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第4話《青龍騎士団の一員ですがボス戦は何度経験しても慣れないです。》
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「これからボス部屋攻略を開始する!!!」
【捨てられた古城 ハイベルス】
《不変の都 トフス》と言う街1つが大規模なダンジョン内に存在する大きな城、
そこに俺たち《青龍騎士団》は居た。
「ボスの正体が獣系のモンスターとしか情報がない以上、
攻略法は現地調達になる、そのためには我が青龍騎士団の仲間たちの力が必要だ、
俺が指揮する前衛のアタッカー部隊はタンクと連携を取り攻撃して行く、
攻める事は大切だけど無理は絶対しないように、
危なくなったら俺がタゲを取るから後ろで回復に専念してくれ、
」
集められた47人の精鋭、その前で演説をする我らが《青龍騎士団》団長、《ルーク》
団長の挨拶が終わり次に青龍騎士団の《盾隊部隊長》
《難攻不落》の2つ名を持つ《ガレス》が前に出る。
「タンク隊!儂らが倒れたら味方は全滅してしまう、
1秒でも長く死ぬ気で耐きる、それを忘れぬ様心に止めておくんじゃ、期待しておるぞ」
そして次に《魔道部隊長》《氷河》の《ペルト》が前に立つ。
「魔道部隊、まずはバカが敵の調査をする、
などで各自何時でも攻撃できるようにし報告を待て、
魔法の無駄使いするないいな?」
そして《弓兵部隊長》の俺《奇戦術》の《リク》
しかし誰だ変な2つ名つけたやつ表出ろ、
後は《初見殺し》とかも呼ばれたことあるな、
ほんと表出ろ、2つ名作るの下手くそかよ。
「弓隊は自由に動け、だがダメージを稼ぎすぎてボスのヘイトを荒ぶらせる事だけは辞めろ、
後は魔道部隊も含めてさが、
遠距離職だからって攻撃を受けないとは限らない、
ボス攻撃手段は多彩だ、遠距離攻撃手段がないボスは存在しない、
慢心だけはしないように気をつけてくれ以上。
……んで誰がバカだ?ペルトさんよぉ?」
「誰とは言っていないがお前が自分が馬鹿だと思うならそうなんだろうな」
「んだと?先制でボスを探るのは俺の役目だから、もうそれは俺の事で確定なんだが?
もう1回やるか?また俺が勝つぞ?」
「お前の小細工は見切った、
次は俺が貴様の息の根を止めてやろう」
俺はペルトを睨むが、奴は目を閉じやがった。
「2人とも?おしおきが必要かな?」ゴゴゴ
……《聖女》リスタリアが俺たちに恐ろしい程に形相でこちらを見ている。
「回復と支援の皆さんは私と一緒に1番後ろで皆の回復に回りましょう、
ですがリクが言った通り攻撃が絶対に届かない安全地帯はありません、
必要によってはボスと至近距離で戦わないと行けない状況になる場合もあります、
ですが諦めないでください。
絶対に皆で生きて帰りましょう」
こいつは巷では笑顔を振りまき弱き者を助ける、《聖女》なんて呼ばれているが実際はただの暴力女だ、
喧嘩すればすぐ特性パンチが飛んでくる。
《回復役》なのでINTに多くステを振っているはずなので相対的にSTRが低いはずだが、
そこらのSTR特化型と同格のパンチが飛んでくる。
わけがわからないよ。
そんな心の声がを聞こえているのか否か俺の方を怖い笑顔で見てくる。
怖い、ソノエガオガコワイデス……
「我ら青龍騎士団はこれよりボスの攻略を開始する!
今回のボスは一筋縄では行かないだろうここに居るのはボス戦を経験してきた実力者だ、
俺らなら絶対に勝てる!」
剣に青いドラゴンが巻きついたような《青龍騎士団》のエンブレムの装飾が施された盾を上に掲げながら団長の宣言と共にガレスが扉を押し大扉が重い音を立てながら開かれる。
各自が緊張と不安の足音を立てながら一斉に入口から入る明かりしかない薄暗いボス部屋に入る。
扉が閉じられた瞬間、閃光のような白い光が辺り照らす。
部屋はかなり広く48人が入っても広さの1割ほどにしかなっておらずかなり広い、
部屋で円形しており部屋の端には柱が何本も等間隔に部屋の壁に沿うように立っている、
部屋の奥には入口と同じような扉が存在した。
「ボスは何処だ?」
周囲を観察していると誰かが言った、言葉通り明かりが着いた段階でこの部屋にはボスの存在は現段階では何処にも見えなかった。
……がその言葉を引き金にしたのか部屋の中央に稲妻が落ちた。
あまりの光に目を閉じたが衝撃音と地面が割れた破片が頬を掠める。
やがて光が収まると1匹の黒い獣が中央に立っていた。
《苛まれた獣》
俺たちを確認し唸る獣の頭上に頂くのは3本のHPバー、ボスとしては平均的だ。
ここに立ち入った俺たちを侵入者だと敵だと捉え威嚇するように咆哮する獣。
そして戦闘が始まった。
「ガレスさん飛ばせ!」
その言葉と共に俺は走り出し、少し前に存在する地面と平行に盾を構えたガレスの盾に俺は飛び乗る、
そしてガレスさんの押す力と俺の脚力を利用して押し出されるように弧を描くように高く飛び上がりながら弓に《火矢》《水矢》《雷矢》の基本敵な属性が付与された矢を番え、そして黒い獣に向かって放つ。
三本とも頭部に命中しダメージログが表示され、黒い獣のHPが減る、
数ミリ減った程度だがどの属性もダメージは通った。
《ダメージ視覚化》のスキル
相手に与えたダメージと、自分が受けたダメージが数字として表示されるスキルだ。
正直こいつを取ったのは判断ミスだと思っている
相手のHPバーの削れ方である程度は予想できるため、
そのスキル解放ポイントを別の補助スキルに回した方が良かった、
まあ数値が視覚化される事によって素早く情報を受け取り考えられるのは利点にもなるが……
遠距離武器は遠くから攻撃ができるのが強みだがギャウリディアには遠距離無双を防ぐために《射撃減衰》と呼ばれる、
距離によってダメージが減少してしまうスキルが実装されている。
ボスはどれも《射撃減衰》によるダメージ軽減が多くかかり用意出来る攻撃方法が遠距離攻撃のみだと苦戦は必須だろう、
そもそもボス相手に苦戦しないという方が奇跡なのでいいか。
そのままボスを観察しながら飛び越え、ボスの背後に降り立った瞬間
前衛部隊が攻撃を始める。
基本モンスターのヘイトは瞬間ダメージが高いプレイヤーを狙う傾向にある、
なので俺がダメージを与えた直後に他のプレイヤーが攻撃することで、
俺からそいつにタゲは変更される、
人型モンスターは例外だがな。
直ぐにルークに通信を入れる
「属性は火が約1.2倍、水が通常、雷は無効化され回復になる、
おそらく雷に強いかそれ関係の攻撃だろうから雷攻撃、スタンに注意、
ギミックぽい雰囲気はないが念の為少し調べる」
大声出せば伝わるのだが無駄な体力を使う訳には行かないので通信を使う、
基本ダンジョン内から外への通信は出来ないが、同じ部屋にいる場合は通信ができる。
『了解、
皆!ボスには火属性が有効だ、やはり獣なのだろう、だが雷属性は吸収され回復されてしまうので使わないでくれ!
予想だが雷属性の攻撃を繰り出してくる可能性がある、各自スタンには注意して、
後衛部隊頼んだよ』
まず俺が相手の特徴と弱点を把握し予想も踏まえ、団長に知らせる
伝えてる間に盾とアタッカーは少しずつダメージを稼ぎ、
団長は全員に通達する
これはスキル《伝令》を使うことによって
同じ敵と戦っている全員に距離に制限はあるが
有効範囲内なら言葉を届かせることが出来るスキルだ。
そして団長からの攻撃開始の合図によって弓隊や魔道部隊が攻撃し始める。
ここまでが青龍騎士団の戦い方だ。
さてと……
俺はまず初めにフィールドを観察するまずは等間隔で立っている柱だ、
柱は白の石造りで崩れている物が多い、
その側面には松明が取り付けられており青い炎が揺らめいている、
その炎を消せるかどうか確かめる為に
矢を放つと命中するが消えることはなく矢が燃え尽きる。
ボスには攻略法が2種類存在する、
1つは普通にHPを減らし倒せば終わりのボス。
2つ目は《仕掛け》ボス、同じフィールドやエリア、ダンジョン内に何かしらヒントになる壁画などのオブジェクトや情報をくれるNPCが存在しておりそれを元に謎を解き解除するまではHPが減らなかったり与えられるダメージが大幅に減るなどの効果が付与されている。
ギミックと言っても《物》やら敵の部位破壊やら特定アイテム使用など様々だ、
今回はおそらく大丈夫だがダンジョン内にギミック解除するための物が存在し、
解除せずにボス戦に突入してしまった場合全滅は免れないので探索は自分の為にも味方のためにも重要だ。
今回は捨てられた古城ステージだからかNPCが《浮浪者》《旅人》《盗賊》ばかりで全良な情報をくれるNPCが少なく、
謎を解き城主の部屋にたどり着いた俺たちは
何らかの理由で死に至った城主の霊に会い、
彼が残した手記には、
地下には古の獣が罪人を守っている、
私にはどうする事もできなかった。
としか読め無かったので、獣としか情報が存在しなかった、
その後も数日エリア内を探索しつくしたがそれ以外の情報は出て来なかった。
そんな訳で通常ボスと確信するためにギミックを探しているんだが……
壁には所々文字のようなものが彫り込まれているが攻略に必要なものとは思えない、
もし戦闘中にあの大量に綴られた文字の中から、1文字探すとか言うギミックだったら俺はキレる。
古い文字を解読するような専用のスキルを所持してないので読めない、
もしかしたらボスの情報がボス部屋に転がってるとは思わないが
壁はヒビが入っていたり崩れていたり様々だなので、たとえ読めたとしても手に入る情報は飛び飛びだろう、だから諦める。
(しょーじきダメージが通るならゴリ押しすれば減りが0にならない限りは勝てるしな、犠牲は少々必要になるだろうが……)
このボス戦でこちらは盾8人削り7魔道10弓8回復14そして団長の6人×8パーティ4人、
このボスの挑戦人数限界だ。
青い炎と壁の文字以外特にめぼしいものは無い、あとは瓦礫やらあの獣に食べられたであろうなにかの骨が散乱しているだけだ
「ギミックの雰囲気なし、通常ボス」
『ありがとう、こっちも1本目が削れそうだ』
その言葉を聞いてボスの方を見ると確かにあと数ミリの所までHPバーを減らしていた。
あ……削れた。
HPを1本失った獣はバーを黄色に変えながら数歩後ろ飛びながら後退し、大きく咆哮する。
モンスター専用スキル《咆哮》、
一定範囲内のプレイヤーのスタン値を強制的に蓄積させるもの、
周囲を吹き飛ばすもの、ダメージを与えるもの、自身にバフを付けるものと様々な種類が存在する。
地面を揺るがす程の大きな咆哮、咄嗟のことで耳を塞げなかったプレイヤーは一時的にアバターが動かなくなり武器を手放してしまっていた。
《装備解除》と《スタン蓄積》か……
《装備解除》は武器が装備解除され、再びステータス画面で装備し直さなければどんな武器もなまくらと化す厄介な効果だ、
地面に武器が落ちるまでに接触すれば回避する事ができるが今回は同時にスタンも食らい動けなくなるのでほぼ不可能だ。
RESにステータスを振ることで《咆哮》に
などにおけるスタン蓄積の回避率を上昇させたり蓄積量を減少させることが出来るが、
ボスが繰り出してきた場合回避する事は難しいだろう。
俺はスタン状態になった仲間を守るためにたった1人で勇敢にヘイトを稼いでる団長を見る
《意思の力》と呼ばれる隠しステータス、
まあ気合いの持ちようで状態異常を回避できるらしい実際は公式がノーコメントなので分からない。
団長は動き続けていたが
さすがに1人で支援も無い状態でボスの攻撃を受け続ける事は不可能、HPは徐々に削られていく。
RESに多めに降っておりいち早く復帰出来た俺は奴の側面に走りながら前足と後ろ足の間を通るようにスライディングを決め、やつの懐に、
《散りばめられた星々》
を放つ。
その名の通り弓から射出された1本の矢は流星のように大量の矢に分裂し黒い獣の腹部に突き刺さる。
事前にMPとスタミナの消費量を設定し、その消費量によって威力が増減する《弓》における最上位の一角にあたるスキルだ。
消費した設定値はMP、スタミナ共に全部
MPは魔法を使わないので初ほぼ期値のままだが
スタミナを全て費した攻撃のためかなりのダメージになる。
ボスは強烈な攻撃を腹部に受けた為ノックバックし数歩後ろに下がる、
HPは1割程減らせただろうか?
そんなことを考えながら体がまるで糸が切れたかのように脱力し地面に倒れ伏す。
疲労感と共に視界が赤く染まり明滅する、呼吸が荒くなり脳内がミキサーでかき回されたような感覚に襲われる、
スタミナが0になった障害だ。
俺が《散りばめられた星々》を使用した直後に団長が《バーチ・アクト》、
前方に8連の斬撃を繰り出す《片手剣スキル》《バーチ・アクト》を使ったお陰で、
何とかタゲが俺に向くことは避けられたが、
このまま床に無様に転がっていたら奴の攻撃が当たるのは時間の問題か……
その時背中に強い衝撃が走りHPが大幅に減り地面にぶつかる度に跳ねながら部屋の端へ蹴飛ばされる。
すると何者かが駆け寄る足音が聞こえ2割しか残されていないHPが全開する。
「ありがとさん」
駆けつけてきた聖女に礼を言う。
「もうっ!!また無茶なんてして!
ペルトが助けなかったら今頃死んでたんだよ!?」
「いや、むしろペルトのせいで8割ダメージ受けて死にそうだったんだが?」
メガネ野郎の方を見ると何やら口が動いていた、
俺に視力と読唇術にかかれば……
『ボスの目の前で前でスタミナ切れなど、
起こすバカがいるからほんとにヒヤヒヤさせられる、感謝しろ』
まじでそのメガネかち割ってその整った顔面変形させようか?
俺は立ち上がりスタミナを危険域から回復させながら攻撃が当たらないように戦場を眺める。
「リスタ各部隊の状況は?」
「団長とリーくんが頑張ってくれたから負傷者は今の所居ないわ」
ゲージ2本目だって言うのに被害0か、
最前線のダンジョンのしてはヌル過ぎないか?
今回のボス戦まだ何かあると考えておいた方がいいか……
ゲーマーの感が囁く。
「リスタ、多分こっから先はお前ら回復役に負担がかかる、
3本目は荒れるだろうよ」
と言ってるとスタンから復帰した部隊がボスに畳み掛け2本目が0になり3本目に突入する。
すると辺りが閃光と共に白く染まりそれと共に
地響きが聞こえ大地が揺れる。
体勢が崩れ地面に手を置く
先程の咆哮とは比べられないほど大きい。
ボスが吼えるとそれと共鳴するように雷鳴と共に稲光が大量に空から降り注ぎ天井が崩れる、
このままじゃ生き埋めになるっ!
「ちっ!?」
俺はリスタリアを脇に抱え全速力で走り出す。
「えっ?きゃっ──《扇放の加速》!!」
黄緑色のエフェクトが俺らを包み込みこみ、
追い風が俺らの背後から流れるような、背を風で押されるように加速する。
「ガレス!!」
ガレスは俺の意図がわかったようで
「《鉄壁の城塞》」
ドーム状に展開される範囲防御スキルを発動する
「早く中にっ!!!」
団長が指示を出し防壁の中に集まる。
上から雪崩のように迫ってくる瓦礫が落ちるより先に何とか俺達もその中に滑り込むと同時に防壁外が瓦礫と粉塵により周囲が覆われる、
あと数秒でも遅ければ瓦礫の山に埋もれていたがなんとか間に合って良かった。
「どこから来るかわからない皆注意しろ!」
各々武器を構えどこから襲ってくるか分からない恐怖と緊張に襲われるが、砂埃が晴れるまで襲撃はなかった。
「グルルル」
《鉄壁の城塞》の効果が切れ瓦礫の山と化した、足場が悪くなったボス部屋で俺らはそれぞれ散開する、
纏まって動けばその分ボスの1回の攻撃で被害が出る。
砂埃が収まり視界が見えるようになり辺りが見渡せるようになった目の前に佇むボスの体には雷のような物が纏わり着いていた、
《守護雷獣 ケフィス》
先程までと雰囲気が変わり、ここから本気とでも言ってるかのようだった。
ボスの最終形態、
ボスはHPが減るほど強化され凶暴化し、
ダメージが通りずらく、
1度の判断ミスで死の足音が傍までやってくる。
ここからは死ぬ気で立ち向かわないといけない。
「皆、ボスの最終形態だどのような技を繰り出してくるかはわからないが、気を引き締めて行くぞ!!」
突撃した3人の前衛に対しボスは右前足を1歩前へ出す、
ボスは単純に前へ進んだだけかもしれないが、
地面にヒビがはいり空から3人に向けて稲光が振る、
1番最初に突撃したプレイヤーは青い雷が直撃し《スタン》した、
「やめっ……」
掠れた声の命声など興味が無いと、
爪で切り刻むように左前足を振るう。
2番のプレイヤーは盾で一撃は防いだが度重なるように雷鳴が轟き稲光が落ちる、
重装備のせいで《雷》属性とは相性が悪い、
同じく《スタン》状態になり頭から食われ上半身と下半身が分裂する。
3番目のプレイヤーは何とか自分に落ちる雷を地面に転がり紙一重で翻したが、
地面と衝突した雷は
まるでボールのように跳ね返りプレイヤーの周囲に纏わりつく、
痙攣したような表情と共に急激にHPが減っていき赤いポリゴンの破片となってしまう。
3人のプレイヤーが蹂躙されたのは瞬きをしたくらいの一瞬だった、
彼らの所持アイテムが地面に撒き散らされている。
今回初の死者が出た瞬間だった。
足元に転がってきた金属製の兜をボスの方へ《投擲》すると奴が纏っていた雷が高速で兜に接近し雷撃を生み出す。
「ボスの雷は金属に反応するのかっ!どうする前衛部隊!今すぐ鎧を脱ぐんだ!!」
それを見て団長は素早く警戒するように伝える 。
前衛に配置された団員は全員お手製の青龍騎士団のエンブレムが入った金属鎧を身に付けている、
そのため無条件で雷を受ける避雷針となってしまう、
対策として脱ぐか、《胴体装備》を変更するのが基本だろう。
しかし状況判断と指示が早くても情報の伝達からの反映はどうしても時間がかかってしまう、
それに装備を外す、変えるは実際にひとつひとつのパーツを外して脱ぐか、ステータス画面から外すかの2択だ、どちらも時間がかかり隙となる。
それを見逃す程ボスは優しくない、瞬間移動したかのように素早く前衛部隊に接近すると共に、大量の雷が暴れ回った。
断末魔と共に次々と倒れる団員立ち、広範囲攻撃らしく、DEFとHPが優れている前衛部隊は愚か、
その後ろに配置された後衛部隊にも甚大な被害を負ってしまった。
「全部隊、速攻で奴を仕留める、各自全力を出しボスを攻撃せよ!!」
これ以上被害を出すまいと団長の号令と共に全部隊が攻撃を開始する。
俺も頭部を狙い《銀の矢》を放つ
放った矢は金属製にも関わらず雷で弾かれない所を見るにある仮説を考える。
纏っている雷にも量、限界があるのか矢には反応しないのか………
情報が少ない。
「遺品の中に金属整の装備があったらボスの方へ投げろ、なるべく味方がいない方にっ!」
大声を上げ周囲にいる部隊に通達する、
俺の声に頷いた部隊は鎧やら金属斧を手当たり次第に投げる。
予想通り落雷やボスの周囲を漂う雷は金属製の装備に吸い込まれるように攻撃している、
だがそれだけでは雷の直撃は避けることができるがボスの動きを止めるのは不可能、
雷を受けた装備は耐久値が減り数回で消滅してしまう、
このままではジリ貧だ。
ボスは素早く動き周りながら攻撃を回避し俺らを翻弄、
1人ずつ確実にこちらの数を減らす方向にシフトしている。
また1人また1人と仲間たちがアイテムを残し世界から消えていく。
しかしこちらも決死の覚悟を決めた者たちの成果によって攻撃を与え続けていると雷獣の動きがピタッと止まる、
スタン値が溜まったのだろう、その隙を団長は逃さなかった。
「《ラスト・ウォレスカ》」
団長が持っている剣の《使い込み》システムの専用スキル
同じフィールド上にいる味方の数だけ攻撃力が上がるが使用者はHPが徐々に減ってしまう一瞬で勝負を決める為のスキルだ。
1日1回1つの戦闘で15分以上戦っている場合に発動できる主にボス戦でしか使用条件を満たせないようなスキルだが効果量は相応だ。
全員が赤いエフェクトに包まれる。
「《爆炎》」
団長に合わせ魔道部隊も火力特化の上級魔法を発動し始める。
魔法が団長をもまとめて燃え上がる、
このゲームはフレンドリーファイアが存在するため味方の攻撃も受けるが、
最初の爆風によって範囲外に逃げたようだ。
「弓隊、各自得意スキルを使用し全力で《火矢》を放て」
俺の指示と共に弓隊の《火矢》が雨のようにボスに降り注ぐ、
みるみるうちにHPは急速に減っていき残り2割、
ボスも俺達も疲労が見え始めている。
スタンから復帰したボスは必死に生き残ろと咆哮を繰り出す、
スタンと共に落雷が派生し、仲間たちが飲み込まれていく。
おそらく今ので人数半分切った。
ストレージを確認すると主な火力の《銀の矢》は残り3本、かなり不味い状況だ。
減ったHPを《月光草》を使い回復し始める。
苦味が口に広がり鳥肌が経つような悪寒がする、良薬口に苦しとはよく言ったものだが何度使っても味に慣れない。
すると緑にエフェクトが発生しHPが全快する、聖女の《全体回復》系のスキルだろう。
《銀の矢》を三本ボスに命中させた後、
《石割の剣》を装備し側面にまわる。
石を長方形にし剣のようにした、どちらかといえば見た目敵にが鈍器の武器だが《斬》と《打》のふたつの属性を兼ね合わせる、
珍しいキメラウェポンである。
前衛が壊滅状態の今後衛の誰かが前にでないと被害が拡大してしまう《片手剣》のスキルは取ってはいるが練度は最大では無いのでダメージは落ちるが通らない訳では無い。
武器の耐久値を減らす代わりに攻撃力をあげる《発火鑢》を使う。
奴はこちらを近づかせないためか落雷を撃ちつづける、
少し掠っただけでも2割弱HPを持っていかれたため直撃したら消し飛ぶ。
魔法部隊や弓隊の攻撃を雷を操り消滅させるなどの荒業を見せたが、
後衛舞台とかろうじて残っている前衛部隊の頑張りによって与えるダメージは微々たるものだが確実にHPは削られて行きやがて0になる。
「グオオオオオオオオオオオオ」
ボスは声をあげて嘆くように吼えるそして最後まで地面に倒れ伏すことなく消滅して行った。
「やったのか?」
誰が出したか分からない声によって、次々とその場に座り込む。
周りを見るとボロボロになった仲間たちが同じように疲れた表情と同時のやりきったという清々しい表情をしていた。
人数を数える、48人居た今回の討伐メンバーもボスの攻撃により17人に減った。
歩ける程度に休憩したらボス部屋の奥に進もう、
そんな事を思っていた俺だがある違和感が感じる。
……それが何かを疲れた頭を回転させ考える。
「リザル──「誰かリザルトを確認した人は!?」」
俺が気が付くと同時に団長が言葉を発した聞く
、
しかし誰も答えない。
そう戦闘終了時に必ず表示されるリザルトウインドウが表示されていない。
「皆、ボス戦はまだ終わってい──っ!?避けろ!!!」
部屋の奥、次の部屋へ進む通路から斧が高速回転しながら接近してくる。
ある者は屈み、防御スキルを発動さたり、柱を利用して上に飛び避けるが、
油断していて判断しきれなかった数人が切断され消滅する。
やがてブーメランのように元の位置、持ち主の元へ返る。
暗い通路から身体を現したのは上半身裸の二足歩行の人いや人とは違う、頭部が牛、
おそらくミノタウロスが奥から登場する。
《混沌の罪人 ミノス》
第2ラウンドが始まった。
頭上に存在するHPバーは1本、連戦を想定されたボスだろうからHPは少ないはずだが奴の1本に込められれたHP量がどれ程のものか想像できない。
次に1番気になるのは名前の《混沌》だ
この世界での《混沌》とはギャデイアの地下深くに存在すると言われている強力なモンスターが巣食う場所で、通常の方法では行くことは出来ない、
各地に存在する《混沌の○○》と名の着く、
ボスモンスターに敗北する事で行くことが出来る。
その敗北ではプレイヤーがこの世界から消滅することはなく
混沌へと取り込まれやがて怪物として新たな獲物を求め再びギャデイアの大地へと降り立つとNPCの情報で聞くことが出来る
そして混沌のモンスターは約8割が人型、2割がおぞましいモンスターの姿をしている、
混沌と名の着く敵はどれも強く、既に多くのプレイヤーが深淵へと取り込まれている。
各地で混沌にまつわる話を聞けるため、
ギャデイアの最終目標は混沌世界の浄化と予想されている、
公式が最終目標を発表していないので定かではないが。
今重要になるのは混沌モンスターが目の前に居る事実だ、
混沌モンスターの共通の特徴として攻撃を受けるとスタミナが減ってしまう《闇属性》の攻撃を繰り出してくる、
ミノスは見た目は人間と変わらない背丈で頭部が牛だが分類としてはおそらく人型のモンスターだろう。
通常のモンスターが瞬間ダメージが高いプレイヤーを狙うAIなのに対し、
混沌や一部のボス、モンスターは本当にAIなのかと疑いたくなるような柔軟な発想、的確な状況判断をし攻撃をする時がある。
新たに現れたボスは大斧を地面に叩きつけ地割れを起こす、
ただでさえ先程の戦闘によって高低差が出来ていると言うのに地割れによって深い亀裂が走り落下死の確率も高くなった。
俺は《毒》《麻痺》《炎症》の矢をセットし放つが当たる前に斧によって弾かれてしまう、
なら交戦中の隙に入れればいい。
「なるほど、生半可な攻撃は防がれるか、どうする団長?」
ボス戦での途中離脱はこの世界から永久退場しか許されていない、つまり戦うか死ぬか。
しかし部屋の奥の暗闇が晴れたところを見るに、もしかしたらなにか救済措置があるのかもしれないが周りを見るに誰かが囮になりその間に向こう側逃げるぐらいしか方法はない。
満身創痍なりかけている青龍騎士団、そして対するは混沌モンスターしかも人型ボス。
絶望的も程がある。
疲労が溜まっている部隊を見る、
それぞれの表情は不安そうだがまだ戦意の灯火は消えてないない。
「力を貸してくれ皆!速攻で倒そう!」
団長の声と共に灯火は再び燃え上がる。
頷き武器を構える青龍騎士団メンバー
俺は消滅した仲間達が残したアイテムの中から地面に突き刺さった《斬刳》と《クエイパー》を装備する、カテゴリ《刀》と《戦鎚》の武器だ、
前衛を任せられる人数が少ない為ここからは俺も死ぬ気でヘイトを稼がないと勝機はない。
「ちょっと借りる、壊しちまうかもしれないけど、生き残るためだ許せ」
《刀》は《片手剣》よりダメージが低く、耐久値も少ないが、クリティカルボーナスが高く設定されており
きちんと刃を立て切る事が出来れば瞬間ダメーは《剣》のカテゴリ中で随一。
《戦鎚》は打撃系の武器では小さく取り回しがいい、
それにそこそこ火力が出るが、
スキルがどれも威力が高く硬直が長いので状況をしっかり見れるプレイヤーが使用にするならおすすめだ。
そしてどちらも俺が《刀》と《戦鎚》スキルを取っているのでステータスボーナスと熟練度ボーナスを発動できる。
《刀》Lv5/5
・(刀装備時)攻撃力10%増加
・(刀装備時)クリティカルダメージ率10%増加
《戦鎚》Lv4/5
(戦鎚装備時)破壊力7%増加
(戦鎚装備時)攻撃力6%増加
一時期刀を無性に使いたくなって取ったスキルがこんな時に役に立つなんてな……
戦鎚は序盤に《短剣》と《弓》だけじゃ火力が出なかったので比較的火力が出る《戦鎚》を取ったそれだけの理由だがかなりお世話になった。
「《斬刳》と《クエイパー》俺に力を貸してくれお前の所有者のためにもな」
使い続けた武具には魂が宿ると青龍騎士団の専属鍛治職人から聞いたことがある、
《斬刳》と《クエイパー》のステータスを見るに大分強化され修理され大切に手入れされている。
俺は弓を《装備解除》し2つの武器を装備する
前線ではガレスが敵の攻撃を受け止め、団長が攻撃し、ペルトが隙を見て魔法攻撃、リスタリアが回復、他の団員も必死に抗っている。
通常時だったらほぼ理想な戦術がなされていた、
だが相手は混沌人型ボスだ、耐久力を活かし強引に連携を崩しそのまま全てをかっさらう事は用意だ。
ボスはガレスの盾を弾き団長の剣を掴み地面に叩きつけそのまま斧の横振りによって数人の団員を消し飛ばす。
そのまま地面に叩きつけられた団長を一刀両断しようと斧を振り上げた瞬間、
《気配遮断》《隠蔽》《消音》を使い背後を取っていた俺は油断していたミノスの背中に思いっきり背後ボーナスによってクリティカルダメージが《斬刳》を突き刺す。
「《喰牙》」
刀を前方向に滑らすように突く《喰牙》、そして続きざまに《翔義》を発動させ
刺した刀をそのまま後頭部に向かうように刀を上に滑るように動かす。
「ぶおぁぁぁぁぁぁああああ」
雄叫びを聞きながら距離をとりミノスの振り回す斧を体制を低くし紙一重で避け、
攻撃の隙を見つけ急な方向転換で奴に飛びつき足を切りつけながら独楽のように回転し胴体をも切り裂く。
連続してスキルを使ったせいで再びスタミナの危険域知らせるように視界が赤く染る。
刀身はやつの血で染まり赤黒くギラギラと輝き《攻撃力上昇》のバフがかかっている。
マルデチヲモトメルカノヨウニ
《妖刀》の類か相性悪いな……
奴が俺の姿を捉える前に攻撃の隙をつき胸に刀を突き刺して捻じ込む。
そのまま貫通させ串刺し状態にしたかったがボスはボディプレスをするように前に胸から倒れる、
俺は《斬刳》を手放し離脱する。
しかし前に倒れようとしていたボスは右足を地面につけ前に踏み出す勢いをつけながら斧を振り払うように攻撃を繰り出した、
瞬時にスローモーションになるような視界、
何とか身体を捻り回避しようとするが────
間に合わないっ!?
左腕を切られる、
自分の骨と斧の切っ先が当たる嫌な音そして感触が伝わる。
二の腕の部分の半分ぱっくりと開きプランプランと左腕が揺れている。
(切断されてはいないからギリギリで《欠損》か)
《欠損》のデバフは体の部位事の耐久値が
3割を切ると発生する、
6割だと《出血》3割り切ると《欠損》0になると《消失》だ。
《出血》は自然回復の効果を阻害し、さらにスタミナの回復量も減少するデバフがかかる、
2、3時間出血した部位に何も刺激を与えないか《包帯》のアイテムによって、その部位の耐久値の回復を早くさせ修復できる。
《欠損》は出血のデバフがさらに強くなりオマケにその欠損した部位は使い物にならない、
治すには対応するレアアイテムを使わないと再生されないのだが、完全に再生するにはアイテムによってだが約1日程度かかってしまう。
距離を取ろうとした俺だったが奴は前に突進する、
奴の頭上に存在する2本の角が俺の両脇を抑えるようになる、
後ろを確認するとすぐそこに壁が存在した。
俺ごと壁に突っ込むつもりか。
壁に衝突する直前、俺は勢いよく体を前に降り奴の胸の刀を足で押しながら2本の角を支柱にバク転をするように一瞬で背後に周り、
背中から少し飛び出している刀の刀身掴み引き抜く、
すると最後の晩餐を食し満足したかのように《斬刳》は耐久値を失い砕け散る。
おつかれさん。
そして奴の背中を蹴りながら空中へ跳躍し、左の二の腕に包帯を巻き付ける、
戦闘中に風圧でちぎれられても厄介だ、
巻き終えた後に右手に《戦鎚》に装備する。
下ではミノスは俺を着地狩りしようと構えている、
その足元では団長達が攻撃を続けているが何故か俺しか眼中に無いようだった。
俺の思考回路は腕の痛みや、スタミナ限界値の疲労感と相まってぐちゃぐちゃでまともに何かを考えられる状況ではない、あとは生存本能に従うのみ。
空中を少しずつ上昇する俺だったが1度上がりきったら後は落ちるだけなので空中ではほぼ無防備になる。
まっすぐミノスに向かい落ちていく俺を確実に仕留めるために奴は斧を勢いよく薙ぎ払う。
斧が振られた瞬間俺は上段に高く振り上げ一気に叩きつける《戦鎚》のスキル《インパクトブラスト》を発動する。
このスキルは地面がある前提でその場で踏ん張り叩きつけるように振り下ろすスキルなので
安定している地面で使用する事が前提のスキルなのだが、
今回のように空中で使った場合、足場がないので上に引っ張られるように身体は
は動きバク宙状態になり少しだがさらに上へと上昇する。
それを利用し迫ってきた斧をスレスレで回避する。
スキルを使い通常できない動作を無理やりさせ体を酷使しているせいでミチミチと体と骨が悲鳴を上げているがまだ問題ない。
スキルの使用方法によっては普通ではできない人外的機動もすることが出来る、
これだからギャディアは楽しめるぜ。
全力の攻撃を空振り逆に無防備になったやつの顔面に《インパクトブラスト》の振り下ろしをを直撃させながら、再び空へと飛躍する。
顔面へのクリティカルヒットにより地面に叩きつけられたミノスのHPを削り切る勢いで団長たちは攻撃を繰り出す。
奴の残りHP1割まで減っているあと一押しだ。
しかし奴は負けじと立ち上がり斧を持ちながら周囲を薙ぎ倒すように回転して張り付いていた団長たちを吹き飛ばす。
そして最後の意地かのように空中から地面へと落ちてくる俺に視線を合わせ《咆哮》する。
《装備解除》と《スタン》を喰らった俺は《戦鎚》を落とす、
落下し奴の肩に当たるが装備解除されている以上大したダメージは出ない。
武器を落とし挙句に《スタン》にかかっている俺を確実に仕留めるためにミノスは俺に狙いを定める、
奴は攻撃を受け膝を着き倒れそうになるのを何とか堪えながら立ち上がる。
俺が狩られるのが先か、奴が倒れるのが先かのギリギリの状況、
そんな中俺はボスの関係性について考えていた。
守護獣って名前からして本来2匹でここらを守っていたのか?
おそらく元々は2人で何かの役目を負っていたがミノスが何らかの原因で混沌に呑み込まれてしまった、
しかし自分ではミノスを混沌から救うことが出来ずためミノスを最奥に閉じ込められた、
その時にケフィスも混沌に染まりかけたんだろうな、
そしていずれ来る強い奴に自分諸共倒してもらうためにここにいる。
あくまで予想だが、んな所だろ、
確かに文献では守護獣の存在は確認していた、
具体的な情報がなかったため、
既に世界から消えたか立ち去った後かと思っていたが……
思考を切り替える。
ミノス……お前を想ってくれる奴がいて良かったな、
ケフィスの願い、俺が叶えてやるよ。
ミノス、お前は確かに強い、深淵系モンスターとしては中間より上ぐらいだろうが既にお前に勝つ手段はない、
空中に居る俺に向かって飛躍し迎撃できない時点でお前の負けだ。
だって俺……
《弓兵》なんだよな」
スタンが解除した俺は素早くストレージを開き《銀の弓》を装備しながら
使用すれば1度だけある程度のデメリットは無効化し《弓》スキルを発動できるレアアイテム《ライネスの射手護符》を使う。
左手を負傷させられたお陰で口で弦と矢を咥え構える、鉄の嫌な味がするが気にしない、
そして右手を前に、顎を後ろに引っっぱって行く、
引きすぎて顎と顔が痛いが、今できる最大限に引っ張らないとライネスの護符で威力は安定してるとはいえただでさえ通常とは違う方法で《弓》を使っているので放った矢が命中できず意味の無いものになってしまう。
よくここまで耐えてくれた……じゃあな。
《散りばめられた星々》
1本の矢から何重にも分けれた光の矢が奴を閃光と爆音と共に襲い、奴のHPバーを消し去る。
そのまま地面に落下し、衝突の激痛と共にHPが1割弱未満となる。
「もうちょっと高かった死んでたな…ゴホッ」
体内から血を吐き出す、血の表現はないので出るのは赤いエフェクトだが。
そして勝利をあらわす陽気なファンファーレと共にリザルトウインドウが現れる、そして数回のレベルアップの音。
2体のボス、ボス討伐のボーナスステータスポイントの配布そして献上値に見合った経験値が俺たちに分配される。
この世界はレベルが上がったからと言ってHPやスタミナが全快することは無い。
(今回は無茶してスタミナ消費が激しかったからもう少しあげておくか……そもそも散りばめられた星々を発動するための身体への代償をデカすぎた、
空中での無理矢理の移動は重力に逆らわないと行けないから下手したら身体が壊れかねないな……)
付与されたステータスポイントを見ながら
ポイントをどう割振るか考えていると、
HP回復の緑のエフェクトと共に強烈な衝撃が頬を襲う。
誰かが平手打ちを噛ましてきたのだ。
「いってえな、なんだよ突然」
「また無茶したでしょ?」
鬼が怒っていた。
「だからなリスタ、毎回言ってるけどな誰かやらないと全滅する可能性があって、今回は俺は比較的余裕があったから俺がやった、それの何が行けないんだ?」
「"今回も"でしょ?リーくんがやってる事、私達のためだって頭の中では理解してるの、わかってるんだよ、でも……」
「でもなんだよ」
「お前戦いは危なすぎるんだよ死に急ぎバカが、左腕が動かないなら素直に下がれバカ」
「んだとこら?俺の腕1本で誰かの命が守れた、それで十分だろ?腕は修復できるが命は修復できない」
俺はインベントリから《ゆりかごの夢》を取り出す、
見た目は白い綿のようなものだがそれをぱっくりと空いた二の腕に押し込み《包帯》を再び巻く、
こうすれば明日には治ってるだろう。
そして俺をバカ呼ばわりするメガネバカに向き直る。
「お前な、俺は……「ストップ、喧嘩は後でやろう?今は少しでも早く街に戻るのが先決だ」
団長の一声で俺たちは立ち上がる。
団長と部隊長の俺たちを除くと全滅……と思ったがまだ数人存在した、それぞれいまだ疲労が回復してないようで地面に座ったままだ。
そしてその中に他より明らかに顔色が悪い俯いた顔をした少女がいた。
「大丈夫か?」
俺は少女に駆け寄り手を出す。
「ありがとうございますリク隊長」
最近になって俺の率いる弓隊に入隊した黒髪おかっぱの片目が隠れていて、
隠れていない左目の下の泣きぼくろが目を引く少女《フーフェン》だった。
「立てるか?」
「すいません、腰が抜けちゃって……しばらく歩けそうにないです……って隊長?」
俺はフーフェンに背を向けしゃがむ
「ボスが居なくなったからと言って完全に安全じゃないからな、
ボス戦が終わったと同時に入口も開いて外からモンスターが入ってくる可能性もある、
直ぐに移動しないと危ないからほら早く」
フーフェンは恐る恐るといった様子で俺の背に体重を預ける。
ボス部屋の奥、ボスが登場した黒い霧の壁のようなものが晴れここからでも通路のようなものが見える、俺たちは階段を上がり通路を進んでいく。
「リク隊長!さっきの戦いかっこよかったです!私なんて攻撃が当たらないように避けるのが精一杯で…」
俺の背で少女は先程の戦いの事を思い出しているようだった。
「そうか?中堅層でも上のプレイヤーはあれくらい出来ないとだからフーフェンも経験を積めばできるようになるぞ」
いつも危険とか卑怯だとか、臆病だとか変人だとか、
ボロクソに言われてるから素直に褒められると照れくさくてつい顔が赤くなってしまうが、自分の顔を背中に乗る少女に見られていないので冷静な風に振る舞う。
「俺が金属装備を投げろって行った時、真っ先に投げてくれたよな、フーフェンのおかげで他の奴らも投げ始めたからな、戦場では素早く行動出来るやつが生き残れる、
フーフェンは入ったばかりなのにあそこまで動けたんだ、このままいけば絶対に強くなれる、
きっと俺よりもね、
でも間違っても俺の戦い方は真似しない……ん?」
自分が発した言葉に違和感を覚える。
入ったばかり、新人、
今回のボスは不確定要素が多いので青龍騎士団の精鋭、
少なくともエリアボス戦経験者のみが対象だったはずだ、
そして背中に乗る少女、フーフェンはまだ1回も参加したことがないはず。
「なあフーフェン、お前今回ボス攻略初めてだろ」
背中でビクッと少女が反応する、どうやら俺の記憶は確からしい。
「いくら俺がお前達の面倒見るのを依頼とかなんやかんやあって他のやつに任してても、
今まで誰がどのボス戦に参加したかは把握してるつもりだからな一応青龍騎士団の副団長だしお前らの体調だ。
んで今回のボスの募集は未確定要素が多かったから、経験者のみで募集してたはずだがなんでお前が参加してるんだ?」
「──す、すみません」
声のトーンが1段階下がり怯えているような、
しかしこれはイタズラや興味本位で参加したのではないと俺は確信する。
弓隊のメンバーであっても戦闘スタイルは様々だ、
それによって性格が現れていると言っても過言ではない。
弓の適正距離の中距離ではなく近距離で相手を翻弄しながら弱点や関節などに正確にダメージを与える者、
適正距離以上の遠距離で攻撃を受けないように立ち回り周りを見ながら随時カバーする堅実な者など様々だ。
フーフェンは俺の私見だが臆病であり弓で中距離以上から援護する堅実な立ち回りをする、消してリスクを伴うような事をする事はないと思っている。
「いや怒っている訳じゃないんだ、理由が知りたいだけなんだけど……」
俺がそう言うと恐る恐ると言った風に話し始めた。
「実はボス討伐部隊に志願した覚えはないんです、気が付いたら名前が乗っていて、
私もついにボス戦に参加出来ると思って怖かったけど張り切ってたんです。
でも入口で団長がここに居るのはボス戦経験者だって言って、
私は違いますって言いたかった、緊張で押しつぶされて少し泣いちゃってました。
でもボス戦前に皆さんピリピリしてたから私なんかが今そんな弱音を言ったら迷惑になると思って、
言い出せずに居たんです……」
「……そうか」
基本的に聖剣騎士団のボス討伐部隊志願者の募集は署名式だ、
システムでやると誤タップする危険性があるとの団長の声があり紙とペンの署名式となっている。
なるほどな……
可能性のひとつだがフーフェンのおかげで鼠を1匹排除できるか?
しかし証拠が出ない事には意味が無いか……
「フーフェン、この後帰ったら時間あるか?」
「え?っと少しならあります」
「わかったそしたら2人で話そう、少し聞きたいことがある」
「はっ!?はい頑張りますっ!!」
なにを頑張るかは分からないが欲しい情報を聞き出せることを願おう。
前を歩く団長の姿を見ながら俺はそう思った。
ボス部屋奥の通路を進む、
壁には大小様々な傷が壁や床に刻まれていた、
傷の大きさ敵にミノスが持つ大斧で傷つけたのだろう。
正面に扉、そして右手には地下に続く石畳の階段が存在する、
下手したらさらにダンジョンが続いている可能性がある。
俺たちはまず正面の扉の先に進む。
小さな四角い小部屋だったが中央には金色の剣が地面に突き刺さっている。
エリアクリアの為の帰還用に設置されたワープポイントだ。
団長がさわると剣が黄金に輝き始め起動する。
「地下の探索は後日だ、今日は一旦帰還しよう、意義はあるかい?」
団長の声に全員頷き。
1人ずつ剣に触れ消えていく。
「隊長もう大丈夫です」
残りは俺とフーフェン、団長だけになった所で急にフーフェンが耳元で囁いたので身体が一瞬硬直したが俺は彼女を下ろす。
「本当に大丈夫か?」
「はい!隊長!今後ともよろしくお願いします!!」
そう言って剣に触れ消えていく。
「いい部下じゃないか」
「あまり面倒見てやれてないけどな、それよりもルーク、ミノスの事だがあれ本来の仕様じゃないな」
「リクも気がついていたか」
「廊下にあった傷はポリゴンの破片が微かに残ってた事からまだ新しい、
霧はケフィスを倒した時点で奥に進めるようになっていた、
その事から本来このボス戦は連戦仕様じゃなかったはず」
「ああおそらくミノスは地下への階段最奥、そこのボスと見て間違いないだろうな」
「つまりバグか?」
「単なる不具合ならケフィスを倒した後時点でリザルト画面が出ているはずだ、
連戦ボスなら出口は閉ざされているはずかな」
「となると本来の仕様になるのか?」
「まだ分からないけど今後も気をつけた方が良さそうだね」
「わかったそれと後で少し時間を貰っていいか?」
「何だい?もしかして休暇?」
「違う、もしかしたら毒を捨てられるかもしれない、
その相談だ」
「了解」
俺たちは剣に触ると視界が白に染まり気がつけば見慣れた城下町の正門に立っていた。
「でもこれから城でパーティ開いてくれるらしいけどその後でいい?」
「まあ俺も参加するからな、んじゃ俺は少し寄るところがあるからよまた後で」
「ああ」
俺は街を歩く、既にボスを倒した情報が回っているのか、英雄を見るかのように通りがかる人の目線が突き刺さる。
俺たちは《青龍騎士団》は民を守るために今日もこの世界に蔓延る魔物を倒す。
【捨てられた古城 ハイベルス】
《不変の都 トフス》と言う街1つが大規模なダンジョン内に存在する大きな城、
そこに俺たち《青龍騎士団》は居た。
「ボスの正体が獣系のモンスターとしか情報がない以上、
攻略法は現地調達になる、そのためには我が青龍騎士団の仲間たちの力が必要だ、
俺が指揮する前衛のアタッカー部隊はタンクと連携を取り攻撃して行く、
攻める事は大切だけど無理は絶対しないように、
危なくなったら俺がタゲを取るから後ろで回復に専念してくれ、
」
集められた47人の精鋭、その前で演説をする我らが《青龍騎士団》団長、《ルーク》
団長の挨拶が終わり次に青龍騎士団の《盾隊部隊長》
《難攻不落》の2つ名を持つ《ガレス》が前に出る。
「タンク隊!儂らが倒れたら味方は全滅してしまう、
1秒でも長く死ぬ気で耐きる、それを忘れぬ様心に止めておくんじゃ、期待しておるぞ」
そして次に《魔道部隊長》《氷河》の《ペルト》が前に立つ。
「魔道部隊、まずはバカが敵の調査をする、
などで各自何時でも攻撃できるようにし報告を待て、
魔法の無駄使いするないいな?」
そして《弓兵部隊長》の俺《奇戦術》の《リク》
しかし誰だ変な2つ名つけたやつ表出ろ、
後は《初見殺し》とかも呼ばれたことあるな、
ほんと表出ろ、2つ名作るの下手くそかよ。
「弓隊は自由に動け、だがダメージを稼ぎすぎてボスのヘイトを荒ぶらせる事だけは辞めろ、
後は魔道部隊も含めてさが、
遠距離職だからって攻撃を受けないとは限らない、
ボス攻撃手段は多彩だ、遠距離攻撃手段がないボスは存在しない、
慢心だけはしないように気をつけてくれ以上。
……んで誰がバカだ?ペルトさんよぉ?」
「誰とは言っていないがお前が自分が馬鹿だと思うならそうなんだろうな」
「んだと?先制でボスを探るのは俺の役目だから、もうそれは俺の事で確定なんだが?
もう1回やるか?また俺が勝つぞ?」
「お前の小細工は見切った、
次は俺が貴様の息の根を止めてやろう」
俺はペルトを睨むが、奴は目を閉じやがった。
「2人とも?おしおきが必要かな?」ゴゴゴ
……《聖女》リスタリアが俺たちに恐ろしい程に形相でこちらを見ている。
「回復と支援の皆さんは私と一緒に1番後ろで皆の回復に回りましょう、
ですがリクが言った通り攻撃が絶対に届かない安全地帯はありません、
必要によってはボスと至近距離で戦わないと行けない状況になる場合もあります、
ですが諦めないでください。
絶対に皆で生きて帰りましょう」
こいつは巷では笑顔を振りまき弱き者を助ける、《聖女》なんて呼ばれているが実際はただの暴力女だ、
喧嘩すればすぐ特性パンチが飛んでくる。
《回復役》なのでINTに多くステを振っているはずなので相対的にSTRが低いはずだが、
そこらのSTR特化型と同格のパンチが飛んでくる。
わけがわからないよ。
そんな心の声がを聞こえているのか否か俺の方を怖い笑顔で見てくる。
怖い、ソノエガオガコワイデス……
「我ら青龍騎士団はこれよりボスの攻略を開始する!
今回のボスは一筋縄では行かないだろうここに居るのはボス戦を経験してきた実力者だ、
俺らなら絶対に勝てる!」
剣に青いドラゴンが巻きついたような《青龍騎士団》のエンブレムの装飾が施された盾を上に掲げながら団長の宣言と共にガレスが扉を押し大扉が重い音を立てながら開かれる。
各自が緊張と不安の足音を立てながら一斉に入口から入る明かりしかない薄暗いボス部屋に入る。
扉が閉じられた瞬間、閃光のような白い光が辺り照らす。
部屋はかなり広く48人が入っても広さの1割ほどにしかなっておらずかなり広い、
部屋で円形しており部屋の端には柱が何本も等間隔に部屋の壁に沿うように立っている、
部屋の奥には入口と同じような扉が存在した。
「ボスは何処だ?」
周囲を観察していると誰かが言った、言葉通り明かりが着いた段階でこの部屋にはボスの存在は現段階では何処にも見えなかった。
……がその言葉を引き金にしたのか部屋の中央に稲妻が落ちた。
あまりの光に目を閉じたが衝撃音と地面が割れた破片が頬を掠める。
やがて光が収まると1匹の黒い獣が中央に立っていた。
《苛まれた獣》
俺たちを確認し唸る獣の頭上に頂くのは3本のHPバー、ボスとしては平均的だ。
ここに立ち入った俺たちを侵入者だと敵だと捉え威嚇するように咆哮する獣。
そして戦闘が始まった。
「ガレスさん飛ばせ!」
その言葉と共に俺は走り出し、少し前に存在する地面と平行に盾を構えたガレスの盾に俺は飛び乗る、
そしてガレスさんの押す力と俺の脚力を利用して押し出されるように弧を描くように高く飛び上がりながら弓に《火矢》《水矢》《雷矢》の基本敵な属性が付与された矢を番え、そして黒い獣に向かって放つ。
三本とも頭部に命中しダメージログが表示され、黒い獣のHPが減る、
数ミリ減った程度だがどの属性もダメージは通った。
《ダメージ視覚化》のスキル
相手に与えたダメージと、自分が受けたダメージが数字として表示されるスキルだ。
正直こいつを取ったのは判断ミスだと思っている
相手のHPバーの削れ方である程度は予想できるため、
そのスキル解放ポイントを別の補助スキルに回した方が良かった、
まあ数値が視覚化される事によって素早く情報を受け取り考えられるのは利点にもなるが……
遠距離武器は遠くから攻撃ができるのが強みだがギャウリディアには遠距離無双を防ぐために《射撃減衰》と呼ばれる、
距離によってダメージが減少してしまうスキルが実装されている。
ボスはどれも《射撃減衰》によるダメージ軽減が多くかかり用意出来る攻撃方法が遠距離攻撃のみだと苦戦は必須だろう、
そもそもボス相手に苦戦しないという方が奇跡なのでいいか。
そのままボスを観察しながら飛び越え、ボスの背後に降り立った瞬間
前衛部隊が攻撃を始める。
基本モンスターのヘイトは瞬間ダメージが高いプレイヤーを狙う傾向にある、
なので俺がダメージを与えた直後に他のプレイヤーが攻撃することで、
俺からそいつにタゲは変更される、
人型モンスターは例外だがな。
直ぐにルークに通信を入れる
「属性は火が約1.2倍、水が通常、雷は無効化され回復になる、
おそらく雷に強いかそれ関係の攻撃だろうから雷攻撃、スタンに注意、
ギミックぽい雰囲気はないが念の為少し調べる」
大声出せば伝わるのだが無駄な体力を使う訳には行かないので通信を使う、
基本ダンジョン内から外への通信は出来ないが、同じ部屋にいる場合は通信ができる。
『了解、
皆!ボスには火属性が有効だ、やはり獣なのだろう、だが雷属性は吸収され回復されてしまうので使わないでくれ!
予想だが雷属性の攻撃を繰り出してくる可能性がある、各自スタンには注意して、
後衛部隊頼んだよ』
まず俺が相手の特徴と弱点を把握し予想も踏まえ、団長に知らせる
伝えてる間に盾とアタッカーは少しずつダメージを稼ぎ、
団長は全員に通達する
これはスキル《伝令》を使うことによって
同じ敵と戦っている全員に距離に制限はあるが
有効範囲内なら言葉を届かせることが出来るスキルだ。
そして団長からの攻撃開始の合図によって弓隊や魔道部隊が攻撃し始める。
ここまでが青龍騎士団の戦い方だ。
さてと……
俺はまず初めにフィールドを観察するまずは等間隔で立っている柱だ、
柱は白の石造りで崩れている物が多い、
その側面には松明が取り付けられており青い炎が揺らめいている、
その炎を消せるかどうか確かめる為に
矢を放つと命中するが消えることはなく矢が燃え尽きる。
ボスには攻略法が2種類存在する、
1つは普通にHPを減らし倒せば終わりのボス。
2つ目は《仕掛け》ボス、同じフィールドやエリア、ダンジョン内に何かしらヒントになる壁画などのオブジェクトや情報をくれるNPCが存在しておりそれを元に謎を解き解除するまではHPが減らなかったり与えられるダメージが大幅に減るなどの効果が付与されている。
ギミックと言っても《物》やら敵の部位破壊やら特定アイテム使用など様々だ、
今回はおそらく大丈夫だがダンジョン内にギミック解除するための物が存在し、
解除せずにボス戦に突入してしまった場合全滅は免れないので探索は自分の為にも味方のためにも重要だ。
今回は捨てられた古城ステージだからかNPCが《浮浪者》《旅人》《盗賊》ばかりで全良な情報をくれるNPCが少なく、
謎を解き城主の部屋にたどり着いた俺たちは
何らかの理由で死に至った城主の霊に会い、
彼が残した手記には、
地下には古の獣が罪人を守っている、
私にはどうする事もできなかった。
としか読め無かったので、獣としか情報が存在しなかった、
その後も数日エリア内を探索しつくしたがそれ以外の情報は出て来なかった。
そんな訳で通常ボスと確信するためにギミックを探しているんだが……
壁には所々文字のようなものが彫り込まれているが攻略に必要なものとは思えない、
もし戦闘中にあの大量に綴られた文字の中から、1文字探すとか言うギミックだったら俺はキレる。
古い文字を解読するような専用のスキルを所持してないので読めない、
もしかしたらボスの情報がボス部屋に転がってるとは思わないが
壁はヒビが入っていたり崩れていたり様々だなので、たとえ読めたとしても手に入る情報は飛び飛びだろう、だから諦める。
(しょーじきダメージが通るならゴリ押しすれば減りが0にならない限りは勝てるしな、犠牲は少々必要になるだろうが……)
このボス戦でこちらは盾8人削り7魔道10弓8回復14そして団長の6人×8パーティ4人、
このボスの挑戦人数限界だ。
青い炎と壁の文字以外特にめぼしいものは無い、あとは瓦礫やらあの獣に食べられたであろうなにかの骨が散乱しているだけだ
「ギミックの雰囲気なし、通常ボス」
『ありがとう、こっちも1本目が削れそうだ』
その言葉を聞いてボスの方を見ると確かにあと数ミリの所までHPバーを減らしていた。
あ……削れた。
HPを1本失った獣はバーを黄色に変えながら数歩後ろ飛びながら後退し、大きく咆哮する。
モンスター専用スキル《咆哮》、
一定範囲内のプレイヤーのスタン値を強制的に蓄積させるもの、
周囲を吹き飛ばすもの、ダメージを与えるもの、自身にバフを付けるものと様々な種類が存在する。
地面を揺るがす程の大きな咆哮、咄嗟のことで耳を塞げなかったプレイヤーは一時的にアバターが動かなくなり武器を手放してしまっていた。
《装備解除》と《スタン蓄積》か……
《装備解除》は武器が装備解除され、再びステータス画面で装備し直さなければどんな武器もなまくらと化す厄介な効果だ、
地面に武器が落ちるまでに接触すれば回避する事ができるが今回は同時にスタンも食らい動けなくなるのでほぼ不可能だ。
RESにステータスを振ることで《咆哮》に
などにおけるスタン蓄積の回避率を上昇させたり蓄積量を減少させることが出来るが、
ボスが繰り出してきた場合回避する事は難しいだろう。
俺はスタン状態になった仲間を守るためにたった1人で勇敢にヘイトを稼いでる団長を見る
《意思の力》と呼ばれる隠しステータス、
まあ気合いの持ちようで状態異常を回避できるらしい実際は公式がノーコメントなので分からない。
団長は動き続けていたが
さすがに1人で支援も無い状態でボスの攻撃を受け続ける事は不可能、HPは徐々に削られていく。
RESに多めに降っておりいち早く復帰出来た俺は奴の側面に走りながら前足と後ろ足の間を通るようにスライディングを決め、やつの懐に、
《散りばめられた星々》
を放つ。
その名の通り弓から射出された1本の矢は流星のように大量の矢に分裂し黒い獣の腹部に突き刺さる。
事前にMPとスタミナの消費量を設定し、その消費量によって威力が増減する《弓》における最上位の一角にあたるスキルだ。
消費した設定値はMP、スタミナ共に全部
MPは魔法を使わないので初ほぼ期値のままだが
スタミナを全て費した攻撃のためかなりのダメージになる。
ボスは強烈な攻撃を腹部に受けた為ノックバックし数歩後ろに下がる、
HPは1割程減らせただろうか?
そんなことを考えながら体がまるで糸が切れたかのように脱力し地面に倒れ伏す。
疲労感と共に視界が赤く染まり明滅する、呼吸が荒くなり脳内がミキサーでかき回されたような感覚に襲われる、
スタミナが0になった障害だ。
俺が《散りばめられた星々》を使用した直後に団長が《バーチ・アクト》、
前方に8連の斬撃を繰り出す《片手剣スキル》《バーチ・アクト》を使ったお陰で、
何とかタゲが俺に向くことは避けられたが、
このまま床に無様に転がっていたら奴の攻撃が当たるのは時間の問題か……
その時背中に強い衝撃が走りHPが大幅に減り地面にぶつかる度に跳ねながら部屋の端へ蹴飛ばされる。
すると何者かが駆け寄る足音が聞こえ2割しか残されていないHPが全開する。
「ありがとさん」
駆けつけてきた聖女に礼を言う。
「もうっ!!また無茶なんてして!
ペルトが助けなかったら今頃死んでたんだよ!?」
「いや、むしろペルトのせいで8割ダメージ受けて死にそうだったんだが?」
メガネ野郎の方を見ると何やら口が動いていた、
俺に視力と読唇術にかかれば……
『ボスの目の前で前でスタミナ切れなど、
起こすバカがいるからほんとにヒヤヒヤさせられる、感謝しろ』
まじでそのメガネかち割ってその整った顔面変形させようか?
俺は立ち上がりスタミナを危険域から回復させながら攻撃が当たらないように戦場を眺める。
「リスタ各部隊の状況は?」
「団長とリーくんが頑張ってくれたから負傷者は今の所居ないわ」
ゲージ2本目だって言うのに被害0か、
最前線のダンジョンのしてはヌル過ぎないか?
今回のボス戦まだ何かあると考えておいた方がいいか……
ゲーマーの感が囁く。
「リスタ、多分こっから先はお前ら回復役に負担がかかる、
3本目は荒れるだろうよ」
と言ってるとスタンから復帰した部隊がボスに畳み掛け2本目が0になり3本目に突入する。
すると辺りが閃光と共に白く染まりそれと共に
地響きが聞こえ大地が揺れる。
体勢が崩れ地面に手を置く
先程の咆哮とは比べられないほど大きい。
ボスが吼えるとそれと共鳴するように雷鳴と共に稲光が大量に空から降り注ぎ天井が崩れる、
このままじゃ生き埋めになるっ!
「ちっ!?」
俺はリスタリアを脇に抱え全速力で走り出す。
「えっ?きゃっ──《扇放の加速》!!」
黄緑色のエフェクトが俺らを包み込みこみ、
追い風が俺らの背後から流れるような、背を風で押されるように加速する。
「ガレス!!」
ガレスは俺の意図がわかったようで
「《鉄壁の城塞》」
ドーム状に展開される範囲防御スキルを発動する
「早く中にっ!!!」
団長が指示を出し防壁の中に集まる。
上から雪崩のように迫ってくる瓦礫が落ちるより先に何とか俺達もその中に滑り込むと同時に防壁外が瓦礫と粉塵により周囲が覆われる、
あと数秒でも遅ければ瓦礫の山に埋もれていたがなんとか間に合って良かった。
「どこから来るかわからない皆注意しろ!」
各々武器を構えどこから襲ってくるか分からない恐怖と緊張に襲われるが、砂埃が晴れるまで襲撃はなかった。
「グルルル」
《鉄壁の城塞》の効果が切れ瓦礫の山と化した、足場が悪くなったボス部屋で俺らはそれぞれ散開する、
纏まって動けばその分ボスの1回の攻撃で被害が出る。
砂埃が収まり視界が見えるようになり辺りが見渡せるようになった目の前に佇むボスの体には雷のような物が纏わり着いていた、
《守護雷獣 ケフィス》
先程までと雰囲気が変わり、ここから本気とでも言ってるかのようだった。
ボスの最終形態、
ボスはHPが減るほど強化され凶暴化し、
ダメージが通りずらく、
1度の判断ミスで死の足音が傍までやってくる。
ここからは死ぬ気で立ち向かわないといけない。
「皆、ボスの最終形態だどのような技を繰り出してくるかはわからないが、気を引き締めて行くぞ!!」
突撃した3人の前衛に対しボスは右前足を1歩前へ出す、
ボスは単純に前へ進んだだけかもしれないが、
地面にヒビがはいり空から3人に向けて稲光が振る、
1番最初に突撃したプレイヤーは青い雷が直撃し《スタン》した、
「やめっ……」
掠れた声の命声など興味が無いと、
爪で切り刻むように左前足を振るう。
2番のプレイヤーは盾で一撃は防いだが度重なるように雷鳴が轟き稲光が落ちる、
重装備のせいで《雷》属性とは相性が悪い、
同じく《スタン》状態になり頭から食われ上半身と下半身が分裂する。
3番目のプレイヤーは何とか自分に落ちる雷を地面に転がり紙一重で翻したが、
地面と衝突した雷は
まるでボールのように跳ね返りプレイヤーの周囲に纏わりつく、
痙攣したような表情と共に急激にHPが減っていき赤いポリゴンの破片となってしまう。
3人のプレイヤーが蹂躙されたのは瞬きをしたくらいの一瞬だった、
彼らの所持アイテムが地面に撒き散らされている。
今回初の死者が出た瞬間だった。
足元に転がってきた金属製の兜をボスの方へ《投擲》すると奴が纏っていた雷が高速で兜に接近し雷撃を生み出す。
「ボスの雷は金属に反応するのかっ!どうする前衛部隊!今すぐ鎧を脱ぐんだ!!」
それを見て団長は素早く警戒するように伝える 。
前衛に配置された団員は全員お手製の青龍騎士団のエンブレムが入った金属鎧を身に付けている、
そのため無条件で雷を受ける避雷針となってしまう、
対策として脱ぐか、《胴体装備》を変更するのが基本だろう。
しかし状況判断と指示が早くても情報の伝達からの反映はどうしても時間がかかってしまう、
それに装備を外す、変えるは実際にひとつひとつのパーツを外して脱ぐか、ステータス画面から外すかの2択だ、どちらも時間がかかり隙となる。
それを見逃す程ボスは優しくない、瞬間移動したかのように素早く前衛部隊に接近すると共に、大量の雷が暴れ回った。
断末魔と共に次々と倒れる団員立ち、広範囲攻撃らしく、DEFとHPが優れている前衛部隊は愚か、
その後ろに配置された後衛部隊にも甚大な被害を負ってしまった。
「全部隊、速攻で奴を仕留める、各自全力を出しボスを攻撃せよ!!」
これ以上被害を出すまいと団長の号令と共に全部隊が攻撃を開始する。
俺も頭部を狙い《銀の矢》を放つ
放った矢は金属製にも関わらず雷で弾かれない所を見るにある仮説を考える。
纏っている雷にも量、限界があるのか矢には反応しないのか………
情報が少ない。
「遺品の中に金属整の装備があったらボスの方へ投げろ、なるべく味方がいない方にっ!」
大声を上げ周囲にいる部隊に通達する、
俺の声に頷いた部隊は鎧やら金属斧を手当たり次第に投げる。
予想通り落雷やボスの周囲を漂う雷は金属製の装備に吸い込まれるように攻撃している、
だがそれだけでは雷の直撃は避けることができるがボスの動きを止めるのは不可能、
雷を受けた装備は耐久値が減り数回で消滅してしまう、
このままではジリ貧だ。
ボスは素早く動き周りながら攻撃を回避し俺らを翻弄、
1人ずつ確実にこちらの数を減らす方向にシフトしている。
また1人また1人と仲間たちがアイテムを残し世界から消えていく。
しかしこちらも決死の覚悟を決めた者たちの成果によって攻撃を与え続けていると雷獣の動きがピタッと止まる、
スタン値が溜まったのだろう、その隙を団長は逃さなかった。
「《ラスト・ウォレスカ》」
団長が持っている剣の《使い込み》システムの専用スキル
同じフィールド上にいる味方の数だけ攻撃力が上がるが使用者はHPが徐々に減ってしまう一瞬で勝負を決める為のスキルだ。
1日1回1つの戦闘で15分以上戦っている場合に発動できる主にボス戦でしか使用条件を満たせないようなスキルだが効果量は相応だ。
全員が赤いエフェクトに包まれる。
「《爆炎》」
団長に合わせ魔道部隊も火力特化の上級魔法を発動し始める。
魔法が団長をもまとめて燃え上がる、
このゲームはフレンドリーファイアが存在するため味方の攻撃も受けるが、
最初の爆風によって範囲外に逃げたようだ。
「弓隊、各自得意スキルを使用し全力で《火矢》を放て」
俺の指示と共に弓隊の《火矢》が雨のようにボスに降り注ぐ、
みるみるうちにHPは急速に減っていき残り2割、
ボスも俺達も疲労が見え始めている。
スタンから復帰したボスは必死に生き残ろと咆哮を繰り出す、
スタンと共に落雷が派生し、仲間たちが飲み込まれていく。
おそらく今ので人数半分切った。
ストレージを確認すると主な火力の《銀の矢》は残り3本、かなり不味い状況だ。
減ったHPを《月光草》を使い回復し始める。
苦味が口に広がり鳥肌が経つような悪寒がする、良薬口に苦しとはよく言ったものだが何度使っても味に慣れない。
すると緑にエフェクトが発生しHPが全快する、聖女の《全体回復》系のスキルだろう。
《銀の矢》を三本ボスに命中させた後、
《石割の剣》を装備し側面にまわる。
石を長方形にし剣のようにした、どちらかといえば見た目敵にが鈍器の武器だが《斬》と《打》のふたつの属性を兼ね合わせる、
珍しいキメラウェポンである。
前衛が壊滅状態の今後衛の誰かが前にでないと被害が拡大してしまう《片手剣》のスキルは取ってはいるが練度は最大では無いのでダメージは落ちるが通らない訳では無い。
武器の耐久値を減らす代わりに攻撃力をあげる《発火鑢》を使う。
奴はこちらを近づかせないためか落雷を撃ちつづける、
少し掠っただけでも2割弱HPを持っていかれたため直撃したら消し飛ぶ。
魔法部隊や弓隊の攻撃を雷を操り消滅させるなどの荒業を見せたが、
後衛舞台とかろうじて残っている前衛部隊の頑張りによって与えるダメージは微々たるものだが確実にHPは削られて行きやがて0になる。
「グオオオオオオオオオオオオ」
ボスは声をあげて嘆くように吼えるそして最後まで地面に倒れ伏すことなく消滅して行った。
「やったのか?」
誰が出したか分からない声によって、次々とその場に座り込む。
周りを見るとボロボロになった仲間たちが同じように疲れた表情と同時のやりきったという清々しい表情をしていた。
人数を数える、48人居た今回の討伐メンバーもボスの攻撃により17人に減った。
歩ける程度に休憩したらボス部屋の奥に進もう、
そんな事を思っていた俺だがある違和感が感じる。
……それが何かを疲れた頭を回転させ考える。
「リザル──「誰かリザルトを確認した人は!?」」
俺が気が付くと同時に団長が言葉を発した聞く
、
しかし誰も答えない。
そう戦闘終了時に必ず表示されるリザルトウインドウが表示されていない。
「皆、ボス戦はまだ終わってい──っ!?避けろ!!!」
部屋の奥、次の部屋へ進む通路から斧が高速回転しながら接近してくる。
ある者は屈み、防御スキルを発動さたり、柱を利用して上に飛び避けるが、
油断していて判断しきれなかった数人が切断され消滅する。
やがてブーメランのように元の位置、持ち主の元へ返る。
暗い通路から身体を現したのは上半身裸の二足歩行の人いや人とは違う、頭部が牛、
おそらくミノタウロスが奥から登場する。
《混沌の罪人 ミノス》
第2ラウンドが始まった。
頭上に存在するHPバーは1本、連戦を想定されたボスだろうからHPは少ないはずだが奴の1本に込められれたHP量がどれ程のものか想像できない。
次に1番気になるのは名前の《混沌》だ
この世界での《混沌》とはギャデイアの地下深くに存在すると言われている強力なモンスターが巣食う場所で、通常の方法では行くことは出来ない、
各地に存在する《混沌の○○》と名の着く、
ボスモンスターに敗北する事で行くことが出来る。
その敗北ではプレイヤーがこの世界から消滅することはなく
混沌へと取り込まれやがて怪物として新たな獲物を求め再びギャデイアの大地へと降り立つとNPCの情報で聞くことが出来る
そして混沌のモンスターは約8割が人型、2割がおぞましいモンスターの姿をしている、
混沌と名の着く敵はどれも強く、既に多くのプレイヤーが深淵へと取り込まれている。
各地で混沌にまつわる話を聞けるため、
ギャデイアの最終目標は混沌世界の浄化と予想されている、
公式が最終目標を発表していないので定かではないが。
今重要になるのは混沌モンスターが目の前に居る事実だ、
混沌モンスターの共通の特徴として攻撃を受けるとスタミナが減ってしまう《闇属性》の攻撃を繰り出してくる、
ミノスは見た目は人間と変わらない背丈で頭部が牛だが分類としてはおそらく人型のモンスターだろう。
通常のモンスターが瞬間ダメージが高いプレイヤーを狙うAIなのに対し、
混沌や一部のボス、モンスターは本当にAIなのかと疑いたくなるような柔軟な発想、的確な状況判断をし攻撃をする時がある。
新たに現れたボスは大斧を地面に叩きつけ地割れを起こす、
ただでさえ先程の戦闘によって高低差が出来ていると言うのに地割れによって深い亀裂が走り落下死の確率も高くなった。
俺は《毒》《麻痺》《炎症》の矢をセットし放つが当たる前に斧によって弾かれてしまう、
なら交戦中の隙に入れればいい。
「なるほど、生半可な攻撃は防がれるか、どうする団長?」
ボス戦での途中離脱はこの世界から永久退場しか許されていない、つまり戦うか死ぬか。
しかし部屋の奥の暗闇が晴れたところを見るに、もしかしたらなにか救済措置があるのかもしれないが周りを見るに誰かが囮になりその間に向こう側逃げるぐらいしか方法はない。
満身創痍なりかけている青龍騎士団、そして対するは混沌モンスターしかも人型ボス。
絶望的も程がある。
疲労が溜まっている部隊を見る、
それぞれの表情は不安そうだがまだ戦意の灯火は消えてないない。
「力を貸してくれ皆!速攻で倒そう!」
団長の声と共に灯火は再び燃え上がる。
頷き武器を構える青龍騎士団メンバー
俺は消滅した仲間達が残したアイテムの中から地面に突き刺さった《斬刳》と《クエイパー》を装備する、カテゴリ《刀》と《戦鎚》の武器だ、
前衛を任せられる人数が少ない為ここからは俺も死ぬ気でヘイトを稼がないと勝機はない。
「ちょっと借りる、壊しちまうかもしれないけど、生き残るためだ許せ」
《刀》は《片手剣》よりダメージが低く、耐久値も少ないが、クリティカルボーナスが高く設定されており
きちんと刃を立て切る事が出来れば瞬間ダメーは《剣》のカテゴリ中で随一。
《戦鎚》は打撃系の武器では小さく取り回しがいい、
それにそこそこ火力が出るが、
スキルがどれも威力が高く硬直が長いので状況をしっかり見れるプレイヤーが使用にするならおすすめだ。
そしてどちらも俺が《刀》と《戦鎚》スキルを取っているのでステータスボーナスと熟練度ボーナスを発動できる。
《刀》Lv5/5
・(刀装備時)攻撃力10%増加
・(刀装備時)クリティカルダメージ率10%増加
《戦鎚》Lv4/5
(戦鎚装備時)破壊力7%増加
(戦鎚装備時)攻撃力6%増加
一時期刀を無性に使いたくなって取ったスキルがこんな時に役に立つなんてな……
戦鎚は序盤に《短剣》と《弓》だけじゃ火力が出なかったので比較的火力が出る《戦鎚》を取ったそれだけの理由だがかなりお世話になった。
「《斬刳》と《クエイパー》俺に力を貸してくれお前の所有者のためにもな」
使い続けた武具には魂が宿ると青龍騎士団の専属鍛治職人から聞いたことがある、
《斬刳》と《クエイパー》のステータスを見るに大分強化され修理され大切に手入れされている。
俺は弓を《装備解除》し2つの武器を装備する
前線ではガレスが敵の攻撃を受け止め、団長が攻撃し、ペルトが隙を見て魔法攻撃、リスタリアが回復、他の団員も必死に抗っている。
通常時だったらほぼ理想な戦術がなされていた、
だが相手は混沌人型ボスだ、耐久力を活かし強引に連携を崩しそのまま全てをかっさらう事は用意だ。
ボスはガレスの盾を弾き団長の剣を掴み地面に叩きつけそのまま斧の横振りによって数人の団員を消し飛ばす。
そのまま地面に叩きつけられた団長を一刀両断しようと斧を振り上げた瞬間、
《気配遮断》《隠蔽》《消音》を使い背後を取っていた俺は油断していたミノスの背中に思いっきり背後ボーナスによってクリティカルダメージが《斬刳》を突き刺す。
「《喰牙》」
刀を前方向に滑らすように突く《喰牙》、そして続きざまに《翔義》を発動させ
刺した刀をそのまま後頭部に向かうように刀を上に滑るように動かす。
「ぶおぁぁぁぁぁぁああああ」
雄叫びを聞きながら距離をとりミノスの振り回す斧を体制を低くし紙一重で避け、
攻撃の隙を見つけ急な方向転換で奴に飛びつき足を切りつけながら独楽のように回転し胴体をも切り裂く。
連続してスキルを使ったせいで再びスタミナの危険域知らせるように視界が赤く染る。
刀身はやつの血で染まり赤黒くギラギラと輝き《攻撃力上昇》のバフがかかっている。
マルデチヲモトメルカノヨウニ
《妖刀》の類か相性悪いな……
奴が俺の姿を捉える前に攻撃の隙をつき胸に刀を突き刺して捻じ込む。
そのまま貫通させ串刺し状態にしたかったがボスはボディプレスをするように前に胸から倒れる、
俺は《斬刳》を手放し離脱する。
しかし前に倒れようとしていたボスは右足を地面につけ前に踏み出す勢いをつけながら斧を振り払うように攻撃を繰り出した、
瞬時にスローモーションになるような視界、
何とか身体を捻り回避しようとするが────
間に合わないっ!?
左腕を切られる、
自分の骨と斧の切っ先が当たる嫌な音そして感触が伝わる。
二の腕の部分の半分ぱっくりと開きプランプランと左腕が揺れている。
(切断されてはいないからギリギリで《欠損》か)
《欠損》のデバフは体の部位事の耐久値が
3割を切ると発生する、
6割だと《出血》3割り切ると《欠損》0になると《消失》だ。
《出血》は自然回復の効果を阻害し、さらにスタミナの回復量も減少するデバフがかかる、
2、3時間出血した部位に何も刺激を与えないか《包帯》のアイテムによって、その部位の耐久値の回復を早くさせ修復できる。
《欠損》は出血のデバフがさらに強くなりオマケにその欠損した部位は使い物にならない、
治すには対応するレアアイテムを使わないと再生されないのだが、完全に再生するにはアイテムによってだが約1日程度かかってしまう。
距離を取ろうとした俺だったが奴は前に突進する、
奴の頭上に存在する2本の角が俺の両脇を抑えるようになる、
後ろを確認するとすぐそこに壁が存在した。
俺ごと壁に突っ込むつもりか。
壁に衝突する直前、俺は勢いよく体を前に降り奴の胸の刀を足で押しながら2本の角を支柱にバク転をするように一瞬で背後に周り、
背中から少し飛び出している刀の刀身掴み引き抜く、
すると最後の晩餐を食し満足したかのように《斬刳》は耐久値を失い砕け散る。
おつかれさん。
そして奴の背中を蹴りながら空中へ跳躍し、左の二の腕に包帯を巻き付ける、
戦闘中に風圧でちぎれられても厄介だ、
巻き終えた後に右手に《戦鎚》に装備する。
下ではミノスは俺を着地狩りしようと構えている、
その足元では団長達が攻撃を続けているが何故か俺しか眼中に無いようだった。
俺の思考回路は腕の痛みや、スタミナ限界値の疲労感と相まってぐちゃぐちゃでまともに何かを考えられる状況ではない、あとは生存本能に従うのみ。
空中を少しずつ上昇する俺だったが1度上がりきったら後は落ちるだけなので空中ではほぼ無防備になる。
まっすぐミノスに向かい落ちていく俺を確実に仕留めるために奴は斧を勢いよく薙ぎ払う。
斧が振られた瞬間俺は上段に高く振り上げ一気に叩きつける《戦鎚》のスキル《インパクトブラスト》を発動する。
このスキルは地面がある前提でその場で踏ん張り叩きつけるように振り下ろすスキルなので
安定している地面で使用する事が前提のスキルなのだが、
今回のように空中で使った場合、足場がないので上に引っ張られるように身体は
は動きバク宙状態になり少しだがさらに上へと上昇する。
それを利用し迫ってきた斧をスレスレで回避する。
スキルを使い通常できない動作を無理やりさせ体を酷使しているせいでミチミチと体と骨が悲鳴を上げているがまだ問題ない。
スキルの使用方法によっては普通ではできない人外的機動もすることが出来る、
これだからギャディアは楽しめるぜ。
全力の攻撃を空振り逆に無防備になったやつの顔面に《インパクトブラスト》の振り下ろしをを直撃させながら、再び空へと飛躍する。
顔面へのクリティカルヒットにより地面に叩きつけられたミノスのHPを削り切る勢いで団長たちは攻撃を繰り出す。
奴の残りHP1割まで減っているあと一押しだ。
しかし奴は負けじと立ち上がり斧を持ちながら周囲を薙ぎ倒すように回転して張り付いていた団長たちを吹き飛ばす。
そして最後の意地かのように空中から地面へと落ちてくる俺に視線を合わせ《咆哮》する。
《装備解除》と《スタン》を喰らった俺は《戦鎚》を落とす、
落下し奴の肩に当たるが装備解除されている以上大したダメージは出ない。
武器を落とし挙句に《スタン》にかかっている俺を確実に仕留めるためにミノスは俺に狙いを定める、
奴は攻撃を受け膝を着き倒れそうになるのを何とか堪えながら立ち上がる。
俺が狩られるのが先か、奴が倒れるのが先かのギリギリの状況、
そんな中俺はボスの関係性について考えていた。
守護獣って名前からして本来2匹でここらを守っていたのか?
おそらく元々は2人で何かの役目を負っていたがミノスが何らかの原因で混沌に呑み込まれてしまった、
しかし自分ではミノスを混沌から救うことが出来ずためミノスを最奥に閉じ込められた、
その時にケフィスも混沌に染まりかけたんだろうな、
そしていずれ来る強い奴に自分諸共倒してもらうためにここにいる。
あくまで予想だが、んな所だろ、
確かに文献では守護獣の存在は確認していた、
具体的な情報がなかったため、
既に世界から消えたか立ち去った後かと思っていたが……
思考を切り替える。
ミノス……お前を想ってくれる奴がいて良かったな、
ケフィスの願い、俺が叶えてやるよ。
ミノス、お前は確かに強い、深淵系モンスターとしては中間より上ぐらいだろうが既にお前に勝つ手段はない、
空中に居る俺に向かって飛躍し迎撃できない時点でお前の負けだ。
だって俺……
《弓兵》なんだよな」
スタンが解除した俺は素早くストレージを開き《銀の弓》を装備しながら
使用すれば1度だけある程度のデメリットは無効化し《弓》スキルを発動できるレアアイテム《ライネスの射手護符》を使う。
左手を負傷させられたお陰で口で弦と矢を咥え構える、鉄の嫌な味がするが気にしない、
そして右手を前に、顎を後ろに引っっぱって行く、
引きすぎて顎と顔が痛いが、今できる最大限に引っ張らないとライネスの護符で威力は安定してるとはいえただでさえ通常とは違う方法で《弓》を使っているので放った矢が命中できず意味の無いものになってしまう。
よくここまで耐えてくれた……じゃあな。
《散りばめられた星々》
1本の矢から何重にも分けれた光の矢が奴を閃光と爆音と共に襲い、奴のHPバーを消し去る。
そのまま地面に落下し、衝突の激痛と共にHPが1割弱未満となる。
「もうちょっと高かった死んでたな…ゴホッ」
体内から血を吐き出す、血の表現はないので出るのは赤いエフェクトだが。
そして勝利をあらわす陽気なファンファーレと共にリザルトウインドウが現れる、そして数回のレベルアップの音。
2体のボス、ボス討伐のボーナスステータスポイントの配布そして献上値に見合った経験値が俺たちに分配される。
この世界はレベルが上がったからと言ってHPやスタミナが全快することは無い。
(今回は無茶してスタミナ消費が激しかったからもう少しあげておくか……そもそも散りばめられた星々を発動するための身体への代償をデカすぎた、
空中での無理矢理の移動は重力に逆らわないと行けないから下手したら身体が壊れかねないな……)
付与されたステータスポイントを見ながら
ポイントをどう割振るか考えていると、
HP回復の緑のエフェクトと共に強烈な衝撃が頬を襲う。
誰かが平手打ちを噛ましてきたのだ。
「いってえな、なんだよ突然」
「また無茶したでしょ?」
鬼が怒っていた。
「だからなリスタ、毎回言ってるけどな誰かやらないと全滅する可能性があって、今回は俺は比較的余裕があったから俺がやった、それの何が行けないんだ?」
「"今回も"でしょ?リーくんがやってる事、私達のためだって頭の中では理解してるの、わかってるんだよ、でも……」
「でもなんだよ」
「お前戦いは危なすぎるんだよ死に急ぎバカが、左腕が動かないなら素直に下がれバカ」
「んだとこら?俺の腕1本で誰かの命が守れた、それで十分だろ?腕は修復できるが命は修復できない」
俺はインベントリから《ゆりかごの夢》を取り出す、
見た目は白い綿のようなものだがそれをぱっくりと空いた二の腕に押し込み《包帯》を再び巻く、
こうすれば明日には治ってるだろう。
そして俺をバカ呼ばわりするメガネバカに向き直る。
「お前な、俺は……「ストップ、喧嘩は後でやろう?今は少しでも早く街に戻るのが先決だ」
団長の一声で俺たちは立ち上がる。
団長と部隊長の俺たちを除くと全滅……と思ったがまだ数人存在した、それぞれいまだ疲労が回復してないようで地面に座ったままだ。
そしてその中に他より明らかに顔色が悪い俯いた顔をした少女がいた。
「大丈夫か?」
俺は少女に駆け寄り手を出す。
「ありがとうございますリク隊長」
最近になって俺の率いる弓隊に入隊した黒髪おかっぱの片目が隠れていて、
隠れていない左目の下の泣きぼくろが目を引く少女《フーフェン》だった。
「立てるか?」
「すいません、腰が抜けちゃって……しばらく歩けそうにないです……って隊長?」
俺はフーフェンに背を向けしゃがむ
「ボスが居なくなったからと言って完全に安全じゃないからな、
ボス戦が終わったと同時に入口も開いて外からモンスターが入ってくる可能性もある、
直ぐに移動しないと危ないからほら早く」
フーフェンは恐る恐るといった様子で俺の背に体重を預ける。
ボス部屋の奥、ボスが登場した黒い霧の壁のようなものが晴れここからでも通路のようなものが見える、俺たちは階段を上がり通路を進んでいく。
「リク隊長!さっきの戦いかっこよかったです!私なんて攻撃が当たらないように避けるのが精一杯で…」
俺の背で少女は先程の戦いの事を思い出しているようだった。
「そうか?中堅層でも上のプレイヤーはあれくらい出来ないとだからフーフェンも経験を積めばできるようになるぞ」
いつも危険とか卑怯だとか、臆病だとか変人だとか、
ボロクソに言われてるから素直に褒められると照れくさくてつい顔が赤くなってしまうが、自分の顔を背中に乗る少女に見られていないので冷静な風に振る舞う。
「俺が金属装備を投げろって行った時、真っ先に投げてくれたよな、フーフェンのおかげで他の奴らも投げ始めたからな、戦場では素早く行動出来るやつが生き残れる、
フーフェンは入ったばかりなのにあそこまで動けたんだ、このままいけば絶対に強くなれる、
きっと俺よりもね、
でも間違っても俺の戦い方は真似しない……ん?」
自分が発した言葉に違和感を覚える。
入ったばかり、新人、
今回のボスは不確定要素が多いので青龍騎士団の精鋭、
少なくともエリアボス戦経験者のみが対象だったはずだ、
そして背中に乗る少女、フーフェンはまだ1回も参加したことがないはず。
「なあフーフェン、お前今回ボス攻略初めてだろ」
背中でビクッと少女が反応する、どうやら俺の記憶は確からしい。
「いくら俺がお前達の面倒見るのを依頼とかなんやかんやあって他のやつに任してても、
今まで誰がどのボス戦に参加したかは把握してるつもりだからな一応青龍騎士団の副団長だしお前らの体調だ。
んで今回のボスの募集は未確定要素が多かったから、経験者のみで募集してたはずだがなんでお前が参加してるんだ?」
「──す、すみません」
声のトーンが1段階下がり怯えているような、
しかしこれはイタズラや興味本位で参加したのではないと俺は確信する。
弓隊のメンバーであっても戦闘スタイルは様々だ、
それによって性格が現れていると言っても過言ではない。
弓の適正距離の中距離ではなく近距離で相手を翻弄しながら弱点や関節などに正確にダメージを与える者、
適正距離以上の遠距離で攻撃を受けないように立ち回り周りを見ながら随時カバーする堅実な者など様々だ。
フーフェンは俺の私見だが臆病であり弓で中距離以上から援護する堅実な立ち回りをする、消してリスクを伴うような事をする事はないと思っている。
「いや怒っている訳じゃないんだ、理由が知りたいだけなんだけど……」
俺がそう言うと恐る恐ると言った風に話し始めた。
「実はボス討伐部隊に志願した覚えはないんです、気が付いたら名前が乗っていて、
私もついにボス戦に参加出来ると思って怖かったけど張り切ってたんです。
でも入口で団長がここに居るのはボス戦経験者だって言って、
私は違いますって言いたかった、緊張で押しつぶされて少し泣いちゃってました。
でもボス戦前に皆さんピリピリしてたから私なんかが今そんな弱音を言ったら迷惑になると思って、
言い出せずに居たんです……」
「……そうか」
基本的に聖剣騎士団のボス討伐部隊志願者の募集は署名式だ、
システムでやると誤タップする危険性があるとの団長の声があり紙とペンの署名式となっている。
なるほどな……
可能性のひとつだがフーフェンのおかげで鼠を1匹排除できるか?
しかし証拠が出ない事には意味が無いか……
「フーフェン、この後帰ったら時間あるか?」
「え?っと少しならあります」
「わかったそしたら2人で話そう、少し聞きたいことがある」
「はっ!?はい頑張りますっ!!」
なにを頑張るかは分からないが欲しい情報を聞き出せることを願おう。
前を歩く団長の姿を見ながら俺はそう思った。
ボス部屋奥の通路を進む、
壁には大小様々な傷が壁や床に刻まれていた、
傷の大きさ敵にミノスが持つ大斧で傷つけたのだろう。
正面に扉、そして右手には地下に続く石畳の階段が存在する、
下手したらさらにダンジョンが続いている可能性がある。
俺たちはまず正面の扉の先に進む。
小さな四角い小部屋だったが中央には金色の剣が地面に突き刺さっている。
エリアクリアの為の帰還用に設置されたワープポイントだ。
団長がさわると剣が黄金に輝き始め起動する。
「地下の探索は後日だ、今日は一旦帰還しよう、意義はあるかい?」
団長の声に全員頷き。
1人ずつ剣に触れ消えていく。
「隊長もう大丈夫です」
残りは俺とフーフェン、団長だけになった所で急にフーフェンが耳元で囁いたので身体が一瞬硬直したが俺は彼女を下ろす。
「本当に大丈夫か?」
「はい!隊長!今後ともよろしくお願いします!!」
そう言って剣に触れ消えていく。
「いい部下じゃないか」
「あまり面倒見てやれてないけどな、それよりもルーク、ミノスの事だがあれ本来の仕様じゃないな」
「リクも気がついていたか」
「廊下にあった傷はポリゴンの破片が微かに残ってた事からまだ新しい、
霧はケフィスを倒した時点で奥に進めるようになっていた、
その事から本来このボス戦は連戦仕様じゃなかったはず」
「ああおそらくミノスは地下への階段最奥、そこのボスと見て間違いないだろうな」
「つまりバグか?」
「単なる不具合ならケフィスを倒した後時点でリザルト画面が出ているはずだ、
連戦ボスなら出口は閉ざされているはずかな」
「となると本来の仕様になるのか?」
「まだ分からないけど今後も気をつけた方が良さそうだね」
「わかったそれと後で少し時間を貰っていいか?」
「何だい?もしかして休暇?」
「違う、もしかしたら毒を捨てられるかもしれない、
その相談だ」
「了解」
俺たちは剣に触ると視界が白に染まり気がつけば見慣れた城下町の正門に立っていた。
「でもこれから城でパーティ開いてくれるらしいけどその後でいい?」
「まあ俺も参加するからな、んじゃ俺は少し寄るところがあるからよまた後で」
「ああ」
俺は街を歩く、既にボスを倒した情報が回っているのか、英雄を見るかのように通りがかる人の目線が突き刺さる。
俺たちは《青龍騎士団》は民を守るために今日もこの世界に蔓延る魔物を倒す。
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・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
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