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否定も弁解もなさらないだなんて!それともすべて許してもらえるとでも自信に満ち溢れていらっしゃるのかしら?人妻でありながら、青紫の君とも密通していることも、やはり真かも知れませんわねぇ…?
極彩は思わず反応してしまった。足を止めていた。「青紫の君」とは群青のことだった。城の娘たちにそう呼ばれていると聞いたことがあった。娘は目の前に寄ってきて、極彩の足を厚みのある内履きの草履で踏んだ。
二公子に愛でられる身でありながら、縹様と畜生のご関係でいるだなんて、背徳の味がしましたでしょう?それだけでは飽き足らず、あのお堅い青紫の君まで誑かして。どうお誘いしましたの?いくつの嬰児を絶やしましたの?
「う~ん、オレの知る限りだと彩の腹に子を宿したことはないみたいだし、これからその予定もないし作らせないよ。でもオレも気になるな。今のところ彩の肌を知ってるのはオレだけだと思ったけど」
話に出てきた人物の声が朗らかな廊下に響いた。その直前に極彩は髪を引っ張られ、まず何から意識に入れていいのか分からず、唖然とした。錯覚といわれても信じてしまうほどに一瞬の出来事で、彼女が気付く頃には、娘の手はすでにその華奢な身体に戻り、揖礼していた。踏み付けていた足もない。遅れながら揖礼する。
「いつの間に仲良くなったんだ。いいね、友人がたくさんいて。羨ましいよ。オレには同年代といえば群青と縹しかいなかったし」
麗らかな双眸は弧の中に埋もれていた。穏やかに円みを持った口元には健康的な白い歯が覗く。
「根暗な彩と仲良くしてくれてありがとう。オレからも礼を言うよ。だって大事な人だからさ。ところで彩、もうお衣裳は選んだの?オレが選んであげよっか」
清爽な眼差しは極彩ではなく、その傍らに立つ娘だけを捕らえていた。表情だけみればそれは微笑みかけているといえた。極彩は娘の細い足首を蹴り払った。彼女は小さな悲鳴を上げて尻餅をつく。ただでさえ二公子の登場に畏まっていた侍従たちは慄然とする。
「何なに、どうしたの彩。機嫌が悪いのかな」
二公子は両腕を広げ極彩へ近寄っていった。
「あまりにも可愛らしいものですから、小憎らしくて嫉妬してしまったのです。あまりにも純粋無垢で清らかなものでしたから…」
きつく睨み上げる娘の潤んだ目を一瞥し、天藍はふふふと妖しく笑う。
「こらこら、オレの前でこんなコトしちゃダメだろ?懲罰房行きだね。面白そうな話してるからオレも混ぜてもらおうと思ったのに残念だよ、彩。」
天藍は後方に控えた天晴組に懲罰房へ連れて行くよう命じた。
「顔はダメだよ。明日ぼこぼこの痣だらけで隣に居るのは可哀想だから」
彼は尻餅をついたままの娘を見つめた。極彩は自身の腕が縛られている間、その様子から目を離せなかった。
「ねぇ、彩。実際のところどうなの。縹と、そんな関係じゃなかったよね?」
穏やかな目が鋭く光っている。白い布に覆われた手が今にも侍らせた護衛に剣を求めそうで、極彩は返答に窮した。
「わたくしが一方的に…言い寄っただけでございます。叔父は真っ当な方でございました」
震える声で折衷案に甘んじる。天藍はふふ、と笑う。
「じゃあ、半分は事実なんだね?君は別に、オレの彩を侮辱したわけじゃないんだね?」
二公子は柔和な態度で娘に確かめた。しかし極彩にとっては嵐の前の静けさに等しい。
「ねぇ、彩。これも一応確認しておくけど、群青ともそんなおアツい関係だったの?」
「……ご結婚なさる前までは…多少なりとも、相対的には…そういうことになります」
常時微笑を絶やさない口元がさらに吊り上げる。
「燃えるね。へぇ…そういうの大好きだよ。でもねぇ…それはオレだけが知っていればいいコトなんだよなぁ。こんな場所で、破廉恥だよ。風紀が乱れる。これじゃあオレが辱められてるも同然だと思わない?むしろ、彩の奔放さを受け入れられる大らかな男だって評価してくれる?婦人問題に理解のある聡明でご立派な公子だってさ?」
娘は大きく様子を変え、小さな口を開き、言葉にならない声を漏らしていた。
「この方は二公子のご尊顔に泥を塗らぬようにと注意してくださっただけでございます。わたくしはそのことに腹を立て、逆恨みしたのです」
「ふぅん。分かった。そういうことにしておいてあげる。オレも彩と2人だけの懲罰房シたいし。君のご父君は優秀だけど、もう少し考えて発言してよね。縹はオレの兄上同然なんだしさ。群青だって伴侶みたいなものなんだから。どういうつもりなのかまったく意図も分からないケド、オレのこと遠回しに侮辱してるってコト?要するに?いや、いいけど」
天藍は軽快に笑い懲罰房へ促された極彩の横につく。彼女は二公子の反対側へ顔を背けた。
「花の散らし合いってやつ?いいじゃん、昂ぶる。でも男の話されたら黙ってられないな」
「申し訳ございません」
「謝れば済むと思って、青紫の君に似てきたね。オレみたいに笑ってやり過ごせないと…」
天藍は軟派なくらいに笑い、声を弾ませていたが突然呟くようにその調子は沈んだ。しかし直後に、それが嘘だったかのように満面の笑みを浮かべた。
「なんてね。懲罰房に行く前に見せたいものがあってさ。打ち打擲の後じゃ、ぐったりでしょ。明日は座ってるだけで良いんだし」
纏められた手を体温のある白手袋が掴んだ。
「彩は動物、好き?」
「愛でるのも食らうのも嫌いではありません」
「そう。そうだよね。あのネズミのこと守るのに必死だったもんね」
外に出ると二公子は彼等に留まるよう命じた。少し悶着あったらしく、数分待つことになったが、彼は剣を借りたらしく、冗談めかした調子で「刺客がきたら盾になってね」と言った。城の裏側へ案内される。そこは極彩も行ったことのない場所だった。
「もう少し北に行くと馬を競わせる賭博があってさ。まぁ、とりあえずのところは違法じゃないってことになってるけど…」
着いたのは厩だった。馬の鼻の反響が聞こえる。美しい毛並みと肉付きの馬が鼻先を揃えて並んでいる。
「その引退馬なんだ。可愛いでしょ」
天藍は他の馬とは離された個体の前に立つ。質のいい鹿毛の馬を白い手袋を外した手が撫でた。
「もうおばあちゃんなんだよね。触ってみなよ、いい子だよ」
彼は極彩の拘束を解いてしまった。促されるまま馬の鼻先を撫でる。ぶるる…と馬は鼻を鳴らす。
「オレの馬じゃないんだけどね。知り合いが馬主だったからさ。それで引き取ったの。紅掛空っていうの。呼んであげてよ」
「べ、紅掛空…」
手触りは非常に良かった。それが馬にとっていいものなのかは極彩には分からなかった。そしてさらに大きな馬屋にも案内される。
「オレの馬も見ていってよ。オレはあの子、愛せなくてさ。彩は愛してあげてよ」
軍馬を飼育している場所らしく、天藍がみせたのは見事なほど白い毛を持った馬だった。
「綺麗でしょ。大兄上から賜ったんだ。走る生米って昔は言われてたらしいよ、飢饉の時代ね。血統も良いんだってさ。でもオレには何の思い入れもない。ただ綺麗で目立って珍しいからオレの馬なんだってさ~」
言葉に反して牛の乳のように白い毛を撫でる摩る手付きは優しかった。
「馬は人の心が分かるんだって。すごいよね」
極彩は思わず反応してしまった。足を止めていた。「青紫の君」とは群青のことだった。城の娘たちにそう呼ばれていると聞いたことがあった。娘は目の前に寄ってきて、極彩の足を厚みのある内履きの草履で踏んだ。
二公子に愛でられる身でありながら、縹様と畜生のご関係でいるだなんて、背徳の味がしましたでしょう?それだけでは飽き足らず、あのお堅い青紫の君まで誑かして。どうお誘いしましたの?いくつの嬰児を絶やしましたの?
「う~ん、オレの知る限りだと彩の腹に子を宿したことはないみたいだし、これからその予定もないし作らせないよ。でもオレも気になるな。今のところ彩の肌を知ってるのはオレだけだと思ったけど」
話に出てきた人物の声が朗らかな廊下に響いた。その直前に極彩は髪を引っ張られ、まず何から意識に入れていいのか分からず、唖然とした。錯覚といわれても信じてしまうほどに一瞬の出来事で、彼女が気付く頃には、娘の手はすでにその華奢な身体に戻り、揖礼していた。踏み付けていた足もない。遅れながら揖礼する。
「いつの間に仲良くなったんだ。いいね、友人がたくさんいて。羨ましいよ。オレには同年代といえば群青と縹しかいなかったし」
麗らかな双眸は弧の中に埋もれていた。穏やかに円みを持った口元には健康的な白い歯が覗く。
「根暗な彩と仲良くしてくれてありがとう。オレからも礼を言うよ。だって大事な人だからさ。ところで彩、もうお衣裳は選んだの?オレが選んであげよっか」
清爽な眼差しは極彩ではなく、その傍らに立つ娘だけを捕らえていた。表情だけみればそれは微笑みかけているといえた。極彩は娘の細い足首を蹴り払った。彼女は小さな悲鳴を上げて尻餅をつく。ただでさえ二公子の登場に畏まっていた侍従たちは慄然とする。
「何なに、どうしたの彩。機嫌が悪いのかな」
二公子は両腕を広げ極彩へ近寄っていった。
「あまりにも可愛らしいものですから、小憎らしくて嫉妬してしまったのです。あまりにも純粋無垢で清らかなものでしたから…」
きつく睨み上げる娘の潤んだ目を一瞥し、天藍はふふふと妖しく笑う。
「こらこら、オレの前でこんなコトしちゃダメだろ?懲罰房行きだね。面白そうな話してるからオレも混ぜてもらおうと思ったのに残念だよ、彩。」
天藍は後方に控えた天晴組に懲罰房へ連れて行くよう命じた。
「顔はダメだよ。明日ぼこぼこの痣だらけで隣に居るのは可哀想だから」
彼は尻餅をついたままの娘を見つめた。極彩は自身の腕が縛られている間、その様子から目を離せなかった。
「ねぇ、彩。実際のところどうなの。縹と、そんな関係じゃなかったよね?」
穏やかな目が鋭く光っている。白い布に覆われた手が今にも侍らせた護衛に剣を求めそうで、極彩は返答に窮した。
「わたくしが一方的に…言い寄っただけでございます。叔父は真っ当な方でございました」
震える声で折衷案に甘んじる。天藍はふふ、と笑う。
「じゃあ、半分は事実なんだね?君は別に、オレの彩を侮辱したわけじゃないんだね?」
二公子は柔和な態度で娘に確かめた。しかし極彩にとっては嵐の前の静けさに等しい。
「ねぇ、彩。これも一応確認しておくけど、群青ともそんなおアツい関係だったの?」
「……ご結婚なさる前までは…多少なりとも、相対的には…そういうことになります」
常時微笑を絶やさない口元がさらに吊り上げる。
「燃えるね。へぇ…そういうの大好きだよ。でもねぇ…それはオレだけが知っていればいいコトなんだよなぁ。こんな場所で、破廉恥だよ。風紀が乱れる。これじゃあオレが辱められてるも同然だと思わない?むしろ、彩の奔放さを受け入れられる大らかな男だって評価してくれる?婦人問題に理解のある聡明でご立派な公子だってさ?」
娘は大きく様子を変え、小さな口を開き、言葉にならない声を漏らしていた。
「この方は二公子のご尊顔に泥を塗らぬようにと注意してくださっただけでございます。わたくしはそのことに腹を立て、逆恨みしたのです」
「ふぅん。分かった。そういうことにしておいてあげる。オレも彩と2人だけの懲罰房シたいし。君のご父君は優秀だけど、もう少し考えて発言してよね。縹はオレの兄上同然なんだしさ。群青だって伴侶みたいなものなんだから。どういうつもりなのかまったく意図も分からないケド、オレのこと遠回しに侮辱してるってコト?要するに?いや、いいけど」
天藍は軽快に笑い懲罰房へ促された極彩の横につく。彼女は二公子の反対側へ顔を背けた。
「花の散らし合いってやつ?いいじゃん、昂ぶる。でも男の話されたら黙ってられないな」
「申し訳ございません」
「謝れば済むと思って、青紫の君に似てきたね。オレみたいに笑ってやり過ごせないと…」
天藍は軟派なくらいに笑い、声を弾ませていたが突然呟くようにその調子は沈んだ。しかし直後に、それが嘘だったかのように満面の笑みを浮かべた。
「なんてね。懲罰房に行く前に見せたいものがあってさ。打ち打擲の後じゃ、ぐったりでしょ。明日は座ってるだけで良いんだし」
纏められた手を体温のある白手袋が掴んだ。
「彩は動物、好き?」
「愛でるのも食らうのも嫌いではありません」
「そう。そうだよね。あのネズミのこと守るのに必死だったもんね」
外に出ると二公子は彼等に留まるよう命じた。少し悶着あったらしく、数分待つことになったが、彼は剣を借りたらしく、冗談めかした調子で「刺客がきたら盾になってね」と言った。城の裏側へ案内される。そこは極彩も行ったことのない場所だった。
「もう少し北に行くと馬を競わせる賭博があってさ。まぁ、とりあえずのところは違法じゃないってことになってるけど…」
着いたのは厩だった。馬の鼻の反響が聞こえる。美しい毛並みと肉付きの馬が鼻先を揃えて並んでいる。
「その引退馬なんだ。可愛いでしょ」
天藍は他の馬とは離された個体の前に立つ。質のいい鹿毛の馬を白い手袋を外した手が撫でた。
「もうおばあちゃんなんだよね。触ってみなよ、いい子だよ」
彼は極彩の拘束を解いてしまった。促されるまま馬の鼻先を撫でる。ぶるる…と馬は鼻を鳴らす。
「オレの馬じゃないんだけどね。知り合いが馬主だったからさ。それで引き取ったの。紅掛空っていうの。呼んであげてよ」
「べ、紅掛空…」
手触りは非常に良かった。それが馬にとっていいものなのかは極彩には分からなかった。そしてさらに大きな馬屋にも案内される。
「オレの馬も見ていってよ。オレはあの子、愛せなくてさ。彩は愛してあげてよ」
軍馬を飼育している場所らしく、天藍がみせたのは見事なほど白い毛を持った馬だった。
「綺麗でしょ。大兄上から賜ったんだ。走る生米って昔は言われてたらしいよ、飢饉の時代ね。血統も良いんだってさ。でもオレには何の思い入れもない。ただ綺麗で目立って珍しいからオレの馬なんだってさ~」
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