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先輩とだったら…
しおりを挟む圭のプロポーズから2週間後、私は初恋の先輩に連絡をとった。
先輩は私と同じ県内で小学校の先生として働いていた。
私たちはその週の日曜日に会うことにした。
小さなカフェ。窓からは湖が見渡せるきれいな場所。
早く着いた私は落ち着いていられず、湖をよく眺めようと努力したが人が入ってくる音に敏感になってしまい、その席から見渡せる景色を存分に楽しむことができなかった。
人が入ってくる音がして振り返ると、そこに先輩がいた。
もう何年ぶりだろうか。
変わらず爽やかな笑顔。少し疲れている感じがまた新鮮だった。
「久しぶり。元気だった?」そんな会話からはじまった。
いま、何してるのか、どこに住んでいるのかなど質問されたと思う。
ただただ、緊張してた。
コーヒーを頼み、すぐに店員が持ってくる。
先輩が出した左手の薬指にはシルバーリングが光ってた。
まだ新婚だと照れて髪を触っていた。
なぜか、結婚しているということを聞いて緊張がほぐれ、私は当時のことを話し始めた。唐突に、
「私、先輩が初恋だったんです。」
先輩は苦笑いをした。そして、また髪を触っていた。
「自意識過剰って言われるかもしれないけど… 気づいてた。いまだから言えるけど、俺も気になってた君を見たときから。」
なんだか恥ずかしくなって二人ともコーヒーをすする。
「二人きりになったとき先輩に告白しようと思ってたんです。勇気がなくてできなかったけど。あのとき先輩に告白できてたら付き合ってくれてました?」
先輩はまたコーヒーをすする。一度咳払いして、
「付き合ってたかもしれない。けど、あのときの俺と付き合ってたら傷つけてたかもしれない」
「どういうことですか?」
また先輩は苦笑いをして
「あの頃…大学生だった頃は俺、くずだったから」
また、結論を言わない先輩にもう一度問うと
「恥ずかしい話し、あの頃人妻とあそんでたから。そういう人たちに魅力を感じてたんだ。でも、君となら付き合ってもいいかもって思ったんだ。大学生らしく普通の恋人同士?みたいなのもやってみたかったしね」
…え?
当時18歳の私は相当見る目がなかったんだと改めて実感する。
先輩と付き合っていても結局、本当に好きになってもらうことはできなかったんだな…。
でも現在はきちんと奥さんを愛しているそうです。
(相手は人妻じゃありません。だそうです。)
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