8 / 23
マイ・カウンセリング②
しおりを挟む私の高校には、一つ上の先輩とペアを組む〈シスター制度〉があった。後輩は先輩から、高校生活の節度,礼儀,マナーを学ぶ。ペアの相手は卒業するまで変わらない。文字通り姉妹のように、高校生活を過ごすのだ。
私とペアを組んだのが、マイ先輩であることは言うまでもない。
「突然連絡して、ごめんなさい。マイ先輩」
「美潮、久しぶりぃ、元気そうで何よりね」
馴染みの児童公園で、私たちは再会のハグ。ベンチに座って、手短に近況報告を済ます。
私は頃合いを見て、缶飲料を差し出した。
「おっ、気が利くねぇ。私の好きな十六茶」
「飲みながら聞いてください。とても恥ずかしいことなんですけど……」
私は慎重に言葉を選びながら、Hに失敗したことを話し始めた。マイ先輩は笑ったり茶化したりしないで、真剣に耳を傾けてくれた。
「なるほどね。でも、よくある話だと思う。美潮は気にしすぎだよ」
「でも、心配なんです。このままだったら、私たち別れちゃうかも」
言葉にしてしまうと、不安がふくらんで、押しつぶされそうになる。
「美潮は別れたいの?」
もちろん、私は首を横に振る。
「じゃ、頑張らないとね。男と女にとって、Hは大事なことだけど、大袈裟に考えることは少しもない」
そう言ってマイ先輩は、私の頭を優しくなでてくれた。
0
あなたにおすすめの小説
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる