Level2から始まる召喚魔剣士の異世界成り上がり冒険記

みずうし

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フェーズ2

14.金色

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 翌日。お茶目にも袋を忘れていったあの子をギルドで探すも、姿が見えなかったので今日も依頼を受けることにした。
 相変わらず依頼はダイアウルフ討伐だ。だって依頼金が高いからな。
 ちなみに、このままこの依頼を続けていけばあと数回でランクが上がるらしい。



 森につき、今日もダイアウルフ狩りにいそしむ。

 二回目なので特に苦戦することもなく、軽く薙ぎ倒していった。依頼の10匹討伐を完了したのは、まだ日が高い所にあるときで、昨日よりもずいぶん早い。

 しかし、時間がかかるのはここからである。

 「さて、確定部位の耳の削ぎ取りどうするか」

 簡単にいえば、グロい。やりたくない。見たくもない。それにこのダイアウルフ、白くてモフモフしていて某ソフト銀行の犬のお父さんに似ているのだ。
 さて、どうしましょう?

 「ユリエ、出来る?」
 「え?何がですか?」
 「解体」
 「ゆうまくんのなら♪」
 「なんでっ!?」

 奴は無理だ。顔に「いや無理です」と書いてある。澄まし顔で。なんて奴だ。
 くそ、ならば俺が男を見せるしかないのか!

 「お父さん、ゴメンッッ!!」

 ジョギリ、と耳を切る。うえ、気持ち悪い。

 「ああ、これは精神的にくるな・・・」
 「そうですね~」

 その頃ユリエはというとお花を愛でていた。
 ・・・いやいいんだよ?可愛い女の子がお花を愛でる。最高じゃないか!ただ、こっちにも興味を持とうね?

 「よし終わったぞ」

 ダイアウルフ10体分。文字通り耳を揃えて提出できる。耳の外見は三角形のサンドイッチみたいだ。
 ・・・血まみれのな。


 さて、冒険者にガンをつけられたり街角でパンをくわえた少女とぶつかることもなく、冒険者ギルドへ直行。

 「あら、今日は全部持ってこなかったんですね」
 「学習こそが人間の本質ですから」

 受け付けにてドヤ顔でそう言ってお金をもらった。
 銅貨・・1枚と、石銅貨8枚。あれ?昨日より少なくないか?

 「お金ってこれだけですか?」
 「ええ、そういえば初心者でしたね。依頼金はモンスターの数が落ち着けば少なくなります。逆も然りですね。
 需要と供給ってやつですよ!」

 まさかのドヤ顔返し。やるな小童!
 じゃなくて、それは俺たちにとっては死活問題である。

 「普通は一ヶ月ぐらい変動しないんですが、なにぶん"セブンズ"とあなた達が狩りまくるので急遽価格調整されました」
 「ええ、俺たちもですか!?」
 「そうですよ、普通はあの依頼、3日ぐらいでやるものです。1日で済ませるのはあなた達と"セブンズ"ぐらいですよ」

 まじか!!確かにダイアウルフとのエンカウント率が異常に高いとは思っていた。もしかして日本人にはモンスターが引きつけられやすい、とか?

 ともかく、この価格じゃまずい。

 「なのでお金でお困りでしたらコチラをオススメします」

 受け付けの人がスッと紙を出してくる。
 おおっ、もしかしてオススメの依頼か!?

 「なになに? ・・・居酒屋リン・・夜のバイト募集・・・?」
 「親戚のお店で困ってるみたいなので」
 「へえ、じゃあやってみようかなーーーって深夜バイトじゃねえか!!!!」

 


 受け付けの人に散々からかわれたあと、ギルドを出る。時刻は5時くらい。空がだんだん赤くなってくる頃である。

 「もう、遅いですよゆうまくん」

 長いことギルドの中にいた俺を、外で待っていたユリエはプリプリしながら怒ってくる。
 付いて来ればいいのに、なぜか待っていると言い出したのだ。

 「こんな寒い中いつまで女の子を待たせるつもりですか」
 「まだ20度ぐらいあるけどな」
 「私にとっては寒いんです!だから仕方ないので暖かくしないとダメですね!」

 と言ってユリエは擦り寄ってきた。

 もっ、もしかして俺のことが好きなのか?

 とか思う青春中坊ではない。こうやって思わせぶりなことをするのが女子なのだ(経験済み)
 でも、悪くはない。ぐへへ。

 「あっ」

 そんな時、あの女の子を見つけた。金髪のツインテール。間違いない。

 「む、なんで他の女の子を見てるんですか!」
 「ほら、今日言ってた女の子だって」
 「ああ、あのツンデレっぽい・・・」

 あの女の子はツンデレだった!と豪語した時のユリエの冷めた表情を思い出した。苦い思い出だ。

 しかしそんな思い出に苦しんでいる時ではない。
 早速女の子に袋を返そうと駆け寄ろうとーーーした時、近くに男が寄り添っているのが見えた。
 なんだ、すでに彼氏いたのか。

 と、思ったものの5秒ぐらいで吹っ飛んでいったのでナンパだったようだ。

 「おーい」
 「またナンパ!?そろそろ鬱陶しいわよ!」

 振り向きざまに見える握られた拳。その拳、龍王極真拳だと見受けした!!とか過去の黒歴史は記憶に封じる。

 「違う違うタンマタンマ!ほら!昨日、君に助けられた!」
 「・・・ああ、あのビビりの人!」

 その覚え方!?
 そしてユリエは「うんうん」と頷くのやめてください。

 「なんの用よ?私は暇じゃないのよ、今から宿に戻って自慢の剣を眺めなくてはいけないの」
 「世間ではそれを暇という・・・とかじゃなくて!はい、これ昨日忘れてった袋!」

 今にも殴り出しそうな女の子に袋を差し出す。するとびっくりしたような顔をして、

 「・・・え!これなくしたと思ってたのに!どこにあったの!?」
 「え?昨日君が忘れてったジャン?」
 「・・・・・」

 そうだったのか、とだんだん彼女の顔が赤くなっていく。
 意外にも表情豊かなんだな。と彼女の顔を眺めていると、

 「み、見つめてんじゃないわよ!どーも、感謝してあげるわ!ありがとう!」

 とお礼を言われつつ腹パンされた。
 結構痛いんですけど。

 「でもこれで貸しは一対一だから!」
 「それを世間では貸しはチャラという・・」
 「うっさい!」
 「グヘッ!」

 再びの腹パン。ツッコんだだけなのに・・・。
 彼女は赤い顔をそのままに、俺をビシリと指差した。

 「いい!?もう2度と近づくんじゃないわよこのビビり虫!」
 「ええ!?」
 「ふん!」

 散々けなされて彼女は歩いて行った。照れ隠しが半端ない女の子だ。もはや暴力である。
 暴力反対!非暴力不服従だ!ガンディーだ!

 「あ、嵐のような女の子ですね」
 「だな・・・・」

 同情気味にユリエが視線を向けてくる。でもあなた、俺が殴られてる時「いいぞー!やっちゃえー!」とかノリノリで声援送ってましたよね?

 「ゴホンっ、でもあの女の子なら知ってますよ」
 「マジか!?」
 「ええ、銭湯で時々話題に上がってるんですよ~」
 「そ、それは一体どんな?」

 まさか「あの女マジうぜえわ」「わかるわかる~!」みたいなドス黒いやつじゃないだろうな。

 「アレです。特にあのピョコピョコしたツインテールを撫でたいとか、ナデナデして照れさせたい、とかですね」
 「可愛いなオイ!!」

 ドス黒いどころか牧場じゃねえか。なんだなそのフワフワ感。

 「でもあの子、何故かずっとソロプレイらしいんですよね」
 「ああ、確かにずっと一人だな」

 思えば昨日も一人だった。でも別に人と話せないというわけでもなさそうだ。一人好きなのか?
 なんだかあの子・・・

 「なんだか」
 「心配ですか?」
 「ッ!?なんでわかった?」
 「さあ、なんででしょうね~♪」
 「・・・・はあ?」

 「でも、その気持ちわかりますよ?明日ぐらいにでも声、かけてみますか?」
 「そうだな、それがいい」

 お節介かもしれないが、もし一人好きなら彼女の意見は尊重するつもりだ。

 そんな決心を俺は心に決めた。






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