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しおりを挟む麗奈の自宅と言っても、実家からは既に独立していて一人暮らしなのだと言う。
ちょっとだけ胸を撫で下ろす祐一。
——だって、こんな時間に自分の務めてる会社の社長とか会長とかに誰だって会いたく無いよね?!
しかも社長の娘送ってきたんだよ!
絶対にキャパオーバーだよねっ!?――
話しながら麗奈が眉尻を下げて、
「まあ、母があの通りの人なので突然突撃して来るんで、一人暮らしという感じは正直あんまりしないんですけどね」
—— そうだね。
鍵かかってる家でも平気でリビングにイキナリ現れる女神様だもんね――
ちょっと遠い目になる祐一は凄く賑やかそうな一人暮らしではあるな、と思い至った。
××
白い大きなマンション前のロータリーで車を停める。
—— うわ~、高給マンション。
まあ、女の子の一人暮らしだもんね。セキュリティ高いトコ選ぶよね~。
感心しながら彼女の父親、つまり祐一の会社の社長を思い出した。
—— やたらとガタイのいい厳つい人だよな。
滅多に会わないけどさ。
絶対にあの人、娘のマンションの○コムとかに別料金払いそうだよ!――
車から先に降りて、助手席側のドアを開けて手を差し伸べる祐一。
「エッ?」
「ん、ああ。
車高が高くて降りる時に大変でしょ?
特にスカートとかだと」
大体において、このタイプの車はスカートを履いている女の子には向かないのを祐一も一応わきまえている。
乗る時は平気でも降りるときにスカートだと引っかかったり捲れたりするのだと、以前しこたま怒られたことがある為、自然と手伝ってしまう。
祐一の手を取ってJeepから降りる麗奈。
「エスコートとか、祐一さんにしていただけるなんて・・・」
顔を赤くして、明らかに照れて喜んでいる麗奈。
実のところ、祐一にとっては別にエスコートをしていると言うほどでもなく、言うなれば怒られないように仕込まれただけだ。
ダレに?
モチロン、元カノである。
ま、これは言わなくてもいい情報だね。
「もう、遅いから早く部屋に戻ってね。ここで見送るからさ」
「はい!」
手を振る麗奈が無事オートロックを通過しエントランスに入っていくのをドアにもたれて見送った後、煙草を咥えてライターで火を付け愛車に乗りドアを閉めたら・・・
「ん~~?
ねえ、送り狼にならないのね祐一クン」
「うわぁっ!?
ビックリしたッ!!」
――どうして女神が後部座席にいるんだよっ!
「心臓が口から飛び出すかと思いましたよ。
ホントにもう~。
熱ッ」
最後のはタバコを落としそうになって慌てて握ったからだ。
火がついてるからね・・・
「いやあ~、日本語で、こういうのデバガメって言うんだっけ。
えへ」
—— 女神様のくせに、何楽しそうにデバガメしてるんだよ~。
「いつからソコにいたんですかっ!」
ちょっとジト目になる祐一。
「え~っと、最初からかな~?」
「俺の精一杯を聞いてたんですね。
そうなんですね」
「え~とね。
この車の見た目に吊られた、のあたりからかな~」
「う~わ~ 恥ずっ。
カンベンしてくださいよ」
流し目で手を口の前に持ってきてニヤつくアイーシャ。
「若いって良いわねえ~
にしし」
「アイーシャさんも見た目若いですよねえぇ、いてててぇぇ!」
「女性ニ年齢ノ事、言ッチャダメヨオ~♡」
言っちゃダメな部分だよ祐一、女神様、瞳孔開いてますってば・・・
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