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1 ルーンカレッジ編
054 ヴァルハラ祭 〜祭りの後2
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最後の審査は、男子生徒お待ちかね(?)の水着審査である。水着に関しては毎年のように審査から除外するようにとの批判もあるが、根強い賛成派も多く今年も審査項目に残ることになった。
「先輩が一番好きなところになりましたね!」
なぜかレニが皮肉めいたことを言う。
「いや、別に好きでもないが……、これは何を審査しているんだろうな?」
「当然身体のラインやプロポーションですよ! メリハリのある身体が良いんです」
「メリハリ?」
「出るところが出て、引っ込んでるところが引っ込んでいる方が良いってことですよ」
なるほど、と言ったジルだが、実際のところよく分かっていない。
壇上では水着を着た女子学生が、ウォーキングをして自分の身体をアピールしている。水着は候補者各自の自由で、あまり過激なものでなければ何を着ても構わないらしい。とはいえ、胸が強調されるビキニがやはり多い……というのはレニからの情報である。
イレイユの番がやってきた。イレイユもオレンジのビキニを着ているが、なかなかに面積の少ないものを着ている。普段のカレッジの制服の上からでは分からないが、イレイユはプロポーションが非常に良い。豊満な胸とくびれたウェストをしており、健康そうな肌の色をしている。手元の資料には3サイズも書かれているが、なるほどと思わせる。
ジルは何となく、見てはならないものを見ている気がして、目をそらしがちになっている。そんなジルを見て、レニも含み笑いをかみしめる。
この水着審査でコンテストは修了である。6人の審査員が各々2点と1点の札をもち、候補者に投票する。当然2点の札をどれだけ集めることができるかが勝敗の分かれ目となるだろう。この点数の集計はバックヤードで行われる。候補者と観衆はその発表を待つのみである。
5分後、審査員が表側に戻ってきた。結果の発表である。
「ドル、ドル、ドル、ドル、ドル、ドル、ドル、ドル!」
どこかのミスコンを真似たのか、発表を盛り上げるために太鼓が叩かれている。
「王国暦769年のミス・ルーンカレッジは…………! 上級クラス2年のルミアナさんです!」
会場は大盛り上がりである。どうやら前評判で一位だった女子学生らしい。
結局イレイユは4位だった。中級クラスであることを考えると、これは健闘したと言えるらしい。
コンテストが終わった後にレミアと会ったが、全く気にしたところはなく、純粋にヴァルハラ祭を楽しんでいたようだ。
「お祭りは自分も参加して楽しまないとね~」とはイレイユの言である。
さて、このコンテストにはオマケがある。このルーンカレッジのベストカップルの発表である。これは全学生による投票で決まる。ヴァルハラ祭が始まる前に、学生たちが投票し、その集計した結果をコンテストの最後に発表するのである。投票するもしないも自由であるが、レニに誘われてジルも投票した。というよりは、ジルは誰と誰に投票すれば良いか全く分からなかったため、レニが2人分を投票したのである。
「さあ、今年もこの発表でヴァルハラ祭も最後になります! そうです! ルーンカレッジのベストカップルの発表です!」
女性の進行役が場を盛り上げようと声を張り上げている。
ジルは正直なところ関心はなかったが、これもヴァルハラ祭をしめる最後のイベントと思えば、つき合わないわけにはいかない。どうせ発表されたところで自分の知らない人間だろうが……。
「それでは発表します! 王国暦769年のルーンカレッジのベストカップル賞は! ジルフォニア=アンブローズさんとレニ=クリストバインさんです!」
ゴホっ、意表をつかれたジルが激しく咳き込む。
「僕が?」
ジルは本当に何がどうなっているのか分からない。となりでレニは最高に嬉しそうにしている。
「先輩! やりました! 私たちがベストカップル賞です……」
嬉しくてつい大きな声になってしまったものの、後半は恥ずかしくなったようで消え入りそうになっていた。
周囲の学生が口々に「おめでとう!」と祝福の言葉をかけてくれる。しばらくはもみくちゃ状態であった。
本人はあまり意識していないが、ジルはカレッジの中で有名人である。そして注目されるジルといつも一緒にいるレニも、あの子は誰だ? というように関心が向けれていたのである。とくに先輩であるジルをたて、健気にもジルを待っているレニを多くの学生たちが目撃していた。つまりジルが知らないだけで、2人は非常に有名なカップルになっていたのである。
「レニ! おめでとう! 良かったねぇ」
レニの気持ちを察しているメリッサが、しみじみと祝いの言葉を伝える。
どうやら王国暦769年はレニにとって最高の年になりそうだった。
「先輩。今年も良い年にしましょうね!」
ジルの目に映るレニは、笑顔で輝いていた。
第一章「ルーンカレッジ編」完
「先輩が一番好きなところになりましたね!」
なぜかレニが皮肉めいたことを言う。
「いや、別に好きでもないが……、これは何を審査しているんだろうな?」
「当然身体のラインやプロポーションですよ! メリハリのある身体が良いんです」
「メリハリ?」
「出るところが出て、引っ込んでるところが引っ込んでいる方が良いってことですよ」
なるほど、と言ったジルだが、実際のところよく分かっていない。
壇上では水着を着た女子学生が、ウォーキングをして自分の身体をアピールしている。水着は候補者各自の自由で、あまり過激なものでなければ何を着ても構わないらしい。とはいえ、胸が強調されるビキニがやはり多い……というのはレニからの情報である。
イレイユの番がやってきた。イレイユもオレンジのビキニを着ているが、なかなかに面積の少ないものを着ている。普段のカレッジの制服の上からでは分からないが、イレイユはプロポーションが非常に良い。豊満な胸とくびれたウェストをしており、健康そうな肌の色をしている。手元の資料には3サイズも書かれているが、なるほどと思わせる。
ジルは何となく、見てはならないものを見ている気がして、目をそらしがちになっている。そんなジルを見て、レニも含み笑いをかみしめる。
この水着審査でコンテストは修了である。6人の審査員が各々2点と1点の札をもち、候補者に投票する。当然2点の札をどれだけ集めることができるかが勝敗の分かれ目となるだろう。この点数の集計はバックヤードで行われる。候補者と観衆はその発表を待つのみである。
5分後、審査員が表側に戻ってきた。結果の発表である。
「ドル、ドル、ドル、ドル、ドル、ドル、ドル、ドル!」
どこかのミスコンを真似たのか、発表を盛り上げるために太鼓が叩かれている。
「王国暦769年のミス・ルーンカレッジは…………! 上級クラス2年のルミアナさんです!」
会場は大盛り上がりである。どうやら前評判で一位だった女子学生らしい。
結局イレイユは4位だった。中級クラスであることを考えると、これは健闘したと言えるらしい。
コンテストが終わった後にレミアと会ったが、全く気にしたところはなく、純粋にヴァルハラ祭を楽しんでいたようだ。
「お祭りは自分も参加して楽しまないとね~」とはイレイユの言である。
さて、このコンテストにはオマケがある。このルーンカレッジのベストカップルの発表である。これは全学生による投票で決まる。ヴァルハラ祭が始まる前に、学生たちが投票し、その集計した結果をコンテストの最後に発表するのである。投票するもしないも自由であるが、レニに誘われてジルも投票した。というよりは、ジルは誰と誰に投票すれば良いか全く分からなかったため、レニが2人分を投票したのである。
「さあ、今年もこの発表でヴァルハラ祭も最後になります! そうです! ルーンカレッジのベストカップルの発表です!」
女性の進行役が場を盛り上げようと声を張り上げている。
ジルは正直なところ関心はなかったが、これもヴァルハラ祭をしめる最後のイベントと思えば、つき合わないわけにはいかない。どうせ発表されたところで自分の知らない人間だろうが……。
「それでは発表します! 王国暦769年のルーンカレッジのベストカップル賞は! ジルフォニア=アンブローズさんとレニ=クリストバインさんです!」
ゴホっ、意表をつかれたジルが激しく咳き込む。
「僕が?」
ジルは本当に何がどうなっているのか分からない。となりでレニは最高に嬉しそうにしている。
「先輩! やりました! 私たちがベストカップル賞です……」
嬉しくてつい大きな声になってしまったものの、後半は恥ずかしくなったようで消え入りそうになっていた。
周囲の学生が口々に「おめでとう!」と祝福の言葉をかけてくれる。しばらくはもみくちゃ状態であった。
本人はあまり意識していないが、ジルはカレッジの中で有名人である。そして注目されるジルといつも一緒にいるレニも、あの子は誰だ? というように関心が向けれていたのである。とくに先輩であるジルをたて、健気にもジルを待っているレニを多くの学生たちが目撃していた。つまりジルが知らないだけで、2人は非常に有名なカップルになっていたのである。
「レニ! おめでとう! 良かったねぇ」
レニの気持ちを察しているメリッサが、しみじみと祝いの言葉を伝える。
どうやら王国暦769年はレニにとって最高の年になりそうだった。
「先輩。今年も良い年にしましょうね!」
ジルの目に映るレニは、笑顔で輝いていた。
第一章「ルーンカレッジ編」完
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