街の小さな印刷屋さん

アール

文字の大きさ
6 / 10

⑥両親との交渉

しおりを挟む
ウレンサがここに住むことが決まると、おじいさんは馬車の準備をし始めました。
ウレンサは気になって

「何してるんですか?」と尋ねました。

「お前さんの家に行くんじゃ。」

「え。なぜです。」

「お前さん。まだ学生じゃろ。こんな時間まで帰ってこないととても心配しとる。」

「明日でもいいんじゃないですか。」

「そうはいかん。警察にでも連絡されたら大変じゃ。もうすでにされとるかも知らんがな。」

そして二人は馬車に乗りすぐさまウレンサの家に向かいました。

多くの家庭では夕食を終えた頃、二人はウレンサの家に到着しました。

コンコンおじいさんはドアをノックしました。

すると、慌てて飛び出してきたウレンサの両親がおじいさんと一緒にいるのを見て不思議に思いました

「何してたの。こんな時間まで。」

お母さんは安心しながらも強い口調でウレンサに言いました。

おじいさんは冷静になって両親を説得し始めました。

「まあまあ。お母さん。この子はうちの工場に遊びにきて、うちの印刷物を少し駄目にしてしまったんです。なのでこれからどうするかを相談していました。」

「工場?なぜそんなところに行ったんだい。」

「いやあの、それは・・・」ウレンサがモゴモゴしていると、

おじいさんが
「まあ。興味があったんでしょう。それより、壊した印刷物の件ですが・・・」

 「あ、はい。いくらですか。」

 「いや、その、この子が自分で働いて返すというんです。」

 「え。どうやって返すつもりだい。」

 「この子はうちで住み込みで働いて返すと言い張っていて・・・」

 「いやいや。そんなことはできません。払いますから。いくらですか。」

こうしておじいさんと両親の攻防が続いているときにウレンサが口を開きました。

 「いや、あのね。お父さんとお母さん。僕が壊したんだから自分で責任を持つよ。」

 「だめよ。ウレンサ。学校だってあるでしょ。」

 「三日間で十分ですので。」おじいさんはスッと横に入ってきました。

 「三日間?本当に三日間で大丈夫なんですか。」

 「はい。」

そして、両親は少し相談した後、二人に

 「では。三日間だけなら許可します。もし3日たっても帰ってこなかったら警察に連絡しますからね。」

両親は三日間だけれどももし働くという経験ができたらいい影響を与えるかもしれないということもあり許可をしました。

 ウレンサは笑顔になって

 「うん。ありがと。」

そう言って二人はまた馬車に乗り、印刷所へと戻って行きました。

おじいさんは三日間でウレンサの口の硬さ、性格を判断するつもりでした。

もし、口の軽いやつであればすぐさま引っ越すつもりでいました。

また、口の硬いやつであったとしても三日後には引っ越すつもりでいました。

ピエータたちを説得する時間も必要っだのです。

そうして、二人は印刷所につきました。ガラガラガラ。

そうしてドアが開くとピエータたちが待っていました。

 「どうだった。」

一人のピエータが聞くと、おじいさんは 

 「三日間の猶予ができたぞ。」と言い、ピエータたちは喜びましたが、中には人間に不信感を持つものもいました。

おじいさんはウレンサを奥の部屋に連れて行きました。

 「ここで暮らせ。わしはもう一個の部屋で寝る。明日は6時に起きろ。まあ、多分ピエータが起こしに来ると思うがな。」と言って早々に部屋を出ました。

ウレンサは急に物事が進んでいくことに少々不安を抱えていました。
そして、ウレンサが横になると、

「なんか、大事になってきたかも。最初はあの生き物達と話してみたいという気持ちだけだったのに。」

とぐるぐる頭の中が考え事で埋め尽くされそうになりながら眠りにつきました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います

こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。 ※「小説家になろう」にも投稿しています

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

処理中です...