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人形列車 人形使い9
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バトル開始のアラートが鳴るとVRゴーグルに映る景色が一瞬にして真っ暗になり、再び映像が表示された時には、私はバトルフィールドに立っていました。
最新テーマパークと言っても、個人に貸し出されるVRゴーグルはそんなに高性能な物ではありません。
なのであんまり激しい動きをするクラスを使ったら、処理が追いつかずにフリーズしちゃうかも。
「桜。使うクラスは?」
「なるべくいろんな状況に対応出来て、処理の軽いので!」
「じゃあ、フェアリーナイトでいい?」
「オッケーですっ!」
クラスを選択して私の服がフェアリーナイトの物になったのを確認してから、私はセーフティゾーンからバトルエリアへと足を踏み入れました。
対面では、すでに戦う準備が終わったマリアさんが私を待ち構えています。
「やっと来たわね。マリア待ちくたびれちゃった」
「何でこんな事するんですか?」
「ひみつ。けど、マリアに勝ったら教えてあげる」
「じゃあ、すぐに説明してもらいます!」
マリアさんの手には大き目の四角いカバンが1つあるだけで、武器らしい物は見当たりませんでした。
あのカバンで殴る?
………………のは流石に無いとして。
多分カバンの中に武器を隠してる感じですね。
けど、なんでわざわざカバンに武器を隠してるんでしょうか?
対戦が始まってからカバンから武器を取り出すくらいなら、最初から出してればいいのに。
フィールドを確認すると、周辺には触れたら爆発する爆弾が沢山浮いていました。
威力の高い攻撃で爆弾まで運ばれたら、ガードしてても爆風で大ダメージを受けてしまうから注意しないと。
一応壁もありますが、薄くて攻撃を数回防いだら壊れちゃうくらいの耐久値しか無さそうなので、非常時の防御くらいにしか使えなそうです。
マリアさんは最初にいる場所から全く動く気配がありません。
もしかして、このままタイムアップまで動かない?
…………いえ。流石にそんな事は無いはず。
動きたく無いなら遠距離キャラで狙撃すればいいのに、そうしないって事は何か準備をしているのかも。
だったら準備が終わる前にこっちから仕掛けるっ!!!!
「やああーーーーっ!」
私は大剣を構えて突撃してマリアさんに斬りかかると、マリアさんはカバンを振り回す様にして私の斬撃を弾きました。
バシンと予想以上に重さの乗った攻撃に大剣が弾き飛ばされそうになったのを、剣を握る手に力を入れてなんとか武器が無くなる事だけは回避。
「くっ」
「そんな大振りじゃマリアには当たらないわよ?」
それにしてもカバンから武器を出すんじゃなくてカバンを振り回して攻撃してくるなんて。
これはマリアさんはカバン振り回しマスターの可能性がありますね。
ともかく今は中身に注意しながら戦わないと。
「もしかしてこれの中身が気になってる?」
考えてる事が読まれちゃいました。
「ふふ。じゃあ頑張ってる桜に、特別に見せてあげる」
私は何が出てきても対処出来る位の距離をとってから、壁に背を向けて後からの攻撃にも備えました。
「じゃーん」
マリアさんはカバンの上についているロックを外すと、パカッとカバンが縦に開き、そのまま中身を私に見せつけるように見せてきたのですが…………。
「…………え!? 何も入ってない!?」
その直後。
後ろから急に大きな音が聞こえてきて、気付いたときには背中に強い衝撃を受け、私は前方に吹き飛ばされました。
そして、私が吹き飛ばされた方向には浮遊する爆弾が。
「かはっ!?」
爆弾に当たった瞬間。
爆風で地上から30メートルくらい上空に吹き飛ばされ、そのまま私は受け身を取ることも出来ずに地面へと激突してしまいます。
不意打ちとステージに配置されているダメージオブジェクトてのコンボで予想以上のダメージを受けてしまいました。
「どうしたの? 見たいって言うから、せっかく見せてあげたのに」
「べ、別に思ってただけで見たいとは言ってません!」
私が不意打ちを受けた壁を見てみると、大きな穴が空いていて向こう側の景色が見えていました。
最新テーマパークと言っても、個人に貸し出されるVRゴーグルはそんなに高性能な物ではありません。
なのであんまり激しい動きをするクラスを使ったら、処理が追いつかずにフリーズしちゃうかも。
「桜。使うクラスは?」
「なるべくいろんな状況に対応出来て、処理の軽いので!」
「じゃあ、フェアリーナイトでいい?」
「オッケーですっ!」
クラスを選択して私の服がフェアリーナイトの物になったのを確認してから、私はセーフティゾーンからバトルエリアへと足を踏み入れました。
対面では、すでに戦う準備が終わったマリアさんが私を待ち構えています。
「やっと来たわね。マリア待ちくたびれちゃった」
「何でこんな事するんですか?」
「ひみつ。けど、マリアに勝ったら教えてあげる」
「じゃあ、すぐに説明してもらいます!」
マリアさんの手には大き目の四角いカバンが1つあるだけで、武器らしい物は見当たりませんでした。
あのカバンで殴る?
………………のは流石に無いとして。
多分カバンの中に武器を隠してる感じですね。
けど、なんでわざわざカバンに武器を隠してるんでしょうか?
対戦が始まってからカバンから武器を取り出すくらいなら、最初から出してればいいのに。
フィールドを確認すると、周辺には触れたら爆発する爆弾が沢山浮いていました。
威力の高い攻撃で爆弾まで運ばれたら、ガードしてても爆風で大ダメージを受けてしまうから注意しないと。
一応壁もありますが、薄くて攻撃を数回防いだら壊れちゃうくらいの耐久値しか無さそうなので、非常時の防御くらいにしか使えなそうです。
マリアさんは最初にいる場所から全く動く気配がありません。
もしかして、このままタイムアップまで動かない?
…………いえ。流石にそんな事は無いはず。
動きたく無いなら遠距離キャラで狙撃すればいいのに、そうしないって事は何か準備をしているのかも。
だったら準備が終わる前にこっちから仕掛けるっ!!!!
「やああーーーーっ!」
私は大剣を構えて突撃してマリアさんに斬りかかると、マリアさんはカバンを振り回す様にして私の斬撃を弾きました。
バシンと予想以上に重さの乗った攻撃に大剣が弾き飛ばされそうになったのを、剣を握る手に力を入れてなんとか武器が無くなる事だけは回避。
「くっ」
「そんな大振りじゃマリアには当たらないわよ?」
それにしてもカバンから武器を出すんじゃなくてカバンを振り回して攻撃してくるなんて。
これはマリアさんはカバン振り回しマスターの可能性がありますね。
ともかく今は中身に注意しながら戦わないと。
「もしかしてこれの中身が気になってる?」
考えてる事が読まれちゃいました。
「ふふ。じゃあ頑張ってる桜に、特別に見せてあげる」
私は何が出てきても対処出来る位の距離をとってから、壁に背を向けて後からの攻撃にも備えました。
「じゃーん」
マリアさんはカバンの上についているロックを外すと、パカッとカバンが縦に開き、そのまま中身を私に見せつけるように見せてきたのですが…………。
「…………え!? 何も入ってない!?」
その直後。
後ろから急に大きな音が聞こえてきて、気付いたときには背中に強い衝撃を受け、私は前方に吹き飛ばされました。
そして、私が吹き飛ばされた方向には浮遊する爆弾が。
「かはっ!?」
爆弾に当たった瞬間。
爆風で地上から30メートルくらい上空に吹き飛ばされ、そのまま私は受け身を取ることも出来ずに地面へと激突してしまいます。
不意打ちとステージに配置されているダメージオブジェクトてのコンボで予想以上のダメージを受けてしまいました。
「どうしたの? 見たいって言うから、せっかく見せてあげたのに」
「べ、別に思ってただけで見たいとは言ってません!」
私が不意打ちを受けた壁を見てみると、大きな穴が空いていて向こう側の景色が見えていました。
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