に戻ってこれるヤツなんか、いるものか」
「じゃあ、どうして首をへし折られるってわかるの?」
「あの凶暴な顔を見ればわかるであろうが」
メデューサスフィンクスが見下したように言う。
「何者だ」
ロボの割れ鐘のような声があたりに響く。
「ほら、行って。今日、儀式を受けるはずだったんですけど道に迷っちゃって、とか何とか言うんだ。万が一の時は、首をへし折られる前に助けに行くから」
それからでは遅いんじゃ、と言おうとした時にはすでに、望楼の陰から広々とした屋上のテラスに追いやられていた。
「あのう…」
なりそこない天使はロボの前で口ごもった。
ロボは首をへし折るどころか、首を撫でられる犬のように目を細めて、なりそこない天使を見た。
「道の途中で消えた、天使の姿をした[旅立つ子供]というのは、君だな」
ロボの優しい口調に勇気を得て、なりそこない天使はこう言った。
「そう。だから、あのう…中に入れてほしいんだけど」
「気の毒だが、あの水球時計を見てごらん」
イクテュースが首にかけていた時計を大きくしたようなものが石のアーチの下に浮いていた。
中のイルカ針は、ジャンプで一番高いところへ行って今から降りる時の形をしていた。
「今は〈満月時〉、フルムーン・オクロックとも言うのだが、それを少し過ぎたところ。もう、塔の最上階にある『送りの部屋』の六角音楽堂では儀式が始まっている。送りの儀式は一度に一人しか受けられないんだよ」
これを聞いて、ケンタウルスペガサスとメデューサスフィンクスは「ミノタウルスイカロス」と叫びながら、我先に望楼の入口になだれこんだ。
「こら、待て」
ロボはなりそこない天使をほったらかして、二人の後を追っていった。
なりそこない天使はロボに追われたらいちもくさんに逃げるつもりでいたが、逆にその後を追うかたちになった。
望楼の入口から中をのぞく。
薄暗く、粗削りの石でできた階段は急で、そこを駆け下りていくケンタウルスペガサスを見ながら、馬の脚でどうやったらそんなに速く降りられるのだろうと、なりそこない天使は不思議に思った。
らせん階段なので先がどうなっているのか見えない。
なりそこない天使が入るのをためらっていると、いきなり屋上のテラスの一部分だけがエメラルドグリーンに輝いた。
そこだけテラスの床が透明になっていて、下から光が透けてきている。氷のような透明なもの。
これはガラス。たしか、そういう名前だ。
近づいてみると屋上の透明な床は六角形だった。
下をのぞいてみた。光の中に数人の人影。
まぶしかった光がやや弱まると、そこに入ろうとして入れずにいるケンタウルスペガサスとメデューサスフィンクスの姿が見えた。
六角形の音楽堂は、天井と同じ材質の透明な壁で囲まれていることが分かった。半人半獣の両名がその周りを回りながら、両手と前脚でそれぞれ入口を探して透明な壁を押したり叩いたりしていた。
いつの間に屋上に戻ってきたのか、ロボがなりそこない天使のすぐ後ろに来ていた。
「この段階まで来たら、もう外からは開けられない。今度、音楽堂が開くのは[旅立ちの儀式]が終わって[旅立つ子供]が『約束の天体』へ発ってからだ」
ロボは自分の役目がまっとうできたことに満足した表情で、腕組みした。
0
あなたにおすすめの小説
左左左右右左左 ~いらないモノ、売ります~
菱沼あゆ
児童書・童話
菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。
『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。
旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』
大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
はるのものがたり
柏木みのり
児童書・童話
春樹(はるき)が突然逝ってしまって一ヶ月。いつも自分を守ってくれていた最愛の兄を亡くした中学二年生の春花(はるか)と親友を亡くした中学三年生の俊(しゅん)は、隣の世界から春樹に来た招待状を受け取る。頼り切っていた兄がいなくなり少しずつ変わっていく春花とそれを見守る俊。学校の日常と『お隣』での様々な出来事の中、二人は気持ちを寄せ合い、春樹を失った悲しみを乗り越えようとする。
「9日間」「春の音が聴こえる」「魔法使いたちへ」と関連してくる物語。
(also @ なろう)
大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。
takemot
児童書・童話
薬草を採りに入った森で、魔獣に襲われた僕。そんな僕を助けてくれたのは、一人の女性。胸のあたりまである長い白銀色の髪。ルビーのように綺麗な赤い瞳。身にまとうのは、真っ黒なローブ。彼女は、僕にいきなりこう尋ねました。
「シチュー作れる?」
…………へ?
彼女の正体は、『森の魔女』。
誰もが崇拝したくなるような魔女。とんでもない力を持っている魔女。魔獣がわんさか生息する森を牛耳っている魔女。
そんな噂を聞いて、目を輝かせていた時代が僕にもありました。
どういうわけか、僕は彼女の弟子になったのですが……。
「うう。早くして。お腹がすいて死にそうなんだよ」
「あ、さっきよりミルク多めで!」
「今日はダラダラするって決めてたから!」
はあ……。師匠、もっとしっかりしてくださいよ。
子供っぽい師匠。そんな師匠に、今日も僕は振り回されっぱなし。
でも時折、大人っぽい師匠がそこにいて……。
師匠と弟子がおりなす不思議な物語。師匠が子供っぽい理由とは。そして、大人っぽい師匠の壮絶な過去とは。
表紙のイラストは大崎あむさん(https://twitter.com/oosakiamu)からいただきました。
宇宙人は恋をする!
山碕田鶴
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞/奨励賞を受賞しました。ありがとうございました。】
私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。
全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの?
中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉
(表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろ」様に感謝)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる