上 下
98 / 118
第四章 三つの世界の謎

1人目の男

しおりを挟む
 沙蘭の言う通り、フェラチオの経験は一度もなかった。
 調教と言いながらも、普段のリオは男の愛撫に身を委ねるだけで、自分から奉仕した事はほとんどない。
「ま、男たちは、皆、君に触れるだけで釘が打てるくらいに固くなっちゃうんだから、本当は必要ないけどね」
 沙蘭は肩を竦めた。
 黒光りするそれを、リオは潤んだ目で、一瞥し、勇気を出して側面を舐めた。
 男は、ぐっと一瞬唇を噛みしめ腰を突き出してくる。
「銜えて」
 沙蘭の声に、リオは両目を瞑って従った。
 日本人とは、微妙に違う、濃い雄の匂いが、口腔に広がる。
「扱いてあげなよ。可哀相に。彼、今にも、君を犯したそうな顔してるよ」
 もうなすがままである。
 目を閉じたまま、リオは首を上下させて、男根に刺激を与えた。
 ただでさえ、口いっぱいのものが、拙い愛撫に、より一層質量を増す。
「おお、いい……」
 黒い肌の男は、感に耐えぬという風に呟き、天井を向いた。もう一人が、リオの性器を口に含む。
  口腔のものは、それ自体が生き物みたいにぴくぴくと動き、リオの身体はますます火照っていった。
 やがて、男は、うめき声と共に腰を引く。そして、燃えるような目でリオを見た。
「君まで、我慢出来なくなっちゃったの? 全くみんな堪え性がないね」
 呆れたような沙蘭の前で、男は、はあはあ、と荒い息をついている。
「おじさん、もう限界なんだって。仕方ない。そろそろ淹れさせてあげる?」
 同じく息を整えているリオに、沙蘭は小首を傾げて尋ねた。
「沙蘭……」
「っていうか、そうしようね。僕が手伝ってあげる」
 そして沙蘭は、椅子から立ち上がり、ベッドに乗った。
「ちょっと君たち、どいてて」
 男たちにそう言うと、少年は、リオを後ろから抱きしめ、体重をかけてベッドヘッドに押しつけた。
「力抜いて、僕にもたれかかって……そして両足を開いてみようか」
 白魚のような手が、後ろから、リオの膝を割る。
「素直だね。お利口さんだ。じゃ、どっちの男からにする?」
 促され、リオは前に立つ、二人の男を交互に見た。
「沙蘭、あのね……」
「嫌なんて言ったら、今すぐ京を紅龍の餌にするよ」
 沙蘭はぴしゃりと言い、さあ、とリオに選択を促す。
 よろよろと、リオは、左側の男を指した。
「せっかく固くしてもらったのに、残念だね。ちょっとだけお預けだ」
 あぶれた、もう一人に沙蘭は軽口を叩く。
 選ばれた男は、ベッドに膝をつき、はしたなく曝け出されたリオの秘部にむかってにじり寄った。
「あ……怖い……怖いよ……ああ……」
 局部を凝視する、男の獣じみた視線と、そして、邦人の軽く倍はあるかと思われる巨大な男根に、リオは思わず弱音を吐いた。
「大丈夫。僕がついてる。リラックスして。優しくゆっくり淹れてもらおうね」
 沙蘭はリオの耳たぶを舐め、優しく恐怖に尖った乳首をいじって慰める。
「この子は僕の宝物だ。壊れないように、優しく、うんと気持よくさせてあげて」
 最高権力者にすごまれて、男は壊れ物を触るかのように繊細な手で、リオの尻たぶをそっと開いた。
「嫌、嫌だ……怖い……」
「大丈夫。彼はとってもうまいから。うんとうんと気持よくさせてもらえるよ。ねえ、だからもっと大きく足を開いて、君の可愛い部分を曝け出して」
 乳首を押しつぶすようにして、沙蘭は言った。蕾に、固いものが押し当てられる。何度か、先端を入り口につけて、角度を探った後、男はぐいと両手でリオの腰を引き寄せた。
「ああっ……!」
 次いで、巨大な男根が、めりめりと内部に入ってくる。
「ああっ、ああ、やめて……いやっ」
 あまりの大きさと、硬さに、リオは本気の悲鳴を上げた。
「力抜いて……もっと、彼に身体を預けるんだ」
 沙蘭の助言も、もう聞こえない。すっかり腰の引けたリオを、男は強引に引き寄せ、より深く身体を繋いだ。
「やっ……ああん……っ」
 男のものは、まるで、火で出来ているみたいに熱くて、リオの内部は悲鳴をあげた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

飯がうまそうなミステリ

エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

桜の君はドSでした

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:15

さよならイクサ

現代文学 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

愛され奴隷の幸福論

BL / 連載中 24h.ポイント:965pt お気に入り:1,993

【異端ノ魔導師と血ノ奴隷】

BL / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:48

極道の密にされる健気少年

BL / 連載中 24h.ポイント:1,860pt お気に入り:1,725

処理中です...