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2 近江花音は小学生
1.カラフルな灰色(1)
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*****
月曜日はピアノ。
火曜日はお習字。
水曜日はバレエ。
木曜日は声楽。
金曜日は英会話。
土曜日はお茶とお花。
日曜日はバレエ。
これが私の1週間の習いごと。
近江花音、12歳。
毎日が習いごとであふれてます。
*****
「花音ちゃんも一緒に行こうよ!」
キラキラとした笑顔で誘ってくれる白木萌果(しらきもえか)ちゃん。
そんな彼女の様子に、私は言葉を詰まらせる。
「うん」って、「一緒に行く」って、そう言いたい。
でも、言えない。
「ダメだよ。花音ちゃん、習いごとがあるもん」
私が答えるよりも先にそう言った、常盤麗(ときわうらら)ちゃん。
「そっか。そうだったね」
少し残念そう顔をする萌果ちゃんだけど、すぐにいつものキラキラした笑顔を麗ちゃんに見せる。
「じゃあ、2人で行こうか!」
「うん!」
2人のそんな姿を、私は今まで何度も見てきた。
麗ちゃんは、幼等部のときから一緒の私の1番の仲良し。
萌果ちゃんとが5年生のときに同じクラスになって、一緒にいるようになった。
6年生になった今、私の1番の仲良しは麗ちゃんと萌果ちゃんの2人。
だけど、それは学園の中だけ。
学園を出れば、私には習いごとがあって、麗ちゃんや萌果ちゃんと一緒に遊びには行けない。
私は、麗ちゃんと萌果ちゃんが放課後、どうやって過ごしているのかを知らない。
それは少し寂しいけど、仕方のないことだってわかってる。
だって、ピアノもお習字もバレエも声楽も英会話もお茶もお花も休めないもん……。
毎日、あるんだもん……。
「花音ちゃーん! お迎え来てるよー!」
窓の外を見ていた長谷川リオ(はせがわりお)ちゃんが教えてくれた。
窓の外を見ると見慣れた白いスポーツカーが停まっているのが見えた。
いつもの光景。
「ばいばい、花音ちゃん!」
私がカバンを背負ったのを見て、萌果ちゃんが言った。
「またね」
続く麗ちゃんの言葉に、私が返す言葉はたった1つだけ。
「さようなら」
月曜日はピアノ。
火曜日はお習字。
水曜日はバレエ。
木曜日は声楽。
金曜日は英会話。
土曜日はお茶とお花。
日曜日はバレエ。
これが私の1週間の習いごと。
近江花音、12歳。
毎日が習いごとであふれてます。
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「花音ちゃんも一緒に行こうよ!」
キラキラとした笑顔で誘ってくれる白木萌果(しらきもえか)ちゃん。
そんな彼女の様子に、私は言葉を詰まらせる。
「うん」って、「一緒に行く」って、そう言いたい。
でも、言えない。
「ダメだよ。花音ちゃん、習いごとがあるもん」
私が答えるよりも先にそう言った、常盤麗(ときわうらら)ちゃん。
「そっか。そうだったね」
少し残念そう顔をする萌果ちゃんだけど、すぐにいつものキラキラした笑顔を麗ちゃんに見せる。
「じゃあ、2人で行こうか!」
「うん!」
2人のそんな姿を、私は今まで何度も見てきた。
麗ちゃんは、幼等部のときから一緒の私の1番の仲良し。
萌果ちゃんとが5年生のときに同じクラスになって、一緒にいるようになった。
6年生になった今、私の1番の仲良しは麗ちゃんと萌果ちゃんの2人。
だけど、それは学園の中だけ。
学園を出れば、私には習いごとがあって、麗ちゃんや萌果ちゃんと一緒に遊びには行けない。
私は、麗ちゃんと萌果ちゃんが放課後、どうやって過ごしているのかを知らない。
それは少し寂しいけど、仕方のないことだってわかってる。
だって、ピアノもお習字もバレエも声楽も英会話もお茶もお花も休めないもん……。
毎日、あるんだもん……。
「花音ちゃーん! お迎え来てるよー!」
窓の外を見ていた長谷川リオ(はせがわりお)ちゃんが教えてくれた。
窓の外を見ると見慣れた白いスポーツカーが停まっているのが見えた。
いつもの光景。
「ばいばい、花音ちゃん!」
私がカバンを背負ったのを見て、萌果ちゃんが言った。
「またね」
続く麗ちゃんの言葉に、私が返す言葉はたった1つだけ。
「さようなら」
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