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38 エスコートの癖
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「ごめんなさい、お話し中だったかしら?」
眉を少し下げ、申し訳無さそうな顔を彼女がする。
「ああ、いや。どうした? 何かあったのか?」
そんな顔をして欲しくはないんだ、と。そう思いながら玄関まで迎えに行った。
「相談をしたくて。時間を貰える?」
「ああ」
彼女を見るとエスコートする癖でも俺には付いているのだろうか? いつの間に左手を自然に差し出していたのに気がついて苦笑した。
「君が此処に来るという事は仕事の話しだろう?」
君は公私混同する女性じゃない。
「ええ。社長が持ってきたビジネスの話しよ」
そういや、モデルの事務所云々を言ってたな・・・
「いいよ。今日は急いで外出しなきゃいけない仕事は無いから時間はある」
「ありがとう」
彼女と俺が話してるのをボーッと見ていたサーシャ嬢が、
「あ! じゃあ、お茶の準備してきますッ! まだ給湯室の鍵が開いてないんで」
急に飛び上がるあがるようにして、建物の中へ走って行った。
「気が利くけど、騒がしいな・・・」
思わず呟く俺に向かって、微笑んでいた彼女が、
「可愛い子ね? でも何処かで見た気がするわ」
何故か不思議な表情をした。
「ああ、学園の後輩だから君も見たことがあるのかもしれないね」
「ふうん・・・」
首を暫く傾げていたが
「じゃあ、取り敢えず応接室に連れて行って下さいます? 会長?」
と、俺に告げて差し出した左手の上に自分の手を置いてフンワリ微笑んだ。
胸がドキリとしたが、気の所為だと心の中で頭を振った。
眉を少し下げ、申し訳無さそうな顔を彼女がする。
「ああ、いや。どうした? 何かあったのか?」
そんな顔をして欲しくはないんだ、と。そう思いながら玄関まで迎えに行った。
「相談をしたくて。時間を貰える?」
「ああ」
彼女を見るとエスコートする癖でも俺には付いているのだろうか? いつの間に左手を自然に差し出していたのに気がついて苦笑した。
「君が此処に来るという事は仕事の話しだろう?」
君は公私混同する女性じゃない。
「ええ。社長が持ってきたビジネスの話しよ」
そういや、モデルの事務所云々を言ってたな・・・
「いいよ。今日は急いで外出しなきゃいけない仕事は無いから時間はある」
「ありがとう」
彼女と俺が話してるのをボーッと見ていたサーシャ嬢が、
「あ! じゃあ、お茶の準備してきますッ! まだ給湯室の鍵が開いてないんで」
急に飛び上がるあがるようにして、建物の中へ走って行った。
「気が利くけど、騒がしいな・・・」
思わず呟く俺に向かって、微笑んでいた彼女が、
「可愛い子ね? でも何処かで見た気がするわ」
何故か不思議な表情をした。
「ああ、学園の後輩だから君も見たことがあるのかもしれないね」
「ふうん・・・」
首を暫く傾げていたが
「じゃあ、取り敢えず応接室に連れて行って下さいます? 会長?」
と、俺に告げて差し出した左手の上に自分の手を置いてフンワリ微笑んだ。
胸がドキリとしたが、気の所為だと心の中で頭を振った。
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