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蒸れた夏のコト 全36話+α(没話)。年下男子/暴力・流血描写/横恋慕/高校生→大人
蒸れた夏のコト 11
しおりを挟む目の前に置かれたのは明るい水色を基調としたセーラー服だった。鮮やかな赤のスカーフも付いている。白い紐パンツはレースだのフリルだので白一色にも関わらずやたらと華美だった。
「着てください、これ」
男2人の目に晒されながら夏霞は彼等に背を向け、無抵抗に着替え始めた。暗い顔をしながら舞夜の燃え滾った眼差しに全身が何かしらの光線を浴びて火傷しそうだった。瑠夏は勉強机とセットの椅子に座ってにこにこと笑っている。
「ブラジャーは外してください。ノーブラセーラーがいいんで」
ここに来るまでの間、卑猥な画像を種に散々脅され、また車内でも怪しいシャッター音を聞かされている。夏霞の意思は削がれに削がれていた。ブラジャーを外し、揃いのショーツも脱いでいく。白い紐パンツを腿で結んだ。スカートは短く、ほとんど脚が出る。実際の制服としては使えないだろう。あまりにも短い。そしてセーラー服の上を着る。硬い生地が素肌に気持ち悪かった。
「きつい……」
夏霞は自分で買った服にきつさを覚えたことはない。地元に戻ってきて確かに運動量は減ったものの、これといって太った感じはしなかった。
「小さめの買いましたからね。だからブラジャー外してもらったんです」
ぱんと張った白い布に胸の膨らみが浮く。先端も双つ、微かな陰を作る。夏霞はそれを腕で隠した。
「よく似合ってますよ。ねぇ?舞夜さん。ちゃんとこういうことは口にしないと、女の子は不安になっちゃいますよ。あんなお喋り上手なカレシさんじゃ、尚更でしょう」
瑠夏は屈託がない。夏霞は振り向けなかった。
「綺麗だ」
見るからにいやらしいことを目的とした下品な着せ方をさせて何が綺麗なのか彼女は分からない。
「髪は2本縛りがいいです。当時の夏霞さんはどうだったんですか、舞夜さん」
何故、本人を目の前にして隣の男に訊ねたのだろう。瑠夏は相変わらず可愛らしい微笑を湛えている。
「ポニーテールだった」
寒気がした。夏霞自身、よく覚えていない。
「毛先にウェーブがかかっていたな」
「僕が見られたのは本当に一部だけなんですね。でも夏霞さん、カレシさんも知らないところ、これから見せてください」
瑠夏は100円均一ショップで買ってきたらしき未開封のコームと髪ゴムを差し出した。
「俺が結ぶ……」
華奢な白い手に、それと比べるとわずかに日に焼けたしっかりした手が横から出てきて道具を掻っ攫う。
「自分で結べる………」
「結びたい。結ばせてくれ」
「ははは、髪フェチの男の人って無害で誠実そうですけど、結構な変態って聞いたことありますよ、僕」
夏霞は胸を覆っていた両腕でさらに自分を強く抱き締めた。
「触ってみたかった。高校生の時から……」
伸びてきた手に身体が怯えて後退ってしまう。華奢な女など簡単に捕まえられそうなくせ、舞夜は眉を下げ、目を伏せた。誰もが見惚れそうな麗貌でありながら、晴れない執着に苦しんでいる。夏霞はまるで加害者にされた気分になった。
「夏霞さん。僕たちはね、きっと貴方に会った時から時間が止まってるんです。舞夜さんは高校生の時のまま、僕は小学生の時のまま」
貴方が悪いんです。耳元で囁かれる。瑠夏の接近は許したことを、舞夜は怒っている。目の色が変わった。
「雨堂」
舞夜が一歩前に出た。夏霞の反応を確かめている。
「こ、怖い………」
「優しくする」
やはり間に瑠夏が入った。巻いていない髪にコームが通っていく。その仕草は本当に丁寧だった。丹念に梳かされていく。それでいて内心、首に包丁の刃を突き付けられている心地だった。
「ポニーテールじゃないです。2本縛りにしてください」
瑠夏がぴしゃりと口を挟んだ。纏められていた後ろ髪が落ちていく。コームの尖った尻で左右に毛束が分けられていく。手慣れている。彼を知らなければ、器用な人物だと思っただろう。しかし舞夜を知っていれば、ひたすら不気味さに拍車を掛けるだけだった。
「どうですか、夏霞さんの髪は」
「いい匂いがする」
「やめて……っ」
耐えられない不快感に、彼女は舞夜の手から逃げてしまった。飛んできた蜂や蛾を恐れるのに似ている。一度分けられた髪が背中で合流した。
「自分でやるから……」
「俺がやる」
瑠夏は愉快そうにそのやり取りを見ていた。
「本当にできるんですか」
瑠夏は冷やかすように訊ねる。
「妹が小さい頃によくやっていた」
妹という単語が彼女に衝撃を与えた。このおかしな男に妹がいるらしい。ということは祭夜のいとこでもあるはずだが話に聞いたことはない。舞夜の存在すらも知らなかった。ただ話す機会が無かっただけなのか、家庭の事情か。
「ああ、そういうことですか」
瑠夏は退屈そうに姿勢を変えた。耳の少し上の位置で髪を纏められる。
「もっと下です。そんなギャルみたいな位置で……舞夜さんて、夏霞さんの良さ分かってませんよね。学級委員みたいな、ああいう地味な感じがいいんです。もっと下で結んでください」
欠伸まだしていた瑠夏が突然感情的になった。舞夜は反論もせずに縛る位置を下げていく。耳の裏側でゴムが留まる。もう片方も同じように結われた。
「夏休みの雨堂だな」
ぞっとした。夏霞は真後ろにいる舞夜からまたもや逃げてしまう。夏は寝転がったり図書館の背凭れに頭を付けるためポニーテールにはしていなかったことを思い出す。それを、舞夜は覚えている。ストーカーに近似している。
「さ、果たされなかった青春、今から掴み取りましょう」
瑠夏がぱん、と掌を打ち合わせた。
「雨堂」
舞夜は典型的な女学生、それでいて典型的というには下品な着方の彼女の肩を掴み、覗き込むように顔を近付ける。まったくの部外者ならば、この場に於ける瑠夏の立場であったなら、それはラブロマン映画の最も象徴的なワンシーンだっただろう。
「い、や……!」
唇が触れる直前に、まるで夏霞の肘は膝蓋腱反射を起こしたように舞夜を突き飛ばす。
「ほら言ったじゃありませんか。舞夜さんって本当にツメが甘いです。だからいとこに好きな子持って行かれるんですよ。僕の言ったとおりでしょう?貴方は嫌われている……違いますね、憎まれて恨まれているんですよ、自覚してください」
年下の苦言は舞夜には届いていないようだった。虚ろな双眸で、それでいて夏霞を見ながら柔和な笑みを浮かべている。しかしそれがいやらしい。勝利を確信しているくせ、卑屈な感じだ。夏霞がそれを恐れている間に瑠夏が間近に忍び寄る。首にラバーが巻かれた。幅の広いベルトのような形状をしている。
「何……?」
「セーラー女学生即ハメ地獄です」
首輪だった。黒いラバーで出来ている。犬猫用のではなかった。それは叔父の本棚でうっかり見てしまったことのあるアダルトヴィーディオのジャケット写真の女が着けていた物とよく似た。人間用である。ラバーの縁は素肌に当たっても痛まない。首を締め付けるほどのきつさではなく、顎に当たる。
「ちょっと、やだ……っ、!」
「暴れないで、ほら」
白い手がラバー製の大きな首輪を固定する。夏霞はその嫋やかな腕を自分の首に巻かれかけている拘束具から外そうとした。
「舞夜さん、押さえててください」
瑠夏の手と取っ組み合う指が舞夜によって簡単に剥がされた。腕を引っ張られる。背中で両手首を纏められた。縄のように巻き付く冷淡な男の体温が熱い。
「縛るのいやッ……」
「縛らないよ、雨堂。可愛い」
両手を封じられ首輪を嵌められる夏霞を、舞夜は隙あらば髪でも肌でも服でも構わず啄んだ。
「や………っ、あ…………」
「雨堂」
鷲掴みされた両手首が熱い。ラバー製の帯が触れる首は冷たい。
「放して…………」
「放しません、夏霞さん。だって貴方、放したらすぐ逃げちゃうでしょう。今度はどちらに逃げるんです。カレシさんのもとに逃げようとするから、カレシさんのコト潰さなきゃならなくなるんです。夏霞さん。放しません」
首輪は完全に固定されてしまった。瑠夏は満足した様子で舞夜の叶わなかった口付けをする。桜色の唇が浅く形を変えた。
「いいですよ、舞夜さん。もう放して。リードどうぞ」
首輪には同じ素材で同じ色の絆が伸びていた。舞夜はそれを手に巻いて短く持つ。
「雨堂」
性欲、情欲、支配欲をすべて同時に満たすつもりらしい。舞夜の目が恐ろしかった。昏く粘こくいやらしい。卑猥な照りな夏霞は怯える。首輪を引かれ、背中から男の胸に倒れる。感嘆と恍惚の溜息を聞く。
「夏霞お姉さん」
瑠夏は甘えた調子でそこに乗ろうとする。
「夏霞お姉さんにとって僕は子供なんですもんね」
白い手がきつい服を着せられてぱんと貼る胸へ無遠慮に伸びた。自由になった両手で華奢な少年を突っ撥ねるも、接触を許してしまう。ゆるやかに揉まれる。
「Dカップですか」
顔を背けた彼女の顔を無邪気に引き戻す。
「教えてください。Cカップよりは大きいですよね。ああ、さっきのブラジャー見せて貰えば良いのか」
「………E」
蚊の鳴くような声で答えた。ブラジャーに触られたくない。祭夜にだけしか見せたくなかった、その中でも今日は地味なブラジャーだった。
「Eですか。思ってより大きいんですね。細いからDくらいかと思いました。すごいな、初めて揉みました」
瑠夏はへらへら笑ってぷつりと布を押し上げる小さな突起を人差し指で押し潰す。
「あ………っん、」
「胸は小さいほど感度がいいらしいですけど、夏霞さんはその心配なさそうですね」
シラスが多少巨大化したような指が意地悪く夏霞の胸の頂を擦る。
「ぁ、あ………っ」
彼女は舞夜に身を預けていることも忘れて後ろに退こうとする。
「舞夜さんも揉ませてもらうといいです」
「や……だ、触らな………いで、」
「俺はいい」
瑠夏は夏霞の涙ぐんだ目を見つめ、今度は両手の親指で布のほんの小さな隆起を焦らす。舞夜は彼女が全体重を預け、自分の腕の中で身悶えているだけで満足しているらしかった。慈愛に満ち満ちた柔らかな貌をして、か細く鳴く想人を眺めている。
「ぁぁっ……ぅん」
「夏霞お姉さん、腰揺れてますよ。カレシさんのが欲しいんだ。正確には、カレシさんのいとこのモノになるますけど。でもまだあげませんよ」
彼は突然子供みたいににっこりと大仰に笑った。かと思うと急に声音が切り替わる。
「かすみおねえちゃんはぼくのこと、こどもだとおもってるんだもんね。ぼくこどもだからおっぱいのまなきゃでしょ?」
高い声を出して瑠夏はきつい布の中に窮屈に納まった胸の膨らみを揉みたいだけ揉んだ。やがてあっさりと手が離れた。
「おっぱいといったらミルクでしょ?ぼくミルクかっておいたの。かすみおねえちゃんのミルク」
瑠夏が見せたのはコンデンスミルクである。よくある大手メーカーのもので、スーパーマーケットでもいちごの横に並んでいる。彼は器用にフィルムを剥き、銀紙を剥く。さらにはセーラー服の裾を捲り上げた。きつい中に納まっていたたわわな乳房がバウンドして現れる。あまり日に焼けていない白い肌に小さな色付きが実っている。舞夜の目の色が変わった。薄い唇を噛んでいる。想人の淫らな露出に、純情を拗らせた美青年の肌は一気に湿る。
「かけないで……っ」
淡く黄を帯びた乳白色がでろでろと彼女の胸を汚した。薄ピンクの舌がそれを舐め取る。
「瑠夏くん……」
手作りケーキにトッピングをするあどけなさでコンデンスミルクのチューブは膨らみの上の実を覆う。少年の舌が一舐めした。芯を持ったそれは微かな抵抗を生む。夏霞の腰にじわりと深い痺れが染み渡っていく。
「んあァっ……」
「かすみおねえちゃんのおっぱい」
広がった煉乳を子供の舌が掬っていく。その濡れたピンク色は凝った粒を必ず轢いていく。繊細な質感が伝わる、
「あっ、ぁ」
「かすみおねえちゃん」
彼はあざとく夏霞の視線を奪うと、小首を捻ってにこ、と微笑む。唾液と加糖煉乳で照りつけるそこを吸った。肉体的な感覚だけでなく、妙な感情が引き摺り出される。乳に顔を埋める瑠夏のさらさらとした髪がなめらかに落ちていく。
「るか、く………んっ、」
「かすみおねえちゃん、かわいい」
可憐に顔を綻ばせ、それでいてもう片方の胸の敏感なところを摘んだ。
「んっっぁ、!」
軽い痛みに疼き、それが治まらないうちに指の腹で捏ねられてしまう。腰が跳ねた。瑠夏から逃れたい。だが後ろには舞夜がいた。背中の蒸し暑さは一人分ではない。ふと見上げてしまった。ばちりと視線がぶつかる。真っ直ぐに見下ろしている。悟りさえ開いたような虚ろさで、しかし穏やかに濡れている。
「雨堂」
顔に張り付いた髪を長い指が整えていく。ついでとばかりに荒く息を吐く唇を触っていった。
「かすみおねえちゃん、こっちみて?」
瑠夏は膨らみを揉みしだきながら弱いところを吸う。舌先で薙ぐ。じんわりと鈍く重い快感が下腹部に響き渡る。
「あ………あっ、」
「おしおきだよ、かすみおねえちゃん。おっぱいだけできもちよくなってね。こんなにおっぱいきもちいいなら、おっぱいだけでおなかのおくきもちよくなれるよね?」
男子高校が小学生みたいな喋り方で乳飲み児同然の仕草をして、恐ろしいことを言った。その間にぶちぶちと煉乳が彼女の胸をべったりと覆った。
「ちょっ、と待っ………ぁっ、そんな、ム、リぃっ、ぁんっ!」
両胸を引っ張られた。すぐに離され大きく撓む。痛みにはなりきれない疼きをまたもや繊細な指が弄んだ。コンデンスミルクが指の摩擦を潤滑にする。横から擂り潰されるのは、弱い。
「ぁっ、んっ……っあぁ…………」
止めどなく迫り上がって溢れる甘い痺れで瑠夏の肩を押すはずの手はただ添えられるだけになっている。抵抗は不可だと本能が理解した。悴んだように戦慄く指を無意識に噛む。
「噛むな」
「や!ぁっ、ぁあ……っ、」
舞夜に口元にある手を拾われ、そのまま彼は握ってしまった。栓を無くし夏霞の甘い声が漏れる。瑠夏の指と舌、時折甘噛みする歯に淫らな刺激を与えられるたび、腰がびくんと跳ねた。覆い被さる瑠夏の身体に当たっている。
「やだ……っ、やだ、ムリだよ、………っる、か………く、ん……!」
訳の分からない波が臍の裏で轟いている。瑠夏の手指、唇、舌、歯、体温、力加減。萌動が育っている。
「や、っやっ!あっ、やだ、やだ、るかくん、るかっ、くん……っあァ……」
彼女の声は乳飲み児にしては淫靡な触り方をする子供に情報を与えてしまっていた。加速しろ、責め嬲れと。その先に瑠夏の求め、夏霞の慄(おのの)いているものがある。口腔に溜まった涎が飲み込めず垂れていく。腹の奥に火が点いてしまっている。火力は勢いを増す一方だった。己の肉体に起こっている変化に彼女は激しく狼狽えた。
「舞夜さ………ん、たす、け………っ」
そう口走り、日常的に忌避していた偏執狂へ助けを乞うたことも一瞬足らずで忘れてしまった。
「雨堂」
白い波が脳裏に見えた。翳された大きな手を両手で強く握り締め、口元に当てる。唇の内側が前歯で削れるほど強く。
「あっ、あぁっ……んん……っ!」
溺れそうだった。無我夢中で筋張った手を鷲掴み、引っ掻いた。そして逃避不可能の大きな官能に呑まれる。下腹部内側に電撃が広がり、頭まで弱ることなく突き抜ける。腰骨に溶けたような軽さを覚えた。腿が痙攣する。激しい快感が爪先から脳天までを撫でていった。祭夜との行為では得ていない悦楽の余韻に息を切らす。
「ん…………ぅ、」
両手の中に監禁した骨張った手は、夏霞が茫然としているのをいいことに彼女の口で遊び始めた。泉が溢れ、とろとろと顎から垂れていく。舌をじゃらし、歯を叩き、水分を掻き回す。全身が性感帯のようだった。たったそれだけで、小さな嬌声が鼻から抜けていく。
「雨堂……」
関節の強調された長い指を緩く噛む。それが誰の指で、その者がどういう人物なのか、ぼやけた頭では判断できなかった。
「かすみおねえちゃん、おっぱいできもちよくなっちゃったんだ」
少年は彼女の胸から顔を上げた。さっぱりとした貌をして、手の甲でぐいと唇を拭う姿はやんちゃな小学生を思わせる。
「瑠夏くん…………」
祭夜と共に過ごす温もりのような穏やかな快楽とは違った。全身が敏感になっている。胸の実も卑猥な光沢を放ちながらまだ天を衝いていた。
「筋肉痛になっちゃいましたよ、夏霞さん。これじゃご飯食べられないから、口移ししてくださいよ」
彼はきゃははと愉快そうに笑った。彼女はまだ朧げな意識の中で舞夜の指を舐めていた。
「雨堂。そんなに舐められたら……もう我慢、できない」
艶っぽい声が降り、夏霞の水膜が張られた目に理性の灯火が現れた。
「あっ、そんな、ごめんなさっ…………っ」
まるで男の指は毒物かのように吐き出された。蜜膜を纏っている。
「舞夜さん、失われた青春を取り戻すといいですよ」
舞夜は噛み締めるみたいに片手で額を覆う。そして動き出した。首輪から伸びるリードによって夏霞は彼から逃げることはできない。
「一回、出したい」
不安定に掠れた声で彼は言った。
「寝てくれ」
どうしていいか戸惑う夏霞に優しく触れ、慎重な手つきで彼女は仰向けに寝かされた。
「何……するの……………」
舞夜はまだ晒したままでいる胸をセーラー服の下にしまった。コンデンスミルクと唾液と汗でべたついているのが気持ち悪かったが、きつい布の下ではその感覚は掻き消えてしまった。
「雨堂」
いやらしいほど短いスカートを捲られる。白い紐パンツが覗く。舞夜も自らの下半身に手を掛けた。はち切れんばかりにそれは膨張していた。先端部が近付く。
「ゴム……して、ゴムして………いやっ!」
「挿れない………まだ挿れないから」
舞夜は焦る夏霞の腕を摩った。そして布地と夏霞の薄い茂みの狭間に肉楔が侵入した。
「本当、変態ですね」
瑠夏は感心している。
「雨堂、雨堂、雨堂…………っ、ゴムする、から………っ、恋人みたいに、してくれ………」
「い、や!いや!いやっ!」
素肌と小規模な下生えの上を往復する腰を彼女は嫌がって押さえ付けた。だがやはり手を添えているだけになる。
「じゃあ、中に出したい。雨堂、いいか?中に出したい。雨堂、俺と結婚しよう」
このようなプロポーズがあるだろうか。恋人の祭夜からでさえまだ明確な言葉を贈られてはいなかった。踏み躙られた気がした。後ろめたさなど無視して、自ら祭夜に求婚すべきだった。後悔が押し寄せる。感情の涙が眼球を浸す。
「雨堂……?」
「い、や……いや!いや……」
「あ、泣かせた」
一仕事終えた様子の美少年が手を打ち鳴らす。
「夏霞さんも、こんな単純な人の扱い方がまだ分かりませんか。ここで中出し求婚セックスなんてされてみてくださいよ。またセーラー服プレイすることになりますからね。恋人ごっこするまで、一生やめませんよ、きっと」
瑠夏の説教は舞夜ではなく、ぽろぽろと涙を滴らせる夏霞に向かう。
「嘘でもスキって言って恋人繋ぎでもしておけば、ゴム付けてくれるっていうんですから。目を閉じて、カレシさんのことでも考えてるといいですよ。中出しされて舞夜さんがパパの赤ちゃんなんて嫌でしょう。僕も嫌です、夏霞さんの腹に赤ちゃんデキるの。況してやそれが舞夜さんの種だなんて。僕はね、夏霞さんに弟がいることにも腹が立っているんですよ?夏霞さん。中出しされないでください。貴方と舞夜さんの赤ちゃんなんて見たら僕、殺しちゃいそうです」
夏霞とは反対に、舞夜は猛烈に興奮したらしかった。瑠夏を恐ろしげに見ていた彼女を掻き抱いて、激しい抽送を繰り返す。すでに想人の淫らな姿に燻り、炙られ、加熱されていた彼は一気に限界点まで突き抜けてしまう。目を眇め、震える女を抱き締めて吐精する。彼女の肌にまた粘度のある液体が散った。舞夜の拘束に等しい抱擁はまだ緩まない。肩に顔を寄せ、耳元で囁く。
「雨堂……っ、どうしたい?」
両方を拒否する道はない。いずれにせよ、祭夜を踏み、足蹴にして、唾を吐きかけるも同然なのだ。
「ゴム………して………」
祭夜の陽気に笑う姿が脳裏で焼け焦げる。瑠夏は冷めた表情で、高みの見物といった態度を示した。すべてから見放されたような心地になって目を閉じる。
「祭夜ちゃん……」
恋人との思い出のフィルムを選んでいく。出会いは―
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