【完結】AnimaRoom

桐生千種

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ミヨちゃんは居候

6.衝撃!! メェ子さんの秘密

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 探さんの家には、イヌのケン君、ネコのニィ君、ウサギのウサニさん、そして唯一の紅一点ヒツジのメェ子さんがいる。

 ふわふわのロングヘア―にスレンダーなスタイル。

 頭のところにクルンと出ているツノがとってもキュートなお姉さん。

 でも、メェ子さんにはなにか秘密があるようで……。

「ねぇ、見て見て。可愛いでしょう?」

 クルンなツノに赤いリボンをつけたメェ子さん。

「変」

 と、ケン君。

「なんですって!?」

 クワッとメェ子さんの顏が怖くなる。

 ニィ君がリボンにじゃれつく。

「じゃれるんじゃないわよ!!」

 ウサニさんに至っては……。

「ミヨちゃん、撫でてー」

 まったくの、興味なし。

 見向きもしない。

「め、メェ子さん……」

「なによ!?」

 ギラリと光るメェ子さんの目が、なんか怖い……。

「か、可愛いと、思います……」

 本当に。

 今は怖い顔をしてるけど、メェ子さんはオシャレさんだし、センスもあるから。

「あらー! そうー?」

 キラキラした笑顔になるメェ子さん。

「やっぱり女の子にはわかるのねー!」

 ルンルンと、鏡の前で1回転。

「それに比べてまったく、男どもときたら」

 文句を言いつつ、リボンをツイツイとつまんで調整。

「そうだ! リボンに合わせてスカートも替えようかしら!」

 言うが早いか、すぐさま部屋に向かうメェ子さん。

 ……と思ったらすぐ戻って来た。

「いい? あたし、これから着替えるんだから絶対覗かないでよ」

「覗かねぇよ」

 メェ子さんの言葉に、ニィ君が答えた。

「あんたじゃないわよ!!」

 クワッと再び怖くなるメェ子さんの顏。

 そして……。

「え、私?」

 メェ子さんはなぜか私を警戒していた。

 メェ子さんは着替えのたびに、「着替えるから覗かないで」と言ってくる。

 他人に着替えを覗かれるのがイヤなのかな。

 女の子としてその心境はわからなくもない、けど……。

 メェ子さんが、着替えに行ったきり帰って来ない。

 もうお昼なんだけど……。

 覗くなって言われてるし……。

 行かない方が……。

 でも、もし慣れない人間の身体で、動けなくなっていたり、助けを求めていたり……!!

 呼びに行こう。

 コンコンコンコン――

「メェ子さーん? お昼ですよー?」

 呼びかけても返事がない。

 これはいよいよ、メェ子さんのピンチ!?

「メェ子さん!? 入りますよ!?」

 ガチャリ――

 扉を開けた。

 ・・・・・・。

 ガチャン――

 閉めた。

 ・・・・・・。

「もう! 覗かないでって、言ったじゃないのよ!」

 メェ子さんはご立腹。

 だって、メェ子さんだし。

 名前、メェ子さんだし。

 美人さんだし。

 オシャレさんだし。

 女の子だって、思うじゃない。

 まさか、男の子だなんて、思わないじゃないっ!!

 こんなに美人さんなのに……。

「ミヨー! 散歩行こー! 散歩!」

 ケン君がリードを持って駆け寄って来た。

「は? コイツは今から俺と昼寝するんだよ」

 ニィ君に肩を寄せられる。

「ダメ! ミヨちゃんは、僕と一緒にいるの! ね、ミヨちゃん。撫でてー」

 ウサニさんが抱き付いてくる。

「ダメよ」

 グイッと、引き寄せられたのは、メェ子さん(男の子)の腕の中。

「今日はあたしに付き合ってもらうんだから」

 メェ子さんの顔がすぐ真横にあって、緊張するっ。

 こんなに美人さんなのに、男の子……。

「あ、いたいた、ミヨちゃん」

 探さんが現れて、みんなからはブーイングの嵐。

「散歩は!?」

「あとで連れて行くよ」

「俺の枕!!」

「枕ならあるだろう」

「ミヨちゃんー」

「ぬいぐるみがあるだろう」

「ファッションショー」

「いつも1人でしてるだろう」

 お母さん、これから始まる新生活なんだかとても、賑やかになりそうです。
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