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第36章:やさしい手のひらに、ほどかれていく心と身体
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ソファの灯りを落とし、静かにカーテンが閉められる。
私の鼓動だけが、自分の中で響いていた。
桐谷の手が、私の肩にそっと触れる。
「……ドレス、脱がせてもいい?」
「……うん……」
首元のホックが外され、
黒のドレスが静かに肩から滑り落ちると、
肌が一気に空気に触れて、ひんやりとした感覚が走る。
ランジェリーの上に、桐谷の視線が落ちた。
昼間に一緒に選んだ、繊細なレースと薄いベールのような黒。
「……綺麗だね。すごく、似合ってる……」
その言葉が、心の奥まで浸透していく。
私は頷いて、小さく目を伏せた。
手が、腰にまわり、背中を撫でる。
(こんなふうに触れられるの……はじめて)
ブラのホックが外されると、コルセットで締められていた身体が、またすこしだけ解放されて──
彼の手が、私の胸のラインを確かめるように、優しく撫でた。
「……男の子なのに……って思われない?」
震えた声で問いかけると、彼は、ゆっくりと私の頬にキスを落とした。
「そう思ってない。……今ここにいるのは、君だよ。君自身。性別とかじゃなくて……抱きたいのは、“君”なんだ」
その言葉に、胸がぎゅうっと締めつけられた。
身体をゆだねると、彼の指先が、ゆっくりと下着のラインをなぞる。
太もも、内もも、そして──
「怖かったら、止めてね。無理はしないから」
「……怖くない……ちょっと、ドキドキするけど……」
「……ありがとう。じゃあ──ゆっくり、始めようか」
ベッドに移り、私は彼の腕の中に抱きしめられた。
何度も唇を重ね、耳たぶに優しく触れられ、首筋にキスを落とされる。
体温が、少しずつ重なっていく。
「初めてなんだよね……? ローション、使うよ。ちゃんと、ゆっくりするから」
頷くと、
ひんやりとしたジェルが指先に乗って、
それが私の、繊細な場所へと──優しく触れてきた。
息が詰まるような感覚の中で、
でも、そこには痛みじゃなくて、
安心と、彼のぬくもりがあった。
「……いい子だね、力抜いて──」
瞳を見つめながら、桐谷は私の中へと、ゆっくり導いてくる。
私の身体が、彼を受け入れていくことが、
まるで“新しい自分”を見つけていくようで──
私は小さく声を漏らしながら、
彼の胸に、ぎゅっと抱きついた。
(私……女の子になっていく……)
その夜、
私は彼の腕の中で、何度も名前を呼ばれながら──
優しく、深く、愛されていった。
私の鼓動だけが、自分の中で響いていた。
桐谷の手が、私の肩にそっと触れる。
「……ドレス、脱がせてもいい?」
「……うん……」
首元のホックが外され、
黒のドレスが静かに肩から滑り落ちると、
肌が一気に空気に触れて、ひんやりとした感覚が走る。
ランジェリーの上に、桐谷の視線が落ちた。
昼間に一緒に選んだ、繊細なレースと薄いベールのような黒。
「……綺麗だね。すごく、似合ってる……」
その言葉が、心の奥まで浸透していく。
私は頷いて、小さく目を伏せた。
手が、腰にまわり、背中を撫でる。
(こんなふうに触れられるの……はじめて)
ブラのホックが外されると、コルセットで締められていた身体が、またすこしだけ解放されて──
彼の手が、私の胸のラインを確かめるように、優しく撫でた。
「……男の子なのに……って思われない?」
震えた声で問いかけると、彼は、ゆっくりと私の頬にキスを落とした。
「そう思ってない。……今ここにいるのは、君だよ。君自身。性別とかじゃなくて……抱きたいのは、“君”なんだ」
その言葉に、胸がぎゅうっと締めつけられた。
身体をゆだねると、彼の指先が、ゆっくりと下着のラインをなぞる。
太もも、内もも、そして──
「怖かったら、止めてね。無理はしないから」
「……怖くない……ちょっと、ドキドキするけど……」
「……ありがとう。じゃあ──ゆっくり、始めようか」
ベッドに移り、私は彼の腕の中に抱きしめられた。
何度も唇を重ね、耳たぶに優しく触れられ、首筋にキスを落とされる。
体温が、少しずつ重なっていく。
「初めてなんだよね……? ローション、使うよ。ちゃんと、ゆっくりするから」
頷くと、
ひんやりとしたジェルが指先に乗って、
それが私の、繊細な場所へと──優しく触れてきた。
息が詰まるような感覚の中で、
でも、そこには痛みじゃなくて、
安心と、彼のぬくもりがあった。
「……いい子だね、力抜いて──」
瞳を見つめながら、桐谷は私の中へと、ゆっくり導いてくる。
私の身体が、彼を受け入れていくことが、
まるで“新しい自分”を見つけていくようで──
私は小さく声を漏らしながら、
彼の胸に、ぎゅっと抱きついた。
(私……女の子になっていく……)
その夜、
私は彼の腕の中で、何度も名前を呼ばれながら──
優しく、深く、愛されていった。
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