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フェーズ1
3.異世界の学び舎
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異世界4日目。俺の朝は早い。まだ陽が上って少々、起きてすぐに冷たい水で顔を洗い、すぐに剣の鍛錬を始める。
ひんやりとした空気の中剣を振るうのはなかなか気持ちがいい。
また、この世界にも四季はあり、今は秋と冬のやや冬より。中々冷えるが、地球のように温水はでるはずもなく、しかしまた、それが気持ちよく俺をさっぱりしてくれるようだ。
「ゆうまくん、食事にしますかー?」
そして畳の部屋の奥、趣のある台所からはユリエの声が聞こえる。
どうやら朝ごはんが出来たらしい。
「頼んまーーす」
「はーーい」
そう返事をしてユリエはお盆を運んできた。お盆の上には味噌汁、魚の焼き物、漬け物、そしてーーーーなぜかパン。
「・・・し、白飯は......」
「そ、それがですね、残念なことにこの地では白米は取れないんですよ~....。
だから、パン?」
「だからなぜ!!??」
白米に焼き魚、最高だ。
玄米に焼き魚、まだわかる。
おかゆに焼き魚、譲歩しよう。
パンに焼き魚、意味ワカラン。
「ま、まあ少しでも日本料理が出るのも私達なりの優しさというか.....」
「本音は?」
「いじめです♪」
「いやいや!!」
もうー!冗談ですよぅ!と笑いながらばしばし叩いてくるが、本音の可能性もあり得る。この者、中々腹黒いでござるからな。
おっと、白米が恋しすぎて忍者口調になってしまった。
「まあ頂きましょう?私がアーンしてあげますから♪」
「え」
いきなりの宣言に慌てふためく俺、17歳。
そんな俺を他所にユリエは早速箸を手に取り、焼き魚をほぐして俺の口元へと運んできた。
「はい、アーン?」
「ぅ.....ぅぅ.....あ....あーん...」
ぱくり。もぐもぐ。あ、中々美味しいーーーって
「なんだこりゃあああああああ!!!!!」
「ゆうまくん落ち着いて!!!」
俺の精神は最早ズタボロである。
☆☆☆
朝食が終わり、訓練でメンタルをへし折られてくると、昼からは座学の時間となった。
異世界はまだ未発展の地なれど、1つの世界。だから、まだまだ習う内容は星の数ほどあるのだ。
要は、今から文化と学問と武術を同時進行で叩き込む。殺す気でしょこれ。
「はい、今日の内容はこちらです♪」
ユリエが黒板のような板に書かれた文字を指差す。一応日本語だった。
・・・そういえばユリエは「ドラ○もん」や「ド○ゴンボール」のネタを知っていたが、彼女も日本人なんだろうか。それとも日本の文化を教わっただけ?
ま、どちらでもいいか。それより授業だ授業!
ユリエが黒板に書いた文字を俺は読み上げる。
「エドワールの硬貨問題、なり?」
「YES!なり!」
可愛らしくユリエは笑う。
が、教材となる羊皮紙はたんと積まれてあるので、ここからは地獄の始まりである。
「えー、エドワールの硬貨は1つに統一されているのでありますっ!
まずは最も高い白金貨。その次に白銀貨、そして銅貨、石銅貨、最後に礼札があるのでありますっ♪」
いちいちピシリと敬礼を決めるユリエ。恐ろしく可愛い。
一体なんのモノマネかわかんないけど。そもそもモノマネなのか?うむむ.....頭が煩悩にまみれてきた.....。
「えーっと、お札が最後になるんだ?」
「ええ!何しろ通貨が万全じゃないこの世界で紙切れなどゴミですから♪
だから"ほんのお礼程度の価値"として礼札なんて名づけられてるんですよ?」
なるほど。確かに安定していない世界においての札の通貨などゴミ同然。理にかなっている、気がする。
「価値的には、礼札が100円、石銅貨が1000円、銅貨が1万円、白銀貨は10万、なんと白金貨においては100万円もするんですよ♪
一度でいいから握ってみたいものですよね!」
そんなことより礼札100円とか超絶いらない気がする。800円出すのに札束8枚である。絶対邪魔だろ。
ま、まあ価値がないからこそ大量生産しても大丈夫なのか。納得。
「今度、実際に街に出るので異世界での買い物を楽しみにしててくださいね♪」
「あーい」
そう適当に返事するとユリエは俺につかつか歩み寄ってきて、俺の手を握る。
い、いやな気が.....。
「・・・ではお待ちかねの語学の時間ですよ?」
そういいユリエは微笑んだ。
ーーーそれこそ悪魔のようにーーーー
☆☆☆
昼からのお勉強が終わると、もうあたりはすっかり夕暮れ。これからまた俺の鍛錬の時間だ。
まだ4日目だというのに、すっかり慣れてきたか気がする。
「違います!もっとタイミング早くですよ!あーーーー!もう違いますってば!!」
何度やってもユリエのダメ出しは終わらない。
てか教え方が感覚的すぎるのだ。
バビューンと振れだとか、ジューンとかわせだとか。時たまよくわからないネタをぶっこんでくるのも厄介な人である。
・・・そういえば人に鑑定はかけられるのだろうか。人のステータスを覗けたり......。
いや異世界語だから読めないんだけども。
「鑑定」
とりあえず興味本意でユリエに鑑定をかけてみた。なんか面白い情報ないかな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コウサカ ユリエ Level 25 総合評価 C+
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おぉぉ!!!出たあああ!!!」
そんで俺よりむちゃ強えええ!!!
俺は興奮して画面をスクロールする。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
種族 人間 人種 日本人
身長 161 体重 48
B 89.5 W 60.9 H 86.5
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「思いっきり個人情報だなこれ....。これはーーーBWH?す、スリーサイズ?」
は、はちじゅうきゅうてんご?
俺は横目でチラリとブツを見る。
た、確かにボンキュッボンだ。今更見るとすごいスタイルいいし。
な、なんなんだこの人?
「・・・ゆうまくん?何を見て......」
ユリエは俺の視線に気づき、慌てて胸を隠した。
俺も慌てて視線をそらす。もう遅いが。
そんな俺を見て、ユリエはため息をついた。
「・・・まあゆうまくんも男の子ですもんね。仕方がないです。いいですよ?」
「え?」
ユリエは手を開いた。
これは、だ、抱きつけと?
「ほおの一発で許してあげます♪」
「ほおのいっぱつ?」
ベッシーーン
直後、ほおに鋭い痛み。
「痛ってええぇ!!」
「乙女の胸なんか見るからですっ!ゆうまくん最低ですバーカバーカ!」
プンスカ怒ってユリエは部屋に入って行ってしまった。
ああ、今日の夜ごはんはきっと酷いものに違いない......。
ひんやりとした空気の中剣を振るうのはなかなか気持ちがいい。
また、この世界にも四季はあり、今は秋と冬のやや冬より。中々冷えるが、地球のように温水はでるはずもなく、しかしまた、それが気持ちよく俺をさっぱりしてくれるようだ。
「ゆうまくん、食事にしますかー?」
そして畳の部屋の奥、趣のある台所からはユリエの声が聞こえる。
どうやら朝ごはんが出来たらしい。
「頼んまーーす」
「はーーい」
そう返事をしてユリエはお盆を運んできた。お盆の上には味噌汁、魚の焼き物、漬け物、そしてーーーーなぜかパン。
「・・・し、白飯は......」
「そ、それがですね、残念なことにこの地では白米は取れないんですよ~....。
だから、パン?」
「だからなぜ!!??」
白米に焼き魚、最高だ。
玄米に焼き魚、まだわかる。
おかゆに焼き魚、譲歩しよう。
パンに焼き魚、意味ワカラン。
「ま、まあ少しでも日本料理が出るのも私達なりの優しさというか.....」
「本音は?」
「いじめです♪」
「いやいや!!」
もうー!冗談ですよぅ!と笑いながらばしばし叩いてくるが、本音の可能性もあり得る。この者、中々腹黒いでござるからな。
おっと、白米が恋しすぎて忍者口調になってしまった。
「まあ頂きましょう?私がアーンしてあげますから♪」
「え」
いきなりの宣言に慌てふためく俺、17歳。
そんな俺を他所にユリエは早速箸を手に取り、焼き魚をほぐして俺の口元へと運んできた。
「はい、アーン?」
「ぅ.....ぅぅ.....あ....あーん...」
ぱくり。もぐもぐ。あ、中々美味しいーーーって
「なんだこりゃあああああああ!!!!!」
「ゆうまくん落ち着いて!!!」
俺の精神は最早ズタボロである。
☆☆☆
朝食が終わり、訓練でメンタルをへし折られてくると、昼からは座学の時間となった。
異世界はまだ未発展の地なれど、1つの世界。だから、まだまだ習う内容は星の数ほどあるのだ。
要は、今から文化と学問と武術を同時進行で叩き込む。殺す気でしょこれ。
「はい、今日の内容はこちらです♪」
ユリエが黒板のような板に書かれた文字を指差す。一応日本語だった。
・・・そういえばユリエは「ドラ○もん」や「ド○ゴンボール」のネタを知っていたが、彼女も日本人なんだろうか。それとも日本の文化を教わっただけ?
ま、どちらでもいいか。それより授業だ授業!
ユリエが黒板に書いた文字を俺は読み上げる。
「エドワールの硬貨問題、なり?」
「YES!なり!」
可愛らしくユリエは笑う。
が、教材となる羊皮紙はたんと積まれてあるので、ここからは地獄の始まりである。
「えー、エドワールの硬貨は1つに統一されているのでありますっ!
まずは最も高い白金貨。その次に白銀貨、そして銅貨、石銅貨、最後に礼札があるのでありますっ♪」
いちいちピシリと敬礼を決めるユリエ。恐ろしく可愛い。
一体なんのモノマネかわかんないけど。そもそもモノマネなのか?うむむ.....頭が煩悩にまみれてきた.....。
「えーっと、お札が最後になるんだ?」
「ええ!何しろ通貨が万全じゃないこの世界で紙切れなどゴミですから♪
だから"ほんのお礼程度の価値"として礼札なんて名づけられてるんですよ?」
なるほど。確かに安定していない世界においての札の通貨などゴミ同然。理にかなっている、気がする。
「価値的には、礼札が100円、石銅貨が1000円、銅貨が1万円、白銀貨は10万、なんと白金貨においては100万円もするんですよ♪
一度でいいから握ってみたいものですよね!」
そんなことより礼札100円とか超絶いらない気がする。800円出すのに札束8枚である。絶対邪魔だろ。
ま、まあ価値がないからこそ大量生産しても大丈夫なのか。納得。
「今度、実際に街に出るので異世界での買い物を楽しみにしててくださいね♪」
「あーい」
そう適当に返事するとユリエは俺につかつか歩み寄ってきて、俺の手を握る。
い、いやな気が.....。
「・・・ではお待ちかねの語学の時間ですよ?」
そういいユリエは微笑んだ。
ーーーそれこそ悪魔のようにーーーー
☆☆☆
昼からのお勉強が終わると、もうあたりはすっかり夕暮れ。これからまた俺の鍛錬の時間だ。
まだ4日目だというのに、すっかり慣れてきたか気がする。
「違います!もっとタイミング早くですよ!あーーーー!もう違いますってば!!」
何度やってもユリエのダメ出しは終わらない。
てか教え方が感覚的すぎるのだ。
バビューンと振れだとか、ジューンとかわせだとか。時たまよくわからないネタをぶっこんでくるのも厄介な人である。
・・・そういえば人に鑑定はかけられるのだろうか。人のステータスを覗けたり......。
いや異世界語だから読めないんだけども。
「鑑定」
とりあえず興味本意でユリエに鑑定をかけてみた。なんか面白い情報ないかな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コウサカ ユリエ Level 25 総合評価 C+
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おぉぉ!!!出たあああ!!!」
そんで俺よりむちゃ強えええ!!!
俺は興奮して画面をスクロールする。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
種族 人間 人種 日本人
身長 161 体重 48
B 89.5 W 60.9 H 86.5
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「思いっきり個人情報だなこれ....。これはーーーBWH?す、スリーサイズ?」
は、はちじゅうきゅうてんご?
俺は横目でチラリとブツを見る。
た、確かにボンキュッボンだ。今更見るとすごいスタイルいいし。
な、なんなんだこの人?
「・・・ゆうまくん?何を見て......」
ユリエは俺の視線に気づき、慌てて胸を隠した。
俺も慌てて視線をそらす。もう遅いが。
そんな俺を見て、ユリエはため息をついた。
「・・・まあゆうまくんも男の子ですもんね。仕方がないです。いいですよ?」
「え?」
ユリエは手を開いた。
これは、だ、抱きつけと?
「ほおの一発で許してあげます♪」
「ほおのいっぱつ?」
ベッシーーン
直後、ほおに鋭い痛み。
「痛ってええぇ!!」
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