駄菓子屋継いだらロリハーレム

樋川カイト

文字の大きさ
13 / 125

第十一話

しおりを挟む
「ふわぁぁ……。暇だ……」

 世間はゴールデンウィーク真っ盛り。

 街は賑わい、観光地は人で溢れかえっていることだろう。

 そんな日に俺は一人、駄菓子屋の居間で寝転がっていた。

 本来なら、連休には駄菓子屋も大忙しだと思うだろう。

 ところがどっこい、人生とはそう上手くはいかない。

 どうやらこの辺りの家庭の両親は家族思いが多いらしい。

 子どもたちは軒並み家族旅行に出かけ、数少ない何処にも行かない子どもたちも、駄菓子屋に毎日は来ない。

 有体に言えば、客が来ないのだ。

 厳密には、ゴールデンウィーク初日の一昨日はまだ良かった。



 だけど昨日は、三人しか客が来なかった。

 しかも、一人は美海ちゃんだから実質二人だ。

 だから我が駄菓子屋は、本日休みを頂くことにしたのだ。

 したの、だが……。

「暇だ……」

 休んだからって、何もやることがない。

 美海ちゃんと遊ぼうにも、美海ちゃんたち家族は旅行中で居ない。

 他に知り合いも居ないし、だから後は寝るくらいしかやる事がないんだ。

「とは言っても、一日中寝てるだけじゃ駄目だよなぁ」

 正直、もう寝るのも飽きてきたところだ。

 ここらで、散歩にでも出るか。

 思い立ったが吉日。

 俺は財布とスマホだけを持って、飛び出すように外へと繰り出した。





 ――

 外に出たところで、別に目的地があった訳ではない。

 当てもなくブラブラと適当に歩いていたら、いつの間にかちょっと遠くまで来すぎてしまったかもしれない。

 街から少し離れた、自然豊かな公園。

 自然豊かなと言っても別にそれを狙っている訳ではなく、ただ単に整備が行き届いてないだけだ。

 まぁ、森の近くだから手入れも大変なんだろう。

 見た所、使っている人もほとんど居なそうだし。

 特に今日なんて、本当に誰も居ないだろう。

 すっかり汚れてしまっている、しばらく使われていないベンチに腰かけて一休みする。

「ふぅ、暑いな」

 五月とは言え、晴天の下を歩いていればそりゃあ暑い。

 途中にあった自販機で買った缶コーヒーを飲みながら、これからどうするかを考えてみる。

 これ以上歩いても、特になにも起きそうにない。

 かと言って、このまま帰ってもそれはそれでつまらない。

 欲を言えば後二時間くらいは、どうにかして時間を潰したいところだ。



 そこでふと、森への入り口を見つける。

 木の陰になって見えにくかったけど、確かにそこは道になっていた。

 遊歩道みたいだけど、いったいどこまで続いているんだろうか?

 一応の整備はされているみたいで、木陰になっているそこはとても涼しそうに見えた。

 ここに行ってみるのも面白そうだ。

 何の準備もしていないけど、これくらいなら軽く行けるだろう。

 駄目そうなら、その時は諦めて引き返せば良いだけだ。

「よし、行くか」

 立ち上がって、近くのゴミ箱に缶を捨てて歩き出す。

 そのまま真っ直ぐ遊歩道を歩いて、俺は森の中に足を踏み入れた。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...