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第四章 三つの世界の謎
告白
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キングサイズのベッドにリオを横たえ、京は壊れ物を扱うようにゆっくりと上着のボタンを外した。
鍛えられた裸の上半身から、雄の匂いが迫ってくる。大きな掌が、少年の平らな胸を包み込むようにして、優しく撫でた。
「やっぱり……待って……」
リオは身を捩り、訴えた。
「待てねえよ。いい加減、諦めろって」
京は、リオの小さな耳たぶを齧り、片手を背中に回して浮かせ、上着を剥いだ。そしてズボンに手をかける。恥ずかしい。見られる事だけじゃなくて、京の至近距離にいる事自体が恥ずかしい。京の胸が、自分のそれにぴったりと合わさる。合意の上で抱かれるのは、初めてだった。こんな時、どんな風に振る舞えばいいのか、さっぱりわからない。太股の真ん中まで、押し下げられていく。
「好きだぜ」
長い舌が白い項を痛いほどに吸い上げた。
「あっ……」
反射的に逃れようとするが、男はそれを許さない。
リオの手首を片方の手でそっと握り、体重をかけて拘束し、京はまた場所をかえて吸い上げた。
首筋に、桃色の鬱血が散る。
「京ちゃん……」
リオの目尻に涙が浮かんだ。
「苛めてんじゃねえよ。可愛がってんだ。わかってるだろ?」
言いながら、京は膝を使って、ズボンを足首まで押し下げた。片足ずつ持ち上げられるだけで、木綿の衣服は、簡単に足首から離れていく。
「愛してる。リオ」
京は、組み敷かれ、震えている少年に、もう一度、伝えた。
「どんな事になっても、何が起きても、俺が、お前を誰よりも好きだって事、いつまでも覚えといてくれないか」
「京ちゃん……?」
そろそろと、リオは上を向いた。切れ長の目がリオを見ている。リオの好きな、整った、時にからかうように細められる、優しい目。
「これが最後かもしれないんだ。素直になれよ」
一星の言葉が蘇る。
何か予言するかのような意味深な言葉と、そして、京の真剣な眼差しに、突然不安がこみ上げて、リオはこくりと息を吸い込んだ。今、ちゃんと向き合ってなければ、もしかしたら後悔する羽目になるかもしれない。そんなのは嫌だ。
「俺、京ちゃんの事なんて、すぐ忘れちゃうもん……。馬鹿だから」
上目遣いで見つめながら、リオは言った。男に、一瞬傷ついたような表情がよぎる。リオはせわしなく続けた。
「だから、忘れないように見張ってて。ずっと捕まえてて。逃げないように……ねえ、ずっと……」
「リオ」
男の両目が、まるで、びっくり箱を開けた子供みたいに大きく見開かれる。
「お前、それって……」
「もう……急にいなくならないで」
つかえながら伝えるリオを、京は、耐えきれぬような仕草でかきい抱く。少年も、広い背中に両手を回して抱擁に答えた。
「俺が、好きか?」
吐息みたいにかすれた声で、男は尋ね、
「大好き」
男らしい首筋に顔を埋めたまま、リオは答えた。
「俺と……同じ意味で?」
何故だか拗ねたような声で重ねられ、リオはこくりと頷く。
「まじで……か?」
京は俯いたまま嘆息し、そして、リオを抱きしめたまま、激しい雄叫びを上げた。
「やった! やったぜ!」
「京ちゃん……、痛いっ」
骨が折れるかと思うほどにきつく抱きしめられ、リオは悲鳴を上げる。
「本当に、本当か? 俺の事、ちゃんと男として好きなのか?」
「好きだって……ねえ、京ちゃん、ちょっと離して」
「やべえくらい、嬉しい……俺、もうマジで死んでもいいよ」
京は、リオの小さな顔に、何度も何度も唾液でべとべとになるほどキスをした。
「京ちゃん……」
息が苦しくて、咎めるように、男を睨む。だけど、もう京は、いつもの京に戻っていて、優しく、そして愛しげに、リオを見下ろしていた。
そんな目で見るなんて、反則だ。
重ねられる唇を、リオは舌を出して出迎えた。
「我慢できねえ……。淹れてもいいか……?」
疑問系だけど、もう京の手は、太股を大きく広げている。まだ怖い。でも、びびってるだけじゃ、前に進めない。リオは頷き、目を閉じた。
鍛えられた裸の上半身から、雄の匂いが迫ってくる。大きな掌が、少年の平らな胸を包み込むようにして、優しく撫でた。
「やっぱり……待って……」
リオは身を捩り、訴えた。
「待てねえよ。いい加減、諦めろって」
京は、リオの小さな耳たぶを齧り、片手を背中に回して浮かせ、上着を剥いだ。そしてズボンに手をかける。恥ずかしい。見られる事だけじゃなくて、京の至近距離にいる事自体が恥ずかしい。京の胸が、自分のそれにぴったりと合わさる。合意の上で抱かれるのは、初めてだった。こんな時、どんな風に振る舞えばいいのか、さっぱりわからない。太股の真ん中まで、押し下げられていく。
「好きだぜ」
長い舌が白い項を痛いほどに吸い上げた。
「あっ……」
反射的に逃れようとするが、男はそれを許さない。
リオの手首を片方の手でそっと握り、体重をかけて拘束し、京はまた場所をかえて吸い上げた。
首筋に、桃色の鬱血が散る。
「京ちゃん……」
リオの目尻に涙が浮かんだ。
「苛めてんじゃねえよ。可愛がってんだ。わかってるだろ?」
言いながら、京は膝を使って、ズボンを足首まで押し下げた。片足ずつ持ち上げられるだけで、木綿の衣服は、簡単に足首から離れていく。
「愛してる。リオ」
京は、組み敷かれ、震えている少年に、もう一度、伝えた。
「どんな事になっても、何が起きても、俺が、お前を誰よりも好きだって事、いつまでも覚えといてくれないか」
「京ちゃん……?」
そろそろと、リオは上を向いた。切れ長の目がリオを見ている。リオの好きな、整った、時にからかうように細められる、優しい目。
「これが最後かもしれないんだ。素直になれよ」
一星の言葉が蘇る。
何か予言するかのような意味深な言葉と、そして、京の真剣な眼差しに、突然不安がこみ上げて、リオはこくりと息を吸い込んだ。今、ちゃんと向き合ってなければ、もしかしたら後悔する羽目になるかもしれない。そんなのは嫌だ。
「俺、京ちゃんの事なんて、すぐ忘れちゃうもん……。馬鹿だから」
上目遣いで見つめながら、リオは言った。男に、一瞬傷ついたような表情がよぎる。リオはせわしなく続けた。
「だから、忘れないように見張ってて。ずっと捕まえてて。逃げないように……ねえ、ずっと……」
「リオ」
男の両目が、まるで、びっくり箱を開けた子供みたいに大きく見開かれる。
「お前、それって……」
「もう……急にいなくならないで」
つかえながら伝えるリオを、京は、耐えきれぬような仕草でかきい抱く。少年も、広い背中に両手を回して抱擁に答えた。
「俺が、好きか?」
吐息みたいにかすれた声で、男は尋ね、
「大好き」
男らしい首筋に顔を埋めたまま、リオは答えた。
「俺と……同じ意味で?」
何故だか拗ねたような声で重ねられ、リオはこくりと頷く。
「まじで……か?」
京は俯いたまま嘆息し、そして、リオを抱きしめたまま、激しい雄叫びを上げた。
「やった! やったぜ!」
「京ちゃん……、痛いっ」
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