覇気ある公爵令嬢は愛を叫ぶ

城咲美月

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再会

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侍女のメアリーが去った後、私は冒険者していた時の服装に着替えて執事頭と話していた。


「私はこれからリヒト様の依頼により、ひょろひょろ草を採取してくるわ
メアリーが帰ってきたら、そう....ね
夕方には帰ってくると言っておいてちょうだい」

「畏まりまして」

「それから、リヒト様の使いの方から依頼料金の支払いがあるから領収書を出しておいてね。
後は、ヒバナ様の....い、いえなんでもないわ...。
私からの報告は以上よ
そちらは変わりないかしら?」

「はい、つつがなく。
サイリード様のお手紙が届いておりますが
いかがなさいますか?」

「その色は....(お茶会のお誘いね)後で読むわ
報告書とまとめておいてちょうだい」

「畏まりまして」

「では、行ってきます」

「はい、気を付けていってらっしゃいませ」


ニコッと笑顔のナタリーお嬢様に釣られ私も笑顔になる。




そんなお嬢様は、さっと馬に跨がり行ってしまわれた。

さっと馬に跨がる姿は、当主の姿と重なるものがある。


私が当主様の代により仕えてきて、娘と同じような感覚でお嬢様を見守る事が出来て、感服ものです。

大きくなられた、そう感じずにはいられない。





おっと、仕事に戻らねば。














ナタリーが
馬を飛ばしながら向かった先は、ひょろひょろ草の生息地。

公爵領土の外れにある

今は、使われていない炭鉱の中のトロッコの近くに生息している。

トロッコに行くまで、比較的広く炭鉱の中は一方通行である事から入り口近くは迷う事がない。


「誰よ、ひょろひょろ草なんて見た目に反した名前付けたのは」

そう思わず愚痴ってしまいそうになるほどの
ひょろひょろ草。

土から生える様は、まさしくひょろひょろと長い草なのだが、刈ろうとするとたんに、成人男性の腕のように突然太くなり筋肉がついたように
こちらを攻撃してくる。

名前と見た目からして、「草だし余裕だろう」とかけ出しの冒険者はこの依頼を受けるのだが、
どころがどっこい。
油断すれば、ケガしてしまう。
しかも刈ったら刈ったでしなしなになってしまう為、素早く持ち帰らないといけない。



ため息ひとつついて

「早く終わらせるのが賢明ね」

そう言うとナタリーは、ひょろひょろ草に特化した除草剤とビンを持つ。

この除草剤を撒けば、根っこから抜け新鮮なままのひょろひょろ草をビンの中に収める事が出来る。

ただ.....このひょろひょろ草
根っこの部分もダンディな男性の顔みたいに見える事から....できれば触りたくない。


「はぁ.....本当誰よひょろひょろ草なんて名前付けたのは」


ナタリーが後日
ひょろひょろ草の正式名と効能を知るのはもう少し後の話。





正式名
ダンディモッコリ草

効能
毛髪が生えてくる。







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