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47 悲劇に向かうのか10
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王都イスタンのそばの平野で、世界連合軍10万人が駐屯し宿営用のテントが数多く張られていた。数カ国の寄せ集めのような軍隊で、士気もかなり低かった。
士気の低い軍隊は往々にして、夜になると皆で酒を飲み時間を過ごそうとする。
その夜も、野営地のそこかしこで兵士は酒を飲み、大騒ぎしていた。
「まだまだ大丈夫だろう、なんといっても10万人、フーカ辺境伯の軍隊の2倍はいるのだから。」
「世界各国から一流の軍隊だけが集まったのだから、質も良いのだ。勝てる、勝てる。」
「おれは1度でいいから、絶世の美女と名高いフーカ辺境伯の顔を見て見たいものだ。」
どんちゃん騒ぎが続くのを、総司令官になったゴード国王とフランツ王国のナオト国王は見ていたが、兵士の憂さを晴らすためには仕方がないことだと思っていた。
ゴード国王がナオトに言った。
「やはり、あのフーカ辺境伯が使う月の剣の力は相当なものだ。この戦い、最後のここ一番の場面が訪れたら我が婿として、ナオト国王が太陽の剣を使い辺境伯に一騎討ちを挑んでほしい。」
「はい。必ず勝って、このたびのお骨折りに報いたいと考えております。」
(ほんとうは一騎討ちなんて絶対にしたくない。だけど、だんだん、ルルと父親のゴード国王に追い詰められているような気がする。一騎討ちを考えるたびに、この太陽の剣が悲しんでいることがわかる。月の剣とは戦いたくないと言っている。)
2人がそのような会話をしていた時、あっちこっちから兵士の悲鳴が聞こえてきた。心の底から恐怖を感じ、酒の酔いが一気に覚めてしまったようだった。
国王2人の元に、伝令が知らせにきた。
「申し上げます。ただ今、この駐屯地の上空に魔族達が現われました。数はそんなにいませんが、人間から見て恐怖と絶対的な強さを感じる高位の魔族ばかりです。」
それを聞いてナオト国王が言った。
「たぶん、世界各国に出没して、自国防衛のため世界連合軍に加わることを断念させ、また加わる軍勢の数を少なくさせた原因となった魔族の一団でしょう。」
ナオトは密かに思っていた。
(もしかしたら、魔王軍は裏でフーカと連係しているのかもしれない。あの魔王ザラは、彼女に相当の好意をもっていたから。)
彼はゴード国王に言った。
「私が出ることにしましょう。夜のこういう時間こそ、私の太陽の剣の使い時だと思います。」
そして伝令に案内されて、数人の魔族が空中に浮かんでいる下の場所に動いた。
空中に浮かんでいる魔族の中には魔王ザラもいたが、ナオトがやって来たことに気がついて、少し離れた場所に隠れようと考えた。
「あなた達で、あのナオト国王にどのくらいの力があるか試してみなさい。」
「わかりました。魔王様。」
魔族達のすぐ下に立ったナオトは、大声で言った。
「我はフランツ王国のナオト国王である。かって、お前達の侵攻を1国で完全に防いだ王である。世界連合軍はお前達と戦うためにここに駐屯しているわけではない。立ち去れ。」
彼のその言葉を聞いたが、高位の魔族達は立ち去ろうとせす。その場で大声で威嚇を始めた。
「弱々しい、人間の国王よ。確か、お前には頼りになる姫軍師が常に横にいたはずだが、見当たらないな。まさか、ぼろぞうきんのように捨ててしまったわけではあるまいな。」
「ははは、ほんとうにおろかな人間の王だ。そうそう他の女と結婚したのだったな。」」
「兵士達よ、このような国王の下では命がいくらあっても足りないな。」
ナオト国王はだまって太陽の剣を抜いた。
士気の低い軍隊は往々にして、夜になると皆で酒を飲み時間を過ごそうとする。
その夜も、野営地のそこかしこで兵士は酒を飲み、大騒ぎしていた。
「まだまだ大丈夫だろう、なんといっても10万人、フーカ辺境伯の軍隊の2倍はいるのだから。」
「世界各国から一流の軍隊だけが集まったのだから、質も良いのだ。勝てる、勝てる。」
「おれは1度でいいから、絶世の美女と名高いフーカ辺境伯の顔を見て見たいものだ。」
どんちゃん騒ぎが続くのを、総司令官になったゴード国王とフランツ王国のナオト国王は見ていたが、兵士の憂さを晴らすためには仕方がないことだと思っていた。
ゴード国王がナオトに言った。
「やはり、あのフーカ辺境伯が使う月の剣の力は相当なものだ。この戦い、最後のここ一番の場面が訪れたら我が婿として、ナオト国王が太陽の剣を使い辺境伯に一騎討ちを挑んでほしい。」
「はい。必ず勝って、このたびのお骨折りに報いたいと考えております。」
(ほんとうは一騎討ちなんて絶対にしたくない。だけど、だんだん、ルルと父親のゴード国王に追い詰められているような気がする。一騎討ちを考えるたびに、この太陽の剣が悲しんでいることがわかる。月の剣とは戦いたくないと言っている。)
2人がそのような会話をしていた時、あっちこっちから兵士の悲鳴が聞こえてきた。心の底から恐怖を感じ、酒の酔いが一気に覚めてしまったようだった。
国王2人の元に、伝令が知らせにきた。
「申し上げます。ただ今、この駐屯地の上空に魔族達が現われました。数はそんなにいませんが、人間から見て恐怖と絶対的な強さを感じる高位の魔族ばかりです。」
それを聞いてナオト国王が言った。
「たぶん、世界各国に出没して、自国防衛のため世界連合軍に加わることを断念させ、また加わる軍勢の数を少なくさせた原因となった魔族の一団でしょう。」
ナオトは密かに思っていた。
(もしかしたら、魔王軍は裏でフーカと連係しているのかもしれない。あの魔王ザラは、彼女に相当の好意をもっていたから。)
彼はゴード国王に言った。
「私が出ることにしましょう。夜のこういう時間こそ、私の太陽の剣の使い時だと思います。」
そして伝令に案内されて、数人の魔族が空中に浮かんでいる下の場所に動いた。
空中に浮かんでいる魔族の中には魔王ザラもいたが、ナオトがやって来たことに気がついて、少し離れた場所に隠れようと考えた。
「あなた達で、あのナオト国王にどのくらいの力があるか試してみなさい。」
「わかりました。魔王様。」
魔族達のすぐ下に立ったナオトは、大声で言った。
「我はフランツ王国のナオト国王である。かって、お前達の侵攻を1国で完全に防いだ王である。世界連合軍はお前達と戦うためにここに駐屯しているわけではない。立ち去れ。」
彼のその言葉を聞いたが、高位の魔族達は立ち去ろうとせす。その場で大声で威嚇を始めた。
「弱々しい、人間の国王よ。確か、お前には頼りになる姫軍師が常に横にいたはずだが、見当たらないな。まさか、ぼろぞうきんのように捨ててしまったわけではあるまいな。」
「ははは、ほんとうにおろかな人間の王だ。そうそう他の女と結婚したのだったな。」」
「兵士達よ、このような国王の下では命がいくらあっても足りないな。」
ナオト国王はだまって太陽の剣を抜いた。
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