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子は三界の首枷
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※※※
子は三界の首枷とは、親は子への愛情のために自由が束縛され、多くの苦労をするものだということを表している。
今回は【夜明けの大魔女アルバ】の今世の姿が我が子だと知った両親アレックスとマリアのお話。
※※※
小さな妖精たちによる領主の館の修復が終わった後、ノルド辺境伯家に長年仕える魔法士のバルトたちからセヴェルの町にある結界装置やマリアが領主の館にかけた結界もまとめて修復されたことがアレックスとマリアのもとへと報告された。
見た目の被害が大きかった割には、結局のところ死者もなく領主の館で一時的に怪我人が出たくらいでセヴェルの町自体は、ほぼ無傷であった。
しかも魔法士のバルトによると今は以前の結界よりも丈夫になっているとの話に同じ優れた魔法士であるマリアは「確かに私の結界より数十倍は丈夫ね・・・」と感心を通り越して呆れの境地に入っていた。
とっさに我が子であるアルバを庇ったため、体中ガラス片で切り傷だらけにされたマリアである。怪我に気づいた小さな妖精たちと精霊たちによって体も魔力も回復し、お気に入りの白いドレスまで元通りに直り「アルバのママ、ごめんなさい~~~!!!」と一斉に謝罪された時点で怒る気力もなくなっていた。
アレックスといえば、セヴェルの町の状況報告に領主の館で傷ついた使用人の状態の把握など、急ごしらえではあるが館の前に張った天幕の中で忙しく騎士団や魔法士たちから報告をまとめていたが、結果的にドラゴンと四大精霊たちに加え、尋常でない数の小さな妖精たちという名の災害級の伝説上の存在たちに突撃された割には無傷に等しいという内容に胸をなでおろしていた。
※※※
しかし問題は山積みである。特に姿を隠す必要もなくなった尋常でない数の小さな妖精たちは物珍し気にセヴェルの町と領主の館を行き来して町の住民たちをびっくりさせているし、ドラゴンの坊(ぼう)といえば領主の館の庭先で大人しくお座りしながら、天幕の中を覗き込んでいた。極めつけはギャン泣きするアルバをあやしている四大精霊たちだ。
今回やってきた彼らの中でも四大精霊たちは一番長く生きているそうで前世のアルバの育て親だという。
炎の大精霊が「おお~、今世も紅い髪か!我とお揃いの色だわ。」と満足そうにうなずけば、すかさず水の大精霊が「前世と色は違えどやはりオッドアイなのねぇ。」とアルバの瞳を覗き込み、「マリウスや母御と同じ金の瞳に父御からは碧眼を受け継いだか・・・」と興味津々で風の大精霊がアルバの小さな体を宙に浮かせる。四大精霊の中で長老と言われる大地の大精霊は「魔力の色と魂の輝きは変わらないのう・・・」と、ひとしきり感慨深げにアルバを眺め続けていた。
まだ首の座らない赤子アルバを真綿でくるむようにして、柔らかい風で全身を包み込み、ユラユラ揺らしてはギャン泣きされても一向に動じず、何度も何度も同じ言葉を繰り返す。
「「「「 可愛いの~! 」」」」
※※※
アレックスとマリアの本当の苦労が始まりであった。
親になったはよいが、誰もこんなオマケが発生するとは想像だにしていなく、しばらくしてアレックスが女王陛下に報告しなければと通信魔道具を手に取ったところから更なる受難は始まるのであった。
そんな受難がこれから長らく続くとはアレックスとマリアは知らず、まだまだ珍騒動とトラブルは続くのである。
子は三界の首枷とは、親は子への愛情のために自由が束縛され、多くの苦労をするものだということを表している。
今回は【夜明けの大魔女アルバ】の今世の姿が我が子だと知った両親アレックスとマリアのお話。
※※※
小さな妖精たちによる領主の館の修復が終わった後、ノルド辺境伯家に長年仕える魔法士のバルトたちからセヴェルの町にある結界装置やマリアが領主の館にかけた結界もまとめて修復されたことがアレックスとマリアのもとへと報告された。
見た目の被害が大きかった割には、結局のところ死者もなく領主の館で一時的に怪我人が出たくらいでセヴェルの町自体は、ほぼ無傷であった。
しかも魔法士のバルトによると今は以前の結界よりも丈夫になっているとの話に同じ優れた魔法士であるマリアは「確かに私の結界より数十倍は丈夫ね・・・」と感心を通り越して呆れの境地に入っていた。
とっさに我が子であるアルバを庇ったため、体中ガラス片で切り傷だらけにされたマリアである。怪我に気づいた小さな妖精たちと精霊たちによって体も魔力も回復し、お気に入りの白いドレスまで元通りに直り「アルバのママ、ごめんなさい~~~!!!」と一斉に謝罪された時点で怒る気力もなくなっていた。
アレックスといえば、セヴェルの町の状況報告に領主の館で傷ついた使用人の状態の把握など、急ごしらえではあるが館の前に張った天幕の中で忙しく騎士団や魔法士たちから報告をまとめていたが、結果的にドラゴンと四大精霊たちに加え、尋常でない数の小さな妖精たちという名の災害級の伝説上の存在たちに突撃された割には無傷に等しいという内容に胸をなでおろしていた。
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しかし問題は山積みである。特に姿を隠す必要もなくなった尋常でない数の小さな妖精たちは物珍し気にセヴェルの町と領主の館を行き来して町の住民たちをびっくりさせているし、ドラゴンの坊(ぼう)といえば領主の館の庭先で大人しくお座りしながら、天幕の中を覗き込んでいた。極めつけはギャン泣きするアルバをあやしている四大精霊たちだ。
今回やってきた彼らの中でも四大精霊たちは一番長く生きているそうで前世のアルバの育て親だという。
炎の大精霊が「おお~、今世も紅い髪か!我とお揃いの色だわ。」と満足そうにうなずけば、すかさず水の大精霊が「前世と色は違えどやはりオッドアイなのねぇ。」とアルバの瞳を覗き込み、「マリウスや母御と同じ金の瞳に父御からは碧眼を受け継いだか・・・」と興味津々で風の大精霊がアルバの小さな体を宙に浮かせる。四大精霊の中で長老と言われる大地の大精霊は「魔力の色と魂の輝きは変わらないのう・・・」と、ひとしきり感慨深げにアルバを眺め続けていた。
まだ首の座らない赤子アルバを真綿でくるむようにして、柔らかい風で全身を包み込み、ユラユラ揺らしてはギャン泣きされても一向に動じず、何度も何度も同じ言葉を繰り返す。
「「「「 可愛いの~! 」」」」
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アレックスとマリアの本当の苦労が始まりであった。
親になったはよいが、誰もこんなオマケが発生するとは想像だにしていなく、しばらくしてアレックスが女王陛下に報告しなければと通信魔道具を手に取ったところから更なる受難は始まるのであった。
そんな受難がこれから長らく続くとはアレックスとマリアは知らず、まだまだ珍騒動とトラブルは続くのである。
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