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しおりを挟む「俺の妻を知らないかッ?!」
「知ってるが? 俺の元妻だろ」
アイツから昼前にアポイントメントが入って来て、時間が無いので昼食の時間に会うことを了承した。
急遽予約したレストランの個室で、俺に飛びつくように向かってきたので軽く往なして席に着く。
「馬鹿か。何で浮気なんかしたんだ?」
「! 何で? どうして知ってる?」
「お前一昨日ホテルのレストランで食事しただろ。嫁と違う女連れて。あの日俺は彼処で商談があった」
「え・・・」
「そして彼女は違う仕事が急に入って俺とは別に来てて、ホールで鉢合わせしたんだ。その時お前が目の前でブルネットの女をぶら下げて、馬車に乗り込んだんだよ」
「う・・・ 嘘だろ」
「残念ながら嘘じゃない。俺の商談相手は卸問屋の社長だし、彼女の仕事の方は有名なカメラマンとスタッフが揃ってた。なんなら証言してもらえるぞ。皆んな時間で仕事してるからな、当然仕事が終った時の時間は全員が把握してる」
テーブルの上に既にサーブされていたランチのサラダを口に放り込む。
アイツは萎びた様子で、椅子にやっと座った。
「そんな。そこから見られてたのか?」
「俺は最初は彼女にしか気が付かなかったけど、様子が変だったんで何見てるのかが気になって視線を辿ったらお前が女と話しながら歩いて行く所だったんだよ」
落ち込んでいるアイツには悪いが、ステーキは旨いなと思った。
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