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46 悲劇に向かうのか9
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「私に、フーカと一騎討ちしろと言うのか。」
泣き止んだルル王女が、少し声を強めて言った。
「最初から決まっているわけではありません。しかし戦況によっては、陛下が出てフーカ辺境伯と一騎討ちされることを皆が望むと思います。」
「………」
ナオト国王は黙り込んで話し合いは終わった。その場にいたみんなが、一騎討ちをすることを黙認したと理解した。しかし彼は心の中で、そのようなことは全く考えていなかった。
(昔のことはもう忘れてしまったけれど、昔からフーカとは強く心が通じ合いお互いのことを深く理解している。離れた今の状況でも、それは全く変わらない。一騎討ちするなんて………)
………
国王会議で決まったことだが、世界連合軍の編成は全く進まなかった。ようやく数か月が過ぎ、半年が過ぎた時点でだいたいの計画が固まった。
予想どおり、約半数の国が兵を出せないと表明した。さらに意外なことには、会議で賛成した国々でさえ、必要最小限の兵しか出してこなかった。結局集まったのは10万人ほどだった。
フーカ辺境伯の領地への侵攻は、1週間後とされた。
………
辺境伯の城では、世界連合軍を迎え撃つための話し合いがされていた。
ブルーが報告した。
「世界連合軍は王都イスタンのそばに駐屯していますが、その総数は、どんなに多く見積もっても10万人程度しかありません。」
「魔王ザラ様の作戦が成功したのね。魔王様や高位な魔族がたびたび出没することで、世界連合軍に賛成した国々でさえ、防衛のため多くの兵士を国内に留めなければならなった結果です。」
フーカがそう言った途端、会議をしていた部屋の全ての窓がパタンと開いて、外気が入ってきた。
気がつくと、そこに魔王ザラが立っていた。
「皆様、こんにちわ。私はフーカの姉ですから、妹を守るためにその役目をしっかりと果たすことができました。連合軍の兵数を予想以上に削減できました。」
「魔王様、ほんとうにありがたいです。私の兵力は約5万人ですが、相手が2倍以下であれば戦略・戦術、そして個々の兵士の力は連合軍におおいに勝っていますので、だいぶ楽になりました。ただ、まだ決して余談を許さない状況が続くのは間違いがありませんが。」
フーカからお礼を言われると、魔王はとてもうれしそうな表情をした。そして、一つの提案をした。
「フーカは、世界連合軍と戦わずに帰ってもらいたいのでしょう。まだ2倍の兵力差があると、相手方が攻めてくるのを止めることはないわ。どう、もう少し魔王軍を使わない。」
「大変、ありがたいお申し出ですが。お味方を続けていただく代わりに、私達に求められる報酬がさらに高くなるのが心配です。」
「いやいや、報酬の上積みは求めないわ。前にも言ったとおり、森林地帯の緑の中や高原の光の中に滞在して心と体を癒やせるようになるのが、魔族にとっては最も高価な報酬だから。それと、ほんとうのことを話すと、私と高位の魔族が各国に出没して威嚇することは、びっくりするほど簡単な仕事だったわ。」
イワンが言った。
「フーカ様、魔王軍の皆様に世界連合軍への威嚇を、引き続きお願いしたらどうでしょうか。今、王都イスタンのそばに駐屯している世界連合軍なんて、魔王様達が威嚇すればほとんど逃げ去ってしまうのでは。」
魔王ザラは、まんざらでもないというような顔をして言った。
「イワンと言ったかしら、いつも我が妹の副官をしてくれてありがとう。それに、あなたはかなりの魔力をもつ、大魔法師マーリー並の魔法師ね。これからも妹を助けてあげてね。」
泣き止んだルル王女が、少し声を強めて言った。
「最初から決まっているわけではありません。しかし戦況によっては、陛下が出てフーカ辺境伯と一騎討ちされることを皆が望むと思います。」
「………」
ナオト国王は黙り込んで話し合いは終わった。その場にいたみんなが、一騎討ちをすることを黙認したと理解した。しかし彼は心の中で、そのようなことは全く考えていなかった。
(昔のことはもう忘れてしまったけれど、昔からフーカとは強く心が通じ合いお互いのことを深く理解している。離れた今の状況でも、それは全く変わらない。一騎討ちするなんて………)
………
国王会議で決まったことだが、世界連合軍の編成は全く進まなかった。ようやく数か月が過ぎ、半年が過ぎた時点でだいたいの計画が固まった。
予想どおり、約半数の国が兵を出せないと表明した。さらに意外なことには、会議で賛成した国々でさえ、必要最小限の兵しか出してこなかった。結局集まったのは10万人ほどだった。
フーカ辺境伯の領地への侵攻は、1週間後とされた。
………
辺境伯の城では、世界連合軍を迎え撃つための話し合いがされていた。
ブルーが報告した。
「世界連合軍は王都イスタンのそばに駐屯していますが、その総数は、どんなに多く見積もっても10万人程度しかありません。」
「魔王ザラ様の作戦が成功したのね。魔王様や高位な魔族がたびたび出没することで、世界連合軍に賛成した国々でさえ、防衛のため多くの兵士を国内に留めなければならなった結果です。」
フーカがそう言った途端、会議をしていた部屋の全ての窓がパタンと開いて、外気が入ってきた。
気がつくと、そこに魔王ザラが立っていた。
「皆様、こんにちわ。私はフーカの姉ですから、妹を守るためにその役目をしっかりと果たすことができました。連合軍の兵数を予想以上に削減できました。」
「魔王様、ほんとうにありがたいです。私の兵力は約5万人ですが、相手が2倍以下であれば戦略・戦術、そして個々の兵士の力は連合軍におおいに勝っていますので、だいぶ楽になりました。ただ、まだ決して余談を許さない状況が続くのは間違いがありませんが。」
フーカからお礼を言われると、魔王はとてもうれしそうな表情をした。そして、一つの提案をした。
「フーカは、世界連合軍と戦わずに帰ってもらいたいのでしょう。まだ2倍の兵力差があると、相手方が攻めてくるのを止めることはないわ。どう、もう少し魔王軍を使わない。」
「大変、ありがたいお申し出ですが。お味方を続けていただく代わりに、私達に求められる報酬がさらに高くなるのが心配です。」
「いやいや、報酬の上積みは求めないわ。前にも言ったとおり、森林地帯の緑の中や高原の光の中に滞在して心と体を癒やせるようになるのが、魔族にとっては最も高価な報酬だから。それと、ほんとうのことを話すと、私と高位の魔族が各国に出没して威嚇することは、びっくりするほど簡単な仕事だったわ。」
イワンが言った。
「フーカ様、魔王軍の皆様に世界連合軍への威嚇を、引き続きお願いしたらどうでしょうか。今、王都イスタンのそばに駐屯している世界連合軍なんて、魔王様達が威嚇すればほとんど逃げ去ってしまうのでは。」
魔王ザラは、まんざらでもないというような顔をして言った。
「イワンと言ったかしら、いつも我が妹の副官をしてくれてありがとう。それに、あなたはかなりの魔力をもつ、大魔法師マーリー並の魔法師ね。これからも妹を助けてあげてね。」
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