猫は銃と魔法の荒野を往く ~魔人と呼ばれた男、妖精猫に転生す。異世界で振るうは、天魔の権能~

春古年

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<ヌアザの攻防>

結局、銃撃戦

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さっき発砲した男が、御者の真横に付き、御者に銃口を向ける。
当然の事だが、隠身かくりみの術が掛かっているワシの事には気付いておらん。

だが、銃口を突き付けても、前方に顔を向けたまま、無言で馬車を走らせる御者の異変には気付いたらしい。
「オイ、ハイマンの野郎の様子がおかしい!誰か、荷馬車に飛び移って確認しろ!」
その男が指示を出す。
どうやらこの男が、指揮を取って居る様だ。

荷馬車に並走する騎馬は、左右に二騎づつ。
その内の右側後方を走っていた騎馬が、荷馬車に近付いて来る。
「うむ……さすがに乗り移られると、ちと面倒だな」

御者が逆らわん様に、更に爪を喉に食い込ませ。
十四年式を御者のこめかみから離し、荷馬車に飛び移ろうとする男に、照星を合わせ引き金を引く。
パン!
その男は、地面に投げ出され、そして程無くゴブリンの群れに飲み込まれていく。

「なに!何だ今の銃声!誰が撃った!?」
指揮を取って居った男が声を上げる。

で、当然の様に、ワシは荷馬車の左側を並走するその男に銃口を向ける。
御者の首根っこを掴んだまま、左側を狙うのは少々やりづらい……。

一瞬、男と目が合う。
どうやらさっきの発砲で、隠身かくりみは解けたか。
「テ、テメエ、何者だ!」

パン!
「チッ!ハズしたか」
ワシの発砲と、ヤツがワシに気付き、一瞬手綱を引いたのがほぼ同時。
不自然な体勢での射撃と相まって、放った弾丸が男の鼻先を掠める。

バン、バン!
男も発砲し返してくるが、咄嗟の事だ、狙って撃ってるわけでは無い。
単なる牽制。
当たるモノか……だが……。

「荷馬車に敵が居るぞ!構わん撃ち殺せ!」
男は荷馬車から距離を取り、そう怒鳴る。

男のその言葉に、御者が声を上げる。
「ヒィッ!う、撃つな!」
まあ、ワシを撃ち殺せと言う事は、御者の男の生死も問わんと言う事に成るからな。

バーン!
荷台の木片が弾け飛ぶ。
ん、散弾か!?

左手後方の男が、ショットガンを構え、撃ってきおった。
次弾が来る!

咄嗟に、御者を盾にして、引き金を引く。
十四年式とショットガンの銃声が重なる。

「ぐわっ!」
その悲鳴も二つ重なる。
ショットガンの男はワシが錬成した八ミリ南部を受け落馬する。
そして、御者は散弾を浴び、血を流してぐったりしておる。

ま、双方、因果応報と言うヤツだな。

ターン!ターン!
「うっ!」

さっきの男が、馬の鞍のホルスターからカービン銃を抜き、撃ってきおった。
その内の一発が、再び御者に命中した様だ。

パン!
今度は咄嗟に、ヤツの馬を狙って引き金を引く。
的が大きい分、外す事は無い。
男の乗った馬がいななく。

当然だが、八ミリ南部程度の弾を受けても、馬は死なん。
だが、後方にはゴブリン共の群れ。
馬が走れなく成れば、即命取りに成る。

男の乗った馬が、ジリジリと速度を落としていく。
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