異世界に行ったら才能に満ち溢れていました

みずうし

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5章 奈落の底の魔法使い

56.真実

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 「順を追って説明しよう。お主の知りたいことはなんじゃ?」

 ハクリは笑みを全く見せず、俺の心を覗き込むような深い瞳で俺を見つめた。

 「・・・まず、マーブルは、"4柱"とはなんだ?そしてーーー俺について何を知ってる?」

 その質問にハクリは小さくため息をつく。

 「うむ。4柱じゃが....行ってしまえば精霊界の将軍四人のこと。四天王的なアレじゃ」

 四天王的なアレって....。雑か!
 雰囲気台無しだよ!

 「お主について知っていることじゃが....お主は【神話】を知っているか?」

 「神話?いいや、知らない」

 「知らんのか!?....そうか、外はもうそんな時代か.....」

 なんだか遠くを見つめるハクリに俺はさらに問う。

 「知らないが、先はなんだ?」

 「....お主が疑問に思っている『王』とは【神話】に深く関係しているのじゃよ」

 そう言い、ハクリは【神話】を語り始めた。


 ==================



 昔々、いつも1人だった神は寂しく思い世界を作ることにした。
 神は大地を創り、海を創り、数々の生命、さらには数々の種族を生み出した。

 生み出して数百年間、神と創られた者たちは仲良く暮らしていた。
 しかし、知恵を持ち、欲を持った者たちが力を持った神に目をつけ、その力を得んと神と争いを始めたのだ。

 やがて欲は全種族に広がり、魔王を中心とする各種族の『王』達が集い、神と対等に渡り合えるまで強くなり、その戦火で美しかった世界は荒れ果ててしまった。

 それを悲しく思った神は、仲間の女神と協力し、なんとか魔王達、七人の『王』を倒すことに成功した。
 神は過ちを繰り返さぬように、と力の無い人間を発展させ、七人の『王』を封印して世界の平和を強く願ったのだった。



 ==================



 「・・・それがどうかしたのか?」

 至って普通の神話だ。結局めでたしめでたしの話じゃ無いか。

 「じゃかこの話には裏がある。・・・神は平和など願っておらん。奴は....『魔神』は世界を滅ぼそうとしておるのじゃよ」

 ・・・話が一気に飛んだな。

 「その魔神に対抗したのが七人の『王』なのじゃ」

 「ちょっ、ちょっと待て。つまり神は悪人で世界を滅ぼそうとして、その対抗馬が『王』ってことか?じゃあ女神はなんなんだよ?」

 「女神は....奴も己のことしか考えてない欲深いものじゃよ」

 こいつ嘘ついてないよな?なんか適当にでっち上げている感が....!

 「そしてお主は神話の七人の『王』の誰かの血を引いておる」

 「は!?なんで俺が!?てかなんでそんな事分かるんだよ!?」

 その問いにハクリはポカーンとすると苦笑いをする。

 「さっき血を吸った時に気付いたのじゃ」

 気付いたのじゃ、じゃねえ!!なんだこの展開!?
 もう、うーん。訳がわからん。

 「ちょっと頭痛いから寝て良いか?」

 「ああいいぞ。ただし次眼が覚めるのは天国か地獄じゃがなあ?」

 「起きさせて頂きます」

 なにあの人怖い。

 「先ほどお主は『王』の血を引いていると言ったな。お主は知らんかもしれんが、『王』の血を引く者は戦う義務がある。と言うより戦いに巻き込まれる」

 「は?望んでも無いのにか?」

 「ああ。そういう運命定めじゃ」

 ・・・・意味がわからないな。

 「よって妾はお主を鍛える事にした」

 ・・・・意味がわからないな。

 「そしてここを脱出する。この血生臭い迷宮からな!」

 それは俺も同意見だわ.....って血生臭いのお前のせいだからなっ!?

 そもそもコイツを全て信じるのは無理がある。そんな話聞いた事が無いし、マーブルを倒した張本人だ。俺もバキバキにされかけたし。
 実は頭のおかしい人でしたー!とか言われても納得出来るからな。

 「ふふふ、妾を信じていないようじゃな。ならばお主から説明してやるといい」

 ハクリが笑いながら俺を見る。いや、俺の後ろを見る。

 「化け猫よ」

 そこには横たわっていたはずのライオンが凛々しく立っていた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
説明回です。
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