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1 ルーンカレッジ編
032 晩餐会4
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「よろしいかしら? ジルフォニア=アンブローズ殿。お初にお目にかかります、私はクリスティーヌと申します。以後、お見知りおきくださいまし」
クリスティーヌが優雅な立ち居振る舞いで挨拶を述べる。
近くにいたゼノビアがジルに囁ささやく。
「レント伯クリスティーヌ、中立派の有力貴族だ。ブライスデイル侯も自派に欲している大物だぞ」
その様子を見ていたクリスティーヌは、ゼノビアにも声をかけた。
「これはゼノビア殿、お久しゅうございます。今回の件でもご活躍されたとか、流石ですわ」
クリスティーヌの見るところ、ゼノビアはアルネラに強い影響力を持つ人物である。アルネラは王位継承権第二位であるだけに、事によってはゼノビアが王国の鍵を握ることになるかもしれない。クリスティーヌにとって、ゼノビアは利用価値のある人間であった。
「クリスティーヌさま。お初にお目にかかります、ジルフォニア=アンブローズです。わざわざ伯の方からお越しいただき、感謝致します。以後、宜しくご指導のほどを」
クリスティーヌの手をとり、軽く接吻する。
「あなたのご活躍も聞いてますわ。まだ若くていらっしゃるのに、優秀な魔術師であるとか。我が国にとってもいまこそ優れた魔術師が必要な時です。」
「はっ、ありがとうございます。伯の期待に答えられるよう、全力を尽くします」
「それで、もう我が国の王宮に仕えてらっしゃるのかしら?」
「いえ、まだルーンカレッジの学生ですので、実際にはお仕えするにしても卒業してからになるでしょう」
「まあ! まだ学生でいらしたのね。それで姫を救出されるとは頼もしい。もし何か困ったことがあったら、私を頼ってくださいましね。私が力をお貸ししましょう」
力を貸すと言っても当然ただではあるまい。いずれ何か見返りを要求してくることになるだろう。
ジルとの会話を終えると、クリスティーヌは王の方へと向かっていった。会場を引き上げる前に、王に挨拶していくのだろう。クリスティーヌの後ろには、護衛の戦士らしき男が付き従っている。黒髪の長身の男で、歳は30後半ぐらいだろうか。鋭い気を辺りに放ち、一目で只者でないことは分かる。
ジルの視線に気づいたゼノビアが、男について教える。
「あれは剣聖アルメイダだ。知っておいて損はないぞ。剣の強さでいえば、王国で一、二を争う強者だ。王国の武術大会で何度も優勝している。私も剣だけでは奴に勝つことはできない。奴と互角の勝負が出来るのは、王国でも我が近衛隊のルーファス隊長のほか、5人も居ないだろう。奴は王国にではなく、クリスティーヌに側近として仕えている。何が奴にそうさせているのかは知らぬがな。奴を護衛として連れているのだから、クリスティーヌもさぞかし安心できるだろうさ」
ゼノビアが敵に回したくない人間の一人らしい。
晩餐会はそろそろ終わりに近づいていた。貴族たちもすでに大半が会場を後にしていて、残っているのはわずかであった。
「ふうっ」
ジルは思わず溜息をついた。慣れない貴族との会話で随分疲れたようだ。自分には王宮というところは慣れないことが多すぎる。そろそろ一人になってもいいだろう、ジルはそう思い一人テラスへ向かったのだった。
クリスティーヌが優雅な立ち居振る舞いで挨拶を述べる。
近くにいたゼノビアがジルに囁ささやく。
「レント伯クリスティーヌ、中立派の有力貴族だ。ブライスデイル侯も自派に欲している大物だぞ」
その様子を見ていたクリスティーヌは、ゼノビアにも声をかけた。
「これはゼノビア殿、お久しゅうございます。今回の件でもご活躍されたとか、流石ですわ」
クリスティーヌの見るところ、ゼノビアはアルネラに強い影響力を持つ人物である。アルネラは王位継承権第二位であるだけに、事によってはゼノビアが王国の鍵を握ることになるかもしれない。クリスティーヌにとって、ゼノビアは利用価値のある人間であった。
「クリスティーヌさま。お初にお目にかかります、ジルフォニア=アンブローズです。わざわざ伯の方からお越しいただき、感謝致します。以後、宜しくご指導のほどを」
クリスティーヌの手をとり、軽く接吻する。
「あなたのご活躍も聞いてますわ。まだ若くていらっしゃるのに、優秀な魔術師であるとか。我が国にとってもいまこそ優れた魔術師が必要な時です。」
「はっ、ありがとうございます。伯の期待に答えられるよう、全力を尽くします」
「それで、もう我が国の王宮に仕えてらっしゃるのかしら?」
「いえ、まだルーンカレッジの学生ですので、実際にはお仕えするにしても卒業してからになるでしょう」
「まあ! まだ学生でいらしたのね。それで姫を救出されるとは頼もしい。もし何か困ったことがあったら、私を頼ってくださいましね。私が力をお貸ししましょう」
力を貸すと言っても当然ただではあるまい。いずれ何か見返りを要求してくることになるだろう。
ジルとの会話を終えると、クリスティーヌは王の方へと向かっていった。会場を引き上げる前に、王に挨拶していくのだろう。クリスティーヌの後ろには、護衛の戦士らしき男が付き従っている。黒髪の長身の男で、歳は30後半ぐらいだろうか。鋭い気を辺りに放ち、一目で只者でないことは分かる。
ジルの視線に気づいたゼノビアが、男について教える。
「あれは剣聖アルメイダだ。知っておいて損はないぞ。剣の強さでいえば、王国で一、二を争う強者だ。王国の武術大会で何度も優勝している。私も剣だけでは奴に勝つことはできない。奴と互角の勝負が出来るのは、王国でも我が近衛隊のルーファス隊長のほか、5人も居ないだろう。奴は王国にではなく、クリスティーヌに側近として仕えている。何が奴にそうさせているのかは知らぬがな。奴を護衛として連れているのだから、クリスティーヌもさぞかし安心できるだろうさ」
ゼノビアが敵に回したくない人間の一人らしい。
晩餐会はそろそろ終わりに近づいていた。貴族たちもすでに大半が会場を後にしていて、残っているのはわずかであった。
「ふうっ」
ジルは思わず溜息をついた。慣れない貴族との会話で随分疲れたようだ。自分には王宮というところは慣れないことが多すぎる。そろそろ一人になってもいいだろう、ジルはそう思い一人テラスへ向かったのだった。
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