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6章 殿下魔獣討伐へ
50.俺一番大人じゃん但し年齢だけ・・・
しおりを挟む「え、てぇ事は俺が一番年齢が高いの?」
アダムに引っ張っていかれたのは王妃の執務室。
現在は母である王妃、弟のアダム王子そして自分の3人でソファーに座って困り顔だ。
「そうみたいね、私は結婚して幸せ真っ只中だったのよ~、でも、休暇旅行中の宿で河豚毒に当たっちゃったの。宝くじより当たる確率って低いはずなんだけどねえ」
そうか、だから王妃様は昔から魚が苦手だったのか・・・と納得する息子2人。
「俺は、通学途中の電車事故だね。車が遮断器に引っ掛かってたらしくて急ブレーキするっていうアナウンスを聞いたのが最後だから多分そうだと思う」
「おおう・・・」
「兄さんが一番苦しい死に方っぽいね」
そうかな、と首を傾げるウィリアム。
「俺は死んだ時の記憶ないし、母上は河豚毒だから、長時間苦しまなかったって」
「大量に食べたのがやばかったのよね」
何処か遠くを見つめる王妃殿下。
何故顔が赤い?
「ビビは、歩道橋から転げ落ちたらしい。ハシャいでた男子学生とぶつかったんだって」
「歩道橋ってヤバイ高さだもんなぁ」
何故か死因暴露大会になっている・・・
「シルフィーヌは覚えてないらしいんだ。女子高生だったのは覚えてるらしいんだが、死因は思い出せないらしい」
「こうなんていうかフィーちゃんて、フワっとした子だもんねえ~ 前世でもそんな感じだったんじゃないかしらね?」
死因もフワッとしてるかもと言いつつウンウンと頷く王妃様。
フワッとした死因ってなんだ? 思わず首を傾げる息子達。
「この時点で生まれ変わってるのは、5人か~。結構多くないか? しかも全員日本人だろ?」
ウィリアムの言葉に
「日本製のゲームだからじゃない?」
と母が挙手(笑)をしながら意見を言う。
「母上、俺は乙女ゲームはやっとらん」
とウィリアムが肩を竦めた。
「やっぱりゲームのプレイヤーかどうかは関係ないんじゃないの? で。現状としてこの世界のゲーム展開としては、ヒロインが王太子妃ルート狙いじゃない?」
アダ厶の言葉で、
「狙いとか言うなぁあああ!」
と頭を抱えるウィリアム。
「俺、あの男爵令嬢は苦手なんだ! 会社にもああいうあざといのがいたんだよッ。勿論3高エリート狙いで、2月になったら急に露出度が上がって、化粧が濃くなって、香水振り撒き出す連中な?!」
なんか、どういう会社だったんだろうと思わずウィリアムを凝視する王妃とウィリアム。
給湯室の会話がエグくて怖いとかロッカー室のバトルが恐ろしいとかブツブツいい始めるウィリアム王子を見ながら、
「嫌な思い出でもあるのかしらねえ」
「聞いてみたいですね」
母子は首を傾げていた。
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