男:女＝1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

第三章:入学と新たな出会い

返せたもの

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「な...何やってんの!?!?　椿!!!」

俺もちーさんと同じ気持ち 一体何を!?!?!?

「千華姉さん...優心さんがやったことはあまり良いこととは言えないと思います」

「だから..それについての説教を今からするんで..「ですが!」ぬぉっ!」

「...ですが、優心さんが私たちのために怒ってくれたのもまた事実です
とても権力が強く、男性という社会で優遇される存在だとしても優心さんは全力で怒ってくれました

それが...私はとっっても嬉しかったんです 優心さんは私たちのことを心から思ってくれているのだと
ですから、先程したキスは感謝と嬉しさからのキスです

ありがとうございます 優心さん 私たちのために怒って...守ってくれて」

それを聞いて俺も椿さんと同じでとても嬉しかった
俺の記憶は椿さんと出会った後にしかない そこから、色々な人の協力を経て今の俺がいる

そんな協力をさせてもらっている中で、考えることというかふと出る不安で
『俺に出来ることはあるのか?』というものだ
家事などは率先して行っているが協力の分を返しているのか、と言われたら納得していないのだ

だから、椿さんからこういうことを言われたから『何か返せているのだ』と嬉しくなった
承認欲求モンスターと言われたらそれまでだが、俺はそうでもしないと納得できないと思う


「んーーーー......確かに一理あるかぁ......」

「でしょう?　それともちーさんは嬉しくなかったんですか??
優心さんが私たちのために全力で怒ってくれたのにーーー」

あぁ、とても分かりやすくちーさん煽ってるぅ
色々溜まってるものがあるのだろうか

「...........確かに嬉しかったのはあるけど」

「いーーーんですかーーー??? 私に先越されちゃって」

見えるなぁ 悪魔みたいな角と悪魔みたいな羽が生えてる椿さんの姿が

「あーーーーー も"う"!!  ゆぅくん!!」

「はいっ!!!」

「ちょっとだけかがんで 目閉じて!!!」

「喜んでっ!!!!!」

勢いが凄すぎてもう軍隊みたいな返答しかできなかった


そして、椿さんがしてくれた方とは逆の頬にキスを貰った
それもちょっと長い時間

「....ありがとう 僕と椿のために怒ってくれて
嬉しかったし、かっこよかったよ ゆぅくん」

「...こちらこそありが..「ただし!」はいっ!!」

「何度も言うけど僕は君の護衛なんだからね 君だけの力じゃなくて僕たちも頼ること
いいね!」

「いや、もう結構頼ってるんですけど」　「い・い・ね・？」

「めちゃくちゃお二人に頼らせていただきます!!!」

俺の面子というか力あるのかな もうここまで来ると限りなく0ではないだろうか

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「...どう?これで椿とほぼ同じだよ いや、僕の方がキスの時間が長かったから
僕の方が少し進んでるのかな？」

「...ずるいです 煽った時の意趣返しですか?」

「なんとでも言うと良いよ 僕の方が勝ってるもんねー」

「ですが、先にやったのは私なのでまだ私が勝ってるんじゃないですかねー」

ぐぬぬとオノマトペが聞こえてきそうなにらみ合いだ

...ん?そういや時間って


あ"っ

「二人とも! 16時まであと5分ですよ!! バス出ちゃいます!!!」

そう 朝は霧子さんの送迎で学校へ行けたがPTA会議とかでかなり遅くなるから
先に帰っててと言われてたから帰宅方法はバスなのだが...

このバスを過ぎると次が17時辺りのため、これを逃すと1時間待たなきゃならない

「うっそ!!早く早く!!」

「ヤバいですよ あれで帰らないと竜胆にまた責められます!!」

問題ふえたぁ!?!?!?

「あ、そういえばここの鍵は」

「それなら碧葉さんに聞いておきました 開けっ放しで大丈夫とのことで!」

「よし!なら無問題ですね!!」



そう言って、三人死ぬ物狂いで走り、マジのギリギリでバス停に着いたのだった