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送り狼にはなりません
しおりを挟む何故か突然婿養子?!
ああ、娘しか居ないんだったっけ?!
だけど父親が自分の会社の社長でお祖父さんが会長で、母親は異世界の女神様?——
会社の受付に緑の瞳のハーフの女の子がいる事自体、日常的には起こらない気はするが、ソレさえも小さい出来事である。
「えーと、あのう・・・」
「女神の娘だからさぁ伴侶に条件があってさ、なっかなかコッチの世界じゃ見つかんないのよね。
で、偶々祐一君は条件ピッタリだったのよ~。
ラッキーよね!」
――あれ?
俺の外堀どこ?
埋まってねえ?
えーっ?!
××
此処から更に歩いて1時間くらいの所に、麗奈の自宅があるらしいので送って行くことになったので今は車の中である。
彼女の保護者である筈の女神様は
「アトヨロ~!」
と言ってサムズ・アップしながら軽い感じで光の中に消えていった。
コッチの世界では自分以外は運べないんだって。
因みに、祐一の愛車はJeepってヤツで、バカみたいにガソリン代やら修理費がかかる面倒な相棒だ。
「祐一さんゴメンなさい」
「ん~~?」
「私が好きになっちゃったから。
巻き込んじゃって・・・」
今は運転中だから、麗奈の方は向けない・・・
ちょっとだけため息を吐く祐一。
—— 覚悟を決めようかな。自分。
「あのさ、この車デカいしガソリン代メチャクチャいるんだよね。
車検は高いし修理も面倒」
「え、はい?」
「手間がかかって大変なんだよね」
「?」
「最初は見た目に吊られて、エライもん買っちゃったなって思ったんだよね。
でも結局好きでさ、ず~っと乗ってるんだ」
赤信号でブレーキをゆっくり踏んで停まる。
「正直打ち明けると、まだ君のこと俺はよく知らない」
「はい」
横目で見ると麗奈の瞳が不安そうに、ウルウルしている。
—— くっ可愛い。
「えとさ、知ってるかな。
愛車は自分の女だって云うんだよね。
あと、好きな車と同じタイプの女性に男は惹かれるんだって大学の時の先輩が言ってた」
「・・・」
「見た目が良いけど手間暇かかってさ、君みたいだよね。コイツ」
「!」
「まあ、何で俺なのかが分かんないけどさ。
俺じゃないと駄目みたいだから付き合ってみようか?」
「!」
「今はこれくらいしか言えない。
だからちょっとだけ俺の気持ちが追いつくのを待ってくれると、ありがたいかなって思ってる」
—— あ~ もうこれで精一杯。ガラじゃないよな~。はあ。
信号が青になった。
前を向き直し、アクセルを踏み込む。
「嬉しいです。
ありがとうございます」
助手席から小さな返事が聞こえてきて、窓の外を流れていく車のライトが夢の中みたいに凄く綺麗に見えた――
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