Family 〜愛の歌〜

帆希和華

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Together

すべてが「今」だから

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 昨日も今日も明日も自分たちが実際にいる場所は「今」という時間だけです。すべてが「今」に繋がります。
 自分はあまりというか全然裕福な家庭ではなく、どちらかというと、というよりも、貧困層の中の1人でした。親は選べないし、産まれる時間も選べません。場所だってもちろん選べません。
 だからといって不幸だったかといえば、自分はそうだとも思っていません。そりゃ、富裕層からすれば結構不幸な方だったとも思います。ですが、幸いにも10代の頃は食べるものに困ったり、着るものに困ることもなかったです。父親が一生懸命に汗水垂らして働いていたから……そんな美談はないです。働いていたは、そうなんですが、借金を抱えたまま会社を起こして、夫婦なんだから苦労するのは当然だと、自分はパチンコ、麻雀、競馬、借金してまでやったあげく、母親はほとんど遊ぶこともなくパートに子育てにほとんど1人でやっていました。
 家族で遠出することもありました。もちろん楽しかったし、いい思い出です。父親が全く子供の相手をしないというわけではなかったですが、ズルイのはずっと変わらなかったですかね? 最後までズルかったと思います。
 もし、自分ならと……思うことが多々ありました。父親なら、自分で作った会社なら、もっと責任を持って一生懸命やるんじゃないかな? 誰かに甘えればいい、借金してお金を工面したらいい、そんな考えで社長なんて務まるもんじゃないと思います。
 
 こちらがバイトで貯めたお金を意気揚々と借りたり、『お前だけは高校行かせてやったんだから』そんなこと言うなら子供なんて偉そうに作らなきゃいい。
 子供のいない自分が言うのも変な話ですが、もし、子供がいるなら、本当にその子たちを愛しているなら、もっと違うやり方があったんじゃないかな? この子たちに不憫な思いをさせないように頑張らなきゃ、そんな風に思うと思います。
 借金してまで遊ぶ時間があるなら、足りないお金を補うため、日払いでもバイトを入れたり、やり方はいくつもあったように思ってなりません。
 もし、そうであったなら父親に対してもう少しは違った感情があったかもしれません。

 ここで、父親の批判をしたいわけではないです。批判する気持ちはめちゃくちゃあります。その権利も自分にはあると思います。ここには書きませんが、それなりに嫌な思いをしてここまできました。泥水をすする思いも少しかもしれませんがしてきました。

 それが絶対によかったかと言えば「No」だと思います。違う道があったならそっちに行きたかった。

 でも、今の彼氏と出会えたのもそんな行動と結果だと思います。すべては自分で選択したことで繋げてきた道です。
 すべてがいいとは思いませんが悪いとも思いません。
 だからこそ、自分にしか出せない色、形、声があると思っています。
 わんこに出会えたのも「今」にたどり着いたおかげです。

 明日も明後日も未来もすべての「今」が繋がってできるものです。
 その日その日を大切にしたいと思っています。ですが、疲れていたり、思い通りに進まないことも沢山あります。それはそれでいいと思います。毎日全力で生きていたら体が壊れてしまいます。
 今の自分のペースでいい。やりたいこと、やらなくちゃいけないことを確実に実現していけたならいい。
 きっと、手にしたい「今」がそこにあると思うから。
 
 そう願ってます。
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