【完結】出会って2日で婚約しました ~ 続・受付に女神がいたよ ~ 

hazuki.mikado

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 木田のアトリエの庭は表から入った所から玄関にかけて見渡すと森のように見えるが裏に回ると緑の芝生が広がっていて、花壇は無いが芝生に直接春の花のブーケのようになった塊があちらこちらに綺麗に咲いていて、実に気持ちの良い小さな公園の様な場所だった。

 麗奈はひと目で気に入り、


「凄い! 素敵!」


 と飛び跳ねるように喜び、美奈が何故か


「でしょ~!」


 と胸を張って威張っている。


「元々スタッフ達と打ち上げパーティーをするために整備したんだよね」


 木田はそう言いながら、石を積み上げて作ったピザ窯を覗く。


「でもま、どうせ年1回位しか使わないからね。

 もったいないなって思ってさ。

 今度から撮影にも使おうと考えてね。

 丁度手を入れ直した所だったんだよ」


 青々とした芝生が広がる場所のあちこちに白いガーデンチェアとテーブルの真新しいセットが見える。

 赤茶色の煉瓦の壁が遠くに見え、その手前に株立ちのエゴの木やシマトネリコが枝を広げて、そよ風に揺れていて池には噴水がありまるでヨーロッパの公園のような佇まいだ。


「写真撮っても絵になるように整えたから君たちのパーティーにも丁度良かったよね~」


 ニコニコと笑いながら、木田は続ける。


「僕ねこの業界長かったんだけどさ、鳴かず飛ばずでね燻ぶってたのよ。

 でもミナと専属契約してから驚く程にトントン拍子で上手く行ったんだよね。

 だから、ご恩返しっていうのかな、 是非協力させて欲しいんだよ。

 ホントに姉妹揃って女神なんじゃないかなって僕は本気で思ってるんだよね」


 楽しそうに笑う木田に向かって


「そうですね」


 と真剣に答える祐一に、木田は更に吹き出して笑った。


 ―― いや、ホントに半分は女神なんだけどね。


 木田を除く、その場にいた全員が心の中でそう思ったのだった。




 ××




「えっ!

 じゃあ、婚姻届出しちゃったの?

 気が早いねえ~」

「いえ、流石に其れはまだですけど」


 苦笑いする祐一と麗奈。

 昨日の女神様アイーシャ


『もう一緒に住んじゃったら?』


 という昨日の一連のやり取りの事 ―但し要所のみだが― を伝えると木田に驚かれた。


「やー美奈のお母さんらしいねえ~。

 流石は女神様だね」


 ―― アイーシャさんを本物の女神様だと知ってる?


 思わず振り返って麗奈にアイコンタクトを送る祐一。

 小さな声で


「教えてないですからね」


 彼の耳元で彼女が小さな声で囁いた。


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