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2020/01/05

キーワード選定の謎に迫る(2020/11/04 改)

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  まとめサイトの下請けライターをやっていて不思議だったのは、クライアントから与えられる「キーワード」だった。
 下請けは与えられた「キーワード」に沿った内容で書くわけで、なぜそのテーマで書くのかを考える必要は「全くない」ことだ。
 しかしだなぁ、二年間、キーワード与えられ続けた自分は、考えるようになってしまったわけだ。

 「なぜこのキーワードなのさ?」

 当然クライアントに尋ねることはしない。ページを検索サイト上位に表示させる「肝」の部分で、「企業秘密」の部分だから。
 自分はドラマと映画記事を主戦場にしていたから、二単語のキーワードが与えられた。基本的に、人ってのは一語ではなく二語で検索して検索結果を絞るものだ。二語のキーワードの一つは、「ドラマ名」だ。まぁ当然だ。二つ目のキーワードが、そのドラマの何に焦点を当てた記事にするか?のテーマになる単語であり、記事の主題ということになる。
 ドラマ記事なので、登場人物や相関図、ロケ地、脚本、原作のネタバレになってくる。

 では何が不思議だったのかというと、「ドラマ名」の方だった。
 ドラマが始まる前は、放送が開始されるドラマ作品を手あたり次第、キーワードとして発注側から投げられるだが、ドラマが始まると取り上げられないドラマが出てくる。
 その一方、しつこく記事にするドラマもあるのだ。
 しかも、私が契約していたクライアントは人気の出た方を切って、視聴率でいえば「爆死打ち切り寸前」のドラマをしつこく記事に書くように指定してきた。

 爆発的な人気の出たドラマをキーワードにしない理由がわからなかった。ぶっちゃけて言えば「ドクターX」は放送前は情報ない中で記事をガシガシ書かされたけれど、ヒットしはじめると、記事の作成数がガタっと落ちるのだ。人気あるんだから記事をじゃんじゃんアップするじゃね?と思うのだが、どうにも違う。

 というわけで、キーワード選定について検索をかけてみた。
 当然、「キーワード選定を何にするか」で検索かけてくるのを見越したまとめ記事があるのだな。それをクリックするのは悔しいけど、手っ取り早く調べたいのが世の常、人の常だ。トップページに表示されたまとめ記事を、ホイホイクリックしてしまう自分が憎い。ブログアップした人の仕掛けを知って、それに釣られてしまう悔しさたるや……(以下、略)

 まず驚いたのがキーワード選定を商売にしているところがあるってこと。検索されやすいキーワードを、有料で教えてくれるんだと! 無論、無料で教えてくれるところもある。クライアントが自分でキーワードを選定していたのか、無料のサイトを利用していたのか、有料サイトを使っていたのか、それはわからん。なんせ私は下書き専門だから、余計なこと考えたって報酬あがるわけでないし。

 下請けをやめた今だから、当時、謎だったことを考察してみたくなったのだ。

 自分がドラマ系の記事作成で関わったクライアントは、二人。最初のクライアントAさんはドラマのまとめサイトでいえば、三番手四番手あたりのサイト運営をしていた。もう一人は最後のクライアントDさんで個人でちんまりやっている人だった。要するに、トップサイトではなかったわけで、そこがポイントだと思った。
 視聴者の興味を引くのは、話題作だったり、視聴率を望めるシリーズ物だったりのはずだが、そこは検索大手ががっちり掴んでいる。ということで、ド直球を外したドラマ作品で検索上位を狙っていたの感じるわけだ。
 また、視聴率自体が悪くても、広告ターゲットの若い人が見る割合の多い作品というのもあるわけで、それらのスキマ作品を狙っていたのかなとも感じていた。
 大手のドラマまとめ記事サイトのテーマをあえて外して、視聴率爆死と言われているドラマの記事を書くことになった理由が透けてみえてくる。
 でも、真相はわからない。さすがにクライアントにド直球で質問できる雰囲気はなかった。
 
 それにしても、視聴率爆死ドラマの記事を書くのは、哀愁あったなぁ。
 ドラマを作るとき、制作側も出演者も、爆死しようなんて思っていないわけだし、ストーリーだってしっかりしている物も多い。記事かきながら、なぜここまで酷評され、打ち切りはいつか?みたいなことになるのかなぁと、他人事ながら悲しくなった作品も多かった。
 ドラマのまとめ記事書きながら、日本のドラマは、視聴率が落ちている中でも、必死に作品作りに励んでいたし、少ない予算をやりくりしながら、実験的な挑戦もしていたと感じていたものな。
 幸い、記事内では否定的な書き方を指示されていなかった(されていたら書くのを断っていたと思う)ので、まとめ記事ながら、できるだけ応援する言葉を書いていたんだよ。
 まぁ、作品を自分で見ないでおいて応援も何もねぇよといわれそうだがなっ。


(つづく)


 
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