【完結】ずっと君を愛してる〜心惹かれる想いを君へ〜

hazuki.mikado

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104 マリア

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 「オルコット卿?」


 ダンスを終えて飲み物を取りにサーシャ嬢をエスコートして歩いて行く途中で後ろから声を掛けられ振り向くと、暗い焦げ茶の髪ブルネットを上品に結い上げた淑女が本人の瞳と同じようなサファイア色のドレスを身に纏いまとい立っていた。

 隣に立っていた上質な夜会服を着た男性が、彼女の耳元に何かを囁いてこちらに向かって会釈を1つすると離れて行く。

 多分上位貴族だろう、洗練された動きをしている。


 「あれ以来ですわね。そちらのお嬢さんは・・・ ああ。ベイリー家のお嬢さんですね」

 「え?」

 「お父様とは仕事場が近いのですよ」


 サーシャ嬢の父親は王宮の官吏だったかな?


 「父の?」

 「ええ。仕事は全く違いますけれど。騎士のお兄様達にもよく似ているのでご兄妹だと直ぐに分かりますわよ?」


 彼女は何だか食えない笑顔を見せた後、俺を仰ぎ見る。


 「オルコット卿? あのご方達はもう大丈夫でしょうか?」


 気にしていたのか。


 「ええ。大丈夫そうですよ。貴女のお陰・・・ でしょうかね」


 確かに彼女の閨指導が最初の誤解を生んだがそれは元々はステファンが勃起不全を起こし悩んでいた事が原因で、あいつがタウンハウスにマリア嬢を連れて行ったのが迂闊だった訳で・・・

 それ以前にアデラインに対して自分をさらけ出せていれば、もっと他のやり方になっていて、彼女とは関わりを持つことは無かったかもしれないのだ。

 結局このマリア嬢はあの2人の拗れた仲の修復を手伝ってくれたのと一緒じゃないか?


 新聞を見たアデラインがオルコット商会に行くだろうと教え、ステファンの尻を叩いて恰好の悪い自分をさらけ出してアデラインに正直な気持ちを吐き出させて愛を乞う様に仕向けたとしか俺には思えないのだ――


 
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