3 / 100
episode1 出会い。其れは唐突にやって来る♡
3話 聖王様にお願い
しおりを挟む
ここはハイドランジア王国の王都フリージアの中央にあるルクス大神殿の応接室である。
大神殿には現在『大聖女』と『聖王』と呼ばれる規格外の魔法を使う事のできる者達が住んでおり、そのうちの1人がシンシア王女の叔父に当たるミゲル・ルクスである。
叔父と言っても彼女より7歳年下で、姉弟同然に育ってきた。が、接する態度は弟の立場のミゲルの方がずっと大人である。
まあ、叔父だし?
「ねえ、お願いミゲル。トリステスにどうしても行きたいのよ。国益にもなるし・・・」
「・・・シンシアお前、自分の運動能力舐めてるんじゃないか? 脳味噌に能力値全振りなんだぞ。ホントは陛下や王妃殿下に止められてるんじゃないのか?」
「うっ・・・・」
「ほら、どうせそんなこったろうと思ったよ」
はぁ、とため息をつく『新聖王』ミゲル。
身体つきはミゲルがガッチリしていて高身長だが叔父と姪の間柄なので、色目も顔の造作も良く似ているため男版シンシアである。
つまる所、超色っぽい男前・・・
入口付近で待機している女性神官たちが、ため息をつく聖王様の色気で顔を赤らめてチョットだけオタオタしている。
「廃棄用魔石を再利用するのが、ワタクシの今後のライフワークなのよ。其のための情報を収集するのにも、紡績の最先端技術を取り入れる為にもトリステスに行きたいのよ」
一生懸命胸の前で手を組みお願いする美女にも一切動じないミゲル。
この辺りで大概の人間は彼女に陥落させられるのだが、流石は元家族。
平気の平左である。
「行かせてやりたいが簡易スクロールじゃあ心許無いんだ。転移門同士の移動なら反対もしないがなぁ。ルクス神殿がトリステスには無いんだよな」
秀麗な顔の眉根を寄せるミゲルと懇願の体で目をウルウルさせるシンシア王女・・・
その場に居る女性神官や、王宮から派遣でやって来ている護衛騎士達が2人の美男美女がタレ流す色気に当てられてモジモジし、いたたまれない空間になりつつある・・・ そこへやって来たのが
「ミゲル様只今、戻りました! シンシア様がおいでになっているからご挨拶にあがりました!」
元気一杯の大聖女ミリアンヌ・ルクス。
この世界唯一の大聖女であり、ハイドランジアのアイドルと言っても差し支えない程、王国民に愛されている美少女である。
プラチナブロンドベースのストロベリー・ブロンドを長い長いポニーテールにしており、容姿は薔薇の妖精か天使のようだが、その服装は白いスタンドカラーのキャソックとトラウザースという男性神官の出で立ちで結構ボーイッシュである。
「ミリー、お前又男物着てるのか? 女官達に文句言われないか?」
「えーだって、コレ凄く動きやすいしカッコいいから~」
トテトテと歩いてきて、シンシアに向かって美しいカーテシーを披露するミリアンヌ。
但しスカートではなくキャソックの裾を摘んでいるが・・・
「王女殿下、お久しぶりで御座います」
「まあ、ミリアンヌ様お久しぶりですわ~。いつ見てもホントに可愛くて可愛くてカワイイですわ~」
うん大事なことだから3回云うんですね・・・ 白目。
因みにシンシアはミリアンヌが大好きである。
主に観賞用としてだが・・・
「そんな! シンシア様こそ、いつお会いしてもお美しくて素敵です!」
と言いつつ、ミゲルの顔と見比べ
「やっぱり似てますね~・・・」
「「そうか(しら)?」」
「はい・・・ 似てます」
そう言いながらシンシアの向かい側のソファーにぽすんと座る。
つまりはミゲルの隣。
だがしかし距離が遠い。
「ミリー、おいで」
ニコニコの笑顔で両手を広げるミゲルに『・・・』のミリー。
「いや、だってシンシア様もいるし~・・・」
ゴニョゴニョ言いつつ顔を赤くしてモジモジする聖女ミリアンヌ。
部屋のアチコチから
「「「「「くっ! 可愛いかっ!」」」」」
という声が聞こえて振り返ると、全員が鼻を抑えて天井のシミを探すフリをしているのであった・・・
××××××××××
「え、トリステスに行きたいんですか?」
結局押し負けて、ミゲルの膝の上で頬を染めつつ驚いている妖精のような容姿のミリアンヌ。
「そうなの。魔石の利用方法の最新情報とか、紡績の最新技術とか学びたいのよね」
「トリステス帝国・・・ ん?」
膝に乗せた恋人の髪を、嬉しそうに指に絡めて遊ぶミゲルがミリアの顔を覗き込む。
「どうした、ミリー?」
「え~とですね、お爺ちゃんがこの間トリステス帝国の皇城にですね」
ミゲルの耳にそっと周りに聞こえないようにゴニョゴニョと何かを囁くと、ミゲルの額にピキッと青筋が立つ幻覚が見えた。
「あのジジイめ・・・」
「ね、ですから行けると思うんですよ」
「わかった。おい、シンシア」
両手を頬に添えてうっとりとミリアを見ていたシンシア王女が呼ばれて首を傾げる。
「俺達神殿組が許可したら行っていいのか?」
「ええ。お父様がそうお約束してくれたわ」
「わかった。ジジイにトリステス帝国側と交渉してもらおう」
×××××××××××
そんな訳で今現在進行形で、トリステス帝国の皇帝陛下であるグエン・トリステスから求婚されて目が泳いでいるシンシアなのであった・・・
大神殿には現在『大聖女』と『聖王』と呼ばれる規格外の魔法を使う事のできる者達が住んでおり、そのうちの1人がシンシア王女の叔父に当たるミゲル・ルクスである。
叔父と言っても彼女より7歳年下で、姉弟同然に育ってきた。が、接する態度は弟の立場のミゲルの方がずっと大人である。
まあ、叔父だし?
「ねえ、お願いミゲル。トリステスにどうしても行きたいのよ。国益にもなるし・・・」
「・・・シンシアお前、自分の運動能力舐めてるんじゃないか? 脳味噌に能力値全振りなんだぞ。ホントは陛下や王妃殿下に止められてるんじゃないのか?」
「うっ・・・・」
「ほら、どうせそんなこったろうと思ったよ」
はぁ、とため息をつく『新聖王』ミゲル。
身体つきはミゲルがガッチリしていて高身長だが叔父と姪の間柄なので、色目も顔の造作も良く似ているため男版シンシアである。
つまる所、超色っぽい男前・・・
入口付近で待機している女性神官たちが、ため息をつく聖王様の色気で顔を赤らめてチョットだけオタオタしている。
「廃棄用魔石を再利用するのが、ワタクシの今後のライフワークなのよ。其のための情報を収集するのにも、紡績の最先端技術を取り入れる為にもトリステスに行きたいのよ」
一生懸命胸の前で手を組みお願いする美女にも一切動じないミゲル。
この辺りで大概の人間は彼女に陥落させられるのだが、流石は元家族。
平気の平左である。
「行かせてやりたいが簡易スクロールじゃあ心許無いんだ。転移門同士の移動なら反対もしないがなぁ。ルクス神殿がトリステスには無いんだよな」
秀麗な顔の眉根を寄せるミゲルと懇願の体で目をウルウルさせるシンシア王女・・・
その場に居る女性神官や、王宮から派遣でやって来ている護衛騎士達が2人の美男美女がタレ流す色気に当てられてモジモジし、いたたまれない空間になりつつある・・・ そこへやって来たのが
「ミゲル様只今、戻りました! シンシア様がおいでになっているからご挨拶にあがりました!」
元気一杯の大聖女ミリアンヌ・ルクス。
この世界唯一の大聖女であり、ハイドランジアのアイドルと言っても差し支えない程、王国民に愛されている美少女である。
プラチナブロンドベースのストロベリー・ブロンドを長い長いポニーテールにしており、容姿は薔薇の妖精か天使のようだが、その服装は白いスタンドカラーのキャソックとトラウザースという男性神官の出で立ちで結構ボーイッシュである。
「ミリー、お前又男物着てるのか? 女官達に文句言われないか?」
「えーだって、コレ凄く動きやすいしカッコいいから~」
トテトテと歩いてきて、シンシアに向かって美しいカーテシーを披露するミリアンヌ。
但しスカートではなくキャソックの裾を摘んでいるが・・・
「王女殿下、お久しぶりで御座います」
「まあ、ミリアンヌ様お久しぶりですわ~。いつ見てもホントに可愛くて可愛くてカワイイですわ~」
うん大事なことだから3回云うんですね・・・ 白目。
因みにシンシアはミリアンヌが大好きである。
主に観賞用としてだが・・・
「そんな! シンシア様こそ、いつお会いしてもお美しくて素敵です!」
と言いつつ、ミゲルの顔と見比べ
「やっぱり似てますね~・・・」
「「そうか(しら)?」」
「はい・・・ 似てます」
そう言いながらシンシアの向かい側のソファーにぽすんと座る。
つまりはミゲルの隣。
だがしかし距離が遠い。
「ミリー、おいで」
ニコニコの笑顔で両手を広げるミゲルに『・・・』のミリー。
「いや、だってシンシア様もいるし~・・・」
ゴニョゴニョ言いつつ顔を赤くしてモジモジする聖女ミリアンヌ。
部屋のアチコチから
「「「「「くっ! 可愛いかっ!」」」」」
という声が聞こえて振り返ると、全員が鼻を抑えて天井のシミを探すフリをしているのであった・・・
××××××××××
「え、トリステスに行きたいんですか?」
結局押し負けて、ミゲルの膝の上で頬を染めつつ驚いている妖精のような容姿のミリアンヌ。
「そうなの。魔石の利用方法の最新情報とか、紡績の最新技術とか学びたいのよね」
「トリステス帝国・・・ ん?」
膝に乗せた恋人の髪を、嬉しそうに指に絡めて遊ぶミゲルがミリアの顔を覗き込む。
「どうした、ミリー?」
「え~とですね、お爺ちゃんがこの間トリステス帝国の皇城にですね」
ミゲルの耳にそっと周りに聞こえないようにゴニョゴニョと何かを囁くと、ミゲルの額にピキッと青筋が立つ幻覚が見えた。
「あのジジイめ・・・」
「ね、ですから行けると思うんですよ」
「わかった。おい、シンシア」
両手を頬に添えてうっとりとミリアを見ていたシンシア王女が呼ばれて首を傾げる。
「俺達神殿組が許可したら行っていいのか?」
「ええ。お父様がそうお約束してくれたわ」
「わかった。ジジイにトリステス帝国側と交渉してもらおう」
×××××××××××
そんな訳で今現在進行形で、トリステス帝国の皇帝陛下であるグエン・トリステスから求婚されて目が泳いでいるシンシアなのであった・・・
1
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
【完結】領主の妻になりました
青波鳩子
恋愛
「私が君を愛することは無い」
司祭しかいない小さな教会で、夫になったばかりのクライブにフォスティーヌはそう告げられた。
===============================================
オルティス王の側室を母に持つ第三王子クライブと、バーネット侯爵家フォスティーヌは婚約していた。
挙式を半年後に控えたある日、王宮にて事件が勃発した。
クライブの異母兄である王太子ジェイラスが、国王陛下とクライブの実母である側室を暗殺。
新たに王の座に就いたジェイラスは、異母弟である第二王子マーヴィンを公金横領の疑いで捕縛、第三王子クライブにオールブライト辺境領を治める沙汰を下した。
マーヴィンの婚約者だったブリジットは共犯の疑いがあったが確たる証拠が見つからない。
ブリジットが王都にいてはマーヴィンの子飼いと接触、画策の恐れから、ジェイラスはクライブにオールブライト領でブリジットの隔離監視を命じる。
捜査中に大怪我を負い、生涯歩けなくなったブリジットをクライブは密かに想っていた。
長兄からの「ブリジットの隔離監視」を都合よく解釈したクライブは、オールブライト辺境伯の館のうち豪華な別邸でブリジットを囲った。
新王である長兄の命令に逆らえずフォスティーヌと結婚したクライブは、本邸にフォスティーヌを置き、自分はブリジットと別邸で暮らした。
フォスティーヌに「別邸には近づくことを許可しない」と告げて。
フォスティーヌは「お飾りの領主の妻」としてオールブライトで生きていく。
ブリジットの大きな嘘をクライブが知り、そこからクライブとフォスティーヌの関係性が変わり始める。
========================================
*荒唐無稽の世界観の中、ふんわりと書いていますのでふんわりとお読みください
*約10万字で最終話を含めて全29話です
*他のサイトでも公開します
*10月16日より、1日2話ずつ、7時と19時にアップします
*誤字、脱字、衍字、誤用、素早く脳内変換してお読みいただけるとありがたいです
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
行動あるのみです!
棗
恋愛
※一部タイトル修正しました。
シェリ・オーンジュ公爵令嬢は、長年の婚約者レーヴが想いを寄せる名高い【聖女】と結ばれる為に身を引く決意をする。
自身の我儘のせいで好きでもない相手と婚約させられていたレーヴの為と思った行動。
これが実は勘違いだと、シェリは知らない。
自滅王子はやり直しでも自滅するようです(完)
みかん畑
恋愛
侯爵令嬢リリナ・カフテルには、道具のようにリリナを利用しながら身体ばかり求めてくる婚約者がいた。
貞操を守りつつ常々別れたいと思っていたリリナだが、両親の反対もあり、婚約破棄のチャンスもなく卒業記念パーティの日を迎える。
しかし、運命の日、パーティの場で突然リリナへの不満をぶちまけた婚約者の王子は、あろうことか一方的な婚約破棄を告げてきた。
王子の予想に反してあっさりと婚約破棄を了承したリリナは、自分を庇ってくれた辺境伯と共に、新天地で領地の運営に関わっていく。
そうして辺境の開発が進み、リリナの名声が高まって幸福な暮らしが続いていた矢先、今度は別れたはずの王子がリリナを求めて実力行使に訴えてきた。
けれど、それは彼にとって破滅の序曲に過ぎず――
※8/11完結しました。
読んでくださった方に感謝。
ありがとうございます。
ソウシソウアイ?
野草こたつ/ロクヨミノ
恋愛
政略結婚をすることになったオデット。
その相手は初恋の人であり、同時にオデットの姉アンネリースに想いを寄せる騎士団の上司、ランヴァルド・アーノルト伯爵。
拒否に拒否を重ねたが強制的に結婚が決まり、
諦めにも似た気持ちで嫁いだオデットだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる