241 / 339
241
しおりを挟む
それが果たされたらオレっちは、多分オレっちを許せると思うんす。縹サンを蔑ろにしたこと。それ以外のことなら、こんなカンタンに認められたんすけどね」
窓をじっと見つめている義弟の隣に並んだ。彼の絆創膏の上に血溜まりができているのかとびっくりしたが、それは動いていた。紅娘だ。
「こんなことフツーに言ってんの、甘えてんのかも」
四阿の軒から調節された日光を借り、にへらと微笑む彼の姿は目を逸らさなければ焼かれてしまいそうなほど洗練された感じがあった。絆創膏を這う血溜まりが彼の指を痛くしないかとそればかり考え、虫は飛び立つ。
「簡単に切り離せないのかも知れないね。一度決まった関係は。銀灰くんはお父上と。わたしは…」
極彩は腰掛けに座った。窓の外を眺める義弟を正面から捉える。
「乗り越えなくてもいい、足踏みしててもいい、ずっとそのまま流されてればいいって思ってたんすけど、実際そうなると、このままじゃダメだってなるもんすね」
「何か迷っていることがあるの」
まるで独り言のような義弟に反応すれば彼は面食らう。
「ないっすよ」
「外で何かやることがあるんだ?」
素直な彼は唇を尖らせてしまう。呻くように「ない…」と言った。
「もう二度と合わないなんて言わない。ただ少しの間、会えなくなるの。出て行ってもいいんだよ。でもこの辺りには近寄らないって約束できる?銀灰くんに後悔しそうなことがあるなら、きちんと考えてほしい」
義弟は頼りなく眉を下げる。
「胡桃ちゃんのことなんすけど」
彼は極彩の隣に腰を下ろす。今朝方柘榴から聞かされた話かも知れない。
「結婚するって。望まない相手だと思うんす」
「どうして望まない相手だと思った」
銀灰は情けなくさらに眉を下げた。
「直感なんす。相手はかなりの富豪みたいで。あの店の人が身請けの許可出すくらいだから、生活には困らないと思うんす。それなら嫌がる理由なんてないはずなんすよ。でも」
う~ん、と彼は前髪を掻き上げた。
「もしかしてお店の人が銀灰くんにお箸のこと言ったの」
義弟はこくりと頷いた。一瞬にして身の内が燃え上がった。彼を貶め、侮蔑し傷付けた人物の横面を張り倒す義務感が彼女の中に湧き起こる。
「それで、何を考えていたの」
「胡桃ちゃんを色街から解放したいと思って…でもオレっちの稼ぎじゃ足らなかったんす。一生働くこと約束したんすけど、そんなんじゃやっぱり世の中通じないっすね」
「胡桃ちゃんのこと好きなんだ」
銀灰は黙った。極彩は横目で隣を確かめる。突然寝たとは考えられない。直球な問いは照れさせるだけだったのだろう。別のことを話そうとした。
「分かんないんす…ただ少なくとも、友達だとは思うから…殴られたり怒鳴られてさ、生まれつきの身体のこと言われて嗤われてんの、見てるだけで口出すことも許されないの。やっぱ…どうにか出来ないのかなって…」
「あの簪は、胡桃ちゃんに贈るつもりの物だったんだ」
彼は小さく「ごめんっす」と謝った。極彩は首を振る。
「分かった。わたしも協力する」
「え…」
「今からお金積んでどうにもならないことなんでしょう」
頭の中に漠然と入っている遺書の終わりの内容からして、配分された遺産はおそらく娼館と話を着けるには十分な金額だったはずだ。
「買うとか、売ってもらうとかそういうのは考えてないんす。でもお金で解決するのなら、それは、本当に、どうにもならなくなった時に…」
「じゃあ、力尽くかな」
彼は首肯しかけたが不味いものを口にした時のような表情をした。はっきりさせることを躊躇っている。
「式場と日程を調べないと」
「それはもう分かってるんす」
銀灰は周囲には誰もいないというのに口元に手を添え、耳打ちした。
「分かった。その日、空けておくから」
女豹倶楽部を1日休むことなどすぐ傍の少年の用件と比べれば二の次だった。
「やるだけ、やろうか」
この少年の箸の持ち方を否定した店の者の罪は何より重く感じられた。不安な顔をしている義弟の髪に手櫛を通す。
内容こそ異様だったが報告すようなことは特にない日々が続いた。勤務の終わりに極彩は店長から呼び出された。他の女性従業員たちもまだ着替えもせず店奥の支配人の部屋の斜向かいにある大きな部屋に入っていった。店長は前に立ち、白板に数枚写真を貼った。店の個室が決まった角度から写されていた。よく知った男が紙を辿る度に動いている。最後の1枚が目に入り、何をしているのか理解してしまうと極彩は白板から顔を背けた。同時に店長から呼ばれ、知り合いか否かを訊ねられた。客ということ以外は知らないと答える。店長は満足げだった。そして彼は極彩の斜め前にいる女性従業員を呼んだ。彼女は紅玉と営業中は名乗っていた。話の内容からすると一線越えた接客があったらしかった。該当客の出入り禁止と紅玉の謹慎が告げられる。店長は不敵な笑みを浮かべて極彩を見たが、彼女は視線を外して彼の真上にある時計を確認していた。今日は弟に焼菓子を買って帰れそうになかった。不言通りの記号的に動物を模した点心を買って帰ろうかと迷っているところだった。会議はすぐに終わり、掃除と着替えを済ませたのちに帰ろうとしたが店長に絡まれた。適当にあしらいながらも彼の足によって不言通りへ運ばれる。極彩の帰り道もまた不言通りだと決めかかっているらしかった。あの客と抱き合ってんの見ちったんだけど。店長は暗い通りに差し掛かった所で突然話を変えた。美味しい飯屋の話だったはずだ。肩に回っていた腕から擦り抜ける。店長も追わない。振り返って向かい合う。あのカレシがどういうふうに女抱くのか知りたくねぇ?店長は下卑た笑みを浮かべた。極彩は店長の奥の明るい通りを眺めた。興味ありません。ぴしゃりと返してから遠回りになっている道をそのまま進んだ。連れの男の住所はほぼ毎日のこと絡まれているためすでに把握している。彼は開いた分の距離を縮めた。妬いてんのか。店長は軽率げな笑い声を上げた。人酔いした時に助けてもらっただけです。店長はにやりとした。あの客、しつこくアンタを指名するんだよ。極彩は店長のよく磨かれた革靴から接客業をするには失礼ではない程度に質の良い礼袴を辿り目を合わせた。嵌めたんですか。訊ねる。ハメたのはあの客さ。下品な表現で揶揄され、思わず睨んでしまった。紅玉さんの気持ちはどうなの。あの客のことえらく気に入ってたぜ、惚れてんなあれは。店長は意地の悪い笑みを浮かべ、極彩をじっと観察していた。生憎、妬いてもいないし興味もないです、知らない人なので。ふん、と鼻の下を掻いて店長は再び極彩へ歩み寄ると肩に腕を回した。そして紅玉の短所を執拗なほど指摘しはじめ、好みの女性像を語った。落ち着いた性格で冷たい雰囲気の素っ気ない女を手懐け、跪かせたいのだと言って交際後の妄想を延々と喋る。適当に相槌を打ちながら彼の暮らす集合住宅の前で別れ、繁華街へ戻った。送っていくと彼はいうが送られたことは一度も無く、仮に蟄居先へ送るつもりであっても断っただろう。ひとりになると先程まではまったく意に介していなかった出入り禁止の客のことが脳裏を占めた。座敷牢で弟が待っているというのに足取りは重く、息苦しいような感じがあって土産を選ぶ気力もなかったためそのまま蟄居先へ帰った。ただ報告をして飯を食わせ帰っていく天晴組の2人の来訪も厄介だった。露骨に拒絶を重ねた石黄が来ていたら卒倒してしまいそうなほどだった。
窓をじっと見つめている義弟の隣に並んだ。彼の絆創膏の上に血溜まりができているのかとびっくりしたが、それは動いていた。紅娘だ。
「こんなことフツーに言ってんの、甘えてんのかも」
四阿の軒から調節された日光を借り、にへらと微笑む彼の姿は目を逸らさなければ焼かれてしまいそうなほど洗練された感じがあった。絆創膏を這う血溜まりが彼の指を痛くしないかとそればかり考え、虫は飛び立つ。
「簡単に切り離せないのかも知れないね。一度決まった関係は。銀灰くんはお父上と。わたしは…」
極彩は腰掛けに座った。窓の外を眺める義弟を正面から捉える。
「乗り越えなくてもいい、足踏みしててもいい、ずっとそのまま流されてればいいって思ってたんすけど、実際そうなると、このままじゃダメだってなるもんすね」
「何か迷っていることがあるの」
まるで独り言のような義弟に反応すれば彼は面食らう。
「ないっすよ」
「外で何かやることがあるんだ?」
素直な彼は唇を尖らせてしまう。呻くように「ない…」と言った。
「もう二度と合わないなんて言わない。ただ少しの間、会えなくなるの。出て行ってもいいんだよ。でもこの辺りには近寄らないって約束できる?銀灰くんに後悔しそうなことがあるなら、きちんと考えてほしい」
義弟は頼りなく眉を下げる。
「胡桃ちゃんのことなんすけど」
彼は極彩の隣に腰を下ろす。今朝方柘榴から聞かされた話かも知れない。
「結婚するって。望まない相手だと思うんす」
「どうして望まない相手だと思った」
銀灰は情けなくさらに眉を下げた。
「直感なんす。相手はかなりの富豪みたいで。あの店の人が身請けの許可出すくらいだから、生活には困らないと思うんす。それなら嫌がる理由なんてないはずなんすよ。でも」
う~ん、と彼は前髪を掻き上げた。
「もしかしてお店の人が銀灰くんにお箸のこと言ったの」
義弟はこくりと頷いた。一瞬にして身の内が燃え上がった。彼を貶め、侮蔑し傷付けた人物の横面を張り倒す義務感が彼女の中に湧き起こる。
「それで、何を考えていたの」
「胡桃ちゃんを色街から解放したいと思って…でもオレっちの稼ぎじゃ足らなかったんす。一生働くこと約束したんすけど、そんなんじゃやっぱり世の中通じないっすね」
「胡桃ちゃんのこと好きなんだ」
銀灰は黙った。極彩は横目で隣を確かめる。突然寝たとは考えられない。直球な問いは照れさせるだけだったのだろう。別のことを話そうとした。
「分かんないんす…ただ少なくとも、友達だとは思うから…殴られたり怒鳴られてさ、生まれつきの身体のこと言われて嗤われてんの、見てるだけで口出すことも許されないの。やっぱ…どうにか出来ないのかなって…」
「あの簪は、胡桃ちゃんに贈るつもりの物だったんだ」
彼は小さく「ごめんっす」と謝った。極彩は首を振る。
「分かった。わたしも協力する」
「え…」
「今からお金積んでどうにもならないことなんでしょう」
頭の中に漠然と入っている遺書の終わりの内容からして、配分された遺産はおそらく娼館と話を着けるには十分な金額だったはずだ。
「買うとか、売ってもらうとかそういうのは考えてないんす。でもお金で解決するのなら、それは、本当に、どうにもならなくなった時に…」
「じゃあ、力尽くかな」
彼は首肯しかけたが不味いものを口にした時のような表情をした。はっきりさせることを躊躇っている。
「式場と日程を調べないと」
「それはもう分かってるんす」
銀灰は周囲には誰もいないというのに口元に手を添え、耳打ちした。
「分かった。その日、空けておくから」
女豹倶楽部を1日休むことなどすぐ傍の少年の用件と比べれば二の次だった。
「やるだけ、やろうか」
この少年の箸の持ち方を否定した店の者の罪は何より重く感じられた。不安な顔をしている義弟の髪に手櫛を通す。
内容こそ異様だったが報告すようなことは特にない日々が続いた。勤務の終わりに極彩は店長から呼び出された。他の女性従業員たちもまだ着替えもせず店奥の支配人の部屋の斜向かいにある大きな部屋に入っていった。店長は前に立ち、白板に数枚写真を貼った。店の個室が決まった角度から写されていた。よく知った男が紙を辿る度に動いている。最後の1枚が目に入り、何をしているのか理解してしまうと極彩は白板から顔を背けた。同時に店長から呼ばれ、知り合いか否かを訊ねられた。客ということ以外は知らないと答える。店長は満足げだった。そして彼は極彩の斜め前にいる女性従業員を呼んだ。彼女は紅玉と営業中は名乗っていた。話の内容からすると一線越えた接客があったらしかった。該当客の出入り禁止と紅玉の謹慎が告げられる。店長は不敵な笑みを浮かべて極彩を見たが、彼女は視線を外して彼の真上にある時計を確認していた。今日は弟に焼菓子を買って帰れそうになかった。不言通りの記号的に動物を模した点心を買って帰ろうかと迷っているところだった。会議はすぐに終わり、掃除と着替えを済ませたのちに帰ろうとしたが店長に絡まれた。適当にあしらいながらも彼の足によって不言通りへ運ばれる。極彩の帰り道もまた不言通りだと決めかかっているらしかった。あの客と抱き合ってんの見ちったんだけど。店長は暗い通りに差し掛かった所で突然話を変えた。美味しい飯屋の話だったはずだ。肩に回っていた腕から擦り抜ける。店長も追わない。振り返って向かい合う。あのカレシがどういうふうに女抱くのか知りたくねぇ?店長は下卑た笑みを浮かべた。極彩は店長の奥の明るい通りを眺めた。興味ありません。ぴしゃりと返してから遠回りになっている道をそのまま進んだ。連れの男の住所はほぼ毎日のこと絡まれているためすでに把握している。彼は開いた分の距離を縮めた。妬いてんのか。店長は軽率げな笑い声を上げた。人酔いした時に助けてもらっただけです。店長はにやりとした。あの客、しつこくアンタを指名するんだよ。極彩は店長のよく磨かれた革靴から接客業をするには失礼ではない程度に質の良い礼袴を辿り目を合わせた。嵌めたんですか。訊ねる。ハメたのはあの客さ。下品な表現で揶揄され、思わず睨んでしまった。紅玉さんの気持ちはどうなの。あの客のことえらく気に入ってたぜ、惚れてんなあれは。店長は意地の悪い笑みを浮かべ、極彩をじっと観察していた。生憎、妬いてもいないし興味もないです、知らない人なので。ふん、と鼻の下を掻いて店長は再び極彩へ歩み寄ると肩に腕を回した。そして紅玉の短所を執拗なほど指摘しはじめ、好みの女性像を語った。落ち着いた性格で冷たい雰囲気の素っ気ない女を手懐け、跪かせたいのだと言って交際後の妄想を延々と喋る。適当に相槌を打ちながら彼の暮らす集合住宅の前で別れ、繁華街へ戻った。送っていくと彼はいうが送られたことは一度も無く、仮に蟄居先へ送るつもりであっても断っただろう。ひとりになると先程まではまったく意に介していなかった出入り禁止の客のことが脳裏を占めた。座敷牢で弟が待っているというのに足取りは重く、息苦しいような感じがあって土産を選ぶ気力もなかったためそのまま蟄居先へ帰った。ただ報告をして飯を食わせ帰っていく天晴組の2人の来訪も厄介だった。露骨に拒絶を重ねた石黄が来ていたら卒倒してしまいそうなほどだった。
0
あなたにおすすめの小説
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
ローザとフラン ~奪われた側と奪った側~
水無月あん
恋愛
私は伯爵家の娘ローザ。同じ年の侯爵家のダリル様と婚約している。が、ある日、私とはまるで性格が違う従姉妹のフランを預かることになった。距離が近づく二人に心が痛む……。
婚約者を奪われた側と奪った側の二人の少女のお話です。
5話で完結の短いお話です。
いつもながら、ゆるい設定のご都合主義です。
お暇な時にでも、お気軽に読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。
地獄の業火に焚べるのは……
緑谷めい
恋愛
伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。
やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。
※ 全5話完結予定
私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません
藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は
愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。
夫が愛人を持つことも、
その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。
けれど――
跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。
その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。
私は悟ったのだ。
この家では、息子を守れないと。
元々、実家との間には
「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。
ならば話は簡単だ。
役目を終えた私は、離縁を選ぶ。
息子と共に、この家を去るだけ。
後悔しているようですが――
もう、私の知るところではありません。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる