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2 近江花音は小学生
4.ママの色(1)
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*****
学校に行くときは、学校の制服を着る。
家ではママが用意した部屋着。
お休みの日も、ママが用意してくれたお洋服を着る。
ピンクでフリフリ、フワフワ、ヒラヒラ。
私の色は、ママの色。
*****
「あら、そうですか……」
ママが電話をしている。
相手はお習字の先生。
夕食を終えた、8月7日の夜、先生から電話がかかってきた。
「お大事になさってください。失礼します」
電話を切ったママを見る。
「何だって?」
そう聞くのはパパ。
「花音ちゃんのお習字の先生、風邪を引いたらしくて。だから花音ちゃん、明日のお習字はお休みね」
「嬉しい……」なんて思ってしまったと知ったら、先生はきっと泣いてしまう。
でも、久し振りに習いごとに行かなくてもいい日なんだ。
夏休みに入ってからも、私の習いごとは続いている。
全部、休みなく。
終業式の日の、英会話教室のグループレッスンも毎週金曜日に、個人レッスンの前に通っている。
あの日、「お手本を」と言ったMs.エヴァンスの言葉に、日本語でスピーチしたことを咎められた。
「あなたなら、英語でスピーチできたでしょう? どうして日本語でスピーチしたの?」って。
そんなグループレッスンも、あと1回で終わり。
夏休みが、もうすぐ終わる。
「花音ちゃん、明日はお買い物に行きましょう。新しいお洋服とか、発表会で着るお洋服を揃えましょう」
「うん」
学校に行くときは、学校の制服を着る。
家ではママが用意した部屋着。
お休みの日も、ママが用意してくれたお洋服を着る。
ピンクでフリフリ、フワフワ、ヒラヒラ。
私の色は、ママの色。
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「あら、そうですか……」
ママが電話をしている。
相手はお習字の先生。
夕食を終えた、8月7日の夜、先生から電話がかかってきた。
「お大事になさってください。失礼します」
電話を切ったママを見る。
「何だって?」
そう聞くのはパパ。
「花音ちゃんのお習字の先生、風邪を引いたらしくて。だから花音ちゃん、明日のお習字はお休みね」
「嬉しい……」なんて思ってしまったと知ったら、先生はきっと泣いてしまう。
でも、久し振りに習いごとに行かなくてもいい日なんだ。
夏休みに入ってからも、私の習いごとは続いている。
全部、休みなく。
終業式の日の、英会話教室のグループレッスンも毎週金曜日に、個人レッスンの前に通っている。
あの日、「お手本を」と言ったMs.エヴァンスの言葉に、日本語でスピーチしたことを咎められた。
「あなたなら、英語でスピーチできたでしょう? どうして日本語でスピーチしたの?」って。
そんなグループレッスンも、あと1回で終わり。
夏休みが、もうすぐ終わる。
「花音ちゃん、明日はお買い物に行きましょう。新しいお洋服とか、発表会で着るお洋服を揃えましょう」
「うん」
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