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24話
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『昇一は自慢の息子ね!』『将来が安泰だ!やっぱり可愛い!』『ありがとうパパママ!でもかんちゃんだって…』「…」『パパ?ママ?』『えっと…可愛いわよ!』『そうだ!面白い顔してるぞ!』『面白い顔かぁ~!』『…』そうお父さんもお母さんも遠回しに言ってたけど私のこと不細工って言ってた…「ち…いち…伊知!」「えっ…朝かぁ~!」「かんちゃん魘されてたよ~?」「えっ?何が?」(昔の夢見たなぁ…)「よいしょ…」スタスタ…(パイセンの過去ってキラキラしてそうだなって毎回思う)ガチャ…「ただいま…誰もいないか!」兄ちゃんはデザイナーとしての仕事が忙しくて最近帰りが遅い。二紀も舞台の仕事で今は帰ってこない「さてご飯…紙だ『樺乃おかえり!今日はお兄ちゃんの特製料理を作ったから食べて!まぁ…樺乃ほど上手くねぇけど!』」スタスタ…チン!「…いや!普通に美味しい!プロの味には遠…失礼か!」ピンポーン「誰?こんな時間に…」ガチャ…「パイセン~!お腹空いた…」(…呑気な子)「はい」「これは!?」「冷蔵庫の余り物」「流石パイセン!何?焼きそば」「本当は明日に使うつもりだったけどお腹空いてそうだったから使ったの!」「市民のお料理を…」「昔から市民料理…じゃない3人で暮らすようになってからだ!」「やっぱりかぁ…」「やっぱり?」「昔から美味しい物食べてたんだなぁ…って」「…シェフが作った普通の料理だよ」「うん…お父さんもお母さんも料理をあまりしなくて」「でも昇一さんとか二紀ちゃんとかしなかったの?」「兄ちゃんはしようとしてたよ!確か…」『実は学校で親から教えてもらう料理って言うのがあって…』『でもお兄ちゃん私に言われても…』『お願い!教えてくれ!』『えっと…』「で…よく分からなかったから取り敢えず私が読んでた本を…」『お粥!これが良い!』「えっ…それ『ちゃんと考えろ』って言われそうなんだけど」「それがね…」『たまご入れた方が美味しいと思う!』『確かに!』「『確かに!』じゃないよ!」「で結局たまご粥に決めたんだけど兄ちゃん料理真っ黒焦げになってね」『…どうしよう』『えっ…取り敢えず片付けよう』『おにいちゃん!おねえちゃん!わたしにもちょうだい!』『ダメだよ!』『おねがい!たべたい!しかも2人でたべるのズルい!』『分かった!けど約束して残さずに…綺麗に食べること!』『はーい!』「二紀ちゃんに…妹に焦げたの食べさせたの!?」「うん!二紀ね…」『おいしい!またつくって!』「大絶賛!結局たまご粥どうなったの?」「結局たまご粥のアレンジ改善とレシピを私がして兄ちゃんに教える!しかも料理未経験の私が指導っていう」「それ…ヤバくない?怒られたんじゃ…」「それがね先生からも褒められる!親からも…兄ちゃんがやったことにしてるけど」「自分の手柄を自ら辞退するなんて…」「いや…違うから!」「パイセンって本当優しいなぁ…私以外」「どういうこと!?私は誰にでも優しくするようにって言われてるから…」「冗談だって!もうパイセンって…」「パイセンが…何?」「パイセンってすぐ冗談を鵜呑みにするよね…」「だって…」♪~「もしもし?いつもお世話になってます…はい!兄は今撮影で外出てるんですよ!妹も…はい。またこちらに連絡しますので…失礼します」ガチャ…「誰?」「事務所の人」「へぇー!パイセンの存在事務所にはバラしてるだ…」「うん、バレたの最近なんだけど…何か黙っててくれてるんだよ…」「まさか…似てないから!?信じてないとか!?」「…そうかもね」「あっ…パイセンごめんそんなつもりは…」「ううん、大丈夫!それよりご飯食べたら帰っ…」「泊まってもいい!」「いや…帰っ…」「パイセン!お願い!」「…分かった!けど私の部屋以外使わないでね!」「了解!ありがとう!」バタン…「はぁ…兄ちゃんと二紀に言っておくか!」連絡はオッケーだった。「よし!疲れたしお風呂入って寝ますか!」翌朝「パイセン~!よだれが…」「お金は払ってね!」「ええっ!?」「冗談だよ…食べたら外出るよ!」「外出るの?」「…」「パイセン?」「…でかんちゃんの様子が変だったから聞いて欲しい?」バン!「それ…普通にかんちゃんに聞いた方が早いよ~!」「そうだよ!」「はぁ…私達呼び出しの伊知のこと!?」「まぁまぁ河野落ち着いて…森岡さんその話だと伊知さんのプライベートじゃないですか?」「…プライベート?」「例えば…彼氏が出来たけどどう接すれば良いのか?とか…」「かんちゃんが~?ないない~!」「新野…かんちゃんに失礼だから」「真愛美が正論を…」「うん!真愛美!正論言えて格好いいよ!」「あの…2人共真愛美さんに失礼です!」『木瀬…』「た…確かにそうだね!」『…』「…パイセン誰にも言えない悩みでもあるのかな?」「パイセンに悩み?」『!?』「えっ!?」「別に平気よ…何も変わらないから」『かんちゃん…』「どうしたの?2人共?」「何か悲しそうな目してるから…」「あはは!新ちゃん!さっきまで泣いてた訳じゃないし!」「私達友達でしょ?悩みとか何でも言って欲しい!」「真愛美…様子が変なの真愛美の方だよ?」「えっ?」「新ちゃんと喧嘩でもした?」「し…してないよ~!」「あんたらが逆の立場になってどうする!?はぁ…」「河野?」(さっきの回想で…)「今、兄妹仲に悩んでるじゃない?」『!?』「兄妹仲?」「そう」「えー!仲良しだけど?」「…そう…顔悲しそうだけど…」「河野こそ悲しそうな顔してるけど大丈夫?」「私は大丈夫!」「…」「伊知?」「伊知さん?」「そろそろ行かないと!」バタン…(みんな…鋭すぎ!顔に出してなかったのに…)ガチャ…「ただいま…2人共帰ってきてる…」(でも電気付いてるのに反応がない…)「ふざけるな!!!」「!?」「私は新しい道を見つけたの!口出ししないで!」「まだ話は終わってないぞ!」「に…兄ちゃん?二紀?」『…』「えっ…」ガチャ…「あっ…お帰り!いつ帰ってたの?」「さ…さっきだよ?」「樺乃おかえり!」「ただいま…」「お姉ちゃんどうしたの?」「えっ…何でもないよ?」「お兄ちゃん…お姉ちゃんの様子変だから私料理作る!」「分かった!樺乃今日は二紀が作るから休んどけ!」「…ありがとう」(私の前では仲良くしてるのかな?)翌朝「…ふわぁ~!」「おはようお姉ちゃん!」「おはよう…兄ちゃんは?」「お兄ちゃんなら部屋にいるよ!」「そっか…昨日はありがとう!」「良いよ!たまには家事休んだ方が良いよ!」「でもお兄ちゃんと二紀がいないと私生活出来ないし…」「そんな事ないよ!」「そうそう!樺乃がいないとご飯食べられないし…」「お兄ちゃん!」「兄ちゃんどうしたの?」「樺乃…料理…家事全般教えてくれないか?」「良いけど何で?」「実は彼女や…」「お兄ちゃん!」「あっ…そうだった!この通り!」「でも兄ちゃんって料理下手じゃないでしょ?それに私人に教える程上手くない…」「お姉ちゃんって昔から一般の主婦より料理上手だったじゃん!」「そんな事ないと思うけど…」「ほらっ!お父さんとお母さんがいない時に…」ギュルル…『お腹空いた…パパとママ帰ってこない』『お父さんとお母さん遅いね…』『ごはんたべたい!』「私はお腹空いててどうしても食べたかったの…」「そうそう!俺は全く料理出来なくてさ…」『ごめんな…お兄ちゃん料理作れなくて…』(怒られるの怖い)『それなら私が作るよ!』「えっ!?」『おねえちゃん!』『樺乃!大丈夫…』『兄ちゃん大丈夫だよ!二紀…お姉ちゃんが簡単な物を作るから!』『そもそも作った事…』『ない!』(嫌な予感しかしない!)『大丈夫!失敗したら私が怒られる…ただそれだけだよ!』「えっ!?覚えてない…」「凄いんだよ~!料理普通にトントン拍子で作るんだもん!主婦かって位…」「俺も嫌な予感しかしてなかった…」「まぁ…そうなるよね」「…」「結局作ったんだけどまぁ…俺逃げてさ!」「怒られるの分かってるしね」「うん!結局怒られてたなぁ…」「えっ!?そうだっけ?」「樺乃が庇ったんだよ」「お姉ちゃんがお兄ちゃんを庇って「私が原因だよ」って言ったら「私が作りたかったから」って」(そう言えば酷く怒られて泣いたなぁ…)「樺乃って俺と二紀の前ではケロってしてたよなぁ…」「確か二紀が大泣きでね~!あはは!思い出した!」『…』「2人共どうしたの?」「本当はお姉ちゃん泣いてたの私知ってるよ!」「でも知らないはず…」「樺乃、二紀を慰めてすぐ部屋に戻って再び大泣き…泣き疲れて床で寝ている」「そう言えば起きたらベットにいた…まさか!?」「俺が運んだ!」「どうやって!?」「そりゃ抱っこだよ…」(今考えたらお姫様抱っこ)「軽かったなぁ~!」「そ…そんなに軽かったの!?」
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