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きらびやかなシャンデリアの光が、私の視界をちくちくと刺します。王宮の夜会。本来なら、誰もが着飾って、楽しい音楽に身を任せる幸福な場所。けれど、私にとってこの場所は、いつだって針のむしろでした。
「おい、無能。いつまでそこに突っ立っているんだ。私の隣に並ぶのが恥ずかしいとは思わないのか?」
冷たい声が降ってきました。私の婚約者、公爵家の跡取りであるライナス様です。彼は私の隣で、あからさまに嫌悪感を顔に出していました。
「……申し訳ありません、ライナス様。体調が少し、優れなくて」
私が俯いて答えると、ライナス様は鼻で笑いました。
「ふん、どうせ聖女の祈りの修行に失敗して、知恵熱でも出したんだろう。聖女の家系に生まれながら、一度も浄化の光を放てない。お前のような役立たずが私の婚約者だなんて、社交界の笑いぐさだ」
この国において、聖女の「浄化」の力は絶対です。魔物の呪いを払い、作物を実らせるその奇跡こそが、豊かさの証。それを持っていない私は、ここでは人間以下の存在として扱われていました。
私がどれだけ毎日、指先から血が出るまで祈りの儀式を繰り返し、古文書を読み漁って努力してきたか。そんなことは、誰にも届きません。結果がすべて。光が出ない私は、「無能なゴミ」なのです。
「お姉様、そんなに自分を責めないでください。お姉様が頑張っているのは、私、ちゃんと知っていますよ?」
背後から、鈴の鳴るような甘い声が聞こえました。異母妹のミーナです。彼女は私と違って、ピンクパールのふわふわした髪に、守ってあげたくなるような潤んだ瞳を持っています。
「ミーナ……」
「でも、お姉様。やっぱり『浄化』ができないのは、神様に愛されていないからじゃないかしら? あ、ごめんなさい! 私ったら、そんなひどいこと……。でも、私……私、お姉様の分まで頑張らなきゃって、いつも思っているの」
ミーナはそう言うと、持っていた小さな白い花のつぼみに、そっと指を触れました。すると、彼女の手のひらから柔らかな、けれど確かな光が溢れ出し、つぼみは一瞬で大輪の花を咲かせたのです。
「ああ、なんて素晴らしい! これこそが真の聖女の力だ!」
「それに比べて、姉の方は……。同じ血が流れているとは到底思えんな」
周囲の貴族たちが、一斉にミーナを称賛し、私を蔑みの目で見下ろしました。ミーナは「困っちゃう」とでも言うように、はにかんでライナス様の腕にしがみつきました。
「ライナス様、お姉様をあんまりいじめないであげてください。お姉様だって、わざと無能なわけじゃないんですもの。ただ、ちょっと運が悪かっただけ……うふふ」
ミーナが私の耳元でだけ聞こえる小さな声で、そう囁きました。その瞳には、勝ち誇ったような、冷酷な光が宿っています。彼女がわざと私の祈りの道具を壊したり、偽の噂を流したりしていたことを、私は知っています。でも、誰も私の言葉なんて信じてくれません。
すると、ライナス様が私の前に一歩踏み出し、会場全体に響き渡る声で叫びました。
「エルザ・フォン・アステリア! 今日、この場でお前との婚約を破棄する! 聖女の力を一向に開花させず、ただ飯を食らうだけの女など、我が公爵家には必要ない。そして、私は新たに、真の聖女であるミーナを私の正妃として迎えることをここに宣言する!」
会場から大きな拍手が巻き起こりました。私の頭の中は、真っ白になりました。婚約破棄……それは、私にとって死を意味するも同然でした。
「お待ちください、ライナス様! 私は……私はまだ諦めていません。どうか、もう一度だけチャンスを……!」
「黙れ、見苦しい! お前の父親からも、すでに承諾は得ている。おい、アステリア伯爵!」
ライナス様が呼びかけると、人混みの中から私の父が現れました。父は私を一瞥もせず、ライナス様に深く頭を下げました。
「もちろんです、ライナス様。エルザのような出来損ないは、我が家の恥。本日をもって、エルザをアステリア家から放逐し、家系図からも抹消いたしました。これからはミーナだけが、我が家の誇れる娘でございます」
お父様……。血の繋がった父親から放たれた言葉に、私の心は音を立てて砕け散りました。私がどんなに寂しくても、家のために尽くしてきた日々は、すべて無駄だったのでしょうか。
「お姉様、残念でしたね。でも、無能な人は無能な人らしく、身の丈に合った場所へ行くべきだと思いませんか? 安心してください。お父様と相談して、お姉様にぴったりの『住まい』を用意してあげたから」
ミーナが、毒蛇のような微笑みを浮かべて近づいてきました。
「……ぴったりの、住まい?」
「ええ。人間に害をなす魔物がうじゃうじゃいて、誰も近づかない場所。あそこなら、お姉様がいくら『浄化』に失敗しても、誰にも迷惑をかけないでしょう? そう……『忘却の森』よ」
周囲がざわつきました。忘却の森。一度入れば二度と戻れないと言われる、死の森です。そこへ、何の武器も、魔力もない私を追放するというのですか。
「それは……殺すと言っているのと同じではありませんか!」
私が叫ぶと、ライナス様が冷酷に言い放ちました。
「死ぬなら死ねばいい。この国の聖女の血を汚した罰だ。おい、衛兵! この女を連れて行け! 今すぐだ!」
屈強な男たちに両脇を抱えられ、私は引きずられるように会場を後にしました。背後からは、ミーナの楽しげな笑い声と、ライナス様の「ゴミがいなくなって清々した」という声、そして何も知らずにミーナを称える貴族たちの拍手が、いつまでも、いつまでも響いていました。
---
馬車に揺られ、数日が経ちました。食事もまともに与えられず、体はボロボロです。そしてついに、馬車は止まりました。
目の前には、昼間だというのに薄暗く、どろりとした負のオーラを纏った巨大な森が広がっていました。木々はねじ曲がり、どこからか獣の遠吠えのような、不気味な声が聞こえてきます。
「さあ、降りろ。ここがお前の新しい家だ」
衛兵に突き飛ばされ、私は冷たい地面に這いつくばりました。着ていたドレスは汚れ、ボロボロに裂けています。
「ふん、せいぜい魔物の餌にでもなるんだな」
衛兵たちは冷たく言い捨てると、馬車を急いで反転させ、去っていきました。静寂が訪れます。重苦しい、死の気配を孕んだ静寂です。
私は、一人きりになりました。
婚約者も、家族も、名前も、居場所も。すべてを失いました。
「……どうして、私なの……?」
涙が溢れて止まりません。私はただ、みんなの役に立ちたかっただけなのに。お父様に褒めてほしくて、ライナス様に愛してほしくて、必死に頑張ってきただけなのに。どうして、こんな目に遭わなければいけないのでしょうか。
足元には、鋭い棘を持つ茨が這っています。空を見上げても、重苦しい雲が立ち込め、希望の光なんてどこにも見えません。
「痛い……寒いよ……」
寒気が体を襲います。ここには魔物の呪いがあちこちに満ちていて、普通の人なら立っているだけで精神を病んでしまうほどです。
でも、不思議でした。
私は、死ぬほどの恐怖を感じているはずなのに、この森の奥から、何か……切ないほどに私を呼ぶような、不思議な波動を感じたのです。それは「浄化」の力が必要な邪悪な気配ではなく、もっと深くて、重くて、そして……とても悲しい温かさ。
「……どうせ死ぬなら、立ち止まって震えているよりはいいわ」
私はふらつく足取りで立ち上がりました。泥だらけの手で涙を拭い、私は森の奥へと一歩を踏み出しました。
バキリ、と枯れ枝が折れる音が響きます。
一歩進むごとに、森の暗闇が私を飲み込んでいきます。王宮での華やかな生活、ライナス様の蔑んだ目、ミーナの冷たい笑い声。それらが、遠い昔の出来事のように霧に包まれていきます。
「私は……私はまだ、生きてる」
自分に言い聞かせるように呟きました。
道なき道を進み、茂みをかき分け、どれくらい歩いたでしょうか。足は傷だらけになり、呼吸は荒くなります。やがて、森のさらに深く、巨大な岩場が広がる場所に辿り着きました。
そこには、異様な光景がありました。
周囲の木々はすべてなぎ倒され、地面は焦げたような跡がついています。そして、その中心に……。
巨大な、漆黒の塊が横たわっていました。
「……っ!」
息が止まりました。それは、おとぎ話に出てくるような魔物なんていう生ぬるいものではありませんでした。
全身を硬質な黒い鱗に包まれ、天を突くような角を持つ、巨大な龍。
けれど、その美しいはずの黒銀の鱗はあちこちが剥がれ落ち、そこからどくどくと、どす黒い血が流れ出していました。龍は力なく横たわり、苦しげに荒い呼吸を繰り返しています。
伝説の、黒龍……。
この国の伝承では、黒龍は災厄の象徴であり、出会えば最後、魂まで焼き尽くされると言われていました。
「……あ」
龍の黄金の瞳が、ゆっくりと開きました。死を目前にした、絶望の色。その瞳が、小さな私を捉えます。
本来なら、逃げ出すべき場面です。叫び声を上げて、その場にへたり込むべき状況です。
でも、私は逃げませんでした。
なぜなら、その龍の瞳に宿る色が、今の私と……すべてを奪われ、誰にも助けてもらえず、ただ死を待つだけの私と、あまりにも似ていたからです。
「……痛いよね。苦しいよね……」
気づけば、私は龍に向かって歩き出していました。
聖女として「無能」と呼ばれた私が、今、目の前で命を落とそうとしている最も恐ろしい存在に、手を伸ばそうとしていました。
「おい、無能。いつまでそこに突っ立っているんだ。私の隣に並ぶのが恥ずかしいとは思わないのか?」
冷たい声が降ってきました。私の婚約者、公爵家の跡取りであるライナス様です。彼は私の隣で、あからさまに嫌悪感を顔に出していました。
「……申し訳ありません、ライナス様。体調が少し、優れなくて」
私が俯いて答えると、ライナス様は鼻で笑いました。
「ふん、どうせ聖女の祈りの修行に失敗して、知恵熱でも出したんだろう。聖女の家系に生まれながら、一度も浄化の光を放てない。お前のような役立たずが私の婚約者だなんて、社交界の笑いぐさだ」
この国において、聖女の「浄化」の力は絶対です。魔物の呪いを払い、作物を実らせるその奇跡こそが、豊かさの証。それを持っていない私は、ここでは人間以下の存在として扱われていました。
私がどれだけ毎日、指先から血が出るまで祈りの儀式を繰り返し、古文書を読み漁って努力してきたか。そんなことは、誰にも届きません。結果がすべて。光が出ない私は、「無能なゴミ」なのです。
「お姉様、そんなに自分を責めないでください。お姉様が頑張っているのは、私、ちゃんと知っていますよ?」
背後から、鈴の鳴るような甘い声が聞こえました。異母妹のミーナです。彼女は私と違って、ピンクパールのふわふわした髪に、守ってあげたくなるような潤んだ瞳を持っています。
「ミーナ……」
「でも、お姉様。やっぱり『浄化』ができないのは、神様に愛されていないからじゃないかしら? あ、ごめんなさい! 私ったら、そんなひどいこと……。でも、私……私、お姉様の分まで頑張らなきゃって、いつも思っているの」
ミーナはそう言うと、持っていた小さな白い花のつぼみに、そっと指を触れました。すると、彼女の手のひらから柔らかな、けれど確かな光が溢れ出し、つぼみは一瞬で大輪の花を咲かせたのです。
「ああ、なんて素晴らしい! これこそが真の聖女の力だ!」
「それに比べて、姉の方は……。同じ血が流れているとは到底思えんな」
周囲の貴族たちが、一斉にミーナを称賛し、私を蔑みの目で見下ろしました。ミーナは「困っちゃう」とでも言うように、はにかんでライナス様の腕にしがみつきました。
「ライナス様、お姉様をあんまりいじめないであげてください。お姉様だって、わざと無能なわけじゃないんですもの。ただ、ちょっと運が悪かっただけ……うふふ」
ミーナが私の耳元でだけ聞こえる小さな声で、そう囁きました。その瞳には、勝ち誇ったような、冷酷な光が宿っています。彼女がわざと私の祈りの道具を壊したり、偽の噂を流したりしていたことを、私は知っています。でも、誰も私の言葉なんて信じてくれません。
すると、ライナス様が私の前に一歩踏み出し、会場全体に響き渡る声で叫びました。
「エルザ・フォン・アステリア! 今日、この場でお前との婚約を破棄する! 聖女の力を一向に開花させず、ただ飯を食らうだけの女など、我が公爵家には必要ない。そして、私は新たに、真の聖女であるミーナを私の正妃として迎えることをここに宣言する!」
会場から大きな拍手が巻き起こりました。私の頭の中は、真っ白になりました。婚約破棄……それは、私にとって死を意味するも同然でした。
「お待ちください、ライナス様! 私は……私はまだ諦めていません。どうか、もう一度だけチャンスを……!」
「黙れ、見苦しい! お前の父親からも、すでに承諾は得ている。おい、アステリア伯爵!」
ライナス様が呼びかけると、人混みの中から私の父が現れました。父は私を一瞥もせず、ライナス様に深く頭を下げました。
「もちろんです、ライナス様。エルザのような出来損ないは、我が家の恥。本日をもって、エルザをアステリア家から放逐し、家系図からも抹消いたしました。これからはミーナだけが、我が家の誇れる娘でございます」
お父様……。血の繋がった父親から放たれた言葉に、私の心は音を立てて砕け散りました。私がどんなに寂しくても、家のために尽くしてきた日々は、すべて無駄だったのでしょうか。
「お姉様、残念でしたね。でも、無能な人は無能な人らしく、身の丈に合った場所へ行くべきだと思いませんか? 安心してください。お父様と相談して、お姉様にぴったりの『住まい』を用意してあげたから」
ミーナが、毒蛇のような微笑みを浮かべて近づいてきました。
「……ぴったりの、住まい?」
「ええ。人間に害をなす魔物がうじゃうじゃいて、誰も近づかない場所。あそこなら、お姉様がいくら『浄化』に失敗しても、誰にも迷惑をかけないでしょう? そう……『忘却の森』よ」
周囲がざわつきました。忘却の森。一度入れば二度と戻れないと言われる、死の森です。そこへ、何の武器も、魔力もない私を追放するというのですか。
「それは……殺すと言っているのと同じではありませんか!」
私が叫ぶと、ライナス様が冷酷に言い放ちました。
「死ぬなら死ねばいい。この国の聖女の血を汚した罰だ。おい、衛兵! この女を連れて行け! 今すぐだ!」
屈強な男たちに両脇を抱えられ、私は引きずられるように会場を後にしました。背後からは、ミーナの楽しげな笑い声と、ライナス様の「ゴミがいなくなって清々した」という声、そして何も知らずにミーナを称える貴族たちの拍手が、いつまでも、いつまでも響いていました。
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馬車に揺られ、数日が経ちました。食事もまともに与えられず、体はボロボロです。そしてついに、馬車は止まりました。
目の前には、昼間だというのに薄暗く、どろりとした負のオーラを纏った巨大な森が広がっていました。木々はねじ曲がり、どこからか獣の遠吠えのような、不気味な声が聞こえてきます。
「さあ、降りろ。ここがお前の新しい家だ」
衛兵に突き飛ばされ、私は冷たい地面に這いつくばりました。着ていたドレスは汚れ、ボロボロに裂けています。
「ふん、せいぜい魔物の餌にでもなるんだな」
衛兵たちは冷たく言い捨てると、馬車を急いで反転させ、去っていきました。静寂が訪れます。重苦しい、死の気配を孕んだ静寂です。
私は、一人きりになりました。
婚約者も、家族も、名前も、居場所も。すべてを失いました。
「……どうして、私なの……?」
涙が溢れて止まりません。私はただ、みんなの役に立ちたかっただけなのに。お父様に褒めてほしくて、ライナス様に愛してほしくて、必死に頑張ってきただけなのに。どうして、こんな目に遭わなければいけないのでしょうか。
足元には、鋭い棘を持つ茨が這っています。空を見上げても、重苦しい雲が立ち込め、希望の光なんてどこにも見えません。
「痛い……寒いよ……」
寒気が体を襲います。ここには魔物の呪いがあちこちに満ちていて、普通の人なら立っているだけで精神を病んでしまうほどです。
でも、不思議でした。
私は、死ぬほどの恐怖を感じているはずなのに、この森の奥から、何か……切ないほどに私を呼ぶような、不思議な波動を感じたのです。それは「浄化」の力が必要な邪悪な気配ではなく、もっと深くて、重くて、そして……とても悲しい温かさ。
「……どうせ死ぬなら、立ち止まって震えているよりはいいわ」
私はふらつく足取りで立ち上がりました。泥だらけの手で涙を拭い、私は森の奥へと一歩を踏み出しました。
バキリ、と枯れ枝が折れる音が響きます。
一歩進むごとに、森の暗闇が私を飲み込んでいきます。王宮での華やかな生活、ライナス様の蔑んだ目、ミーナの冷たい笑い声。それらが、遠い昔の出来事のように霧に包まれていきます。
「私は……私はまだ、生きてる」
自分に言い聞かせるように呟きました。
道なき道を進み、茂みをかき分け、どれくらい歩いたでしょうか。足は傷だらけになり、呼吸は荒くなります。やがて、森のさらに深く、巨大な岩場が広がる場所に辿り着きました。
そこには、異様な光景がありました。
周囲の木々はすべてなぎ倒され、地面は焦げたような跡がついています。そして、その中心に……。
巨大な、漆黒の塊が横たわっていました。
「……っ!」
息が止まりました。それは、おとぎ話に出てくるような魔物なんていう生ぬるいものではありませんでした。
全身を硬質な黒い鱗に包まれ、天を突くような角を持つ、巨大な龍。
けれど、その美しいはずの黒銀の鱗はあちこちが剥がれ落ち、そこからどくどくと、どす黒い血が流れ出していました。龍は力なく横たわり、苦しげに荒い呼吸を繰り返しています。
伝説の、黒龍……。
この国の伝承では、黒龍は災厄の象徴であり、出会えば最後、魂まで焼き尽くされると言われていました。
「……あ」
龍の黄金の瞳が、ゆっくりと開きました。死を目前にした、絶望の色。その瞳が、小さな私を捉えます。
本来なら、逃げ出すべき場面です。叫び声を上げて、その場にへたり込むべき状況です。
でも、私は逃げませんでした。
なぜなら、その龍の瞳に宿る色が、今の私と……すべてを奪われ、誰にも助けてもらえず、ただ死を待つだけの私と、あまりにも似ていたからです。
「……痛いよね。苦しいよね……」
気づけば、私は龍に向かって歩き出していました。
聖女として「無能」と呼ばれた私が、今、目の前で命を落とそうとしている最も恐ろしい存在に、手を伸ばそうとしていました。
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