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5章 奈落の底の魔法使い
57.帰ってきた精霊
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「マ、マーブル.....」
たてがみを靡かせながら凛々しく立つマーブルはどこか哀愁を漂わせているように思える。
「マーブル、どういうことだ?」
若干シリアスな雰囲気だがこのマーブルのせいで和んでいる気がしなくも無いな。
名前ミスったかも....。
「・・・・・・」
マーブルは頑なに口をつぐんでいる。
「ほう。無口を貫くか。『王』に何か言われたのかの?」
こんな時でもハクリは手を顎に当てニヤニヤとしていた。
そんな態度を見せられてもマーブルは微動だにしない。
・・・あれは本当にマーブルなんだろうか。口調が似ていたからそう断言したが、実際のところは違うのかもしれない。いや、実際はそうでも俺はあんなマーブルは知らない。
そこまでさせるのはなんなんだ?
「きみは」
無言を貫いていたマーブルが口を開く。
「きみはそっちに付くのかい。レイ・スペルガー」
「・・・言っていることがわからない。そっちとはどっちだ?お前は本当にマーブルなのか?」
マーブルは無機質な声で再び俺に問う。
「きみは、きみは僕を信じてくれないのか」
・・・信じる?
・・・俺はマーブルを信じきれるか?その質問に今までの俺だったら頷くかもしれない。だが今の状況では無理だ。
「俺はマーブルを信じれない。だけどそれはーーー」
ーーー今は信じれないだけだ、と言おうとし口をつぐむ。
信じることに今も過去も未来もない。実際俺を見捨てたと聞いたアドルフ達を今でも信じれるか、と問われれば首を横に振るだろう。
状況次第で揺らぐ信頼などそんなものなのだ。
そこまで考えて気付く。
この世界に絶対に信じられる奴はいるのか?と。
地球では家族は間違いなく信じられた。ではこの世界では?
ーーガド、ガドは確かに俺の事を大事な息子だと見てくれている。だが俺は?俺は父として見ているか?ーー否。俺にとっての父は地球にいる本当の父だ。そんなものを信頼と呼べるだろうか。
シルク、シルクも結局は俺を生贄にしてるじゃないか。他に、他には.....。
だんだんと思考回路が真っ白になっていくのを感じたーーー瞬間にほおに熱い衝撃が加わった。
「今、お主に壊れてしまっては困るのじゃよ。化け猫の術に弄ばれるな」
その瞬間ハッとする。
思えばずっとマーブルと目を合わせていた。そのマーブルの目は黒く淀んでいる。
・・・魔法を使われたのか。
「レイ、残念だけどお別れだ」
やはり無機質な声で告げるマーブルに鳥肌が立つ。
俺がゾクリとし、少しだけ目を逸らした瞬間、赤く濁った液体が飛び散った。
「ーーーーチッ」
そう舌打ちだけしてライオンの頭が胴と離れていく。
状況がよく飲み込めないが、俺に飛びかかったマーブルの前ハクリが一瞬で出て首を掻き切ったらしい。
ライオンの頭と胴は地面にドチャッとつくと色が薄くなっていき、やがて灰になった。
あまりの出来事に思わず尻餅をつく。
「し、死んだのか....?」
その質問にハクリは剣を振り下ろした格好で数秒静止し、大きなため息をつくと剣をどこからともなく現れた鞘にしまいながら答える。
「精霊は死なん。だから嫌なんじゃよ。じゃがともかくこれで一件落着じゃ」
ハクリが座り込んだ俺に手を差し伸べる。俺はそれを握ると立ち上がった。
一体何が起こったのか今でもさっぱりわからない。
マーブルは、俺を殺そうとした?敵?なのか?
しかしマーブルの後ろに居るのは?誰なんだ?
「うむ。精霊界は全員敵じゃな」
そんな俺の疑問を一発で解決するようにハクリは呟いた。
「精霊界が......敵?」
俺が反復するとハクリは大きく頷く。
「言ったであろう。『七人の王』と魔神が戦っておると。精霊界は魔神側に付いたということじゃ」
「いやちょっと待て。あれは神話だろ?しかも精霊界が魔神側だとどうして言い切れる?」
「あれは神話じゃが今もなお戦争は続いておる。今は魔神が一番優勢じゃ。妾が『七人の王』の内の1人なんじゃから間違いないのぅ」
・・・!???
ハクリが?王の内の1人!??
「それは....本当なのか?」
俺がまじまじと見つめるとハクリは大胆不敵にニヤリと笑った。
「改めて自己紹介をしようか!妾は『吸血鬼族の王』、ハクリ・デル・ヴァンディル。よろしく頼むよ」
ハクリががっしり握手してきたが、俺の脳内で容量オーバーの警告が鳴っていたのでそれどころでは無かった。
たてがみを靡かせながら凛々しく立つマーブルはどこか哀愁を漂わせているように思える。
「マーブル、どういうことだ?」
若干シリアスな雰囲気だがこのマーブルのせいで和んでいる気がしなくも無いな。
名前ミスったかも....。
「・・・・・・」
マーブルは頑なに口をつぐんでいる。
「ほう。無口を貫くか。『王』に何か言われたのかの?」
こんな時でもハクリは手を顎に当てニヤニヤとしていた。
そんな態度を見せられてもマーブルは微動だにしない。
・・・あれは本当にマーブルなんだろうか。口調が似ていたからそう断言したが、実際のところは違うのかもしれない。いや、実際はそうでも俺はあんなマーブルは知らない。
そこまでさせるのはなんなんだ?
「きみは」
無言を貫いていたマーブルが口を開く。
「きみはそっちに付くのかい。レイ・スペルガー」
「・・・言っていることがわからない。そっちとはどっちだ?お前は本当にマーブルなのか?」
マーブルは無機質な声で再び俺に問う。
「きみは、きみは僕を信じてくれないのか」
・・・信じる?
・・・俺はマーブルを信じきれるか?その質問に今までの俺だったら頷くかもしれない。だが今の状況では無理だ。
「俺はマーブルを信じれない。だけどそれはーーー」
ーーー今は信じれないだけだ、と言おうとし口をつぐむ。
信じることに今も過去も未来もない。実際俺を見捨てたと聞いたアドルフ達を今でも信じれるか、と問われれば首を横に振るだろう。
状況次第で揺らぐ信頼などそんなものなのだ。
そこまで考えて気付く。
この世界に絶対に信じられる奴はいるのか?と。
地球では家族は間違いなく信じられた。ではこの世界では?
ーーガド、ガドは確かに俺の事を大事な息子だと見てくれている。だが俺は?俺は父として見ているか?ーー否。俺にとっての父は地球にいる本当の父だ。そんなものを信頼と呼べるだろうか。
シルク、シルクも結局は俺を生贄にしてるじゃないか。他に、他には.....。
だんだんと思考回路が真っ白になっていくのを感じたーーー瞬間にほおに熱い衝撃が加わった。
「今、お主に壊れてしまっては困るのじゃよ。化け猫の術に弄ばれるな」
その瞬間ハッとする。
思えばずっとマーブルと目を合わせていた。そのマーブルの目は黒く淀んでいる。
・・・魔法を使われたのか。
「レイ、残念だけどお別れだ」
やはり無機質な声で告げるマーブルに鳥肌が立つ。
俺がゾクリとし、少しだけ目を逸らした瞬間、赤く濁った液体が飛び散った。
「ーーーーチッ」
そう舌打ちだけしてライオンの頭が胴と離れていく。
状況がよく飲み込めないが、俺に飛びかかったマーブルの前ハクリが一瞬で出て首を掻き切ったらしい。
ライオンの頭と胴は地面にドチャッとつくと色が薄くなっていき、やがて灰になった。
あまりの出来事に思わず尻餅をつく。
「し、死んだのか....?」
その質問にハクリは剣を振り下ろした格好で数秒静止し、大きなため息をつくと剣をどこからともなく現れた鞘にしまいながら答える。
「精霊は死なん。だから嫌なんじゃよ。じゃがともかくこれで一件落着じゃ」
ハクリが座り込んだ俺に手を差し伸べる。俺はそれを握ると立ち上がった。
一体何が起こったのか今でもさっぱりわからない。
マーブルは、俺を殺そうとした?敵?なのか?
しかしマーブルの後ろに居るのは?誰なんだ?
「うむ。精霊界は全員敵じゃな」
そんな俺の疑問を一発で解決するようにハクリは呟いた。
「精霊界が......敵?」
俺が反復するとハクリは大きく頷く。
「言ったであろう。『七人の王』と魔神が戦っておると。精霊界は魔神側に付いたということじゃ」
「いやちょっと待て。あれは神話だろ?しかも精霊界が魔神側だとどうして言い切れる?」
「あれは神話じゃが今もなお戦争は続いておる。今は魔神が一番優勢じゃ。妾が『七人の王』の内の1人なんじゃから間違いないのぅ」
・・・!???
ハクリが?王の内の1人!??
「それは....本当なのか?」
俺がまじまじと見つめるとハクリは大胆不敵にニヤリと笑った。
「改めて自己紹介をしようか!妾は『吸血鬼族の王』、ハクリ・デル・ヴァンディル。よろしく頼むよ」
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