8 / 22
第八話「光明」
しおりを挟む
「本当にルーナは瘴気に汚染されていないんだな?」
くどいほど確認を求めるソレイユに、魔法士たちは少し困った顔をしながら本当だと答えた。
「しかし有り得ぬ話ではないか?」
なおも言い募るソレイユを見かねたのだろう、ルーナはおずおずと言葉を挟んでその袖を引いた。
「あのぉオジサマ……私なら本当に大丈夫そうですから……」
目を真っ赤に泣き腫らしたルーナは、今度は頬までも赤くして恥ずかしそうに俯く。
過保護に扱われるのも恥ずかしかったのだが、それより子供の様に大泣きしてしまった自分の事が何より恥ずかしい。
(だけど沢山泣いたら、少しスッキリしちゃったな)
ルーナは心に溜まっていた様々な気持ちの澱が、涙で流されたように感じている。
もちろん消えてしまった訳ではないけども、それでも心が軽くなったのは事実で、人の心の不思議さを思わずにはいられなかった。
「ふむ」と腕組みをするソレイユは、まだ納得出来ないという顔をした。と、そこへ土壌の瘴気の消失を調べていたオリガが戻り、状況の報告をしたようだ。
「ルーナ様が鍬を入れた箇所の土壌の汚染は、間違いなく浄化されていました。土中深くまで調べてみましたが、瘴気がきれいさっぱり消えています」
ルーナが瘴気に汚染されていないのもそうだが、この現象も謎である。鍬を入れた箇所を中心にしておよそ両手を拡げた範囲が、円形に浄化されていたのだ。
魔人など魔族に類する生物は大気中の魔素を吸収して生きていた。その時に出る老廃物が瘴気であるのだが──
「うーん、瘴気は魔法でしか浄化できないはずだよなあ」
「では魔法の使えないはずのルーナ様が無意識に使ったと?」
ソレイユはオリガに返答しないまま、頭をボリボリと掻いた。
むろん結果だけをみれば朗報に違いない。それどころか奇跡ともいえる福音である。しかしその理由が分からないだけに、ソレイユは手放しで喜べなかった。
「よし、今日は屋敷に戻る事として、詳しい調査はまた明日に行う。ルーナもゆっくり休むんだぞ?」
微笑みで答えたルーナを見て、ソレイユはひとまず精神的に落ち着きを取り戻している事にホッとした。
翌朝早くに一人で庭へと出ていたソレイユは、朝の新鮮な空気を吸うことで眠気を払おうとしていた。
昨日のルーナに起きた出来事を考えていたら、いつの間にか朝になってしまった結果である。
昨夜ソレイユは屋敷に戻ってから、もう一度上級魔法士にルーナの汚染を調べさせ、お墨付きを貰っている。オリガは呆れ顔でいたが、心配なものは心配なのだ。
診断後の魔法士に土中瘴気の浄化についての心当たりも聞いてみたのだが、まったく見当がつかない様だった。
ただ魔法によるものでは無いとだけは断言した。何故ならルーナは魔素を魔法へと変換する魔力という器官を、その体内に持っていなかったからだ。
もしかして極々稀にある聖女への覚醒が、ルーナの身に起きたのかとも思ったがその線は消えたようである。
魔法でないのなら一体あの現象は何だというのか?──無理にでも考えるならば、ルーナが勇者の娘だからという事だろう。だがそれは血の系譜とは違う意味でだ。
ソレイユは伝説として聞いたことがあった。魔法でも特殊能力でもない、神から授けられた『恩寵』という力のことを。
その恩寵は神の意志の代償として授かる能力らしいのだが、詳しい事は何も伝わっていないし、本当にあるのかも分からない。
だがルーナの父親である勇者殿は、神のご意志で自分が選ばれたと言っていたのだ。
ならば娘から父親を奪った事への代償として、神がルーナに恩寵を授けたとも考えられはしないだろうか?
(まあ、伝説が本当であればだがな……)
ただソレイユとしては、そんな伝説は嘘であって欲しいと思っている。
(父親の死の代償など、喜んで受け取る様なルーナではないだろう)
むしろそんな恩寵を使う事となれば、父親の死を利用している様にも感じ、ルーナは苦しむに違いない。ならば恩寵などこの世に無いほうがましだ。
鳥の鋭い鳴き声がソレイユのそんな思考を遮った。途端深く息をつくとボリボリと頭を掻く。
(考え過ぎだな──)
伝説などを持ち出して、極端な思考に陥った自分に苦笑いをしたソレイユは、それを徹夜明けのせいにする。
そして朝食に遅れない様にと散歩を切り上げて、屋敷の中へと戻るのだった。
「今日は張り切って耕しますよ、農夫の娘の本領発揮です!」
一方ルーナはソレイユの心配を他所に、朝から元気一杯であった。それは無理に装った空元気なのではないのかと、かえって心配になるほどに。
「いいえ、無理なんかしていませんよ? 昨日、お医者様とオリガさんに言われたんです。泣くのは悪い事じゃないんだって」
「医者とオリガが?」
ソレイユは二人が魔法でも使ったんじゃないかと訝しむ。それくらい今朝のルーナは人が違った様に生き生きとしているのだ。
「はい。昨日泣いて分かりました。私、お父さんの事をすごく怒っていたんですね。私を置いて行ってしまって、すごく腹が立っていたみたい」
ルーナはずっと自分が恐れを抱き続けていた事を、ようやく自覚出来たと言った。
魔人と戦って多くの人の命を救った父親を怒って責めたりする事は、自分が自己中心的な酷い人間だと認める様で恐かったのだと。
だから我慢した。酷い人間になりたくはなかったから考えない様にした。そしたらいつか自分の暗い感情も消えると信じた。
──でも、消えなかった。
それなのに昨日、思わず大声で父親のことを大嫌いだと悪態をついてしまった時、不思議なほど心がスッと軽くなったのだ。
そう、何かが消えた──。
「それで私、気がついたんです。私の中にお父さんを怒っていた気持ちと応援したい気持ち、二つあったんだって。それは別々のもので、どっちも私の本当の気持ちだったんですね」
そう言い終わるとルーナは再び朝食をモリモリと食べ始めた。
ソレイユは正直呆気にとられている。人の心とはこんなにも一日で変わるものだろうかと。いや、心の傷はそう簡単には癒されはしまい。それは悲観的に思うからではなく、現実的にそうなのだ。
(しかし、昨日がルーナにとっての転換点になったのは間違いなさそうだ)
おそらくこれからもルーナの心の傷の修復は、浜辺の波の様に行きつ戻りつすることだろう。
それでも今そのスタートラインに立った彼女に、ソレイユは声援を送りたかった。
「そうか、じゃあ被災したみんなの為にも、沢山瘴気を浄化して貰おうかな」
「はい! 任せて下さいオジサマッ!」
ルーナの顔はキラキラと輝いて見えた。
◇*◇*◇*◇*◇
ここ二ヶ月での瘴気の浄化作業は、ルーナの活躍により飛躍的に捗っていた。
しかし問題が無い訳ではない。領内の農村各地からルーナによる浄化の要望が増え、順番を後に回された村々からは不満の声が続出したのだ。
それはルーナという娘が領内で有名になった証でもある。
噂が噂を呼んで今では農民たちの光明ともいえる希望の存在となっていたのだ。中には聖女だと勘違いする者までいた。
とはいえオリガは領内の広大な土地を浄化していく上で、ルーナの健康管理を厳としたスケジュールを立てている。故に決して無理をさせるつもりはない。
計算ではおよそ二年で領内を汚染している瘴気の浄化が完了する。長丁場ではあるが、魔法士だけでは十数年かかると計算されていた事を思えば夢のような話なのだ。
「ルーナ様ありがとうございます」「ルーナ様は命の恩人です」と、そんな風に行く先々の村で農夫たちから感謝されるようになると、ルーナはかえって居心地の悪さを感じるようになった。
「いえ、私のおかげとか無いですから! 全然無いですからッ」
そんな感じで顔を赤くして逃げ出してしまうのは、感謝される事に慣れていないせいもあるのだろう。
しかし一番の理由はルーナ自身が努力で身に付けた浄化の力ではないだけに、気が引けてしまっていたのだ。
だからと言って浄化の作業が辛い訳ではなく、ルーナは人の役に立てている事を心から喜んでもいた。
だがソレイユだけは、ルーナのこの謎の力を解明出来ずにいる事に不安を覚えていたようだ。
以前に寝不足の頭で考えた伝説にある『恩寵』という可能性も、やはり見過ごせなかった。
そんな伝説は事実であっては欲しくはないが、もし恩寵というものがルーナの父親の勇者殿と同じ類いのものならばと、考えた時の不安が消せない。
(勇者殿が役目を終えたと同時に死に至った様に、ルーナもまたその役目を終える時が来たら──)
ソレイユはその可能性が何よりも恐ろしかったのだ。
それゆえ一度、ルーナの謎の浄化能力について詳しく調べねばならないと思っており、近いうちに王都にある王立図書館と大聖堂へと赴くつもりでいるのであった。
くどいほど確認を求めるソレイユに、魔法士たちは少し困った顔をしながら本当だと答えた。
「しかし有り得ぬ話ではないか?」
なおも言い募るソレイユを見かねたのだろう、ルーナはおずおずと言葉を挟んでその袖を引いた。
「あのぉオジサマ……私なら本当に大丈夫そうですから……」
目を真っ赤に泣き腫らしたルーナは、今度は頬までも赤くして恥ずかしそうに俯く。
過保護に扱われるのも恥ずかしかったのだが、それより子供の様に大泣きしてしまった自分の事が何より恥ずかしい。
(だけど沢山泣いたら、少しスッキリしちゃったな)
ルーナは心に溜まっていた様々な気持ちの澱が、涙で流されたように感じている。
もちろん消えてしまった訳ではないけども、それでも心が軽くなったのは事実で、人の心の不思議さを思わずにはいられなかった。
「ふむ」と腕組みをするソレイユは、まだ納得出来ないという顔をした。と、そこへ土壌の瘴気の消失を調べていたオリガが戻り、状況の報告をしたようだ。
「ルーナ様が鍬を入れた箇所の土壌の汚染は、間違いなく浄化されていました。土中深くまで調べてみましたが、瘴気がきれいさっぱり消えています」
ルーナが瘴気に汚染されていないのもそうだが、この現象も謎である。鍬を入れた箇所を中心にしておよそ両手を拡げた範囲が、円形に浄化されていたのだ。
魔人など魔族に類する生物は大気中の魔素を吸収して生きていた。その時に出る老廃物が瘴気であるのだが──
「うーん、瘴気は魔法でしか浄化できないはずだよなあ」
「では魔法の使えないはずのルーナ様が無意識に使ったと?」
ソレイユはオリガに返答しないまま、頭をボリボリと掻いた。
むろん結果だけをみれば朗報に違いない。それどころか奇跡ともいえる福音である。しかしその理由が分からないだけに、ソレイユは手放しで喜べなかった。
「よし、今日は屋敷に戻る事として、詳しい調査はまた明日に行う。ルーナもゆっくり休むんだぞ?」
微笑みで答えたルーナを見て、ソレイユはひとまず精神的に落ち着きを取り戻している事にホッとした。
翌朝早くに一人で庭へと出ていたソレイユは、朝の新鮮な空気を吸うことで眠気を払おうとしていた。
昨日のルーナに起きた出来事を考えていたら、いつの間にか朝になってしまった結果である。
昨夜ソレイユは屋敷に戻ってから、もう一度上級魔法士にルーナの汚染を調べさせ、お墨付きを貰っている。オリガは呆れ顔でいたが、心配なものは心配なのだ。
診断後の魔法士に土中瘴気の浄化についての心当たりも聞いてみたのだが、まったく見当がつかない様だった。
ただ魔法によるものでは無いとだけは断言した。何故ならルーナは魔素を魔法へと変換する魔力という器官を、その体内に持っていなかったからだ。
もしかして極々稀にある聖女への覚醒が、ルーナの身に起きたのかとも思ったがその線は消えたようである。
魔法でないのなら一体あの現象は何だというのか?──無理にでも考えるならば、ルーナが勇者の娘だからという事だろう。だがそれは血の系譜とは違う意味でだ。
ソレイユは伝説として聞いたことがあった。魔法でも特殊能力でもない、神から授けられた『恩寵』という力のことを。
その恩寵は神の意志の代償として授かる能力らしいのだが、詳しい事は何も伝わっていないし、本当にあるのかも分からない。
だがルーナの父親である勇者殿は、神のご意志で自分が選ばれたと言っていたのだ。
ならば娘から父親を奪った事への代償として、神がルーナに恩寵を授けたとも考えられはしないだろうか?
(まあ、伝説が本当であればだがな……)
ただソレイユとしては、そんな伝説は嘘であって欲しいと思っている。
(父親の死の代償など、喜んで受け取る様なルーナではないだろう)
むしろそんな恩寵を使う事となれば、父親の死を利用している様にも感じ、ルーナは苦しむに違いない。ならば恩寵などこの世に無いほうがましだ。
鳥の鋭い鳴き声がソレイユのそんな思考を遮った。途端深く息をつくとボリボリと頭を掻く。
(考え過ぎだな──)
伝説などを持ち出して、極端な思考に陥った自分に苦笑いをしたソレイユは、それを徹夜明けのせいにする。
そして朝食に遅れない様にと散歩を切り上げて、屋敷の中へと戻るのだった。
「今日は張り切って耕しますよ、農夫の娘の本領発揮です!」
一方ルーナはソレイユの心配を他所に、朝から元気一杯であった。それは無理に装った空元気なのではないのかと、かえって心配になるほどに。
「いいえ、無理なんかしていませんよ? 昨日、お医者様とオリガさんに言われたんです。泣くのは悪い事じゃないんだって」
「医者とオリガが?」
ソレイユは二人が魔法でも使ったんじゃないかと訝しむ。それくらい今朝のルーナは人が違った様に生き生きとしているのだ。
「はい。昨日泣いて分かりました。私、お父さんの事をすごく怒っていたんですね。私を置いて行ってしまって、すごく腹が立っていたみたい」
ルーナはずっと自分が恐れを抱き続けていた事を、ようやく自覚出来たと言った。
魔人と戦って多くの人の命を救った父親を怒って責めたりする事は、自分が自己中心的な酷い人間だと認める様で恐かったのだと。
だから我慢した。酷い人間になりたくはなかったから考えない様にした。そしたらいつか自分の暗い感情も消えると信じた。
──でも、消えなかった。
それなのに昨日、思わず大声で父親のことを大嫌いだと悪態をついてしまった時、不思議なほど心がスッと軽くなったのだ。
そう、何かが消えた──。
「それで私、気がついたんです。私の中にお父さんを怒っていた気持ちと応援したい気持ち、二つあったんだって。それは別々のもので、どっちも私の本当の気持ちだったんですね」
そう言い終わるとルーナは再び朝食をモリモリと食べ始めた。
ソレイユは正直呆気にとられている。人の心とはこんなにも一日で変わるものだろうかと。いや、心の傷はそう簡単には癒されはしまい。それは悲観的に思うからではなく、現実的にそうなのだ。
(しかし、昨日がルーナにとっての転換点になったのは間違いなさそうだ)
おそらくこれからもルーナの心の傷の修復は、浜辺の波の様に行きつ戻りつすることだろう。
それでも今そのスタートラインに立った彼女に、ソレイユは声援を送りたかった。
「そうか、じゃあ被災したみんなの為にも、沢山瘴気を浄化して貰おうかな」
「はい! 任せて下さいオジサマッ!」
ルーナの顔はキラキラと輝いて見えた。
◇*◇*◇*◇*◇
ここ二ヶ月での瘴気の浄化作業は、ルーナの活躍により飛躍的に捗っていた。
しかし問題が無い訳ではない。領内の農村各地からルーナによる浄化の要望が増え、順番を後に回された村々からは不満の声が続出したのだ。
それはルーナという娘が領内で有名になった証でもある。
噂が噂を呼んで今では農民たちの光明ともいえる希望の存在となっていたのだ。中には聖女だと勘違いする者までいた。
とはいえオリガは領内の広大な土地を浄化していく上で、ルーナの健康管理を厳としたスケジュールを立てている。故に決して無理をさせるつもりはない。
計算ではおよそ二年で領内を汚染している瘴気の浄化が完了する。長丁場ではあるが、魔法士だけでは十数年かかると計算されていた事を思えば夢のような話なのだ。
「ルーナ様ありがとうございます」「ルーナ様は命の恩人です」と、そんな風に行く先々の村で農夫たちから感謝されるようになると、ルーナはかえって居心地の悪さを感じるようになった。
「いえ、私のおかげとか無いですから! 全然無いですからッ」
そんな感じで顔を赤くして逃げ出してしまうのは、感謝される事に慣れていないせいもあるのだろう。
しかし一番の理由はルーナ自身が努力で身に付けた浄化の力ではないだけに、気が引けてしまっていたのだ。
だからと言って浄化の作業が辛い訳ではなく、ルーナは人の役に立てている事を心から喜んでもいた。
だがソレイユだけは、ルーナのこの謎の力を解明出来ずにいる事に不安を覚えていたようだ。
以前に寝不足の頭で考えた伝説にある『恩寵』という可能性も、やはり見過ごせなかった。
そんな伝説は事実であっては欲しくはないが、もし恩寵というものがルーナの父親の勇者殿と同じ類いのものならばと、考えた時の不安が消せない。
(勇者殿が役目を終えたと同時に死に至った様に、ルーナもまたその役目を終える時が来たら──)
ソレイユはその可能性が何よりも恐ろしかったのだ。
それゆえ一度、ルーナの謎の浄化能力について詳しく調べねばならないと思っており、近いうちに王都にある王立図書館と大聖堂へと赴くつもりでいるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
不憫な侯爵令嬢は、王子様に溺愛される。
猫宮乾
恋愛
再婚した父の元、継母に幽閉じみた生活を強いられていたマリーローズ(私)は、父が没した事を契機に、結婚して出ていくように迫られる。皆よりも遅く夜会デビューし、結婚相手を探していると、第一王子のフェンネル殿下が政略結婚の話を持ちかけてくる。他に行く場所もない上、自分の未来を切り開くべく、同意したマリーローズは、その後後宮入りし、正妃になるまでは婚約者として過ごす事に。その内に、フェンネルの優しさに触れ、溺愛され、幸せを見つけていく。※pixivにも掲載しております(あちらで完結済み)。
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
異世界で王城生活~陛下の隣で~
遥
恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。
グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます!
※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。
※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる