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第4部:それぞれの想い
2.まばたきのあいだに変わってた ― 美月の目に映る、"なお"の揺らぎと輝き ―
気づいたのは、たぶん夏のはじまり。
最初はちょっとした違和感だった。
「なんか今日のなお、肌きれいじゃない?」
「髪のセット、うまくなった?」
女の子同士でよく言うような、何気ない言葉。
でも、それを言う相手が“男の子”だったとき――
私の中で何かが静かに動いた。
それは戸惑いじゃなかった。
むしろ、まばたきのあいだに、彼が“こっち側”に近づいてきたような、不思議な感覚。
私、ずっと思ってたの。
“なお”って、もともと可愛かった。
顔立ちも、声も、話し方も――どれも中性的で、
でもそれを「隠そう」としてなかった。
むしろ、「誰にも決めさせたくない」って空気があった。
だからこそ、なおが“変わっていく”姿は、自然だった。
ある日、ショッピングモールの試着室。
私がラベンダーのワンピースを渡して、
「これ、女装のなおに似合いそう」って言ったとき――
なおは、ほんの一瞬だけ固まって、
それから、すっと手を伸ばしてくれた。
(あ、この子、もう“そういうもの”になってる)
着替えたあと、カーテンを少し開けた顔が赤くて、
でも嬉しそうで、ちょっと自慢げで。
“女の子になりたい”んじゃなくて、
“女の子として見られることを楽しんでる”――そんな感じ。
その日から、なんとなく意識して見てた。
スカートの裾のさばき方。
足をそろえて座るときの自然さ。
アイラインもチークも使ってないのに、
なぜか“可愛く見える顔”の角度を知ってる。
(なおは、どこに向かってるんだろう)
それが不安になることもなく、
むしろ、羨ましく思うことさえあった。
エステの日。
真帆が「一緒に行ってくる」と言ってた日、
私はわざと何も聞かなかった。
「どうだった?」って聞けば、たぶん話してくれるだろう。
でも、“なお”は今、秘密を抱えてる時間が似合う人になってたから。
最近思うの。
人って、変わるんじゃなくて、削ぎ落とされていくんだなって。
なおが少しずつ“彼”のものになっていく姿を見るたび、
私の中にも、言葉にならないものが蓄積してる。
いつかなおが、全部話してくれたとき。
私は笑って「知ってたよ」って言いたいな。
だって――
こんなに綺麗に変わっていく人、知らないから。
最初はちょっとした違和感だった。
「なんか今日のなお、肌きれいじゃない?」
「髪のセット、うまくなった?」
女の子同士でよく言うような、何気ない言葉。
でも、それを言う相手が“男の子”だったとき――
私の中で何かが静かに動いた。
それは戸惑いじゃなかった。
むしろ、まばたきのあいだに、彼が“こっち側”に近づいてきたような、不思議な感覚。
私、ずっと思ってたの。
“なお”って、もともと可愛かった。
顔立ちも、声も、話し方も――どれも中性的で、
でもそれを「隠そう」としてなかった。
むしろ、「誰にも決めさせたくない」って空気があった。
だからこそ、なおが“変わっていく”姿は、自然だった。
ある日、ショッピングモールの試着室。
私がラベンダーのワンピースを渡して、
「これ、女装のなおに似合いそう」って言ったとき――
なおは、ほんの一瞬だけ固まって、
それから、すっと手を伸ばしてくれた。
(あ、この子、もう“そういうもの”になってる)
着替えたあと、カーテンを少し開けた顔が赤くて、
でも嬉しそうで、ちょっと自慢げで。
“女の子になりたい”んじゃなくて、
“女の子として見られることを楽しんでる”――そんな感じ。
その日から、なんとなく意識して見てた。
スカートの裾のさばき方。
足をそろえて座るときの自然さ。
アイラインもチークも使ってないのに、
なぜか“可愛く見える顔”の角度を知ってる。
(なおは、どこに向かってるんだろう)
それが不安になることもなく、
むしろ、羨ましく思うことさえあった。
エステの日。
真帆が「一緒に行ってくる」と言ってた日、
私はわざと何も聞かなかった。
「どうだった?」って聞けば、たぶん話してくれるだろう。
でも、“なお”は今、秘密を抱えてる時間が似合う人になってたから。
最近思うの。
人って、変わるんじゃなくて、削ぎ落とされていくんだなって。
なおが少しずつ“彼”のものになっていく姿を見るたび、
私の中にも、言葉にならないものが蓄積してる。
いつかなおが、全部話してくれたとき。
私は笑って「知ってたよ」って言いたいな。
だって――
こんなに綺麗に変わっていく人、知らないから。
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