受付バイトは女装が必須?

なな

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第17部:ほどかれる羞恥、締められる絆

第三章:なお、清楚な夜の支度

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夕方の部屋。
窓から差し込む淡い光のなか、
なおは鏡の前で静かにブラシを動かしていた。

白いシャツブラウス。
首元は控えめな丸襟、レースのあしらいが小さく揺れる。
膝丈のネイビーのプリーツスカート。
ストッキングはベージュで薄手、ヒールは4cmのストラップ。

(外から見たら、普通の──
ちょっと背筋を伸ばした、清楚な“女の子”)

けれど──
内側は、違っていた。

まず、河合からもらった香水を、
耳の裏、鎖骨、太ももの内側にそっと一滴ずつ。

フローラル系だけど、奥にほのかなスパイス。
香りが“秘密”を仕込んでいるようだった。

次に、首にチョーカー。
黒のサテンに銀の細いバックル。
“河合に結ばれたもの”──という、確かな印。

ブラの中にはヌーブラで膨らみを寄せ、
さらにコルセットをその上から重ねる。
姿勢が自然と伸び、ウエストはきゅっと細く締まる。

(苦しくない。……むしろ、“愛される形”になっていく)

腰にはチェーンベルトを太ももに渡し、
それを固定するために、プラグを奥に沈める。

「ん……っ……」

肛門がきゅ、と収縮し、
そのままチェーンがピンと張った状態で固定される。

下着の奥には、ローターを仕込んだ。
事前に真帆と美月に相談して選んだ、
“音の静かさと深さの波”が両立した高機能なタイプ。

最後に、ショーツとガーターストッキングで装いを完成させる。

外見は──完全に“清楚な女の子”。
でも中身は、“誰かに仕込まれた愛玩のかたち”。

(このまま、河合さんと……)

リップを塗る手がわずかに震える。
でも、その震えは怖さではなく、期待だった。

「今日のわたしは──ちゃんと“女の子として抱かれるため”に、準備された存在」

スマートフォンが鳴る。
ディナーの待ち合わせの通知。

チョーカーを撫でながら、
なおはそっと微笑んだ。

(“愛される準備”ができてる自分が、いちばん“自分らしい”)
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