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2 近江花音は小学生

4.ママの色(1)

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 学校に行くときは、学校の制服を着る。

 家ではママが用意した部屋着。

 お休みの日も、ママが用意してくれたお洋服を着る。

 ピンクでフリフリ、フワフワ、ヒラヒラ。

 私の色は、ママの色。

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「あら、そうですか……」

 ママが電話をしている。

 相手はお習字の先生。

 夕食を終えた、8月7日の夜、先生から電話がかかってきた。

「お大事になさってください。失礼します」

 電話を切ったママを見る。

「何だって?」

 そう聞くのはパパ。

「花音ちゃんのお習字の先生、風邪を引いたらしくて。だから花音ちゃん、明日のお習字はお休みね」

 「嬉しい……」なんて思ってしまったと知ったら、先生はきっと泣いてしまう。

 でも、久し振りに習いごとに行かなくてもいい日なんだ。

 夏休みに入ってからも、私の習いごとは続いている。

 全部、休みなく。

 終業式の日の、英会話教室のグループレッスンも毎週金曜日に、個人レッスンの前に通っている。

 あの日、「お手本を」と言ったMs.エヴァンスの言葉に、日本語でスピーチしたことを咎められた。

 「あなたなら、英語でスピーチできたでしょう? どうして日本語でスピーチしたの?」って。

 そんなグループレッスンも、あと1回で終わり。

 夏休みが、もうすぐ終わる。

「花音ちゃん、明日はお買い物に行きましょう。新しいお洋服とか、発表会で着るお洋服を揃えましょう」

「うん」
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