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衝動(美咲SIDE)

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冴子と四肢を絡ませるようにして眠っていると、そっと肩を叩かれた。

「私達は戻りますね」と、小田梢が小声で告げてくる。
勿論隣にはあの娘が寄り添っていた。

冴子を起こさないようにして、二人が出ていった扉に施錠してからベッドに戻ると、身体で私の不在を理解しているのか、冴子は腕でシーツの上をまさぐるように動いていた。
その手を軽く捕まえながら元の場所に戻ると、冴子の動きはぴたりと止まり、再び規則的な寝息を立て始める。

…今、何時なんだろう。
時計を見ると案外と時間は経っていなくて、まだ夜中の1時くらいを指していた。

改めて冴子の手を握り直し、身体をさすってみる。
「んー」と身じろぎする冴子の豊満な胸が強調されて悔しいぐらいに興奮してしまう。
こういう無防備な姿は、できれば私以外には晒して欲しくないものだ、と思うんだけど。

今のリアクションがあったからという訳じゃないけど、私はどうしてももう一度冴子の身体に、いやらしい意味で触れたいと強く思っている。
あの二人が部屋から居なくなったというのが、動機としては一番大きい。

先ほどのあの時間の中で、私は何度「他の娘とするなら私に全部晒せ」と冴子に命じた事を後悔した事か。
…かと言って知らない所でされていたら、それはそれで辛い。
ならばどうすれば良いのだろうか。

答えを求めてなんとなく冴子の顔を見ても、わかるはずもない。
多分、私が冴子を選んでしまったのがいけないのだ。こうなった以上そこは避けて通れないような気がする。

「……」

あんまり冴子の顔ばかり見ていた所為だろうか、冴子がうっすらと目を開いてしまった。

「…梢さん達は?」

眠たそうな声で尋ねてくる冴子の髪を撫でながら答える。

「ついさっき出たわよ」
「そうですか…」

私の答えを聞いて冴子も思う所があったらしく「私、本気で嫉妬しちゃいました」と打ち明けてくる。
…この娘は一体何を言ってるんだ、と私は一瞬混乱した。
自分が引き出した私の嫉妬心の方がよほど大きい事には無自覚らしい。

「もうちょっと寝る?それともシャワーでも浴びようか」
「うーん」

二人とも上半身は綺麗な感じがするけど、冴子の方は見た目だけで実際は色々あの娘達の愛蜜など浴びたりしただろう。
冴子が一緒にシャワーを浴びたいと言うので、そうする事にした。だが髪は洗わないつもりらしい。
「綺麗にしてからお姉さまとくっつきたいけど、髪を乾かす時間が惜しい」との事である。

「お風呂場でくっつけばいいんじゃないの」と冗談を言ってみるけど、冴子は本気にしてしまったのか黙っている。

「……」
「なんか、その反応だと嫌がってるみたいに見えるんだけど」
「ち、違います」
「じゃあ、洗ってあげようか♪」
「だから、そういうのが…」

正直な所、複数プレイはやれた事はやれたけど、なかなか気持ちがついていかなかった。
もし自分に偽のではなくて本物の竿が付いていたなら、多分あの二人には挿入できるほど勃起しなかったろうと思う。
だから、内心偽竿で助かったと思ったぐらいなのだ。

冴子は多分、当たり前のように行為になじんで没頭していたし、本人が言う嫉妬心含めてプレイを楽しめたのだろう。
でも私はそこまでにはなれなくて、案外許容量が小さいな、と自分を客観視しつつどうにかして行為を成立させる事に意識を向けるしかなかった。

冴子の身体にシャワーのお湯をかけてやりながら、「どこで嫉妬したの?」と聞いてみる。
わからないのか、とでも言わんばかりの勢いで冴子が頬を膨らませた。

「ぜ、全部です」
「え?」

全部とは何だ。どこからどこまでを行為とみなすのかさえ判然としないのに。

「じゃあ、言いますけど」と今度は冴子がシャワーヘッドを奪って私にお湯をかけながら話し始める。

「梢さんに、お姉さまが後ろから挿入してる時」と言う。
「偽物だけど、二人が繋がっちゃったって思ったら」と、そこで言葉を切ってあとは私の顔を見ていた。
…あの時、小田梢は失神しておりどうにか身体のバランスは保っていたのでとりあえず冴子たちに合わせて挿入していただけなんだけど。
意識のない人間に竿を撃ちこむのは、まるで生命を失ったものと交わっているようで、それこそ生きた心地がしなかったと言うのに。

そう考えると佐藤晴香は意識のない人間にも容赦なく竿を撃ちこむ事ができるという点で強い。
小田梢もそうだけど、自分の欲望をストレートに表現できるし、その事に躊躇がないのだ。

「あれは…」と言いかけて、でも言い訳がましい気になってそこで言うのを諦める。
冴子は更に「それから、あの…晴香ちゃんにだって入れてましたけど、ちょっと見ない間になんだかがらっと雰囲気が変わったように見えました」と言った。

確かはじめのうちは冴子と小田梢が二人で行為を観察していたのだが、小田梢がむらむらしたかして、冴子と舐め合いっこを始めた、あの時の事だろう。
あれは実際の所かなりの時間を要していて、多分二人が思う以上に相互クンニの時間は長かったのだ。軽く30分ぐらいはいそしんでいたと思われる。

佐藤晴香に関しては、膣内での絶頂について言えば年齢相応だが未熟である事には変わりなく、少なくとも小田梢がタフ過ぎる件を理解した上で突いてやらねば気の毒だと思ったのだ。
冴子たちがこちらを見ていない間の大半、佐藤晴香は膣内で感じる事ができずほとんど無反応に近かった。「この程度の気持ちいいはいつでもあるけど」で止まったまま進まなかった。

相手が私なら尚更、絶頂は遠いと思ったので「小田さんのどこが好きなの?」とか、冴子についてもどういう妄想をしてオナニーしていたのかなど話をさせそこに意識を向けるような攻めを入れていたのだ。

「梢ちゃんは、身体が綺麗だと思いませんか」と、彼女は言って「あと、なんでも我儘を聞いてくれるから、甘えちゃうんです」と語っていた。
小田本人が聞けば泣いて喜ぶような事を言っていたにも関わらず、当の小田は冴子へのクンニに夢中で聞き逃している。

「ほんと、スタイルがいい娘だよね」と私が応じると、彼女は「それをめちゃくちゃに犯して、傷付けてしまいたくなって…梢ちゃん、嫌だって言わないから」と、身体を振るわせつつ呟いていた。
緩い挿入を延々と続けながら、私と彼女はそうやって、実際には冴子へのクンニに夢中な小田梢について、それから冴子について話をしていたのである。

「冴子さんの事は、言わなくてもわかってるんじゃないですか」
「それはそうだけど」
「私、知ってたんですよ…もうずっと前だけど、貴女が冴子さんの脇腹にキスマーク残してたの」
「……」

それはいつの事だ。こっそりそれをしていたのはかなり以前の話である。
しかも一度か二度しかしていないから、逆算すれば冴子が彼女の前で少なくとも服を脱いだであろう時期ははっきり特定できる。

「しかもそれ、その場で冴子さんにも教えましたから」
「……」

不意打ちにしては強烈なパンチだ。
私の独占欲は今に始まった事ではないと言い渡されているようでショックだった。

「…私は本気だったけど、でも経験もないし子供だし、貴女がいるのも知ってたから、すぐには冴子さんに迫れなかったんです」
「なるほどね」

そこまで聞いてつい、彼女の膣奥を一度だけ強く突いてしまった。
「はぁっ」と彼女はうめくけれど、痛くはないらしく甘さを含んだ喘ぎ声だったので、少しほっとする。

「…でまあ何の因果かその私にこんなもん突っ込まれちゃってるけどね」
「いえ…冴子さんの好きな人だから、大丈夫です」

頭は悪くない娘だと思っていたが、この理屈には驚いた。
彼女は、私が考える以上に冴子を好きでいるのだろう。そして小田梢の事も。

極力そちらは見ないようにしていたけれど、一方で股間を舐め合っている小田梢と冴子にしても、小田の態度と言うかリアクションと言うか、奔放な彼女らしく冴子への行為を隠さない。
それは単に冴子が性的に貪欲で許容範囲が広い点にのみ注がれている好意なのかもしれないが、小田もまた、冴子の事が相当好きなんだと思った。

「やっぱり、一応言っとかないとわからないみたいだから言うけど」

暫く冴子にされるままシャワーのお湯を浴びていたけれど、私は冴子の肩に手を置いて伝える。

「あの二人は相当冴子の事が好きなのよ」
「……」
「だから私もすごく焦ったし嫉妬しまくってた」
「…嘘でしょ、全然余裕そうだったじゃないですか」
「もう行こう」
「…え」

私は裸のまま、冴子には濡れた身体にバスタオル一枚を引っかけさせてバスルームを出る。

そのまま、メインのベッドルームのまだ使ってない方のベッドに、冴子を押し倒した。
二人とも身体はびしょ濡れだったけど、そんな事は気にしない。どうせ乾いたシーツに身体を擦り付ければすぐに気にならなくなる。

「…っ」

冴子の髪を留めているクリップを外してやり、身体を密着させた。
拭き取らずに残った水滴が汗のように貼り付いて、まるで激しく抱き合った後みたいだなと錯覚する。

冴子の方は、「どこに嫉妬したか」の件をまだ話し足りないらしく、微妙な表情をしている。

「何が気になるの?」と聞いてみると、冴子は「だって」と横を向いた。

「梢さんや晴香ちゃんの事、全然可愛いって思わないんですか」
「……」

一般的な基準では勿論、二人が可愛いという評価に誰も異論はないだろう。
冴子もそのように思っているのだ。
加えて冴子は容姿が良い分、それを記号的にとらえる節がある。
自分の取柄が用紙に起因していると思っているので、容姿が良い娘がいいなら自分にこだわるのはおかしいという論法なのだろう。

「一般的に言って可愛いかどうかと、好きかどうかはまた別の話でしょ」
「そうですけど」
「じゃなんで冴子は私がいいの?」
「…それは」

冴子が身体をよじって離れようとする。
多分、びしょ濡れのまま身体を密着させているのが気持ち悪いのだろう。だから私はしたいようにさせた。

「お姉さまは、優しいですし」
「優しい人ならいくらでもいるでしょ」

半分笑ってそう答えてみるけれど、冴子は本気で慌てている。

「あと、エッチな事いくらしても怒らないし」
「それだって私でなきゃいけない理由にならないわよ」
「……」

好きな気持ちに理由が必要か、答えは否である。
だからどうせこのやり取りは不毛な事だ。

「そもそも、冴子って年上がタイプなの?…多分違うわよね」
「それは…」
「ほら、やっぱり即答しないんだもん、違うんでしょ」

私は冴子の身体の上から降りて、冴子と同じ目線のシーツ上に転がる。

「おばさんからかって何が楽しいの、この娘って思われても仕方ない立場なのに」
「違います、お姉さまはそういうのと違うんです」
「違わないわよ…何も」

やっぱり不毛だ。一般論を語って何の意味があるんだろう。

私があの間どれだけ嫉妬していたか、冴子には伝わっているのだろうか。
でも今思うのは、おそらく冴子も同じような事を考えている。

「…でも冴子じゃなきゃあんな指輪なんか買わないし」
「…はい」
「しかもそれ、冴子は普通に受け取って使ってるじゃない?」
「そう…ですけど」

言われるまで気付かなかったのか。
買った指輪を着けずにしまっておいても別に構わなかったという事に。

「た、確かにその、私は流されていろんな事しちゃいましたけど、お姉さまのものになりたいんです、させてもらえるのなら…ですけど」
「そうなんだ」
「はい」
「冴子はあれだけ、可愛い娘達にだいぶ好かれていて、そしてそういう気持ちを詰めたくあしらうような事をできない娘だってのも、わかってる」
「はい」
「…だからね」

私は冴子の腕を思い切り引っ張って、先ほどとは逆に冴子を自分の上にまたがせるように乗せて顔をじっと見る。

「もう、冴子の自由なんて全て奪って、部屋に閉じ込めておいて、誰の目にも晒されないようにしなくちゃって、一瞬本気で思ったりするんだよ?」
「……それでも、いいですよ、私は」

仮に私が冴子の立場なら、そんな願望に付き合う気なんてさらさらないと拒絶するに決まっていると思うだけに、冴子のそういう態度に「理解できない」気持ちが芽生えたり、そういう潔さに胸がすくような思いがしたり、そんな事を言わせてしまった自分のあさましさに閉口したり、そういういろんなものがないまぜになって、私は思わず瞳を閉じた。

「…しても、いいです…お姉さまだったら、私大丈夫です、むしろ幸せかもしれません…ううん、して欲しい」

言葉を重ねてくる冴子の顔を見る事ができない。だから目を開けられなかった。

「何バカな事言ってるのよ」
「嘘、本気だったでしょ?…お姉さま、さっきの」

願望はあった。でもそんなの非人道的だし、あり得ない事だと思っていたから、具体的に想像した事などない。
それなのに冴子がそそのかしてくるから、私は考えてしまった。
冴子を裸のままにして、動けなくさせて…そこから先は口にするのも憚られるような、犯罪じみた行為を想像しておいて、そこに異様なまでに惹かれている自分に気付く。

「…やっぱり、したいんですよね、お姉さま」
「…そうよ、決まってるじゃない、誰にも渡したくないんだから」

言うが早いか冴子の首に腕を回して唇を重ねる。
冴子は体重をそのままかけてきたけど、気にしなかった。
これでは動けなくされているのは私の方ではないかと思いつつも、それは冴子の思いでもあるような気がして、取り払う気になれない。

「…私の事、お姉さまだけのものに…してください」
「だからそういう事言われると…」
「好きです、お姉さま」

何故今日の冴子はこうも饒舌なのだろう。
台風の中に突っ込んでいくみたいに、私の心は揺さぶられ煽られっぱなしだ。
でも、そういう状況でただ流されるのは私じゃない。そんな嵐を、見た目には難なく乗り切っているような、そういう生き方でここまで来たのだ。

「…そんなにして欲しいなら、私だけのものにしてあげる」
「はい、してください…だから、お姉さまも私だけのものになって…」
「私は最初からそうでしょ」
「違います」

至近距離で冴子の涙を見る。
冴子は自分が平気でも、私が他の娘と繋がる事に対してもろいという事に気付いたようだった。

「わたし、そういうの…大丈夫だと思ってたのに、ほんとにお姉さまがしてる所見てたら、ダメでした」
「…ごめんね」
「だから、いいんです…私だけじゃつまらないかもしれないけど、どんな事をしてでもお姉さまの一番…じゃなくて、私だけ…になりたい」
「…うん」
「お姉さま、セックスしましょう、さっきの事が全部消えるぐらい、たくさん…してくれないと」

今度は冴子の方から唇を重ねてくる。
ねだられる事こそ多いけど、意外にはっきりと冴子からキスしてくる事は滅多になかったな、と思って私は嬉しくなった。

口の中で泡が立つぐらいに唾液を交換し合って混ぜ合わせる。
気持ち悪いなんて思わない。冴子とならむしろ嬉しい。

「あ……ん」

冴子がそれをこぼしそうになったので、私の方からそれを迎えに行くように吸い取ってやる。
口の周りを舐められて冴子はくすぐったそうに首を縮めた。

「ほら、返してよ」
「はい…」

どうも残りの唾液は飲んでしまったらしく、冴子は口をもごもごさせて時間を稼いでいる。
私は待ち切れなくて「いいから」と冴子の頭を引き寄せ、自分の唇と舌で冴子の口内を刺激して、分泌される唾液を吸った。

「…んっ」

なんだ、時間稼ぎなんかしなくても十分あるじゃないかと思うけれど、冴子が恨めしそうにこちらを見ているので、そういう事ではないんだなと理解した。

「…私のものになりたいんでしょ?」
「はい」
「じゃ早く全部見せて」

冴子を仰向けに転がして、まずは胸にしゃぶりつく。
「噛んでいい?」と形式的に尋ねるが答えは求めていない。
「はい」と言う前から私は冴子の白い双丘に噛みついた。

「い…あぁ、んっ」

…痛くなるほどではない。でもきっちりと跡は残した。
冴子の、大きくて白くて、柔らかい乳房のあちこちに、何度もそういう跡を残してしまう。

「…いっぱい、赤くなっちゃったけど」
「いいんです」
「じゃお尻にも、背中にも、足にもしていいのよね」
「はい」

私はふっと笑ってから冴子にこう告げる。

「私にも、していいからね」

冴子の目が丸くなりじっと固まってしまった。

「…できません」
「何言ってるのよ」

自分の両胸にはおびただしい数の赤い跡を付けさせておいて、冴子はぷるぷると首を振るわせている。

「冴子のものになるって、そういう事でしょ?」
「…そうなんですけど」

本当に不思議な娘だ。
つい先日も、前後のいきさつがあったとは言え秘書課の執務室で私にあんなとんでもないデザインのショーツを履かせたくせに。

「…付けてくれないの?」

寂しげにそう尋ねれば、冴子が困るのをわかっていてわざとやってしまう。

「そ、そういう訳じゃ、ないですけど」
「うん」

追い込むのはこの辺にして、私は再び冴子の身体を吟味するように指でなぞった。
冴子の身体はどこも敏感である。少し指を這わせただけで、面白いように反応するから楽しくて仕方ない。

「指で触ってるだけで、びしょ濡れにしちゃいそうね」
「…だって」

「あぁつ」と喘ぎながら、冴子は顔の右半分をシーツに埋めて恥ずかしそうに呟く。

「…だって?何?」

わざと顔を近づけて尋ねると、冴子は「好きな人に、触られたら…そうなるじゃないですか」と答えた。

「そうなの?冴子がエッチだからじゃないのかな」
「…それも、ありますけど…っ」

そこを否定しないのが冴子らしい。
それにさっきはあんなに大胆で饒舌だったのに、今はやたらと敏感になり恥ずかしがっていて、これも普段の冴子とはちょっと違う。
もう少し決然としていて、奉仕なら奉仕で、受け身なら受け身でそれなりに役割を演じ切れる娘なのに、今は少し違った。

「冴子、こんなに可愛く反応されちゃうと、やっぱり軽く虐めたくなっちゃうんだよなぁ」
「だから…してください」
「そうだったね、じゃあ好きにさせてもらうから」
「はい」

胸の谷間のちょうど中心にもう一つ跡を刻んでから、おへその周りも舐めてくすぐる。
たまにおへその中にまで舌をねじ込んでやると、冴子はすごく恥ずかしがったけど、抵抗はしなかった。

それから鼠蹊部を何度も指先で往復するようになぞりつつ冴子の秘部を観察する。
わかりやすく溢れてはこないまでも、ぴくん、ぴくんと花弁が疼いているのがやっぱり可愛らしい。

「冴子ったら、おまんこぴくんってさせて、可愛いね」
「……」

「可愛い」なんてもう何度も言っているのに、冴子は新鮮に反応してくれている。

許可は求めず冴子の太腿に口を付けて、やっぱりいくつも跡を残してしまった。
前太腿に派手に残してしまったので、おそらくトイレの度に冴子自身が目にするだろう。

そうしていると、ぴくんぴくんと疼いていたはずの花弁がちょっと開きかけて、そこから光るものが見えてくる。
私はそれを素直に美味しそうだなと思った。

「…ん」

一度だけそこに口づけして顔を離すと、かなり濃くなって粘りを帯びた愛蜜がぐっと糸を引いて垂れ下がる。

「…これ、すっごいね、冴子」
「……」

冴子はまるで初めてされるような顔をして、シーツをきゅっと握りしめている。
こういう事だって今までに何度もしてきたはずなのに。反応がやたらと初々しい。
そういう事もあって普通に口淫するのではなく、冴子にももっと恥ずかしがってもらおうと思い、普通に脚を開かせるのではなくて脚をもっと持ち上げてまんぐり返しのような恰好をさせて、そこに口を付けた。

「お姉さま、なんでこんな…」
「冴子に、いっぱい恥ずかしがって欲しいから」

そう言いつつ秘部のギリギリ近い内腿にチュッとキスすると、冴子はそれだけで「ひゃっ」と声を上げた。

「今は噛んでないわよ?…それとも噛んだ方が良かったかな」
「…どちらでも…」

この選択肢を聞いた時点で冴子はもう考えてしまったに違いない。
だから私はその場所にもう一度口を付けて、軽く噛みながら強く音を立てて吸った。

「あぁ…っん…」

羞恥と快感、それから軽い充足感も入り混じっているような、そんな声を冴子は放っている。

「…もっと?付けられたい?」
「……はい」

今度は冴子の言葉を受けて、もう少し秘部からは距離のある内腿にも吸い付いた。
冴子が目を閉じていなければ、キスマークを付けられているだけなのに自分の秘部がどんどん蜜で湿っていくのが見えているはずだ。

「…ね、キスマーク付けられて感じちゃった?」
「…はい」

冴子は震える声でそう返事をする。
従順なその態度には征服欲が満たされていった。

「もう、おまんこ舐めてあげるからね」
「…は、い…っ」

言いながら人差し指を立て、ぬかるんだ花弁の間にほんの少しだけ指を沈め、そのまま下に引き下ろしていく。
淫蜜が真っすぐ、お尻の割れ目や穴にまで伸ばされて、ヌルヌルして気持ちいいはずだ。

指先を上下に動かして、ヌルヌルをどんどん割れ目にまで広げていくと、冴子の身体がガクッと痙攣した。

「…あれ?」
「まだ…イってません」

そう言う声がものすごく苦しげなので私は心配になってしまう。
よほど堪えているのだろうか。

「そう、指で撫でてるだけでも気持ちいいのね」
「はい…気持ち、いいです…っんん」

さっきの痙攣で我慢の糸が切れたのか、今度はびくん、びくんと連続で痙攣している。
今この状況で実際に口淫したらどうなってしまうのだろうか。

私は、指をお尻の穴の上に置き軽くそこを圧迫させたまま、冴子の花弁を丸ごと口に含み、舌でその中心を探って上下に掻き回す。

「あぁっ、あ、あ…!」

今日の冴子はメチャクチャ気持ち良さそうに鳴いている。
もっとそれを聞いていたくて、しつこく同じ動きを繰り返した。
それこそ、小田梢とは30分以上にわたりお互いの秘部を舐め合っていたのだ。これぐらいどうという事はないだろう。

…けれど、思いのほか溢れてくる蜜の量が多い。
花弁の間で舌を上下させているだけなのに、ぐしょぐしょに濡れていくので、ある程度それを吸い取る作業が必要になるほどだった。

「お姉さまぁ、変です…私っ…あ、ん」
「そうね、すごい感じてる」
「ね、お姉さまは…おまんこ濡らしてないんですか」
「…濡らしてるに決まってるでしょ」
「じゃ、見せて…くださいっ、ん、あぁっ」

小田梢との行為を再現するだけになるのは嫌で、私は顔はまたがずに冴子の右側に身体を置いて、お尻を向けて四つん這いになる。
冴子の脚は下ろして斜め横から秘部を舐めつつ、自分の秘部を晒して好きに触らせた。

冴子は口淫が得意だけど、指の使い方だって勿論下手じゃない。
わざと指を伸ばして私の秘部にじっくりと出し入れしてみたり、何本もの指を同時に動かして襞を擦ってみたり、大きな音を立てて指を奥まで突っ込んでみたりと色々された。

その度に私は身体を振るわせながら、もがきつつ冴子の萌芽を吸い立て、自分の涎も混ぜながら冴子の秘部を蜜で溢れさせていく。

「冴子っ、そんな…しちゃったら、舐められなくなっちゃうでしょ…っんぁ…ん」
「…だって、指が吸い込まれていくから…っ、は…あんっ」

冴子の指の動きを真似て動かしてやると、冴子は自分で「あぁっ」と声を上げ始める。
卑猥に倒錯した行為にこちらまで頭がぐらぐらしてきた。

「…やっぱり、こんないやらしい娘は外には出せないわね」
「そうなんです、だから…あぁっ」
「ほら、もっといやらしく触ったら?…」

冴子の指の動きは、つまりそのまま自分がされたい動きである。
冴子は四本の指を使ってめちゃくちゃに花弁の内側を掻き毟った。
快感に耐えながら、私も同じ動きを返してやると冴子は「はぁんっ、あ、あ…いっちゃいます」と叫ぶ。

暴れるように動く指はランダムに萌芽の先端もかすめていき、その瞬間に突き抜けるような快感に襲われる。

「冴子、冴子…っ」

何度も彼女の名前を呼んで、そしてまたその内腿に噛み跡を付けながら、四本の指で秘部を激しく掻き回した。

「イっていいのよ、冴子…あぁぁっ」

イきそうなのはむしろ私の方なのだが、とにかく冴子を先にという思いだけで踏みとどまる。
今もまた、嵐の中に一人立たされているような、そんな心もとない気分だけど、私は耐えられるはずだ。

「あ、お姉さまぁ…いくっ、いくのっ、はぁぁんっ…」

絶頂の申告の前にだいぶ派手に潮を吹いてから、冴子は絶頂した。
耐えるつもりだった自分も、冴子が潮を吹いたのを見て同時に大量の淫蜜を漏らして果ててしまっている。

…いや、こちらももしかしたら潮を吹いたかもしれない。
あり得ない、中を触っていないのに?潮など吹く事があるんだろうか。
現に目の前の冴子の秘部からはそれらしきものが迸ったけど。

仰臥したいのを必死でこらえながら、私は冴子がまき散らした淫蜜を丁寧に舐め取った。
勿論秘部も隅々までくまなく舐め回し、それによって再び溢れだした蜜も丁寧に、じっくりと舐め取っていく。

「…あ、お姉さま…大好きです、好き」
「うん」

舐められて気持ちが良くなったのか、冴子は急に甘い言葉をいくつも呟く。
実際には身体中にいいように噛み跡を付けられて、大量の淫蜜をまき散らし下半身をぐしょぐしょに汚しているのだが。
そんな娘が、自分をそう追い込んだ女に愛の言葉を囁き続けるのだ。

「あ……んっ」

冴子を愛おしく思うあまり、口淫なのかキスなのかわからないような優しさで冴子の花弁をずっと食んでいた。
緩く感じてはいるのだろうけど、冴子は小さく「あんっ」と言うぐらいで、止めろとも何とも言わずにただその行為を受け止めている。

「…美味しい、冴子のここ」
「は、あっ…あんっ…」

10分以上そうしている中で、ごくたまに一瞬だけ、本当にこの場所を食い千切ってしまいたくなる事があって、そういう衝動に気付くと戦慄するのだが、その衝動自体は本当に一瞬で過ぎ去っていった。行動しようと意識するより先に消え去っていく。

「…冴子、好き…っんん」

その場所があまりにも濡れていて、粘着質な音を立てているから、これが冴子に聞き取れているかどうかもわからない。

「あ、お姉さま……好きですっ」

口も舌も、首も疲れているはずなのに冴子の一言、喘ぎ声一つでまた力が充填されてしまいこの行為を止められない。

「朝まで、しちゃっても…いいの…?」

冴子の表情が一瞬不思議そうなものに変わった気がする。

…そうか、冴子が口癖のようによく言う「何言ってるんですか」という言葉を言いたいんだなとわかり、愚問を投げかけてしまった自分を反省しつつ前言を訂正した。

「朝まで…させてくれなきゃ、怒るからね」
「は…はいっ…あっ…」

それから朝までの数時間は偽竿を使わず、ただひたすらに冴子の秘部を愛おしむように舐めていた。
緩く感じている時、絶頂しそうな時、あらゆる冴子の声を何十回も、何百回も聞いた。
「好き」「愛してる」という言葉も、何百回も言い合った。
ある回数を超えると麻痺したみたいになって、それこそ狂ったように何度も、バカみたいにそれを囁き合った。
囁き合いながら、何度も何度もキスをした。

「お姉さま、私…幸せすぎて死んでしまいそうです」
「ちょっと、物騒な事言わないでよ…死なれたら困るんだけど」
「あはは」

即物的な女だと、笑われたのだろうか。それでも別に良い。

「…死んでしまいそうだけど、絶対に死にたくありません」
「……」
「だって、お姉さまと気持ちいい事できなくなっちゃいます」
「…そうね」
「あん……もっと、噛んでください…ん…」

今の冴子の身体には、もうそんな事ができる場所は残っていない。
これ以上は日常生活に支障が出てしまう範囲に入るのだ。
「閉じ込めてしまいたい」と言いつつ、そういう意識が消せない自分が可笑しくなる。

「…私には?まだしてないけど」
「あ……」

過去に私の身体に跡を残した事はあるはずなのに、「どこがいいですか」などと聞いてくるので「普通やられる側にそれ聞かないでしょ」と突っ込んでしまう。

「冴子のしたいようにすれば良いのよ」
「……」

そうしてやられた場所は、正に鉄板の首筋である。
そこかよと思ったけど、冴子はまだ若いのだ。分別なんて求めても仕方ないけど、多分旅行の後までこれが残った場合、冴子は相当な罪悪感に苛まれる事だろう。

「…ここに、してみたかったんです」
「…そう」

頭を撫でてやると、冴子は子犬みたいに鼻を鳴らして私に抱き付いてきた。

「朝になっちゃうね」
「……お姉さま、さっき言ってた事、本当にやらなくて良いんですか」
「…閉じ込める話?」
「はい、疑似でもその、やってみたいようであれば…」

その話題を蒸し返されると辛い。
やりたくないと言えば嘘になるからだ。

「そんなに勧めてくれるんだったら、一日ぐらい冴子の時間を好きにさせてもらおうかな」
「勿論です」
「…でも、結局一緒にいたらこんな風にしてるだけかも」

言いながら、冴子を柱にでも繋いで半日以上外出したとして、トイレに行くのも許されずペットシーツで用を足しながら私を待つ冴子の姿を想像してしまい、慌ててそれを打ち消した。
…やっぱり、そんなのして良い事ではないに決まっている。

「首輪を付けてお家の中をお散歩するのでも良いですよ」
「……」

頼むからこれ以上、変な想像を煽らないでもらいたい。

「そんなの、絶対ダメ」
「…嘘吐いちゃって、お姉さまったら」

余裕を見せる冴子にむっとして、私は冴子の両手首をまとめて彼女の頭上の位置に押さえつけてしまう。
冴子の瞳は軽く怯えているけれど、同時に何かを期待しているようにも見えた。

「あむ…っんぁ…」

勢いに任せてその口も、耳も自分の唇と舌で蹂躙する。
冴子は小刻みに身体を振るわせてその快感に浸っていた。

「変な事ばっかり言ってると本気でお仕置きするからね」
「…はい」

そういう冴子の返事はもう何かうっとりしているようで、むしろそれをされたがっているようにしか思えない。

やっぱりこの娘には強い刺激も必要なんだ、と考えを改めて、まとめた手首は紐で拘束し直して、仕置きにふさわしい特別に大きな偽竿でさんざん冴子を犯してしまった。

「あぁっ、凄い…いっぱいになってます…あぁぁっ」
「いいから黙って突っ込まれてなさいよ」
「はい、っん…あ、は…あぁんっ」

苛立ち混じりに突いているのに、甘い声ばかり聞こえてくる。

「あ、あ、もっと…お仕置きしてください…はぁ…ふあ」
「してるでしょ、これだけじゃ…足りないの?」

きついかも知れないと思いつつ、下から突き上げるように偽竿で穿つと、冴子はいよいよ堪えられなくなったのか「きゃっ…あひぁんっ」と叫び始めた。
そういう、切羽詰まった叫び声に何故か満足している自分がいて驚く。

「お姉さま、もっと…他の娘には、絶対にしないような事、いっぱいして…欲しいです…っ…あ、あ、あい…っちゃう…あぁぁっ」

だからそもそも「お姉さま」と呼ぶ事さえ他の娘には許していないと言うのに。
まだその証が欲しいのか、それがないと安心できないのかと呆れてしまうが、まあそういう事なのだろう。
釣り合わない相手と思うからこそ、どれだけ特別扱いをされても不安なのだ。

「じゃ特別に、本当に本気でめちゃくちゃに突いてあげる…手加減しないからね」
「はいっ」

その後の冴子の喘ぎ声は、文字にするのが難しいぐらいの再現不能な感じだった。
ほとんどずっと叫んでいて、これだけ広いスイートでも、階下かどこかにうるさいと思われていないかひやひやするほどに。

悲鳴にも似た声ばかり聞いていたのに、それなのに私はちっとも気持ちが引いていかなくて、ひとしきり冴子を貫かないと気が済まなくなっていた。

…これは果たして仕置きになっているのだろうか、と一瞬思ったけれど、冴子の為にではなく自分の為に、好きにやれば良いんだろうと思ってもうその事は考えなかった。
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