334 / 339
334
しおりを挟む
「どうかなさったのですか。お怪我を?」
己を拒んだ人間にも桜は寛容な態度を向ける。慌てた様子で駆け寄ってくるのであった。あまりにも無邪気であった。極彩は彼に危害が及ぶのを恐れた。
「来てはだめ」
肌荒れのわずかに治まった若い面構えには不安を帯びているくせ迷いはなかった。
「御主人」
「ここで会ったことは忘れて、お行きなさい。わたしは大丈夫だから……」
「お怪我ですか、ご病気ですか」
桜は半歩、後退りかけていた。仕えていた女の後ろにいる男に威圧されたのだろう。
「桜……」
「御主人を返してください」
繊細なところのある、感受性の強い少年だ。彼は理解してしまったのだろう。この有様が合意ではないと、分かってしまったのだろう。
懇願に返答はなかった。
「か、か、返してください……その御人を、返してください……」
桜は背丈こそ、特別小柄というわけではなかったが、腕っ節に自信があるような性分でも、喧嘩上等という主義でも、体格からして膂力があるわけでもなかった。そして気が強いわけでもないのだった。
「返してください、お願いします……!」
桜は膝から崩れ落ち、両手をつくと頭を伏せた。
「お願いします!返してください!御主人を返して」
徐々に姿勢が低くなっていく。
「姉さん」
翡翠はあたかも彼女に選択権があるかのように呼ぶ。まるで彼女の返答次第では手放してやるぞとばかりである。
「降ろしてください」
「いいよ、姉さん。放してあげる」
何が彼の気を変えたのだろう。純朴な少年の嘆願が胸に響いたとでもいうのか。
翡翠は極彩をその場に降ろしたのではなかった。桜の元へ歩み寄り、大きな荷物を渡すかのようだった。しかしその嫋やかな腕で、人をひとり抱えることができただろうか。やはり彼には膂力が足らなかった。彼は自らを下敷きにすることで、面目を保った。
大荷物を失った翡翠はただ桜の前で豎立していた。
「姉さんに邪な思慕を抱いたら、そのときは、殺す。必ず」
極彩は咄嗟に両者の間に割り入った。両腕を広げ、桜を庇う。
「俺はいい子なんだよ、姉さん。姉さんの大切なものを壊したりなんてしない。俺はいい子なんだよ、姉さん」
翡翠は屈んだ。そして桜を守ろうとする姉の唇を吸った。逆らえば勝てない。彼女は拒絶を諦めた。ここには桜がいる。
「じゃあ、行くね、姉さん。また会いにいきます」
年下のあかの他人の女をまだ姉だと錯誤している男は去っていった。そのまま消えるのかと思えば。突如として振り返り、姉がまだそこにいるのか確かめるのであった。狂人の機嫌を損ねるのは賢明ではない。特に今は、巻き込みたくない者が傍にいる。
漸く、翡翠の姿が見えなくなる。
「御主人……あの……」
「ありがとう、助けてくれて」
「ご、ご無事ですか?どこか、お怪我を……?」
彼女は首を振った。一刻も早くこの純粋無垢な元召使いと別れたかった。
「児童虐待」
「え?」
「子供に乱暴したの」
罪状はそうであった。桜は目を剥いた。そして唇を戦慄かせた。以前とはいえ仕えていた相手が極悪な外道と知れて、嚇怒しているのかもしれない。
「嘘……ですよね?」
極彩は裸足のままそこへ立った。
「いいえ。本当のこと。ありがとう桜。元気でね。ここで出会したことは忘れてちょうだい」
立ち去ろうとしたとき、袖を引っ張られる。それが桜らしくなかった。言葉がすぐに出ないらしかった。目を白黒させている。
「怪我をします!宿へ立ち寄ってください」
彼は力強く彼女の腕を掴んでいた。
「桜……」
純真な眼差しに彼女は弱かった。
「足を切ったら大変ですから。お店が開くまで待っていてください」
「大丈夫よ、わたしは」
「いけません。お急ぎだというのなら、固布を巻かせてください。ないよりは。足の保護になります」
結局、彼女は桜の背に乗って、彼の泊まる宿へ向かっていった。柘榴の営む宿だった。けれど店主は帳場にはいなかった。時間は早朝である。
一度訪れたことのある部屋で、彼女は足を清められた。桜は彼女について何も訊きはせず、最近の当たり障りのないことを語って聞かせる。
「このあと、手術があるんです」
静寂が訪れかけたとき、桜はそれを恐れているかのように口にした。
「まだ駆け出しなんですけど、僕を助手として引き受けてくれるところがあって。今度、切ってみないかって。数こなすしかないから。久々なんですけど。僕が主導は初めてで……」
極彩は縮こまっている桜を横目で見遣った。
「だからちょうどいいのかもって思ったんです。弱気になっていたので。御主人に会えて、気が引き締まりました」
彼は俯いていたが、やがて顔を上げた。そして見慣れた情けない微笑を浮かべるのだった。彼は、彼が憧れだといつか口にしていた群青にはなれない。この少年は真っ直ぐだ。垢も生臭さもない。
「ちゃんと食べてるの」
「はい、もちろん。柘榴さんがお心遣いくださいますし、僕も働いていますから」
「そう。それならいいけれど。医者の不養生では大変だから。しっかり食べて、よく休んで」
「それは御主人もです……」
彼女はふと、意地の悪そうに笑った。
「なんて、まだあなたの御主人様気取りね。桜、もういいの。よく尽くしてくれたけれど、わたしはあなたが思うような人ではないし、縹さんが亡くなった時点で主従関係はもう終わり。それでもよく働いてくれて、わたしを慮ってくれてありがとう。でももう大丈夫。あなたは強いから。手術、あなたが望むとおりになることをわたしも望む」
結局、宿の履物を借りて彼女は帰った。しかし桜の巻いた布は解かず、牢屋へ戻る。
ほんの数時間の出来事が実際よりも長く感じられた。壁から吊るされた板の寝台に丸まって眠る。肌寒い。そして寝たいだけ寝て、昼頃に目が覚めた。すでに飯が届けられている。肉料理でった。彼女はそれが何の肉なのか外見だけで判じることはできなかったけれども、早朝のことが甦った。この肉はおそらくウサギなのであろう。白い毛並みの可愛らしい小型の獣に違いなかった。二公子ならばやりかねない。
食欲はなかった。あったかもしれないが、失せてしまった。
「彩、帰ってきた?」
脚のない膳を突き返すと、この囹圄に朗らかな声が谺する。格子の奥に近侍もつけず、単身で天藍が現れる。否、ある意味で単身ではなかった。白い布に覆われた手は絆綱を握っていた。繋がれているのは白い毛尨。無邪気に跳ねている。進行方向を理解せず、気紛れな方向に移動するため、天藍はその都度、歩を進め、立ち止まり、白い毛玉を見下ろしている。
「さすがと言うべきか、彩と群青の子はかわいいなぁ」
丸みを帯びた身体についたさらに小さな丸いものがぴこりぴこり、上下する。
「ほら、お前のお母さんだよ。名前は……どうする?白藍じゃ、オレとの子だものね」
黙っていても、二公子が勝手に決めるのだろう。
「海棠だ。お前は今日から海棠だよ。かわいいなぁ」
二公子はウサギを抱き上げ、頬擦りする。
己を拒んだ人間にも桜は寛容な態度を向ける。慌てた様子で駆け寄ってくるのであった。あまりにも無邪気であった。極彩は彼に危害が及ぶのを恐れた。
「来てはだめ」
肌荒れのわずかに治まった若い面構えには不安を帯びているくせ迷いはなかった。
「御主人」
「ここで会ったことは忘れて、お行きなさい。わたしは大丈夫だから……」
「お怪我ですか、ご病気ですか」
桜は半歩、後退りかけていた。仕えていた女の後ろにいる男に威圧されたのだろう。
「桜……」
「御主人を返してください」
繊細なところのある、感受性の強い少年だ。彼は理解してしまったのだろう。この有様が合意ではないと、分かってしまったのだろう。
懇願に返答はなかった。
「か、か、返してください……その御人を、返してください……」
桜は背丈こそ、特別小柄というわけではなかったが、腕っ節に自信があるような性分でも、喧嘩上等という主義でも、体格からして膂力があるわけでもなかった。そして気が強いわけでもないのだった。
「返してください、お願いします……!」
桜は膝から崩れ落ち、両手をつくと頭を伏せた。
「お願いします!返してください!御主人を返して」
徐々に姿勢が低くなっていく。
「姉さん」
翡翠はあたかも彼女に選択権があるかのように呼ぶ。まるで彼女の返答次第では手放してやるぞとばかりである。
「降ろしてください」
「いいよ、姉さん。放してあげる」
何が彼の気を変えたのだろう。純朴な少年の嘆願が胸に響いたとでもいうのか。
翡翠は極彩をその場に降ろしたのではなかった。桜の元へ歩み寄り、大きな荷物を渡すかのようだった。しかしその嫋やかな腕で、人をひとり抱えることができただろうか。やはり彼には膂力が足らなかった。彼は自らを下敷きにすることで、面目を保った。
大荷物を失った翡翠はただ桜の前で豎立していた。
「姉さんに邪な思慕を抱いたら、そのときは、殺す。必ず」
極彩は咄嗟に両者の間に割り入った。両腕を広げ、桜を庇う。
「俺はいい子なんだよ、姉さん。姉さんの大切なものを壊したりなんてしない。俺はいい子なんだよ、姉さん」
翡翠は屈んだ。そして桜を守ろうとする姉の唇を吸った。逆らえば勝てない。彼女は拒絶を諦めた。ここには桜がいる。
「じゃあ、行くね、姉さん。また会いにいきます」
年下のあかの他人の女をまだ姉だと錯誤している男は去っていった。そのまま消えるのかと思えば。突如として振り返り、姉がまだそこにいるのか確かめるのであった。狂人の機嫌を損ねるのは賢明ではない。特に今は、巻き込みたくない者が傍にいる。
漸く、翡翠の姿が見えなくなる。
「御主人……あの……」
「ありがとう、助けてくれて」
「ご、ご無事ですか?どこか、お怪我を……?」
彼女は首を振った。一刻も早くこの純粋無垢な元召使いと別れたかった。
「児童虐待」
「え?」
「子供に乱暴したの」
罪状はそうであった。桜は目を剥いた。そして唇を戦慄かせた。以前とはいえ仕えていた相手が極悪な外道と知れて、嚇怒しているのかもしれない。
「嘘……ですよね?」
極彩は裸足のままそこへ立った。
「いいえ。本当のこと。ありがとう桜。元気でね。ここで出会したことは忘れてちょうだい」
立ち去ろうとしたとき、袖を引っ張られる。それが桜らしくなかった。言葉がすぐに出ないらしかった。目を白黒させている。
「怪我をします!宿へ立ち寄ってください」
彼は力強く彼女の腕を掴んでいた。
「桜……」
純真な眼差しに彼女は弱かった。
「足を切ったら大変ですから。お店が開くまで待っていてください」
「大丈夫よ、わたしは」
「いけません。お急ぎだというのなら、固布を巻かせてください。ないよりは。足の保護になります」
結局、彼女は桜の背に乗って、彼の泊まる宿へ向かっていった。柘榴の営む宿だった。けれど店主は帳場にはいなかった。時間は早朝である。
一度訪れたことのある部屋で、彼女は足を清められた。桜は彼女について何も訊きはせず、最近の当たり障りのないことを語って聞かせる。
「このあと、手術があるんです」
静寂が訪れかけたとき、桜はそれを恐れているかのように口にした。
「まだ駆け出しなんですけど、僕を助手として引き受けてくれるところがあって。今度、切ってみないかって。数こなすしかないから。久々なんですけど。僕が主導は初めてで……」
極彩は縮こまっている桜を横目で見遣った。
「だからちょうどいいのかもって思ったんです。弱気になっていたので。御主人に会えて、気が引き締まりました」
彼は俯いていたが、やがて顔を上げた。そして見慣れた情けない微笑を浮かべるのだった。彼は、彼が憧れだといつか口にしていた群青にはなれない。この少年は真っ直ぐだ。垢も生臭さもない。
「ちゃんと食べてるの」
「はい、もちろん。柘榴さんがお心遣いくださいますし、僕も働いていますから」
「そう。それならいいけれど。医者の不養生では大変だから。しっかり食べて、よく休んで」
「それは御主人もです……」
彼女はふと、意地の悪そうに笑った。
「なんて、まだあなたの御主人様気取りね。桜、もういいの。よく尽くしてくれたけれど、わたしはあなたが思うような人ではないし、縹さんが亡くなった時点で主従関係はもう終わり。それでもよく働いてくれて、わたしを慮ってくれてありがとう。でももう大丈夫。あなたは強いから。手術、あなたが望むとおりになることをわたしも望む」
結局、宿の履物を借りて彼女は帰った。しかし桜の巻いた布は解かず、牢屋へ戻る。
ほんの数時間の出来事が実際よりも長く感じられた。壁から吊るされた板の寝台に丸まって眠る。肌寒い。そして寝たいだけ寝て、昼頃に目が覚めた。すでに飯が届けられている。肉料理でった。彼女はそれが何の肉なのか外見だけで判じることはできなかったけれども、早朝のことが甦った。この肉はおそらくウサギなのであろう。白い毛並みの可愛らしい小型の獣に違いなかった。二公子ならばやりかねない。
食欲はなかった。あったかもしれないが、失せてしまった。
「彩、帰ってきた?」
脚のない膳を突き返すと、この囹圄に朗らかな声が谺する。格子の奥に近侍もつけず、単身で天藍が現れる。否、ある意味で単身ではなかった。白い布に覆われた手は絆綱を握っていた。繋がれているのは白い毛尨。無邪気に跳ねている。進行方向を理解せず、気紛れな方向に移動するため、天藍はその都度、歩を進め、立ち止まり、白い毛玉を見下ろしている。
「さすがと言うべきか、彩と群青の子はかわいいなぁ」
丸みを帯びた身体についたさらに小さな丸いものがぴこりぴこり、上下する。
「ほら、お前のお母さんだよ。名前は……どうする?白藍じゃ、オレとの子だものね」
黙っていても、二公子が勝手に決めるのだろう。
「海棠だ。お前は今日から海棠だよ。かわいいなぁ」
二公子はウサギを抱き上げ、頬擦りする。
0
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
ローザとフラン ~奪われた側と奪った側~
水無月あん
恋愛
私は伯爵家の娘ローザ。同じ年の侯爵家のダリル様と婚約している。が、ある日、私とはまるで性格が違う従姉妹のフランを預かることになった。距離が近づく二人に心が痛む……。
婚約者を奪われた側と奪った側の二人の少女のお話です。
5話で完結の短いお話です。
いつもながら、ゆるい設定のご都合主義です。
お暇な時にでも、お気軽に読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる