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疑惑の仮面が踊るパレード
#11
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マスカレードから終わってから早二週間。
気温もすっかり低くなり、外出の際には上着が必要になります。
冬になるのはまだ先になりますが、今日もオタネニンジンは元気に育っています。
花をつけるのは春になるので、それまでは枯れないように世話を続けます。
今朝の新聞には殿下の帰国と留学で何があったのかが書かれています。
マルモワの建築様式や人気の衣類の素材、それらとオランディで主とされてるものとの差などが簡単に書かれており、なかなか読んでいて興味深い内容になっております。
そして関税率低下に関しての流れも書かれていて、本当に留学に行ったのかと疑問に思えてきます。
新聞を捲り次の記事に目をやると、最近やたらと耳にする国名が書かれていました。
『リュンヌ帝国から使節団の来訪が決定 次は帝国との国交が活発に?』
おそらくマルモワとの事が知れ渡ったのでしょう、どうやって関税率を低下させることが出来たのかを探りに来るのだと思います。
しかし、リュンヌ帝国はオランディを蔑んでいる節があります。
使節団との交渉は流石の殿下でも手を焼くのではないかと思います。
昼食を食べ終えたので市場に行って今日店で出す料理の材料を買ってこようと思います。
寒くなってきたのでそろそろ煮魚かサカムシを作りたいと考えています。
───────
「今度リュンヌの人来るんだってね、やるじゃんおたくの王子様」
「……お前暇なんだな」
「暇だね、実質無職だしオレ」
「金がないなら帰れよ」
「あるから帰んねぇよ」
師匠が店に来た次の日から長髪の彼は連日店に来ています。
帰れと言っても帰らないので最近は諦めつつあります。
「すごいわね、キーノスがミケーノに言われてないのに敬語使わないなんて」
「一度は出禁にした方ですので、敬語を使う気には到底なれません」
「仲良しって感じっすよ」
「良いなぁ~ルト君。私もキーノスと気安いお喋りしたいわぁ」
「決して仲が良いわけではなく、逆ですのでお間違えないようお願いします」
「前から『コイツの敬語はシオのアレとは違う』とは思ってたけど、お前結構口悪いんだな……」
「失礼しました、以後気をつけます」
「そうだぞ、オレにも敬語使えよ」
「断る」
本当にこの方は早く帰って欲しいばかりです。
本日は彼以外にカーラ様とミケーノ様がご来店されています。
常温のジュンマイシュとユドウフをお召し上がりになっています。
カーラ様はモロキュウもご注文されました。
「しかし、リュンヌとはまた随分と遠くから来るもんだな。港でも滅多に見ないし、客にもいないな」
「そうねぇ、あそこ服飾文化がすごいのよ。女の人来るならドレスどうするのかしら」
「あーそういやそうだな。使節団なら男爵? とか来んだろ? オレまともに話せる気しねぇな……」
「多分公爵っすよ、こういう時にくる奴って」
「あら、知ってるの?」
「マルモワに前来た使節団とそんな変わんないと思うんすよね、多分公爵と子爵辺りじゃないすか?」
「何が違うのかよく分からん……」
「まぁ関係ないっすね、どうせ平民扱いされるんで何しても無礼っす」
「ウチで平民じゃないのなんて殿下か陛下しかいないじゃない」
「あと、オランディって王国って名前の商業国じゃないすか。そういうの嫌いなんすよあの人たち」
「嫌いって言われてもなぁ」
認めたくありませんが、彼の言う通りです。
オランディが王国と名乗っているのは一重に土地が理由ですが、それすら彼らには許せないようです。
それ故に「偽りの王国と誇り高き帝国」という思考が基本の方が多いです。
「アンタ行ったことないの? ネウゾロフさんと知り合いなら一回くらいあんだろ?」
長髪の彼が私に話を振ってきます。
そろそろ私が彼を嫌っていることを自覚して欲しいものです。
「そのネウゾロフって、手品師のデカいオッサンか?」
「オレの新しい上司っす」
「それでキーノスと仲良くなったの?」
「いや、きっかけはケータとメル君すかね」
「どういう繋がりだそれ?」
「お前……本当に出禁にするぞ」
「ケータの連絡先教えてやるから良いだろ?」
本当に良い神経をしてると思います。
嫌われてるのを分かって言っているなら、私の神経を逆撫でするのが目的でしょうか。
「アンタケータの事気に入ってんだろ?」
「さっさと上司の世話しに帰れよ」
「上司の世話って、そのネウゾロフとかいう?」
「聞いてくださいよ、この人唯一の理解者なのにマジで帰れしか言わないんすよ、酷くないすか?」
「仕事の手伝いとかだろ?」
「そんなんじゃないんす、オレまだ無職なんす!」
───────
「ちょっとさ、着るものどうしたの? 私の服洗ってといてって言ったよねぇ」
「え、なんでオレが洗うんすか」
「だってここ君の部屋でしょ? それに香水と酒のニオイ篭ってるけど、換気しないのかねぇ」
「いやそれネウゾロフさんのせいで」
「えぇ~換気しないのが私のせいなの~? ここ、君の部屋だよねぇ、換気って知ってる? 窓開けて部屋の空気を入れ替える事なんだけどねぇ」
「そうじゃなくて、ニオイの元はアンタでしょ」
「アンタ、アンタとか言うんだ。私がどういう人か分かってないみたいだねぇ」
ネウゾロフが指を鳴らす。
すると室内だと言うのに小さな雷が発生し、ハーロルトに当たる。
思わず膝をつき、痛みに耐える。
「で、昼飯はどうしたのかねぇ」
「……いや昼って、もう夕方だろ」
「朝食の次は昼食でしょ? 朝と夜は外で食べてくるけど、昼はどこで食べろって言うつもりかねぇ」
「いや知らねぇし」
「知らない? 何、君もしかして食事取れないの? 何か食べたことないの? すごいねぇ~私にはできないねぇ」
「ネウゾロフさんが何時に起きるかとか分かるわけないっしょ」
「今起きてるよね、私は寝言を言ってるのかねぇ。すごいすごい、君は寝てる人と会話してるんだねぇ。新手の術士かな?」
それなりに口は達者な方だと思っていたが、全く敵いそうもない。
意図的に答えをズラしているのが分かる、分かるが……
「とにかく自分の部屋で生活してくださいよ、なんでオレの部屋に女連れ込んだり寝泊まりしてんすか!」
「え? キー坊から聞いてないの? 絶対教えてあげると思ったのに、君ホントに嫌われてるんだねぇ」
「いや聞きましたけど、だからって同じ事するわけないでしょ」
「別にキー坊と同じ事しろなんて言わないし、出来ないだろうしねぇ」
「ハイハイ、オレには無理っす! なんで自分の部屋で生活してください!」
「そしたら君、私の部屋に換気と昼食の準備しに来るの? せっかく一つの部屋で済ませてあげてるのに?」
「は? なんでオレがそっちの部屋の世話までするんすか」
当たり前の様に何を言っているのか……
それに今までどうやって生活していたのか……
「君私の部下になりたいんだったよねぇ」
「それとこれは別っしょ」
「君の今の仕事って何かねぇ?」
「超自由な無職っすね」
「自由なのに、洗濯も部屋の換気も昼食の用意もできないの? 君半年留学してて観光する場所もないし暇でしょ? 何してんの普段」
「普段はともかく、出来ないんじゃなくてやらないんす」
「言うのは簡単だけど実際やってないんだし、本当は出来ないんだねぇ。あれ、亡命って本当はクビにされたからかな?」
「いや分かってんでしょ!」
「キー坊と比べたら君が可哀想だとは思うけどねぇ、有能なバリスタとクビにされて亡命するコじゃやっぱ出来る事にこ~んなに差が出ちゃうんだねぇ」
「だから、出来ないんじゃなくてやらないんす!」
「出来ないからやらないんでしょ?」
「いや、現にオレの分はオレやってるし」
「どこが?」
「どこがって、洗濯とか飯とか」
「換気は?」
「アンタが出てったらするよ」
「あ、まーたアンタとか」
再びネウゾロフが指を鳴らす。
先程の雷より少し威力が上がっている。
「学習能力ないねぇ、そんなだから私に部隊潰されるんだけどねぇ」
───────
「なんっすかあの人。よくあんなのと生活出来たっすね」
「えっと、キーノスって弟子の時ずっとそのネウゾロフさんのお世話してたの?」
「弟子の時ではなく、モウカハナの経営を始めて少しした頃までですね。宿が取れなかったと言って私の部屋で生活してました」
「よくやるな……」
「やらないと生活が出来ませんし、言い返してもどうにもなりませんので」
その点で考えると言い返すだけ彼は大したものです。
「でももうちょっとしたらルト君ヴァローナ行くんでしょ? そしたらずっとお世話することになるのかしら?」
「冗談じゃないっす、無理っすよあんなの!」
「今の感じだとそうなりそうだがな、キーノスはどう思う?」
「何とも言えませんね、ヴァローナでの生活に関して聞いた事はありません」
「ま、良いじゃない? ネウゾロフさんイイ男だし」
「確かに男前だったな、五十には見えねぇし」
「彼はあまり怒る方ではありませんし、女性からの人気は高いです」
「世話焼きの彼女でも作れって話っすよ」
「あら、ルト君それはダメ男の発言よ? 女の子にやらせようなんて、自分でやらなきゃ」
「そうだな、じゃなきゃ甲斐性身につけるかだな」
「彼は甲斐性はありますよ、筆頭術士で軍師ですから」
「んまぁ、良い上司じゃない! 良かったわね!」
長髪の彼が言葉に詰まっています。
恐らく師匠はヴァローナの自宅では身の回りの世話のために人を雇っているのかと思います。
メル様を使って脅迫した事を許す気はないので、この事を黙っておいてここでの滞在中は頑張って頂ければと考えております。
気温もすっかり低くなり、外出の際には上着が必要になります。
冬になるのはまだ先になりますが、今日もオタネニンジンは元気に育っています。
花をつけるのは春になるので、それまでは枯れないように世話を続けます。
今朝の新聞には殿下の帰国と留学で何があったのかが書かれています。
マルモワの建築様式や人気の衣類の素材、それらとオランディで主とされてるものとの差などが簡単に書かれており、なかなか読んでいて興味深い内容になっております。
そして関税率低下に関しての流れも書かれていて、本当に留学に行ったのかと疑問に思えてきます。
新聞を捲り次の記事に目をやると、最近やたらと耳にする国名が書かれていました。
『リュンヌ帝国から使節団の来訪が決定 次は帝国との国交が活発に?』
おそらくマルモワとの事が知れ渡ったのでしょう、どうやって関税率を低下させることが出来たのかを探りに来るのだと思います。
しかし、リュンヌ帝国はオランディを蔑んでいる節があります。
使節団との交渉は流石の殿下でも手を焼くのではないかと思います。
昼食を食べ終えたので市場に行って今日店で出す料理の材料を買ってこようと思います。
寒くなってきたのでそろそろ煮魚かサカムシを作りたいと考えています。
───────
「今度リュンヌの人来るんだってね、やるじゃんおたくの王子様」
「……お前暇なんだな」
「暇だね、実質無職だしオレ」
「金がないなら帰れよ」
「あるから帰んねぇよ」
師匠が店に来た次の日から長髪の彼は連日店に来ています。
帰れと言っても帰らないので最近は諦めつつあります。
「すごいわね、キーノスがミケーノに言われてないのに敬語使わないなんて」
「一度は出禁にした方ですので、敬語を使う気には到底なれません」
「仲良しって感じっすよ」
「良いなぁ~ルト君。私もキーノスと気安いお喋りしたいわぁ」
「決して仲が良いわけではなく、逆ですのでお間違えないようお願いします」
「前から『コイツの敬語はシオのアレとは違う』とは思ってたけど、お前結構口悪いんだな……」
「失礼しました、以後気をつけます」
「そうだぞ、オレにも敬語使えよ」
「断る」
本当にこの方は早く帰って欲しいばかりです。
本日は彼以外にカーラ様とミケーノ様がご来店されています。
常温のジュンマイシュとユドウフをお召し上がりになっています。
カーラ様はモロキュウもご注文されました。
「しかし、リュンヌとはまた随分と遠くから来るもんだな。港でも滅多に見ないし、客にもいないな」
「そうねぇ、あそこ服飾文化がすごいのよ。女の人来るならドレスどうするのかしら」
「あーそういやそうだな。使節団なら男爵? とか来んだろ? オレまともに話せる気しねぇな……」
「多分公爵っすよ、こういう時にくる奴って」
「あら、知ってるの?」
「マルモワに前来た使節団とそんな変わんないと思うんすよね、多分公爵と子爵辺りじゃないすか?」
「何が違うのかよく分からん……」
「まぁ関係ないっすね、どうせ平民扱いされるんで何しても無礼っす」
「ウチで平民じゃないのなんて殿下か陛下しかいないじゃない」
「あと、オランディって王国って名前の商業国じゃないすか。そういうの嫌いなんすよあの人たち」
「嫌いって言われてもなぁ」
認めたくありませんが、彼の言う通りです。
オランディが王国と名乗っているのは一重に土地が理由ですが、それすら彼らには許せないようです。
それ故に「偽りの王国と誇り高き帝国」という思考が基本の方が多いです。
「アンタ行ったことないの? ネウゾロフさんと知り合いなら一回くらいあんだろ?」
長髪の彼が私に話を振ってきます。
そろそろ私が彼を嫌っていることを自覚して欲しいものです。
「そのネウゾロフって、手品師のデカいオッサンか?」
「オレの新しい上司っす」
「それでキーノスと仲良くなったの?」
「いや、きっかけはケータとメル君すかね」
「どういう繋がりだそれ?」
「お前……本当に出禁にするぞ」
「ケータの連絡先教えてやるから良いだろ?」
本当に良い神経をしてると思います。
嫌われてるのを分かって言っているなら、私の神経を逆撫でするのが目的でしょうか。
「アンタケータの事気に入ってんだろ?」
「さっさと上司の世話しに帰れよ」
「上司の世話って、そのネウゾロフとかいう?」
「聞いてくださいよ、この人唯一の理解者なのにマジで帰れしか言わないんすよ、酷くないすか?」
「仕事の手伝いとかだろ?」
「そんなんじゃないんす、オレまだ無職なんす!」
───────
「ちょっとさ、着るものどうしたの? 私の服洗ってといてって言ったよねぇ」
「え、なんでオレが洗うんすか」
「だってここ君の部屋でしょ? それに香水と酒のニオイ篭ってるけど、換気しないのかねぇ」
「いやそれネウゾロフさんのせいで」
「えぇ~換気しないのが私のせいなの~? ここ、君の部屋だよねぇ、換気って知ってる? 窓開けて部屋の空気を入れ替える事なんだけどねぇ」
「そうじゃなくて、ニオイの元はアンタでしょ」
「アンタ、アンタとか言うんだ。私がどういう人か分かってないみたいだねぇ」
ネウゾロフが指を鳴らす。
すると室内だと言うのに小さな雷が発生し、ハーロルトに当たる。
思わず膝をつき、痛みに耐える。
「で、昼飯はどうしたのかねぇ」
「……いや昼って、もう夕方だろ」
「朝食の次は昼食でしょ? 朝と夜は外で食べてくるけど、昼はどこで食べろって言うつもりかねぇ」
「いや知らねぇし」
「知らない? 何、君もしかして食事取れないの? 何か食べたことないの? すごいねぇ~私にはできないねぇ」
「ネウゾロフさんが何時に起きるかとか分かるわけないっしょ」
「今起きてるよね、私は寝言を言ってるのかねぇ。すごいすごい、君は寝てる人と会話してるんだねぇ。新手の術士かな?」
それなりに口は達者な方だと思っていたが、全く敵いそうもない。
意図的に答えをズラしているのが分かる、分かるが……
「とにかく自分の部屋で生活してくださいよ、なんでオレの部屋に女連れ込んだり寝泊まりしてんすか!」
「え? キー坊から聞いてないの? 絶対教えてあげると思ったのに、君ホントに嫌われてるんだねぇ」
「いや聞きましたけど、だからって同じ事するわけないでしょ」
「別にキー坊と同じ事しろなんて言わないし、出来ないだろうしねぇ」
「ハイハイ、オレには無理っす! なんで自分の部屋で生活してください!」
「そしたら君、私の部屋に換気と昼食の準備しに来るの? せっかく一つの部屋で済ませてあげてるのに?」
「は? なんでオレがそっちの部屋の世話までするんすか」
当たり前の様に何を言っているのか……
それに今までどうやって生活していたのか……
「君私の部下になりたいんだったよねぇ」
「それとこれは別っしょ」
「君の今の仕事って何かねぇ?」
「超自由な無職っすね」
「自由なのに、洗濯も部屋の換気も昼食の用意もできないの? 君半年留学してて観光する場所もないし暇でしょ? 何してんの普段」
「普段はともかく、出来ないんじゃなくてやらないんす」
「言うのは簡単だけど実際やってないんだし、本当は出来ないんだねぇ。あれ、亡命って本当はクビにされたからかな?」
「いや分かってんでしょ!」
「キー坊と比べたら君が可哀想だとは思うけどねぇ、有能なバリスタとクビにされて亡命するコじゃやっぱ出来る事にこ~んなに差が出ちゃうんだねぇ」
「だから、出来ないんじゃなくてやらないんす!」
「出来ないからやらないんでしょ?」
「いや、現にオレの分はオレやってるし」
「どこが?」
「どこがって、洗濯とか飯とか」
「換気は?」
「アンタが出てったらするよ」
「あ、まーたアンタとか」
再びネウゾロフが指を鳴らす。
先程の雷より少し威力が上がっている。
「学習能力ないねぇ、そんなだから私に部隊潰されるんだけどねぇ」
───────
「なんっすかあの人。よくあんなのと生活出来たっすね」
「えっと、キーノスって弟子の時ずっとそのネウゾロフさんのお世話してたの?」
「弟子の時ではなく、モウカハナの経営を始めて少しした頃までですね。宿が取れなかったと言って私の部屋で生活してました」
「よくやるな……」
「やらないと生活が出来ませんし、言い返してもどうにもなりませんので」
その点で考えると言い返すだけ彼は大したものです。
「でももうちょっとしたらルト君ヴァローナ行くんでしょ? そしたらずっとお世話することになるのかしら?」
「冗談じゃないっす、無理っすよあんなの!」
「今の感じだとそうなりそうだがな、キーノスはどう思う?」
「何とも言えませんね、ヴァローナでの生活に関して聞いた事はありません」
「ま、良いじゃない? ネウゾロフさんイイ男だし」
「確かに男前だったな、五十には見えねぇし」
「彼はあまり怒る方ではありませんし、女性からの人気は高いです」
「世話焼きの彼女でも作れって話っすよ」
「あら、ルト君それはダメ男の発言よ? 女の子にやらせようなんて、自分でやらなきゃ」
「そうだな、じゃなきゃ甲斐性身につけるかだな」
「彼は甲斐性はありますよ、筆頭術士で軍師ですから」
「んまぁ、良い上司じゃない! 良かったわね!」
長髪の彼が言葉に詰まっています。
恐らく師匠はヴァローナの自宅では身の回りの世話のために人を雇っているのかと思います。
メル様を使って脅迫した事を許す気はないので、この事を黙っておいてここでの滞在中は頑張って頂ければと考えております。
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