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<生誕と弱肉強食の森>
熊狩り 【決着】
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ヤツは間合いに入ったワシをその目に捕らえようと、眼球を動かすが、ワシの動きに付いて来れん様だ。
更に踏み込み、山刀で切りつける。
ヤツは咄嗟に左腕で、ワシの斬撃を受ける。
「むっ!固い」
皮膚を切り裂いた感覚が無い。
巻藁を木刀で叩いている感じだ。
ヤツは残った三本の腕を振り回し攻撃してくる。
それを躱しつつ何度も切りつける、が……無駄だな。
このまま攻撃を続けても、ワシの疲労が溜まるばかり。
このままではその内、集中が途切れてしまう。
一旦距離を取ろうとバックステップで下がる。
刹那、ヤツの眼前に無数の石礫が召喚される。
不味い!
すぐさま右に転がり込む様に回避。
ズババババ!
ワシが居た空間目掛けて無数の石礫が突き刺さる。
「まるで散弾だな」
更に、石礫が召喚される。
呆けている暇は無い。
立ち並ぶ木々を縫う様に走りながら、無数に連射される石礫の散弾を回避し続ける。
まさか、熊がこの様な魔法を放つとは……油断した。
ヤツを倒すこと自体は難しくは無い。
バアルの槍を放てば良いだけのことだ。
だがそれでは、訓練に成らん。
そうだな、ヤツを倒す為の課題は二つ。
一つは、ヤツを倒すのに丁度良い攻撃力だ。
先ほど切りつけた程度では話に成らんが、バアルの槍の様に過剰に被害を及ぼす物でもいかん。
と成ると、接近戦で利用できる物が良かろう。
孫娘の電撃の魔法陣を使うか。
左手に結んだ刀印で素早く電撃の魔法陣を描き、山刀の刀身に付与する。
これで、ヤツの分厚い皮膚を焼き切れるやもしれん。
さて、もう一つは、あの石礫、どうにかせんとな。
なんぞ、防御の魔法で防ぐか、それとも遠距離攻撃の魔法で隙を作るかだが……。
「ふふ、防御は性に合わんな」
かといって、先ほど同様に孫娘の魔法で氷柱を飛ばす余裕は無い。
あの術は威力は申し分ないが、手間がかかるからな。
成らば……。
再度、左手の刀印で悪魔レラジェの魔法陣を描く。
レラジェは狩人の姿を持つ悪魔。
かの悪魔が持つ権能は……。
「射貫け、レラジェの矢!」
指先に浮かんだ魔法陣から光の矢が飛び出し、ヤツの分厚い胸板に突き刺さる。
「殺ったか!」
いや、浅い。
突き刺さった光の矢は、どうやら心臓までは届いていないらしい。
まあ、仕方あるまい、レラジェの矢は威力自体はさほど無いからな、例えケットシーの魔力と言えども、あの程度なのだろう。
しかし十分だ。
グォォォーーー!
ヤツが再び怒り狂い雄たけびを上げ、そのせいで、石礫の弾幕が一瞬途切れる。
「今だ!」
意識を集中して、アモンの魔法陣で強化された肉体の能力を最大限に生かし、瞬時に間合いを詰める。
一瞬ヤツと目が合う。
だが、勝負は有った。
踏み込んだ左足に力をこめ、ヤツの首元をすり抜ける様に飛ぶ。
刹那、電撃を付与した山刀を一閃。
ドサッ、と音を立て跳ね飛ばしたヤツの頭が地に落ちる。
その暫く後に、さらに重い音を立てて、巨大な熊の体が崩れる様に地に倒れる。
「うむ、合格だな。極力周囲を破壊せずに斃せた……ん?匂う。この腐敗臭は……マズイ!」
すかさず電撃の付与の残っている山刀で、熊の手足を切断する。
「どうやら手足は間に合ったが、胴体はもう食えんな……」
熊の胴体は異臭を放ち、既にかなり腐敗が進んでいる。
原因は、レラジェの矢だ。
この権能は一撃の威力は低いが、負わせた傷口を腐敗させる効果を持つ。
勿論、これ程早く腐敗が進むのは、やはり、ケットシーの魔力所以だろうな。
「狩にレラジェの矢は使えんか……」
更に踏み込み、山刀で切りつける。
ヤツは咄嗟に左腕で、ワシの斬撃を受ける。
「むっ!固い」
皮膚を切り裂いた感覚が無い。
巻藁を木刀で叩いている感じだ。
ヤツは残った三本の腕を振り回し攻撃してくる。
それを躱しつつ何度も切りつける、が……無駄だな。
このまま攻撃を続けても、ワシの疲労が溜まるばかり。
このままではその内、集中が途切れてしまう。
一旦距離を取ろうとバックステップで下がる。
刹那、ヤツの眼前に無数の石礫が召喚される。
不味い!
すぐさま右に転がり込む様に回避。
ズババババ!
ワシが居た空間目掛けて無数の石礫が突き刺さる。
「まるで散弾だな」
更に、石礫が召喚される。
呆けている暇は無い。
立ち並ぶ木々を縫う様に走りながら、無数に連射される石礫の散弾を回避し続ける。
まさか、熊がこの様な魔法を放つとは……油断した。
ヤツを倒すこと自体は難しくは無い。
バアルの槍を放てば良いだけのことだ。
だがそれでは、訓練に成らん。
そうだな、ヤツを倒す為の課題は二つ。
一つは、ヤツを倒すのに丁度良い攻撃力だ。
先ほど切りつけた程度では話に成らんが、バアルの槍の様に過剰に被害を及ぼす物でもいかん。
と成ると、接近戦で利用できる物が良かろう。
孫娘の電撃の魔法陣を使うか。
左手に結んだ刀印で素早く電撃の魔法陣を描き、山刀の刀身に付与する。
これで、ヤツの分厚い皮膚を焼き切れるやもしれん。
さて、もう一つは、あの石礫、どうにかせんとな。
なんぞ、防御の魔法で防ぐか、それとも遠距離攻撃の魔法で隙を作るかだが……。
「ふふ、防御は性に合わんな」
かといって、先ほど同様に孫娘の魔法で氷柱を飛ばす余裕は無い。
あの術は威力は申し分ないが、手間がかかるからな。
成らば……。
再度、左手の刀印で悪魔レラジェの魔法陣を描く。
レラジェは狩人の姿を持つ悪魔。
かの悪魔が持つ権能は……。
「射貫け、レラジェの矢!」
指先に浮かんだ魔法陣から光の矢が飛び出し、ヤツの分厚い胸板に突き刺さる。
「殺ったか!」
いや、浅い。
突き刺さった光の矢は、どうやら心臓までは届いていないらしい。
まあ、仕方あるまい、レラジェの矢は威力自体はさほど無いからな、例えケットシーの魔力と言えども、あの程度なのだろう。
しかし十分だ。
グォォォーーー!
ヤツが再び怒り狂い雄たけびを上げ、そのせいで、石礫の弾幕が一瞬途切れる。
「今だ!」
意識を集中して、アモンの魔法陣で強化された肉体の能力を最大限に生かし、瞬時に間合いを詰める。
一瞬ヤツと目が合う。
だが、勝負は有った。
踏み込んだ左足に力をこめ、ヤツの首元をすり抜ける様に飛ぶ。
刹那、電撃を付与した山刀を一閃。
ドサッ、と音を立て跳ね飛ばしたヤツの頭が地に落ちる。
その暫く後に、さらに重い音を立てて、巨大な熊の体が崩れる様に地に倒れる。
「うむ、合格だな。極力周囲を破壊せずに斃せた……ん?匂う。この腐敗臭は……マズイ!」
すかさず電撃の付与の残っている山刀で、熊の手足を切断する。
「どうやら手足は間に合ったが、胴体はもう食えんな……」
熊の胴体は異臭を放ち、既にかなり腐敗が進んでいる。
原因は、レラジェの矢だ。
この権能は一撃の威力は低いが、負わせた傷口を腐敗させる効果を持つ。
勿論、これ程早く腐敗が進むのは、やはり、ケットシーの魔力所以だろうな。
「狩にレラジェの矢は使えんか……」
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