受付バイトは女装が必須?

なな

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第20部:誰かのものとして過ごす休日

第三章:なお、完全な“女の子”として旅館へ

「……今日だけは、なおって名前で予約してあるからね」

駅前で河合と合流した瞬間、
その言葉が耳元にささやかれた。

思わず頬が熱くなる。
“彼氏と旅行に来た女の子”──
その姿を、今日一日は誰に対しても演じる必要があった。

(……演じる、じゃない。
わたし、今日は本当に……“女の子”として来たんだ)

朝からの装備は完璧だった。

肌にはバニラローズの香水を優しく重ね、
髪は、伸ばしてきたロングヘアを柔らかく巻いてまとめた。
首元には小さなチョーカー。
ヌーブラ+ランジェリーブラで形をつくった胸のラインは、
淡いピンクのセーターから柔らかに浮き上がる。

ウエストはコルセットで引き締められ、
下腹部にはしっかりと貞操具。
それを、アナルに挿れたプラグが“裏からロック”するかたちで固定している。

さらに中にはローター。
振動はしていないが、その“存在”だけで下半身が甘く敏感になっていた。

(……動いてないのに、こころが落ち着かない……)

淡いベージュのプリーツスカートが、
ヒールに合わせた歩幅でふわりと揺れるたび、
その“仕込まれた身体”がわずかに疼いた。



電車に揺られている最中も、
周囲はなおのことを“普通の女の子”として見ていた。

視線。気配。小さな会釈。

(誰も……気づかない。わたしがこんな装備をしてるなんて)

河合は終始穏やかだった。
ときおり、手を重ねるだけ。
でもその指先が、チョーカーの根元や、ウエストのくびれに触れるたび──

(……わたしは、彼の“もの”として存在してる)

その意識が、すべての羞恥を甘さに変えていった。



旅館に到着すると、フロントの女性スタッフが笑顔で出迎えた。

「なお様ですね。お待ちしておりました」

(……なお、って……ちゃんと、呼ばれた……)

女性用の浴衣が自然に差し出される。

誰も疑わない。
この身体は、外から見れば、完全に“女性”だった。

部屋に案内されたあと、
河合がふと、なおの髪を撫でた。

「すごく……似合ってる。
外でもまったく違和感なかった。君が自分で装った女の子の身体、
すごく綺麗だったよ」

「……ありがとう。……でも、ね、わたし……まだ、緊張してる」

「じゃあ、少し冒険してみようか?」



夕食前──
河合がそっと言った。

「なお、男湯に……一人で、行ってきてみる?」

「……え……っ……この格好で……?」

「うん。でも無理なら、やめていいよ」

なおは迷った。

けれど──

「……行ってみたいかも。……」

鏡の前で浴衣に着替える。

体に添うように着つけたピンクの女性用浴衣。
チョーカーはそのまま、
胸元はランジェリーブラの形でやわらかに膨らみ、
下腹部の貞操具は布の内側に密かに隠れていた。

ローターの存在だけが、
身体の中心を静かに意識させる。

(……見た目だけなら、もう完全に“なお”という女の子……)



男湯の暖簾をくぐる。

脱衣所の前で小さく会釈して通り、
誰もいないことを確認して、浴衣をそっと脱ぐ。

鏡に映った自分の姿に──
なおは、息を呑んだ。

(……この身体……もう、本当に……)

細く、柔らかく、胸がふくらみ、
くびれた腰と引き締まった太もも。

タオルを腰に巻いて隠した貞操具は、
それでも“この身体が誰かに預けられている”ことを強く感じさせた。

そして──何より、自分で自分に興奮していることに気づいた。

(……わたし……ほんとうに……可愛くなったんだ)



湯から戻ったとき、
部屋の明かりはやさしく灯っていて、
河合が静かに立っていた。

「おかえり。どうだった?」

「……幸い、数人しかいなかったけど
たぶん、女の子と思ったと思う。もうドキドキしっぱなしで。」

「ちょっと冒険しすぎたね、一緒に行ってあげればよかったね。」

そう言って、河合はなおの手をとった。

「じゃあ──今度は、俺の目の前で、
“なおという女の子”でいられるか、見せて?」

「……うん。全部、見てほしい。
いまのわたしが、誰のものか──ちゃんと、知ってもらいたいの」
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