99%興味【改訂版】

朝陽ヨル

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二章〈pleasure〉~今日の俺はドキドキ乙女心~

四 拓視点

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 好きだ話したい遊びたいは友人の範囲で、キスしたい触りたいは恋人の範囲。それに続けて深く繋がりたいなんて言われれば鈍くても分かるもんだ。

 それって前の続きをシたいとかそういう話だよな……

「大事なこと聞いてもいいかな」
「……なに」
「俺に抱かれるのに抵抗はある?」
「それは……無い……とは言い切れない」

 実は男同士のセックスというものを調べてみたことがある。今後あり得ることだろうと思い、ついでに男女のも調べた。未成年ということでかなり制限があって情報収集の成果はイマイチだが、率直な感想で言えば気色悪い。全くの他人の情事の内容なんてどうでもよかった。そもそも男同士の場合は更に情報が少なくて、セックスをする意味もよく分からなかった。男女なら子孫を残すという理由はあるだろうが。

「俺はシたいよ。チョコを抱きたい。チョコに挿れて深く繋がりたい」
「ちょちょちょっ落ち着け! そもそも男同士って中に挿れないと駄目なのか!?」
「必ずしもってわけではないかな。女の子の身体とは違うし簡単じゃないと思う」
「だろ? そこまでしなくても……」
「そうかもしれない。でも……」

 目の前で座っていた有馬が立ち上がり、どんどん俺に近づいてくる。ベッドに腰掛けていた俺は触れないように仰け反ったが、有馬が跨ってくるとその体勢でいるのがキツくてベッドに倒れた。有馬が覆い被さって見下ろしてくる。

「恋人である証拠が欲しいのかも」
「はあ? 証拠?」
「既成事実ってあるだろ? そこまですれば、ちゃんと恋人だって言えるかなって」
「お前な……」

 そんなに恋人って《関係》が欲しいのか?

「このっ」
「い゛ッ!!」

 頭を思い切り振って、有馬の額にド突いてやった。勿論、俺も痛い。

「~~~~っ! んあーっ! クソっいってぇ!!」
「そりゃここは痛いよ! たんこぶ出来たらどうするんだい!?」

 額を手で押さえて涙目になりながら、血が上って冴えてきた頭で思ったことをぶちまけることにした。

「うっせぇっ! 何が証拠だ。そんなん無くても恋人ってことに変わりねぇだろが! 身体の関係があることが恋人ってことなのかよ?」
「それは……違う……と思う」
「そうだろ。じゃあ、ここでこの話は終いだ」
「待って。ごめん、言いたかったことがまとまらなくて……そうじゃないんだ。ただ俺は、チョコに恋人であることをもっと意識して欲しくて。意識してくれたらもっといちゃいちゃ出来るかなって思ったんだ」
「意識させるのにヤるとか滅茶苦茶だな……そんなにいちゃいちゃしたいのかよ」
「そりゃそうさ! 俺がどれだけチョコことを好きか、言葉だけじゃなくて体でも伝えたいんだ! 言葉だけじゃ足りない。セックスするのは気持ち良くなるだけじゃなくて、愛情を伝える行為だから」
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